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サブリース

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サブリースえい: sublease)とは、転貸てんたい又貸またがし)のこと。不動産ふどうさん賃貸ちんたいにおいては転貸てんたい目的もくてきとした一括いっかつじょう(いっかつかりあげ)のことをサブリースとうことがおお[1]。2010年代ねんだい前半ぜんはんから、ローンの不正ふせい契約けいやく訴訟そしょうなどが発生はっせい社会しゃかい問題もんだいとなっていて[1]国土こくど交通省こうつうしょう消費しょうひしゃちょう金融きんゆうちょう注意ちゅうい喚起かんきおこなっている[2][3]

概要がいよう

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サブリースとは物件ぶっけん一括いっかつ賃借ちんしゃくし(マスターリースともいう)、それを分割ぶんかつまたはそのままの規模きぼ第三者だいさんしゃ転貸てんたいする事業じぎょう形態けいたいである。物件ぶっけん所有しょゆうしゃ運用うんようノウハウ、運用うんよう体制たいせいをもたない場合ばあいなどに、サブリース会社かいしゃ費用ひよう支払しはらって運営うんえい代行だいこう委託いたくし、サブリース会社かいしゃ自社じしゃつノウハウ、人員じんいんもちいて物件ぶっけん円滑えんかつ運営うんえいする。長期ちょうきてき家主やぬし利益りえき保証ほしょうする契約けいやくではないため十分じゅうぶん注意ちゅうい必要ひつようである。また、定期ていき借家しゃくや契約けいやくではなく普通ふつう借家しゃくや契約けいやく選択せんたくすると借地しゃくち借家しゃくやほうによりサブリース会社かいしゃよりもオーナーのほう立場たちばよわ契約けいやくになることにも注意ちゅうい必要ひつようである。サブリース会社かいしゃつよちからあたえられているということは、利益りえきはオーナーからサブリース会社かいしゃわたってしまうことを意味いみする。

一括いっかつじょう

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一括いっかつうえとは、不動産ふどうさん会社かいしゃ大家たいかオーナー)から土地とち建物たてもの付帯ふたい施設しせつをサブリースでげ、運営うんえい管理かんり一気いっきける賃貸ちんたいシステムである。住居じゅうきょけい不動産ふどうさん事業じぎょうけい不動産ふどうさんそれぞれ特色とくしょくがあるが、ここではおも住居じゅうきょけい不動産ふどうさんのサブリースについてべる。

オーナーが賃貸ちんたい物件ぶっけんいとな場合ばあい収益しゅうえき入居にゅうきょしている部屋へやぶん家賃やちんしかはいらないため、物件ぶっけんおおかったり家賃やちん滞納たいのうおおいと経営けいえいがおぼつかなくなってしまう。また、賃借ちんしゃくじんたいしてのトラブルや対応たいおうなどもおこなわなければならず、管理かんりめんについてもわずらわしさがつく。一方いっぽう不動産ふどうさん会社かいしゃ独自どくじ賃貸ちんたい物件ぶっけんてる場合ばあい土地とち購入こうにゅうしたうえ物件ぶっけんてなければならないため土地とち購入こうにゅう建物たてもの建設けんせつ資産しさんぜいなどの税金ぜいきんなど多額たがく費用ひようがかかる。そこで、オーナーが不動産ふどうさん会社かいしゃ土地とち建物たてものなどをたくして管理かんりおこなってもらうとともに、不動産ふどうさん会社かいしゃから一定いってい保証ほしょうきん賃料ちんりょうの 80% - 90% 程度ていど)をるという仕組しくみが出来上できあがった。つまり、オーナーには後述こうじゅつのようなメリットがあり、不動産ふどうさん会社かいしゃ土地とち購入こうにゅう建物たてもの建設けんせつなどの負担ふたん軽減けいげんされるわけである。

大手おおて不動産ふどうさん会社かいしゃのほとんどが、このシステムを導入どうにゅうしている。

オーナーにおけるメリット

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  • 不動産ふどうさん会社かいしゃ一括いっかつ管理かんりしてくれるため、知識ちしきがなくとも賃貸ちんたい物件ぶっけんてることができる。
  • 賃借ちんしゃくじんたいしての対応たいおうすべ不動産ふどうさん会社かいしゃおこなうため、オーナーが対応たいおうしなくてもよい。
  • 空室くうしつがあっても空室くうしつぶん保証ほしょうされ、オーナーに支払しはらわれる。
  • 賃借ちんしゃくじん原状げんじょう回復かいふく不動産ふどうさん会社かいしゃまたは提携ていけい管轄かんかつする管理かんり会社かいしゃがわ責任せきにんつ。

問題もんだいてん

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不適切ふてきせつ勧誘かんゆう

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賃料ちんりょう長期間ちょうきかん一定いっていではないにもかかわらず、すうじゅうねん一定いってい賃料ちんりょう保証ほしょうするかのように勧誘かんゆうされている場合ばあい多々たたある[1]不動産ふどうさん投資とうし知識ちしきすくない20〜30だいたいして、「年収ねんしゅう250まんえんだいから大家たいかになれる」「元手もとで保証ほしょうきん不要ふよう」などのメリットを強調きょうちょうした勧誘かんゆうおこない、投資とうし物件ぶっけんには使つかえないフラット35契約けいやくさせるなど不正ふせい契約けいやく加担かたんさせる事例じれい報告ほうこくされている[1]

借地しゃくち借家しゃくやほうによりオーナーの都合つごう解約かいやくができない問題もんだい

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普通ふつう借家しゃくや契約けいやくでは、借地しゃくち借家しゃくやほうだい28じょうにより、大家たいか都合つごうでは正当せいとう事由じゆうがないかぎり、賃貸借ちんたいしゃく契約けいやく終了しゅうりょうできない。2ねん更新こうしんとなっていても、更新こうしんつづけないといけない。しかも、だい30じょうで、契約けいやくしょ契約けいやく終了しゅうりょうさせるような特約とくやくけることも禁止きんしされている。本来ほんらいは、普通ふつう居住きょじゅうしているもの想定そうていした条文じょうぶんであるが、裁判さいばん判例はんれいでは、サブリース会社かいしゃがわにも適用てきようされる[4]。つまり、大家たいかはサブリース会社かいしゃしているが、大家たいか都合つごうではサブリース契約けいやく解除かいじょできない。ぎゃくにサブリース会社かいしゃ都合つごうであれば解約かいやくできる。

解除かいじょ不可能ふかのうなサブリース契約けいやくいている状況じょうきょうでは、その不動産ふどうさん自体じたい売却ばいきゃくすることもむずかしくなるため、大家たいか不動産ふどうさん売却ばいきゃくすることもむずかしくなる。そして、大家たいか法律ほうりつ判例はんれいたいして無知むちなことを使つかって、サブリース会社かいしゃ意図いとてき解除かいじょ困難こんなんなサブリース契約けいやくむすばせている場合ばあいがある。

サブリース会社かいしゃとの契約けいやく定期ていき借家しゃくや契約けいやくだい38じょう)である場合ばあいは、さだめられた期間きかん契約けいやく終了しゅうりょうするので、すくなくともそのタイミングで大家たいか契約けいやく終了しゅうりょうさせる(つまりさい契約けいやくしない)ことができる。

  • サブリース会社かいしゃ借地しゃくち借家しゃくやほうによる保護ほごける(だい28じょう)。
  • 借地しゃくち借家しゃくやほう強行きょうこう法規ほうきせいだい30じょう)により賃料ちんりょう減額げんがく請求せいきゅう排除はいじょする契約けいやく無効むこうである。すなわち法的ほうてきには「家賃やちん35ねん保証ほしょう」や「契約けいやく10ねん更新こうしん」などの契約けいやくをサブリース会社かいしゃ基本きほんてきまも必要ひつようはなくいつでも減額げんがく請求せいきゅうおこなことができる。
  • 訴訟そしょうになっているケースでは「家賃やちん35ねん保証ほしょう契約けいやく10ねん更新こうしん」であったが建築けんちくからすうねん家賃やちん減額げんがくされた事例じれい存在そんざいする。
  • オーナーが賃料ちんりょう減額げんがくおうじない場合ばあいにサブリース会社かいしゃから契約けいやく解除かいじょせまられることがある。
  • 借地しゃくち借家しゃくやほうにより家主やぬしからサブリース契約けいやく解除かいじょすることは困難こんなんであるが、サブリース会社かいしゃから契約けいやく解除かいじょすることは比較的ひかくてきたやすい。
  • 家主やぬしがわから契約けいやく中途ちゅうと解約かいやくすると高額こうがく違約いやくきん請求せいきゅうされる場合ばあいがある。
  • サブリース会社かいしゃ家主やぬしあいだ宅建業法たっけんぎょうほう適用てきようされない。
  • サブリース契約けいやく解除かいじょする場合ばあいはローンを全額ぜんがくえねばならない場合ばあいがある。
  • サブリースの条件じょうけんとしてサブリース会社かいしゃ指定していした建物たてもの指定していした業者ぎょうしゃ建設けんせつしなければならない場合ばあいがほとんどである。
  • サブリース会社かいしゃ関連かんれん会社かいしゃ建設けんせつする場合ばあい、サブリース会社かいしゃはオーナーからの支払しはらわれる建設けんせつとサブリース会社かいしゃ建築けんちく会社かいしゃ支払しはら建設けんせつ差額さがくもうけるため、出来できかぎやす建物たてものつくらせオーナーに出来できかぎたか場合ばあいがある。
  • サブリース会社かいしゃ関連かんれん会社かいしゃ建設けんせつしない場合ばあい、サブリース会社かいしゃ建築けんちく会社かいしゃ建築けんちくすうじゅう%をコンサルタントりょうとして支払しはらっている場合ばあいがある。
  • 大手おおてサブリース会社かいしゃも「一括いっかつ借上かりあ方式ほうしき」の管理かんりでは利益りえきをあまりげておらず利益りえきの80%は建物たてもの建築けんちくかせいでいる(上場じょうじょう会社かいしゃのセグメント情報じょうほう)。このためサブリースをおこなって長期ちょうきてき利益りえき確保かくほするのではなく、家賃やちん保証ほしょうをセールストークに建物たてものてさせることが目的もくてきとなっている。
  • 転借てんしゃくじん人口じんこう減少げんしょう大都市だいとしへの移転いてんなどで急速きゅうそく空室くうしつ家賃やちん相場そうば下落げらくきた場合ばあいけるためすうねんごと見直みなお条項じょうこうれており、ちょう長期ちょうき家賃やちん保証ほしょうける体制たいせいをとっている。
  • 家賃やちん保証ほしょう場合ばあいは、実家じっかちん実際じっさい入居にゅうきょしゃ支払しはら家賃やちん)と転貸てんたい家賃やちん(オーナーから一括いっかつ借上かりあげる家賃やちん)の差額さがく保証ほしょうりょう)は10〜20%であるが、転貸てんたい開始かいしすうねん家賃やちんげるケースが発生はっせいしている。このためオーナーと借上かりあ会社かいしゃとの見直みなおしでトラブルが多発たはつしているがオーナーがわ譲歩じょうほせざるをない場合ばあいおおい。
  • 不動産ふどうさん会社かいしゃなかでは「家賃やちん30ねん保証ほしょう」など賃料ちんりょう長期ちょうきにわたり固定こていされるとうたわれている場合ばあいがあるが、周辺しゅうへん環境かんきょう経済けいざい環境かんきょう変化へんかなどを理由りゆうとして不動産ふどうさん会社かいしゃ、オーナー双方そうほう賃料ちんりょう減額げんがく増額ぞうがく要求ようきゅうすることができる(借地しゃくち借家しゃくやほう32じょう1こうさだめられており、最高裁さいこうさい判例はんれい[5]でもしめされているものの、現実げんじつてきには値上ねあげ、値下ねさげともによほどだい規模きぼ物件ぶっけんでないかぎ裁判さいばん費用ひようたい効果こうか考慮こうりょすると双方そうほうにメリットがく、貸主かしぬし借主かりぬし協議きょうぎうえきとなるケースもおおい)。

相場そうばよりも割高わりだか問題もんだい

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  • サブリースようてられた物件ぶっけん建築けんちく費用ひよう相場そうばよりも非常ひじょう割高わりだかであり、オーナーが不動産ふどうさん手放てばなとき購入こうにゅう価格かかく売却ばいきゃく価格かかくおおきな損失そんしつがでる場合ばあいがある。
  • 建物たてもの管理かんり修繕しゅうぜんなどについてサブリース会社かいしゃ指定していした割高わりだか業者ぎょうしゃ仕様しようとなる場合ばあいがある。
  • 修繕しゅうぜん賃料ちんりょうからかれているのに当初とうしょ契約けいやくした修繕しゅうぜんサービスがまもられていない場合ばあいがある。
  • 敷金しききん礼金れいきん更新こうしんりょう修繕しゅうぜんなどを家主やぬしれない場合ばあいがある。
  • 不動産ふどうさん会社かいしゃ住居じゅうきょ需要じゅようがなくマンション経営けいえいりたない場所ばしょにまで営業えいぎょうおこなっている[6]

その

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  • 転借てんしゃくじん審査しんさ不動産ふどうさん会社かいしゃおこなうため、外国がいこくじんなど生活せいかつ習慣しゅうかんちが賃借ちんしゃくじん入居にゅうきょすると地域ちいき住民じゅうみんとトラブルとなる場合ばあいがある。
  • 長期ちょうき一括いっかつ借上かりあ方式ほうしき」のアパート専業せんぎょう会社かいしゃおおきい利益りえきげたため、のハウスメーカーや建設けんせつ会社かいしゃなどが一斉いっせいにこれに参入さんにゅう人口じんこう減少げんしょうなかでアパートの乱立らんりつ既存きそんのアパートの空室くうしつりつ年々ねんねんたかくなり地方ちほう物件ぶっけん空室くうしつ50%以上いじょうめずらしくない[6]
  • 建物たてもの竣工しゅんこうしてわたされた当初とうしょの2 - 3かげつあいだ家賃やちん収入しゅうにゅう不安定ふあんていであることから募集ぼしゅう期間きかんとされ、この期間きかんないはオーナーにたいして保証ほしょう賃料ちんりょう支払しはらわれない(免責めんせき期間きかん場合ばあいがある。
  • オーナーがわから中途ちゅうと解約かいやくするとぜんしつ空室くうしつにして契約けいやく解除かいじょおこなわれる場合ばあいがある。これはサブリース会社かいしゃ最終さいしゅうてき個人こじん情報じょうほうっているがオーナーはらないためである。
  • サブリース会社かいしゃ破綻はたんした場合ばあい契約けいやく反故ほごになる。
  • サービス高齢こうれいしゃ住宅じゅうたくなど介護かいご施設しせつにおいてもサブリースがえている。破綻はたんしたサブリース会社かいしゃもあり、その場合ばあい通常つうじょう賃貸ちんたい物件ぶっけんよりも深刻しんこく問題もんだいこしている。
  • サブリース会社かいしゃ一度いちどサブリース契約けいやくをしたオーナーが利益りえきているうちにリピート営業えいぎょう重点的じゅうてんてきっており、結果けっかとしてオーナーは限界げんかいまで借金しゃっきんをして複数ふくすうのサブリース物件ぶっけんれい存在そんざいする。将来しょうらい家賃やちん減額げんがくされると多大ただい影響えいきょうがでることとなる。
  • 建築けんちく賃料ちんりょう減額げんがくれた結果けっか維持いじ・ローンがはらいきれず最終さいしゅうてき土地とち建物たてもの手放てばな事例じれいてきている。事例じれいのなかには資産しさんすべ処分しょぶんしたが借金しゃっきんだけがのこっているれい存在そんざいしている。
  • 資産しさんすべ処分しょぶんしても借入金かりいれきんかえせなくなった場合ばあい保証人ほしょうにん債務さいむ返済へんさいせまられるが、高齢こうれいしゃおや相続そうぞくぜい対策たいさくとしてっており保証人ほしょうにんである多大ただい借金しゃっきん返済へんさいせまられることがある。
  • 商業しょうぎょう施設しせつ不動産ふどうさん会社かいしゃり、サブリース物件ぶっけんとして家賃やちんを3わりし、契約けいやく期間きかんは8ねん、ただし2ねんごとに礼金れいきん家賃やちん2ヶ月かげつぶんはらうこと(更新こうしんではないから更新こうしんりょうではない)敷金しききんほか解約かいやくには8ヶ月かげつぶん家賃やちんはらうこと、などサブリース事業じぎょうしゃによる自己じこ都合つごうぬしける契約けいやく多発たはつしており、事業じぎょうおこなぬし利益りえきがなく、すぐに撤退てったい·廃業はいぎょうする原因げんいんになっており経済けいざい発展はってん妨害ぼうがい資本しほん資本しほん企業きぎょう海外かいがい流出りゅうしゅつ原因げんいんになっている

行政ぎょうせい対応たいおう規制きせい

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サブリースによる賃貸ちんたい住宅じゅうたく経営けいえいを「相続そうぞくぜい対策たいさく」といったセールストークによりこれまで大家たいか経験けいけんのない人々ひとびとたいしてみ、家賃やちん変更へんこう契約けいやくりがあるむね明確めいかくにしないまま契約けいやくいたり、のちにトラブルとなる事例じれい数多かずおお存在そんざいする[7]。しかし、賃貸ちんたい住宅じゅうたく経営けいえいにおける家主やぬし一般いっぱん不動産ふどうさん売買ばいばいにおける「消費しょうひしゃ」ではなく、あくまで「事業じぎょうしゃ」であり、サブリース契約けいやく事業じぎょうしゃ同士どうし契約けいやくなので、契約けいやく内容ないよう詳細しょうさいかんする確認かくにんおこたっても、事業じぎょうしゃ家主やぬし)の責任せきにんとされてきた[8][9]

サブリースを所管しょかんする国土こくど交通省こうつうしょう関係かんけい機関きかんへの苦情くじょう相談そうだん相次あいつ状況じょうきょう把握はあくしており、2011ねんから賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業者ぎょうしゃ登録とうろく制度せいど[10]もうけ、賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業者ぎょうしゃ登録とうろくしたサブリース業者ぎょうしゃたいして重要じゅうよう事項じこう説明せつめいなどのルールをさだめた賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業務ぎょうむ処理しょり準則じゅんそく遵守じゅんしゅもとめてきた。しかし、そのもトラブルはえなかったため、2015ねん7がつ29にち国土こくど交通省こうつうしょう土地とち建設けんせつ産業さんぎょうきょく不動産ふどうさんぎょう課長かちょう名義めいぎ関係かんけいかく団体だんたいたいして、あらためて「サブリース事業じぎょうかか適切てきせつ業務ぎょうむ実施じっしについて」という通知つうち[11]事態じたいとなった。

さらに2015ねん10がつには「賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業者ぎょうしゃ登録とうろく制度せいどかか検討けんとう委員いいんかい」を設置せっち[12]、そこでりまとめられた対応たいおうさくをもとに2016ねん8がつ12にちに「賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業者ぎょうしゃ登録とうろく規程きてい」および「賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業務ぎょうむ処理しょり準則じゅんそく」の改正かいせいおこなった[13]。この改正かいせいにより、サブリース業者ぎょうしゃによる大家たいかへの重要じゅうよう事項じこう説明せつめいおよび契約けいやく成立せいりつ書面しょめん交付こうふ義務ぎむされ、これに違反いはんした場合ばあい業者ぎょうしゃめい公表こうひょうするといった措置そちがとられることとなった[7]

2016ねんの「賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業者ぎょうしゃ登録とうろく規程きてい」および「賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業務ぎょうむ処理しょり準則じゅんそく」の改正かいせいもサブリース問題もんだいることなく、2018ねん4がつシェアハウス「かぼちゃの馬車ばしゃ破綻はたんのようなだい規模きぼ問題もんだい事例じれいしょうじたことで、2020ねん国土こくど交通省こうつうしょうはサブリースを規制きせいする新法しんぽう提出ていしゅつすることとなった[14][15]。この新法しんぽうでは、

  • 不当ふとう勧誘かんゆう禁止きんし
  • 家賃やちん収入しゅうにゅう保証ほしょうされる期間きかん条件じょうけんなどについて書面しょめん説明せつめいすることを義務ぎむづけ
  • 違反いはんした場合ばあいには業務ぎょうむ停止ていし命令めいれいしたり、罰金ばっきん
  • サブリース契約けいやく業者ぎょうしゃ登録とうろく義務ぎむ
  • 入居にゅうきょじょうきょう入居にゅうきょしゃとのトラブルについて定期ていきてき報告ほうこく要求ようきゅう

といった規制きせいあらたにされる内容ないようとなっている。

国会こっかい

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  • 2013ねん4がつ15にち衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいんかいにおいてサブリース被害ひがいへの質疑しつぎ応答おうとうおこなわれている。
  • 2017ねん2がつ22にち衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいんかいにおいてサブリース物件ぶっけんへの供給きょうきゅう過剰かじょう金融きんゆう機関きかんによる融資ゆうしについて質疑しつぎ応答おうとうおこなわれている。
  • 2017ねん5がつ10日とおか衆議院しゅうぎいん財務ざいむ金融きんゆう委員いいんかいにおいてサブリース事業じぎょうのトラブルへの対策たいさく強化きょうかもとめられている。
  • 2017ねん5がつ24にち衆議院しゅうぎいん国土こくど交通こうつう委員いいんかいにおいてサブリース会社かいしゃへの法制ほうせいふくめた規制きせいもとめられている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d 投資とうし知識ちしきない若者わかものがターゲット 「サブリース」悪用あくよう勧誘かんゆうひろがる - 毎日新聞まいにちしんぶん
  2. ^ 報道ほうどう発表はっぴょう資料しりょう賃貸ちんたい住宅じゅうたく経営けいえいかんする注意ちゅうい喚起かんきのリーフレット・チラシを作成さくせいしました!~サブリース規制きせい 12がつ15にち施行しこう~ - 国土こくど交通省こうつうしょう
  3. ^ サブリース契約けいやくかんするトラブルにご注意ちゅういください! | 消費しょうひしゃちょう
  4. ^ サブリース契約けいやくには借地しゃくち借家しゃくやほうだい28じょう適用てきようがないとしてもとめた賃貸ちんたいじん建物たてもの明渡あけわた請求せいきゅう棄却ききゃくされた事例じれい - RETIO. NO.120 2021ねんふゆごう
  5. ^ 平成へいせい12(受)123 建物たてもの賃料ちんりょう改定かいてい請求せいきゅう事件じけん 裁判さいばんれい情報じょうほう”. 最高さいこう裁判所さいばんしょ. 2016ねん8がつ14にち閲覧えつらん
  6. ^ a b >“こんな田舎いなかになぜ? 田畑たはたのきつらねる「レオパレス銀座ぎんざ」70だいオーナーのいきどおり”. AERA dot.. (2019ねん2がつ15にち). p. 1. https://dot.asahi.com/articles/-/100960 
  7. ^ a b みねしゅん一平いっぺい (2016ねん8がつ11にち). “「家賃やちん保証ほしょう」アパート経営けいえい減額げんがくリスクの説明せつめい義務ぎむ. 朝日新聞あさひしんぶん. http://www.asahi.com/articles/ASJ89753HJ89UTIL05G.html 2016ねん8がつ14にち閲覧えつらん 
  8. ^ アパート建築けんちくまらない 〜人口じんこう減少げんしょう社会しゃかいでなぜ〜”. NHK(日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい) (2015ねん5がつ11にち). 2016ねん8がつ14にち閲覧えつらん
  9. ^ 三浦みうら直樹なおき川本かわもと真聖まさたか長井ながい和夫かずお特集とくしゅう 不動産ふどうさんサブリース問題もんだい現状げんじょう」『国民こくみん生活せいかつだい25かん独立どくりつ法人ほうじん 国民こくみん生活せいかつセンター、2014ねん8がつ、1 - 10ぺーじ 
  10. ^ 賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業者ぎょうしゃ登録とうろく制度せいど”. 国土こくど交通こうつうしょう. 2016ねん8がつ14にち閲覧えつらん
  11. ^ サブリース事業じぎょうかか適切てきせつ業務ぎょうむ実施じっしかんする通知つうちについて”. 国土こくど交通省こうつうしょう 土地とち建設けんせつ産業さんぎょうきょく 不動産ふどうさんぎょう 不動産ふどうさんぎょう指導しどうしつ (2015ねん7がつ29にち). 2016ねん8がつ14にち閲覧えつらん
  12. ^ 賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業者ぎょうしゃ登録とうろく制度せいどかか検討けんとう委員いいんかい”. 国土こくど交通省こうつうしょう 土地とち建設けんせつ産業さんぎょうきょく 不動産ふどうさんぎょう. 2016ねん8がつ14にち閲覧えつらん
  13. ^ 賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業者ぎょうしゃ登録とうろく規程きていおよび「賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業務ぎょうむ処理しょり準則じゅんそく」の改正かいせい制度せいど創設そうせつ5ねんむか賃貸ちんたい住宅じゅうたく管理かんり業務ぎょうむ適正てきせい一層いっそう促進そくしん”. 国土こくど交通省こうつうしょう 土地とち建設けんせつ産業さんぎょうきょく 不動産ふどうさんぎょう (2016ねん8がつ12にち). 2016ねん8がつ14にち閲覧えつらん
  14. ^ サブリース契約けいやく 業者ぎょうしゃ規制きせい強化きょうか あらたな法案ほうあん提出ていしゅつ」『NHK』2020ねん1がつ16にち2020ねん1がつ22にち閲覧えつらん
  15. ^ 賃貸ちんたい住宅じゅうたく転貸てんたい業者ぎょうしゃ不当ふとう勧誘かんゆう禁止きんし規制きせい法案ほうあん提出ていしゅつ」『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん』2020ねん1がつ22にち2020ねん1がつ22にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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