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シラタマカズラ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
シラタマカズラ
シラタマカズラ
シラタマカズラ
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい eudicots
: リンドウ Gentianales
: アカネ Rubiaceae
: アカネ Rubioideae
ぞく : ボチョウジぞく Psychotria
たね : シラタマカズラ P. serpens
学名がくめい
Psychotria serpens L.

シラタマカズラ Psychotria serpens L. はいわのぼアカネ植物しょくぶつまるくてしろ果実かじつ沢山たくさんつける。

特徴とくちょう

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付着ふちゃくもとぶついてのぼ藤本ふじもと[1]ぜんかぶくきにはふしがあって対生たいせいする。たくながさ3mm、たまごがたからたまご円形えんけい先端せんたんちいさく2きれしている。革質かくしつたおせ披針形ひしんけいからたおせたまごじょう楕円だえんがたながさ1.5-4cm、はばやく3mm、先端せんたんはややとがり、基部きぶ次第しだいせばまってながさ2-4mmの葉柄ようへいつづく。

花期かきは5-7がつえださきぼうじょう集散しゅうさん花序かじょし、まばらに多数たすうはなける。つとはごくちいさくてこう三角形さんかっけいがくたおせ三角形さんかっけいながさ0.8mm、はば1.5mmで先端せんたんあさく5きれする。花冠かかん白色はくしょくみじか漏斗ろうとがたになっており、つつ部分ぶぶん内側うちがわにはしろい軟毛がいちめんにあり、先端せんたんは5きれし、それぞれたいらにひらく。個々ここきれへんせまたまごがたながさ2mm、先端せんたんはややとがり、両面りょうめんども

えきはて球状きゅうじょう楕円だえんがたながさ4-5mm、先端せんたんにはがくのこり、じゅくすとしろくなる。種子しゅし楕円だえんがたで、ながさ4mm、背面はいめんにはたてに3ほんりょうはしる。

和名わみょう果実かじついろかたちによる。別名べつめいにイワズタイがあり、これは「いわづたい」ので、くきっていくことによる。ほかに果実かじつあじがないことから、「ワラベナカセ(わらわかせ)」ということがあるとのこと[2]

分布ぶんぷ生育せいいく環境かんきょう

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本州ほんしゅうでは和歌山わかやまけん四国しこく九州きゅうしゅう南部なんぶ、それに琉球りゅうきゅう列島れっとうさんする。国外こくがいでは台湾たいわん中国ちゅうごく大陸たいりく南部なんぶ、それにインドシナ分布ぶんぷがある[3]北限ほくげんである和歌山わかやまけんでの分布ぶんぷ串本くしもとまち那智勝浦なちかつうらまち一部いちぶからしかられていない。串本くしもと紀伊大島きいおおしまでは、スダジイはやしはやしゆかから樹幹じゅかん岩上いわかみなどにられ、一部いちぶはやしゆかではほんしゅゆううらないしている場所ばしょがある[4]沖縄おきなわではリュウキュウマツはやしから山地さんち森林しんりんはやしゆかり、あるいは路傍ろぼうまでられ、樹幹じゅかんいわのぼってたかさ2-4mほどにまでたっする[5]

きんえんしゅなど

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このあるじ所属しょぞくするボチョウジぞく世界せかい熱帯ねったいから亜熱帯あねったいに700しゅようし、高木たかぎから低木ていぼくほんしゅのような藤本とうほんまでをふくむ。日本にっぽんには5しゅがあり、そのうち3しゅ低木ていぼくである。ぞくめいのボチョウジは沖縄おきなわさんする低木ていぼくである。おなじく藤本とうほんであるオオシラタマカズラ P. boninensis小笠原諸島おがさわらしょとうさんする。ほんしゅとはおおきく、おおきいものは10cmにもなることやたくさきまるいことなどで区別くべつ出来できる。

の3しゅはいずれも低木ていぼくで、ボチョウジ P. rubra とナガミボチョウジ P. manillensis はいずれも琉球りゅうきゅう列島れっとうでは森林しんりん普通ふつうられる。

利用りよう

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観賞かんしょうよう栽培さいばいされることがある[6]

薬用やくようとしてもちいられているれいもある。生薬きぐすりとして中国ちゅうごく市場いちば流通りゅうつうしているからまいしふじ(Luoshiteng) は、こう炎症えんしょう鎮痛ちんつう解熱げねつ血液けつえき循環じゅんかん促進そくしん免疫めんえき調整ちょうせいなどの作用さようゆうするものとされている。中国ちゅうごくやくてんではこれはタイワンテイカカズラ Trachelospermum jasminoides茎葉けいよう規定きていされている。ところが、実際じっさいにはオオイタビ Ficus pumilaほんたねもこのくすり流通りゅうつうしている。このうち本来ほんらいのものは特徴とくちょうから判別はんべつ容易よういだが、こう2しゃ肉眼にくがんでは区別くべつむずかしい。その素材そざいから成分せいぶん検討けんとうしたところ、ほんしゅ由来ゆらいするものもたねからも分離ぶんりされているrutin が分離ぶんりされた。しかし生理せいり活性かっせい検討けんとうでは効果こうかられなかったとのこと[7]

保護ほご状況じょうきょう

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環境省かんきょうしょうのレッドリストではげられていない。かくけんのレベルでは和歌山わかやまけん徳島とくしまけん高知こうちけん絶滅ぜつめつ危惧きぐIIるい指定していされている[1]みなみ地域ちいきでは普通ふつうしゅなので、それを反映はんえいしているのであろう。

出典しゅってん

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  1. ^ 以下いか記載きさいしゅとして佐竹さたけ(1989),p.204
  2. ^ 牧野まきの(1961),p.584
  3. ^ 佐竹さたけ(1989),p.204
  4. ^ 和歌山わかやまけん(2001),p.327
  5. ^ 池原いけはら(1979),p.205
  6. ^ 朝日あさひ百科ひゃっか(1997),p.1
  7. ^ 西部せいぶ(2002),p.363-365

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 佐竹さたけよし輔・編著へんちょ) 『日本にっぽん野生やせい植物しょくぶつ 木本もくほんII』新装しんそうばん、(1999)、平凡社へいぼんしゃ
  • 初島はつしまじゅう彦 『琉球りゅうきゅう植物しょくぶつ追加ついか訂正ていせいばん、(1975)、 沖縄おきなわ生物せいぶつ教育きょういく研究けんきゅうかい
  • 牧野まきの富太郎とみたろう、『牧野まきの しん日本にっぽん植物しょくぶつ圖鑑ずかん』、(1961)、図鑑ずかんきたたかしかん
  • 和歌山わかやまけん環境かんきょう生活せいかつ環境かんきょう生活せいかつ総務そうむ、『保全ほぜんじょう重要じゅうような わかやまの自然しぜん ―和歌山わかやまけんレッドデータブック―』、(2001)
  • 朝日あさひ百科ひゃっか 植物しょくぶつ世界せかい 2』、(1997)、朝日新聞社あさひしんぶんしゃ:p.1
  • 池原いけはら直樹なおき。『沖縄おきなわ植物しょくぶつ野外やがい活用かつよう図鑑ずかん だい6かん 山地さんち植物しょくぶつ』、(1979)、新星しんせい図書としょ
  • 西部せいぶさんしょう、「生薬きぐすりもとばら品質ひんしつ評価ひょうか」、薬学やくがく雑誌ざっし、122(6) :p.363-379.