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ISOキーボード用 よう のZWNJのシンボル
ゼロ幅 ぶく 非 ひ 接合 せつごう 子 こ [注 ちゅう 1] (ゼロはばひせつごうし、英語 えいご : zero width non-joiner 、ZWNJ )は合 ごう 字 じ を使用 しよう する文字 もじ 体系 たいけい のコンピュータ化 か で用 もち いられる制御 せいぎょ 文字 もじ である。本来 ほんらい ならば合 ごう 字 じ として連結 れんけつ される2つの文字 もじ の間 あいだ にZWNJが置 お かれると、その2つの文字 もじ はそれぞれ末尾 まつび 形 がた および頭字 かしらじ 形 がた で表示 ひょうじ される。スペース を間 あいだ に置 お くことでも同 おな じ効果 こうか は得 え られるが、スペースよりも両者 りょうしゃ の文字 もじ を近 ちか づけたい、または単語 たんご と形態素 けいたいそ を連結 れんけつ したい場合 ばあい にZWNJが用 もち いられる。
ZWNJはUnicode では U+200C zero width non-joiner (HTML: ‌
‌
) として符号 ふごう 化 か されている。
正 ただ しいタイポグラフィのための分離 ぶんり 記号 きごう としてのZWNJの使用 しよう [ 編集 へんしゅう ]
言語 げんご によっては、文字 もじ 列 れつ の正 ただ しいタイポグラフィの形 かたち を指定 してい するためにZWNJが必要 ひつよう である。
かつてASCII の制御 せいぎょ 文字 もじ であるユニット分離 ぶんり 文字 もじ がこの目的 もくてき で使 つか われていた[疑問 ぎもん 点 てん – ノート ] 。
聖書 せいしょ ヘブライ語 ご の例 れい では、ニクダー のホラムの点 てん の位置 いち がヴァヴ ⟨ו ⟩ の左 ひだり に来 く るのが正 ただ しい。もし点 てん が ⟨ו ⟩ の上 うえ に置 お かれると、⟨עוֹנוֹת ⟩「季 き 節 ぶし 」とまちがいやすい[注 ちゅう 2] 。現代 げんだい ヘブライ語 ご ではヴァヴのうしろにホラムを置 お く理由 りゆう はなく、合 ごう 字 じ は必要 ひつよう ないので、現代 げんだい ヘブライ語 ご の組版 くみはん でZWNJが必要 ひつよう になることはまれである。
ドイツ語 ご のタイポグラフィでは、合 ごう 字 じ が複合語 ふくごうご の構成 こうせい 要素 ようそ の境界 きょうかい を越 こ えてはならない。したがって、ドイツ語 ご の最初 さいしょ の例 れい では、接頭 せっとう 辞 じ 「Auf-」は後続 こうぞく する単語 たんご から切 き り離 はな し、「fl」が合 ごう 字 じ にならないようにしなければならない。同様 どうよう に英語 えいご でも、合 ごう 字 じ は形態素 けいたいそ 境界 きょうかい をまたいではならない[2] [3] 。たとえば「fly」や「fish」はある語 かたり の中 なか では形態素 けいたいそ だが、そうでない場合 ばあい もある。したがって、「dayfly」の「fl」や「catfish」の「fi」は合 ごう 字 じ にすべきだが、「deafly」の「fl」や「selfish」の「fi」で合 ごう 字 じ を使 つか ってはならない。
ペルシア語 ご ではZWNJを接頭 せっとう 辞 じ ・接尾 せつび 辞 じ ・複合語 ふくごうご において広範囲 こうはんい に使用 しよう する[4] 。間 あいだ にスペースを入 い れると複合語 ふくごうご でない2つの単語 たんご とまぎらわしくなるので、ZWNJを使用 しよう する。
別 べつ 形 がた を表示 ひょうじ するためのZWNJの使用 しよう [ 編集 へんしゅう ]
ブラーフミー系 けい 文字 もじ では、ヴィラーマ のついた子音 しいん の後 うし ろか、または従属 じゅうぞく 母音 ぼいん の前 まえ にZWNJを置 お くことで、文字 もじ が合成 ごうせい されるのを防 ふせ ぐことができる。
デーヴァナーガリー では、क् と ष は普通 ふつう は結合 けつごう して क्ष になるが、ZWNJを間 あいだ にはさむ (क्‌ष
) と क्ष のように表示 ひょうじ される。
カンナダ文字 もじ では、ನ್ と ನ は結合 けつごう して ನ್ನ になるが、ZWNJを両者 りょうしゃ の間 あいだ に挿入 そうにゅう すると、ನ್ನ と表示 ひょうじ される。主 おも に非 ひ カンナダ語 ご の単語 たんご をカンナダ文字 もじ で表記 ひょうき するときにこの方式 ほうしき が用 もち いられる。たとえば、Facebook は ಫೇಸ್ಬುಕ್ と書 か かれる(ただし ಫೇಸ್ಬುಕ್ と書 か くこともできる)。ರಾಜ್ಕುಮಾರ್ (ラージクマール)や ರಾಮ್ಗೊಪಾಲ್ もZWNJを必要 ひつよう とする固有名詞 こゆうめいし の例 れい である。
ドイツ語 ご T2キーボード配列 はいれつ の一部 いちぶ 、「.」キーにZWNJのシンボルが書 か かれている
ZWNJが直接 ちょくせつ 入力 にゅうりょく 可能 かのう なキーボードのためのシンボルは、ISO/IEC 9995 -7:2009の追 つい 補 ほ 1(2012)「 情報 じょうほう 技術 ぎじゅつ - テキスト及 およ びオフィスシステムのキーボード配列 はいれつ - 機能 きのう を表 あらわ すために用 もち いるシンボル」のシンボル番号 ばんごう 81、およびIEC 60417「機器 きき ・装置 そうち 用 よう 図 ず 記号 きごう 」の IEC 60417-6177-2 として標準 ひょうじゅん 化 か されている。
^ Unicodeの訳語 やくご 対照 たいしょう 表 ひょう による[1] 。JIS X 0221:2014 では用語 ようご を翻訳 ほんやく せず英語 えいご のままにしている。
^ Unicodeでは通常 つうじょう のホラム(U+05B9 Holam)のほかに、この例 れい のようにヴァヴにつける専用 せんよう のホラム(U+05BA Holam Haser for Vav)が用意 ようい されているため、実際 じっさい にはゼロ幅 ぶく 非 ひ 接合 せつごう 子 こ を使 つか わなくても表現 ひょうげん 可能 かのう である