タイムシェア

タイムシェア(timeshare)とは、リゾートマンションなどを所有しょゆうまたは利用りようする際さいに、その期間きかんの経費けいひだけを負担ふたんするシステム。別名べつめい「バケーション･オーナーシップ」とも呼よばれる。

由来ゆらい

タイムシェアを敢あえて日本語にほんごにすると『時間じかんを共有きょうゆうする＝分わけ合あう』という風ふうに訳やくせる。元々もともとはコンピュータ業界ぎょうかいの用語ようごであり、大型おおがたコンピュータが高価こうかな時代じだいに各社かくしゃが利用りよう時間じかんに応おうじて使用しよう経費けいひを負担ふたんし合あったタイムシェアリングシステムに由来ゆらいする。

これがリゾートにも応用おうようされ、所有しょゆうまたは利用りようする期間きかんだけの経費けいひを負担ふたんするという経済けいざい性せいに富とんだリゾートシステムが世界中せかいじゅうに広ひろまった。

歴史れきし

発祥はっしょうは、1960年代ねんだいのヨーロッパのスキーリゾートである。1970年代ねんだいにそのシステムがアメリカにわたり、その後ごの伸長しんちょうにつながることになる。当初とうしょは法的ほうてきな規制きせいも無なく、開発かいはつ業者ぎょうしゃ（＝販売はんばい業者ぎょうしゃであることが多おおい）が顧客こきゃくから販売はんばい代金だいきんだけを回収かいしゅうし、その後ご倒産とうさんするという経済けいざい的てき悪循環あくじゅんかんもあり、悪評あくひょうがたつという事例じれいもあった。その後ごフロリダ州しゅうなどでは『タイムシェア法ほう』という州法しゅうほうによって規制きせいがしかれるようになり、法的ほうてきに買主かいぬしの権利けんりが保全ほぜんされるようになる。

また、1980年代ねんだいに入はいるとそれまで個人こじん事業主じぎょうぬし等とう資金しきん的てきに脆弱ぜいじゃくな企業きぎょうだけでなく、大手おおてホテル企業きぎょう(マリオット・インターナショナル等ひとし）が、タイムシェア事業じぎょうに参画さんかくするようになる。ホテル事業じぎょうで培つちかったノウハウやサービスがタイムシェアに生いかされ、タイムシェアが事業じぎょうとして飛躍ひやく的てきに拡大かくだいする契機けいきとなった。過去かこの悪評あくひょうも払拭ふっしょくされ、米国べいこくでは一般いっぱん的てきなリゾート所有しょゆう・利用りようシステムとして認知にんちされるようになる。

90年代ねんだいに入はいるとヒルトン･ホテルもこのタイムシェア事業じぎょうに参画さんかくするようになり、『ヒルトン･グランド･バケーション･クラブ』の商標しょうひょうの下した、フロリダ州しゅうを拠点きょてんにタイムシェア事業じぎょうを拡大かくだいしていく。そして1990年代ねんだい末すえには、ヒルトンやマリオットが日本人にっぽんじんにも馴染なじみの深ふかい旅行りょこう先さきであるハワイへと進出しんしゅつし、日本にっぽんを始はじめとするアジアマーケットへもタイムシェアを紹介しょうかいし始はじめることになった。

ヒルトンの日本にっぽんにおける展開てんかい

ヒルトンは、マリオットに先さきんじて、いち早はやく2003年ねん10月にタイムシェアのマーケティングおよび販売はんばい拠点きょてんを東京とうきょう(新宿しんじゅく区く西新宿にししんじゅく）へ構かまえ、現在げんざいに至いたる。ヒルトンのタイムシェアは、一いち週間しゅうかん単位たんいの所有しょゆう権けん。初回しょかいに購入こうにゅう費用ひようを支払しはらうと(別途べっと、不動産ふどうさん登記とうき料りょうがかかる）、後のちは年間ねんかん管理かんり費ひ（固定こてい資産しさん税ぜい、保険ほけん料りょう、修繕しゅうぜん積立つみたて金きん等とうが含ふくまれる）を支払しはらうことで、永年えいねん利用りようが可能かのうになる。宿泊しゅくはく料りょうは基本きほん的てきに所有しょゆうしている日数にっすう内ないであれば無料むりょう。

ヒルトン、マリオット等とう大手おおてホテルチェーン系けいのメリットとしては、このタイムシェアの権利けんりを同どう系列けいれつの他ほかのホテルやリゾートへ交換こうかんして利用りようすることができる。

関連かんれん項目こうもく

• リゾート会員かいいん権けん
• フラクショナル・オーナーシップ