タデウシュ・コシチュシュコ

タデウシュ・コシチュシュコ

馬上もうえのコシチュシュコ

"ラツワヴィツェの戦たたかい", ヴォイチェフ・ルカ 132 x 77 mm, ティヒのヘンリク・ヤン・ドミニアク・ミニチュア専門せんもん美術館びじゅつかん.

アンジェイ・タデウシュ・ボナヴェントゥラ・コシチュシュコ （波なみ: Andrzej Tadeusz Bonawentura Kościuszko 、1746年ねん2月がつ4日にち - 1817年ねん10月15日にち）はポーランド・リトアニア共和きょうわ国こくの将軍しょうぐんにして政治せいじ家か、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの軍人ぐんじんで、1794年ねんの蜂起ほうきの指導しどう者しゃとしてポーランドとリトアニアでは国民こくみん的てき英雄えいゆうである。

名前なまえはアンドレーイ・タデーヴシュ・バナヴャントゥーラ・カシツューシュカ（ベラルーシ語ご: Андрэ́й Тадэ́вуш Банавянту́ра Касьцю́шка ）、ターダス（あるいはタデーウシャス）・コーシツュシュカ（リトアニア語ご: Tadas/Tadeušas Kosciuška ）、アンドルー・サディアス（あるいはサディーアス）・バナヴェンチャー・カスキアスコウ（あるいはカスィアスコウ（英えい: Andrew Thaddeus Bonaventure Kosciusko ）など、言語げんごによって呼よび方かた/発音はつおんが異ことなる。

ポーランド語ごのカナ表記ひょうきでも、コシチュシコ、コシチューシュコなどとも表記ひょうきされ、従来じゅうらい、日本にっぽんではコシューシコと表記ひょうきされることが多おおかった。

概要がいよう

コシチュシュコは1746年ねん、リトアニア大公たいこう領りょうブレスト州しゅうメラチョウシュチナ村むら（ベラルーシ語ご: Мерачоўшчына 、波なみ: Mereczowszczyzna（メレチョフシュチズナ）、現げんベラルーシ領りょうコサヴァ市し近郊きんこう）の、先祖せんぞがジグムント1世せいの宮廷きゅうていに仕つかえていたというベラルーシ系けい貴族きぞくの家庭かていに末子まっしとして生うまれた。当地とうちでは東方とうほう正教会せいきょうかいとローマ・カトリックが併存へいそんしており、彼かれは双方そうほうの教会きょうかいで受洗じゅせんしアンドレーイ（ポーランド語ごで「アンジェイ」）とタデーウシュという2つの洗礼せんれい名めいを授さずかった。ワルシャワの幼年ようねん学校がっこうを卒業そつぎょう後ご、1769年ねんから1774年ねんの間あいだ、ドイツ、イタリア、フランスに派遣はけんされて軍事ぐんじ教育きょういくを受うけた。彼かれがまだ三さん十じゅう代だいであった1776年ねんから1783年ねんの間あいだは、アメリカ独立どくりつ戦争せんそうに義勇ぎゆう兵へいとして参加さんかし、ジョージ・ワシントンの副官ふっかんとして戦たたかい、大陸たいりく会議かいぎにより外国がいこく人じんながら陸軍りくぐん准じゅん将しょう (en) に昇進しょうしんしている。その間あいだ、トーマス・ジェファーソンらの自由じゆう主義しゅぎ思想しそうに強つよく影響えいきょうされた。

帰国きこく後ごの1791年ねん、ヨーロッパ初はつの民主みんしゅ主義しゅぎ成文せいぶん憲法けんぽう「5月3日にち憲法けんぽう」を制定せいていした4年ねん議会ぎかいに議員ぎいんとして参加さんか、中道ちゅうどう左派さはの政治せいじスタンスから、4年ねん議会ぎかいを主導しゅどうした改革かいかく派は政党せいとう「愛国あいこく党とう」内部ないぶの主流しゅりゅう派はである穏健おんけん改革かいかく派は（「ファミリア」の流ながれを汲くむ派閥はばつ）と同どう党とうの急進きゅうしん改革かいかく派は（ポーランドのジャコバン派は）との間あいだを取とり持もつ役割やくわりを担にない、精力せいりょく的てきに双方そうほうの仲立なかだちをして、国会こっかい対策たいさくにおける巧たくみな政治せいじ手腕しゅわんを発揮はっきした。

この直後ちょくごの1792年ねん、新しん憲法けんぽうめぐるロシア帝国ていこくの干渉かんしょうと戦たたかった（ポーランド・ロシア戦争せんそう）が敗やぶれ、ライプツィヒ、パリで亡命ぼうめい生活せいかつを送おくった。

1793年ねんの第だい2回かいポーランド分割ぶんかつ後のちにポーランドに戻もどり、主おもにジャコバン派はと農民のうみんたちを糾合きゅうごうしてクラクフで蜂起ほうき（コシチュシュコの蜂起ほうき）。最大さいだいの戦闘せんとう「ラツワヴィツェの戦たたかい」（記念きねん館かんがヴロツワフにある）でロシア軍ぐんに大勝たいしょうし一いち時じはワルシャワ、ヴィリニュスをおさえたが、やがて兵力へいりょくを次々つぎつぎと補充ほじゅうしてきたロシア・プロイセン連合れんごう軍ぐんに圧倒あっとうされた。1794年ねん10月がつには彼かれ自身じしんも戦傷せんしょうを負おいロシア軍ぐんに捕とらわれた。コシチュシュコの敗北はいぼくによりポーランド国家こっかは消滅しょうめつの憂うき目めにあう。

1798年ねんにコシチュシュコはフランスへ亡命ぼうめいするが、ナポレオンの帝国ていこく思想しそうやそれにもとづいたポーランド政策せいさくには同調どうちょうしなかった。その後ごはスイスに移住いじゅうし、ゾーロトゥルンで腸ちょうチフスに罹患りかんして客死かくしした。

ロシアの著名ちょめいな劇げき作家さっかミハイル・アルツィバーシェフは曾孫そうそん。

エピソード

アメリカ独立どくりつ戦争せんそうのときのフィラデルフィアでの逸話いつわ。「コシチュシュコ」という姓せいの読よみ方かたについてジョージ・ワシントンが、「タディー（タデウシュ）、君きみのそのコシチュシュコっていう姓せいは僕ぼくらには発音はつおんしにくいよ」とコシチュシュコに言いったところ、コシチュシュコは即座そくざにこう言いったという。「ジョージ、僕ぼくの姓せいが言いいにくいって？ 君くんのワシントン（Wa-shing-ton）も僕ぼくのコシチュシコ（Koś-ciu-szko）もどっちもたったの3音節おんせつなのにかい？」

関連かんれん項目こうもく

• コシチュシコ山さん - ポーランドの元もと首都しゅとクラクフにある人工じんこうの山やま。タデウシュ・コシチュシュコを称となえて造営ぞうえいされた。
• キャンプ・コシチュシュコ - ポーランドのポズナンに所在しょざいするアメリカ陸軍りくぐんの基地きち。基地きち名めいは、タデウシュ・コシチュシュコにちなむ。
• クレディ・アグリコル
• コジオスコ - オーストラリア大陸たいりくの最高峰さいこうほう
• 第だい303コシチュシコ戦闘せんとう機き中隊ちゅうたい (イギリス空軍くうぐん) - イギリス空軍くうぐん所属しょぞくの戦闘せんとう機き中隊ちゅうたい。ポーランド侵攻しんこう時ときに脱出だっしゅつしたポーランド空軍くうぐんパイロットで編成へんせいされた。