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チュウサギ

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チュウサギ
チュウサギ
チュウサギ Ardea intermedia intermedia
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : とりつな Aves
: ペリカン Pelecaniformes
: サギ Ardeidae
ぞく : アオサギぞく Ardea
たね : チュウサギ A. intermedia
学名がくめい
Ardea intermedia Wagler, 1829[1][2]
シノニム

Egretta intermedia

和名わみょう
チュウサギ[3][4]
英名えいめい
Intermediate egret[1]

分布域

Ardea intermedia brachyrhyncha

チュウサギちゅうさぎArdea intermedia)は、とりつなペリカンサギアオサギぞく分類ぶんるいされる鳥類ちょうるい

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

サハラ砂漠さはらさばく以南いなんアフリカ大陸たいりくみなみアジアからインドシナ半島いんどしなはんとう中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく、スンダ列島れっとうオーストラリア北部ほくぶおよび東部とうぶ[3]冬季とうきになるとカロリン諸島しょとうマリアナ諸島しょとう移動いどうする個体こたいもいる[3]日本にっぽんでは夏季かき本州ほんしゅう九州きゅうしゅう飛来ひらいするが(なつとり)、暖地だんちでは越冬えっとうすることもある[3]

ユーラシア、アフリカ、オーストラリアの温帯おんたいから熱帯ねったい分布ぶんぷする。日本にっぽんではなつとりで、本州ほんしゅう以南いなん渡来とらいする。また九州きゅうしゅうなど暖地だんちでは少数しょうすう越冬えっとうする。

形態けいたい[編集へんしゅう]

全長ぜんちょう63 - 72センチメートル[3]全身ぜんしんしろ[3]体長たいちょう 68cm ほどで、ダイサギよりいちまわちいさい。

虹彩こうさい黄色おうしょく[3]さきくちばし黄色おうしょく[3]後肢あとあしくろ[3]

繁殖はんしょくになると胸部きょうぶ羽毛うもう伸長しんちょうする[3]さきあお緑色みどりいろに、くちばしくろくなる[3]なつではくちばしくろくなり、かざ羽根はねあらわれる。さき少々しょうしょうみどりがかる。ふゆではくちばし黄色きいろくなるが、先端せんたんのみくろのこ場合ばあいもある。

全身ぜんしんしろあし全体ぜんたいくろく、さき黄色おうしょく。ダイサギにるが、体長たいちょうちいさいこと、くちばしみじかいこと、眼下がんかはい口角こうかくみが真下ましたまるところで区別くべつできる。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

以下いか分類ぶんるい分布ぶんぷはIOC World Bird List (v8.1) に、和名わみょう日本にっぽんさん鳥類ちょうるい目録もくろく 改訂かいていだい7はんしたが[2][4]。2016ねん現在げんざいBirdLife Internationalでは以下いか亜種あしゅすべ独立どくりつしゅとしてあつかっている[1]

Ardea intermedia intermedia Wagler, 1829 チュウサギ[5]
インド南部なんぶから日本にっぽんにかけて、だいスンダ列島れっとう
Ardea intermedia brachyrhyncha (Brehm, 1854)
サハラ砂漠さはらさばく以南いなんのアフリカ大陸たいりく
Ardea intermedia plumifera (Gould, 1848)
インドネシア東部とうぶ、オーストラリア、ニューギニア

生態せいたい[編集へんしゅう]

河川かせん湿地しっちマングローブはやしなどに生息せいそくする[3]単独たんどくもしくは小規模しょうきぼれを形成けいせい生活せいかつする[3]内陸ないりく平地ひらちこのむ。ごえは「ゴァー」などで、ダイサギと酷似こくじする。

魚類ぎょるい両生類りょうせいるいなどをべる[3]日本にっぽんでの観察かんさつ記録きろくではおも農耕のうこうしょくおこない、湿地しっち棲にとく農耕のうこうへの依存いぞんせいつよいことが示唆しさされている[6]。この観察かんさつ記録きろくでは農耕のうこうでは獲物えものせ29.4 %を魚類ぎょるい・17.4 %ずつを甲殻こうかくるい昆虫こんちゅう・11.6 %を両生類りょうせいるいめ、干潟ひがたではゆっくり移動いどうしながら獲物えものらえ76.3 %を魚類ぎょるいめていたとされる[6]。ダイサギやコサギが昼間ひるま水田すいでん湿地しっちあさ湖沼こしょう河川かせんなどの湿地しっちさかな両生類りょうせいるい捕食ほしょくするのにたいし、ほんしゅ田植たうまえ休耕田きゅうこうでんなど比較的ひかくてきかわいた場所ばしょで、おもにバッタなどの昆虫こんちゅう捕食ほしょくする。

たね混合こんごうした集団しゅうだん繁殖はんしょく(コロニー)を形成けいせいする[3]。オスがざいはこび、メスが営巣えいそうする[3]雌雄しゆうともにかかえらんし、だきたまご期間きかんは24 - 27にち[3]白鷺しらさぎ同様どうように、繁殖はんしょく単独たんどく行動こうどうするが、繁殖はんしょくには水辺みずべはやしなどに「サギさん」とばれる集団しゅうだん営巣えいそうり、一夫一妻いっぷいっさいである。

人間にんげんとの関係かんけい[編集へんしゅう]

上記じょうきのように BirdLife International およびそれを出典しゅってんとしたIUCNレッドデータでは亜種あしゅすべ独立どくりつしゅとしてあつかっているため、分類ぶんるいひょうない判定はんていおよび後述こうじゅつ内容ないようほんこう採用さいようした分類ぶんるいではもと亜種あしゅたいする内容ないようとなる。生息せいそくすう減少げんしょう傾向けいこうにあるが、分布ぶんぷ非常ひじょうひろいため絶滅ぜつめつのおそれはひくいとかんがえられている[1]世界せかいてきには安定あんていしている。

日本にっぽん[編集へんしゅう]

E. i. intermedia チュウサギ
環境省かんきょうしょうレッドリストが採用さいようしている分類ぶんるいにあわせる。以前いぜん日本にっぽんでのサギるいのコロニーのゆううらないしゅだったが1970年代ねんだい以降いこう減少げんしょうした[5]減反げんたん政策せいさくによる獲物えもの減少げんしょう農薬のうやくによる汚染おせん営巣えいそう伐採ばっさいなどが影響えいきょうしたとかんがえられている[5]。1991 - 1992ねん調査ちょうさでは秋田あきたけん以南いなんの25都道府県とどうふけん109かしょのコロニーで2,569(サギるい全体ぜんたいの9.9 %)が確認かくにんされている[5]日本にっぽんでも過去かこ多数たすう繁殖はんしょく。しかし繁殖はんしょく適地てきち減少げんしょう田畑たはたでの農薬のうやく使用しようともな捕食ほしょく対象たいしょう減少げんしょうなどにより、渡来とらいすう漸減ぜんげんした。観察かんさつすうは1970年代ねんだいにコサギと逆転ぎゃくてんした。
じゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐ(NT)環境省かんきょうしょうレッドリスト[5]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e BirdLife International. 2016. Ardea intermedia. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T22727668A95229595. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22727668A95229595.en, Downloaded on 21 February 2018.
  2. ^ a b Storks, ibis & herons, Gill F & D Donsker (Eds). 2018. IOC World Bird List (v 8.1). doi:10.14344/IOC.ML.8.1 (Retrieved 21 February 2018)
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 福田ふくだ道雄みちお 「サギ分類ぶんるい森岡もりおか弘之ひろゆき監修かんしゅう世界せかい動物どうぶつ 分類ぶんるい飼育しいく8 コウノトリ+フラミンゴ黒田くろだ長久ちょうきゅう森岡もりおか弘之ひろゆき監修かんしゅう東京とうきょう動物どうぶつえん協会きょうかい1985ねん、13-40,155ぺーじ
  4. ^ a b 日本にっぽんとり学会がっかい「チュウサギ」『日本にっぽん鳥類ちょうるい目録もくろく 改訂かいていだい7はん日本にっぽんとり学会がっかい目録もくろく編集へんしゅう委員いいんかいへん日本にっぽんとり学会がっかい、2012ねん、84-85ぺーじ
  5. ^ a b c d e 藤巻ふじまきひろしぞう 「チュウサギ」『レッドデータブック2014 -日本にっぽん絶滅ぜつめつのおそれのある野生やせい動物どうぶつ-2 鳥類ちょうるい環境省かんきょうしょう自然しぜん環境かんきょうきょく野生やせい生物せいぶつ希少きしょうしゅ保全ほぜん推進すいしんしつへん株式会社かぶしきがいしゃぎょうせい2014ねん、223ぺーじ
  6. ^ a b Hitoshi Tojo, "Habitat Selection, Foraging Behaviour and Prey of Five Heron Species in Japan," Japanese Journal of Ornithology, Volume 45, Issue 3, Ornithological Society of Japan, 1996, Pages 141-158.

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]