トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん (トリプルネガティブにゅうがん、英 えい : Triple-negative breast cancer 、略称 りゃくしょう : TNBC )または三重 みえ 陰性 いんせい 乳 にゅう がん (さんじゅういんせいにゅうがん)は、エストロゲン受容 じゅよう 体 たい (ER)、プロゲステロン受容 じゅよう 体 たい (PR)、HER2/neu の遺伝子 いでんし を発現 はつげん していない乳癌 にゅうがん である[ 1] 。ほとんどのホルモン療法 りょうほう が3つの受容 じゅよう 体 たい のうちの1つを標的 ひょうてき としているため、ホルモン療法 りょうほう が困難 こんなん となり、しばしば多 た 剤 ざい 併用 へいよう 療法 りょうほう の対象 たいしょう となる。トリプルネガティブは基底 きてい 細胞 さいぼう 様 さま 癌 がん (英語 えいご 版 ばん ) の代用 だいよう 語 ご として用 もち いられることもあるが、より詳細 しょうさい な分類 ぶんるい を行 おこな うことで、治療 ちりょう の指針 ししん や予 よ 後 ご の予測 よそく がより適切 てきせつ になると考 かんが えられる[ 2] 。
トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん は、非常 ひじょう に異質 いしつ な癌 がん の一群 いちぐん である。さまざまなサブタイプ(亜 あ 類型 るいけい )の予 よ 後 ご については相反 あいはん する情報 じょうほう があるが、ノッティンガム予 よ 後 ご 指標 しひょう (英語 えいご 版 ばん ) は有効 ゆうこう であり、したがって一般 いっぱん 的 てき な予 よ 後 ご は、より積極 せっきょく 的 てき な治療 ちりょう が必要 ひつよう であることを除 のぞ けば、同 おな じ進行 しんこう 期 き (ステージ)(英語 えいご 版 ばん ) の他 ほか の乳癌 にゅうがん とほぼ同様 どうよう であると思 おも われる[ 3] 。トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん の中 なか には、ホルモン受容 じゅよう 体 たい 陽性 ようせい の乳癌 にゅうがん と比 くら べて予 よ 後 ご が悪 わる いタイプ(類型 るいけい )もあれば、非常 ひじょう に似通 にかよ ったものや予 よ 後 ご のより良 よ いタイプもあることが知 し られている[ 4] 。乳癌 にゅうがん 患者 かんじゃ の内 うち 、15 - 20%の女性 じょせい がトリプルネガティブと診断 しんだん されているが、TNBC患者 かんじゃ の大半 たいはん は、若 わか い女性 じょせい やBRCA1 遺伝子 いでんし に変異 へんい がある女性 じょせい であることがわかっている[ 5] 。全 すべ てのトリプルネガティブサブタイプの統合 とうごう データによると、最適 さいてき な治療 ちりょう を行 おこな えば、20年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ はホルモン陽性 ようせい 癌 がん のそれに非常 ひじょう に近 ちか いことが示唆 しさ されている[ 2] 。
トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん は、ホルモン陽性 ようせい 乳癌 にゅうがん とは非常 ひじょう に異 こと なる再発 さいはつ 形式 けいしき を持 も っている。最初 さいしょ の3年 ねん から5年間 ねんかん は再発 さいはつ の危険 きけん 性 せい (リスク)が非常 ひじょう に高 たか くなるが、その後 ご はホルモン陽性 ようせい 乳癌 にゅうがん よりも急激 きゅうげき かつ大幅 おおはば に低下 ていか する。この再発 さいはつ 形式 けいしき は、十分 じゅうぶん なデータが存在 そんざい するすべてのトリプルネガティブ癌 がん で認 みと められているが、絶対 ぜったい 的 てき な再発 さいはつ 率 りつ と生存 せいぞん 率 りつ はサブタイプによって異 こと なる[ 2] [ 4] 。
トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん の原因 げんいん の1つとして知 し られているのが、生殖 せいしょく 細胞 さいぼう 系列 けいれつ 変異 へんい (英語 えいご 版 ばん ) である。生殖 せいしょく 細胞 さいぼう 変異 へんい とは、子孫 しそん に受 う け継 つ がれる遺伝 いでん 的 てき な系統 けいとう 内 ない の変化 へんか のことである。乳癌 にゅうがん 、卵巣 らんそう 癌 がん 、膵臓 すいぞう 癌 がん 、前立腺 ぜんりつせん 癌 がん に関与 かんよ する傾向 けいこう が高 たか いことから、BRCA1 遺伝子 いでんし とBRCA2 遺伝子 いでんし は、TNBCの高 こう リスク遺伝子 いでんし として同定 どうてい された[ 6] 。また、19p13.1およびMDM4' 遺伝子 いでんし 座 ざ の変化 へんか または変異 へんい も、トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん と関連 かんれん しているが、他 た の形態 けいたい の乳癌 にゅうがん とは関連 かんれん していない。したがって、トリプルネガティブ腫瘍 しゅよう は、その生殖 せいしょく 細胞 さいぼう 系列 けいれつ 変異 へんい の稀 まれ な変化 へんか 様式 ようしき によって、他 た の乳癌 にゅうがん サブタイプと区別 くべつ される可能 かのう 性 せい がある[ 7] 。
2011年 ねん に発表 はっぴょう されたトリプルネガティブ乳癌 にゅうがん (TNBC)の分類 ぶんるい 法 ほう では、下記 かき の6つの分子 ぶんし サブタイプに区分 くぶん される[ 8] 。またこの分類 ぶんるい は、2018年 ねん の大 だい 規模 きぼ (550検体 けんたい )追試 ついし でも確認 かくにん された[ 9] [ 10] 。
サブタイプ
特徴 とくちょう [ 12]
BL1(basal-like 1)
基底 きてい 細胞 さいぼう 様 さま 1
細胞 さいぼう 増殖 ぞうしょく 能 のう が極 きわ めて高 たか く、細胞 さいぼう 周期 しゅうき 関連 かんれん 遺伝子 いでんし やDNA傷害 しょうがい 応答 おうとう 性 せい 遺伝子 いでんし が高 こう 発現 はつげん
BL2(basal-like 2)
基底 きてい 細胞 さいぼう 様 さま 2
成長 せいちょう 因子 いんし シグナル(EGF,NGF,MET,Wnt/β べーた -catenin,IGF1R経路 けいろ )、解 かい 糖 とう 系 けい と糖 とう 新生 しんせい 、成長 せいちょう 因子 いんし 受容 じゅよう 体 たい に関 かか わる遺伝子 いでんし が高 こう 発現 はつげん 。筋 すじ 上皮 じょうひ マーカー(TP63、CD10)発現 はつげん
IM(immunomodulatory)
免疫 めんえき 調節 ちょうせつ 系 けい
髄 ずい 様 さま 癌 がん が代表 だいひょう 、免疫 めんえき 反応 はんのう に関連 かんれん した遺伝子 いでんし が高 こう 発現 はつげん
M(mesenchyma)
間 あいだ 葉 は 系 けい
transforming growth factor (TGF)-β べーた 、EMT、増殖 ぞうしょく 因子 いんし 、Wnt/β べーた -cateninシグナルに関連 かんれん した遺伝子 いでんし が高 こう 発現 はつげん
MSL(mesenchymal stem-like)
間 あいだ 葉 は 系 けい 幹 みき 細胞 さいぼう 様 さま
transforming growth factor (TGF)-β べーた 、EMT、Wnt/β べーた -cateninシグナルに関連 かんれん した遺伝子 いでんし および幹 みき 細胞 さいぼう 関連 かんれん 遺伝子 いでんし が高 こう 発現 はつげん
LAR(luminal androgen receptor)
管 かん 腔アンドロゲン受容 じゅよう 体 たい
アポクリン癌 がん が代表 だいひょう 、ARやluminal関連 かんれん 遺伝子 いでんし が高 こう 発現 はつげん
TNBCは、「基底 きてい 型 がた 癌 がん (basal-type)[ 注 ちゅう 1] 」とそれ以外 いがい の癌 がん に分類 ぶんるい されることがある。基底 きてい 型 がた の癌 がん は、サイトケラチン 5/6とEGFR の染色 せんしょく によって定義 ていぎ されることが多 おお い。しかし、明確 めいかく な基準 きじゅん やカットオフ値 ち はまだ標準 ひょうじゅん 化 か されていない[ 2] 。基底 きてい 型 がた 乳癌 にゅうがん の約 やく 75%はトリプルネガティブである。
TNBCの中 なか には、上皮 じょうひ 成長 せいちょう 因子 いんし 受容 じゅよう 体 たい (EGFR)[ 13] [ 14] や膜 まく 貫通 かんつう 型 がた 糖 とう タンパク質 たんぱくしつ NMB(英語 えいご 版 ばん ) (GPNMB)を過剰 かじょう に発現 はつげん しているものがある。
トリプルネガティブ乳房 ちぶさ 腫瘍 しゅよう は、組織 そしき 学的 がくてき には、分泌 ぶんぴつ 細胞 さいぼう 癌 がん や腺 せん 様 さま 嚢胞 のうほう 型 がた (いずれも侵 おかせ 襲 かさね 性 せい が低 ひく いとされる)、髄 ずい 様 さま 癌 がん (英語 えいご 版 ばん ) や特定 とくてい のサブタイプがないグレード3の浸潤 しんじゅん 性 せい 乳 ちち 管 かん 癌 がん (英語 えいご 版 ばん ) 、侵 おかせ 襲 かさね 性 せい の高 たか い転移 てんい 性 せい 癌 がん に分類 ぶんるい されることがほとんどである[ 2] 。若年 じゃくねん 女性 じょせい の髄 ずい 様 さま TNBCはBRCA1 変異 へんい 例 れい が多 おお い。
トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん の稀 まれ な形態 けいたい として、アポクリン癌 がん (英語 えいご 版 ばん ) と扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 癌 がん がある。炎症 えんしょう 性 せい 乳癌 にゅうがん もトリプルネガティブであることが多 おお い。
カベオリン (英語 えいご 版 ばん ) 1/2やサバイビン などの多 おお くのタンパク質 たんぱくしつ は、分類 ぶんるい や予 よ 後 ご を左右 さゆう する要因 よういん として研究 けんきゅう されている。
TNBCは、予 よ 後 ご の観点 かんてん から、がんゲノミクスデータ(DNAコピー数 すう 、DNAメチル化 か 、mRNA)とタンパク質 たんぱくしつ 間 あいだ 相互 そうご 作用 さよう データを統合 とうごう 的 てき に解析 かいせき して分類 ぶんるい され、患者 かんじゃ の生存 せいぞん に大 おお きく関 かか わるいくつかの重要 じゅうよう なサブネットワーク(ユビキチン /プロテアソーム 、補 ほ 体系 たいけい 、代謝 たいしゃ に関 かか わるワールブルク効果 こうか 、小 しょう 胞体 -ゴルジ体 たい -細胞 さいぼう 表面 ひょうめん の輸送 ゆそう 、転写 てんしゃ など)が特定 とくてい されている[ 15] 。
標準 ひょうじゅん 的 てき な治療 ちりょう 法 ほう は、手術 しゅじゅつ に補助 ほじょ 化学 かがく 療法 りょうほう と放射線 ほうしゃせん 療法 りょうほう を組 く み合 あ わせたものである。トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん の場合 ばあい は、白金 はっきん 製剤 せいざい の影響 えいきょう を受 う けやすいため、術 じゅつ 前 ぜん 化学 かがく 療法 りょうほう が頻繁 ひんぱん に行 おこな われており、乳房 ちぶさ 温存 おんぞん 手術 しゅじゅつ の実施 じっし 率 りつ を高 たか めることができる。この化学 かがく 療法 りょうほう への反応 はんのう を評価 ひょうか することで、特定 とくてい の癌 がん の個別 こべつ の反応 はんのう 性 せい に関 かん する重要 じゅうよう な詳細 しょうさい 情報 じょうほう を得 え ることができる。しかし、乳房 ちぶさ 温存 おんぞん の改善 かいぜん 率 りつ は10 - 15%に過 す ぎず、個々 ここ の反応 はんのう 性 せい を知 し ることが治療 ちりょう 成績 せいせき の改善 かいぜん に繋 つな がる旨 むね が、決定的 けっていてき に証明 しょうめい されている。
TNBCは一般 いっぱん 的 てき に化学 かがく 療法 りょうほう に対 たい して非常 ひじょう に感受性 かんじゅせい が高 たか いと言 い われている。しかし、早期 そうき の完全 かんぜん 奏効 そうこう が全 ぜん 生存 せいぞん 率 りつ と相関 そうかん しない症例 しょうれい もある。そのため、最適 さいてき な化学 かがく 療法 りょうほう を見 み つけるのが特 とく に難 むずか しい。化学 かがく 療法 りょうほう にタキサン系 けい 薬剤 やくざい を追加 ついか することで、治療 ちりょう 成績 せいせき が大幅 おおはば に改善 かいぜん すると思 おも われる[ 2] [ 16] 。BRCA1 関連 かんれん のトリプルネガティブ乳癌 にゅうがん は、白金 はっきん 製剤 せいざい やタキサン系 けい 薬剤 やくざい などの化学 かがく 療法 りょうほう に特 とく に感受性 かんじゅせい が高 たか いとされている。
単一 たんいつ 遺伝子 いでんし の変異 へんい は個別 こべつ には予測 よそく できないが、アンドロゲン受容 じゅよう 体 たい (AR)およびFOXA1 (英語 えいご 版 ばん ) 経路 けいろ に関与 かんよ する遺伝子 いでんし に変異 へんい があるTNBC腫瘍 しゅよう は、化学 かがく 療法 りょうほう に対 たい する感受性 かんじゅせい が非常 ひじょう に高 たか かった。AR/FOXA1経路 けいろ の変異 へんい は、現在 げんざい の標準 ひょうじゅん 的 てき な化学 かがく 療法 りょうほう が有効 ゆうこう である可能 かのう 性 せい のある化学 かがく 療法 りょうほう 感受性 かんじゅせい の高 たか いTNBC患者 かんじゃ を特定 とくてい するための新 あたら しいマーカー (指標 しひょう )となる。機能 きのう 的 てき なBRCA1 またはBRCA2 RNAのレベルを低下 ていか させる変異 へんい は、生存 せいぞん 率 りつ の有意 ゆうい な改善 かいぜん と関連 かんれん していた。このBRCA欠損 けっそん 変異 へんい は、TNBCの新 あら たな化学 かがく 療法 りょうほう 感受性 かんじゅせい の高 たか いサブタイプを定義 ていぎ するものである。BRCA 欠損 けっそん TNBC腫瘍 しゅよう は、クローン変異 へんい の割合 わりあい が高 たか く、1クローンあたりの変異 へんい 数 すう が多 おお いクローン腫瘍 しゅよう と定義 ていぎ されており、また、免疫 めんえき 活性 かっせい 化 か の程度 ていど が高 たか いことから、化学 かがく 物質 ぶっしつ に対 たい する感受性 かんじゅせい が高 たか いと考 かんが えられる[ 17] 。
Immunomedics Inc.(現 げん ギリアド・サイエンシズ社 しゃ )が開発 かいはつ した、SN-38 に結合 けつごう した抗 こう Trop-2抗体 こうたい であるサシツズマブ ゴビテカン は、転移 てんい 性 せい TNBCの治療 ちりょう 薬 やく として、2020年 ねん 4月 がつ 22日 にち にFDAから承認 しょうにん された[ 18] 。このモノクローナル抗体 こうたい は、これまでにFDAの優先 ゆうせん 審査 しんさ 保証 ほしょう 、画期的 かっきてき 治療 ちりょう 薬 やく 、迅速 じんそく 承認 しょうにん 審査 しんさ の指定 してい を受 う けていた[ 18] 。
トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん は、全 ぜん 乳癌 にゅうがん 症例 しょうれい の約 やく 15 - 25%を占 し める[ 19] 。TNBCの全体 ぜんたい 的 てき な割合 わりあい は、すべての年齢 ねんれい 層 そう で非常 ひじょう によく似 に ている。若 わか い女性 じょせい では基底 きてい 型 がた やBRCA 関連 かんれん のTNBCの割合 わりあい が高 たか く、高齢 こうれい の女性 じょせい ではアポクリン型 がた 、正常 まさつね 様 さま (normal-like)[ 注 ちゅう 2] 、神経 しんけい 内分泌 ないぶんぴつ 型 がた を含 ふく む稀 まれ なサブタイプのTNBCの割合 わりあい が高 たか くなっている[ 2] 。
米国 べいこく の研究 けんきゅう によると、若年 じゃくねん 層 そう の女性 じょせい では、アフリカ系 けい アメリカ人 じん とヒスパニック系 けい の女性 じょせい がTNBCのリスクが高 たか く[ 20] 、アフリカ系 けい アメリカ人 じん は他 た の民族 みんぞく に比 くら べて予 よ 後 ご が悪 わる い[ 21] とのことである。
2009年 ねん 、トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん 患者 かんじゃ 187名 めい を対象 たいしょう とした症例 しょうれい 対照 たいしょう 研究 けんきゅう において、経口 けいこう 避妊 ひにん 薬 やく (OC)を1年 ねん 以上 いじょう 使用 しよう した女性 じょせい では、OCを1年 ねん 未満 みまん または全 まった く使用 しよう しなかった女性 じょせい に比 くら べて、トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん のリスクが2.5倍 ばい になることが報告 ほうこく された[ 22] 。トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん のリスクの増加 ぞうか は、OCを1年 ねん 以上 いじょう 使用 しよう した40歳 さい 以下 いか の女性 じょせい では4.2であったが、41歳 さい から45歳 さい までの女性 じょせい ではリスクの増加 ぞうか は見 み られなかった。また、OCの使用 しよう 期間 きかん が長 なが くなると、トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん のリスクが増加 ぞうか した。
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(2021年 ねん 5月 がつ )
血管 けっかん 新生 しんせい 阻害 そがい 薬 やく (英語 えいご 版 ばん ) やEGFR(HER-1)阻害 そがい 薬 やく は、実験 じっけん 的 てき に頻繁 ひんぱん にテストされ、有効 ゆうこう 性 せい が示 しめ されている[要 よう 出典 しゅってん ] 。治療 ちりょう 法 ほう は、日常 にちじょう 診療 しんりょう に用 もち いるには充分 じゅうぶん に確立 かくりつ されておらず、どの段階 だんかい で使用 しよう するのが最適 さいてき で、どの患者 かんじゃ が利益 りえき を得 え るかは不明 ふめい である。
2009年 ねん までには、PARP阻害 そがい 薬 やく (英語 えいご 版 ばん ) のイニパリブ [ 23] 、NK012 (英語 えいご 版 ばん ) [ 24] など、TNBCに対 たい する多 おお くの新 あたら しい戦略 せんりゃく が臨床 りんしょう 試験 しけん で検証 けんしょう されていた。
また、膜 まく 貫通 かんつう 型 がた 糖 とう タンパク質 たんぱくしつ NMB(英語 えいご 版 ばん ) (GPNMB)を標的 ひょうてき としたグレンバツムマブ べドチン (英語 えいご 版 ばん ) (CDX-011)と呼 よ ばれる新規 しんき の抗体 こうたい 薬物 やくぶつ 複 ふく 合体 がったい も、2009年 ねん に有望 ゆうぼう な臨床 りんしょう 試験 しけん 結果 けっか が得 え られている[ 25] 。
PARP阻害 そがい 薬 やく は、初期 しょき の臨床 りんしょう 試験 しけん では期待 きたい されていたが[ 23] 、その後 ご の幾 いく つかの臨床 りんしょう 試験 しけん では失敗 しっぱい に終 お わった[ 26] 。
2013年 ねん 11月、GPNMB陽性 ようせい 転移 てんい 性 せい TNBC患者 かんじゃ 300名 めい を対象 たいしょう に、グレンバツムマブ べドチンとカペシタビン の併用 へいよう 療法 りょうほう を検討 けんとう する第 だい II相 しょう 臨床 りんしょう 試験 しけん (METRIC)が開始 かいし された[ 27] 。
2016年 ねん 6月 がつ にTNBCの結果 けっか が報告 ほうこく されたのは、IMMU-132 (英語 えいご 版 ばん ) 、バンチクツマブ (英語 えいご 版 ばん ) 、アテゾリズマブ を化学 かがく 療法 りょうほう のnab-パクリタキセル と併用 へいよう した3つの初期 しょき 段階 だんかい の試験 しけん である[ 28] 。
2019年 ねん 、CytoDyn社 しゃ は、ヒト化 か モノクローナル抗体 こうたい であるレロンリマブ (英語 えいご 版 ばん ) (PRO 140)を化学 かがく 療法 りょうほう と併用 へいよう するフェーズ1b/2試験 しけん を、動物 どうぶつ のマウスモデルでの強力 きょうりょく な結果 けっか を受 う けて開始 かいし した。レロンリマブは、他 た の作用 さよう 機 き 序 じょ の中 なか でも、トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん によく発現 はつげん している細胞 さいぼう 表面 ひょうめん のCCR5 受容 じゅよう 体 たい を阻害 そがい することで、転移 てんい を抑制 よくせい すると考 かんが えられている。2019年 ねん 11月11日 にち 、CytoDyn社 しゃ は、同社 どうしゃ のナイーブプロトコル(トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん の治療 ちりょう 歴 れき がない)で注入 ちゅうにゅう された最初 さいしょ のTNBC患者 かんじゃ が、ベースラインの観察 かんさつ 結果 けっか と比較 ひかく して、2週間 しゅうかん および5週間 しゅうかん の観察 かんさつ 期間 きかん の間 あいだ に、循環 じゅんかん 腫瘍 しゅよう 細胞 さいぼう (英語 えいご 版 ばん ) (CTC)のレベルが有意 ゆうい に低下 ていか し、腫瘍 しゅよう サイズが減少 げんしょう したことを報告 ほうこく した。CTCは、がんの臨床 りんしょう 試験 しけん における潜在 せんざい 的 てき な代替 だいたい エンドポイントであり、レベルの低下 ていか は長期 ちょうき 的 てき な臨床 りんしょう 効果 こうか を示唆 しさ している[ 29] [ 30] 。
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(2021年 ねん 5月 がつ )
トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん (TNBC)では、FDG-PET(フルデオキシグルコース (18 F) ポジトロン断層 だんそう 法 ほう )においてはER+/PR+/HER2-腫瘍 しゅよう の取 と り込 こ みと比較 ひかく して、平均 へいきん して有意 ゆうい に高 たか いフルデオキシグルコース(FDG)の取 と り込 こ み(SUVmax値 ち [ 注 ちゅう 3] で測定 そくてい )が見 み られる[ 32] 。これらの腫瘍 しゅよう では、解 かい 糖 とう が亢進 こうしん していることが、その侵 おかせ 襲 かさね 的 てき な生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 性質 せいしつ に関係 かんけい しているのではないかと推測 すいそく されている。
糖尿 とうにょう 病 びょう 薬 やく として広 ひろ く使 つか われているメトホルミン が、トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん の治療 ちりょう 薬 やく として期待 きたい されている。さらにメトホルミンは、間接 かんせつ 的 てき な(インスリンを介 かい した)作用 さよう によって癌 がん 細胞 さいぼう に影響 えいきょう を与 あた えるか、あるいは癌 がん 細胞 さいぼう の細胞 さいぼう 増殖 ぞうしょく やアポトーシスに直接的 ちょくせつてき な影響 えいきょう を与 あた える可能 かのう 性 せい がある。疫学 えきがく 的 てき 研究 けんきゅう や前 ぜん 臨床 りんしょう 研究 けんきゅう から、メトホルミンは、AMP活性 かっせい 化 か プロテインキナーゼ (AMPK)の活性 かっせい 化 か を含 ふく む、少 すく なくとも2つの機構 きこう で抗 こう 腫瘍 しゅよう 効果 こうか を示 しめ すことがわかっている。2009年 ねん には、乳癌 にゅうがん に対 たい するアジュバント (補助 ほじょ )療法 りょうほう としてのメトホルミンの大 だい 規模 きぼ な第 だい 3相 そう 試験 しけん が計画 けいかく されている[ 33] 。
トリプルネガティブ乳癌 にゅうがん 細胞 さいぼう はグルタチオン-S -トランスフェラーゼ Pi1に依存 いぞん しており、その阻害 そがい 薬 やく (LAS17)が前 ぜん 臨床 りんしょう 試験 しけん で有望 ゆうぼう な結果 けっか を示 しめ した[ 34] 。
^ 基底 きてい 細胞 さいぼう 様 さま (basal-like)とは異 こと なる。
^ 正常 せいじょう 上皮 じょうひ の性格 せいかく を持 も つ。 腫瘍 しゅよう としての特徴 とくちょう は一定 いってい の見解 けんかい がない。大半 たいはん のMSL腫瘍 しゅよう がこれに該当 がいとう する。
^ standardized uptake valueの最大 さいだい 値 ち 。関心 かんしん 撮影 さつえい 領域 りょういき 内 ない の1画素 がそ あたりの最 もっと も大 おお きな値 ね 。およそ2.5を超 こ えると悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう が疑 うたが われるが、撮影 さつえい 条件 じょうけん で変動 へんどう する[ 31] 。
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