ドリル (工具こうぐ)

画像がぞう提供ていきょう依頼いらい：用途ようとによる刃先はさきの違ちがい、シャンクの違ちがいの画像がぞう提供ていきょうをお願ねがいします。（2009年ねん4月がつ）

ハンドドリル。手回てまわし式しきドリルの中なかでも、比較的ひかくてき小ちいさな穴あな（小ちいさな力ちからで開あけられる穴あな）をあけるためのもの。写真しゃしん左上ひだりうえの取とっ手てを握にぎり回転かいてんさせると、その力ちからで円盤えんばん状じょうの金属きんぞく（歯車はぐるま）が回転かいてん、（歯車はぐるまによって回転かいてん数すうが増ます状態じょうたいで）写真しゃしん左側ひだりがわのチャック（ビットを固定こていする部分ぶぶん）が回転かいてんする。

ハンドドリルの中なかでも、やや大おおきな穴あなや、大おおきなトルクが必要ひつような材質ざいしつのものに穴あなをあけるためのもの。回転かいてん力りょくを与あたえる「握にぎり」の部分ぶぶんが、回転かいてん軸じくから数すう十じゅうcmほど離はなれており、かつ握にぎり部ぶの1回転かいてんが刃先はさきの1回転かいてんとして伝つたわり、大おおきなトルクをかけられる。

コードレス電動でんどうドリル。取とっ手ての下したの黒くろい部分ぶぶんが電池でんち。以前いぜんはもっぱらニッカド電池でんちであったが、その後ごニッケル水素すいそ電池でんち、リチウムイオン電池でんちが普及ふきゅうした。

ドリル(drill)とは、回転かいてんする切削せっさくチップ（ビット）や往復おうふく運動うんどうするハンマーやチゼル（タガネ）によって、穴あなをあけるための道具どうぐあるいは機械きかいのこと^[1]。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

ドリルとは、なんらかのビット類るい（螺旋らせん状じょうのドリルビットや、チゼル等々とうとう）を回転かいてんさせたり往復おうふく運動うんどうさせて、穴あなをあける道具どうぐや機械きかいのことである。いわゆる電気でんきドリル（電動でんどうドリル）やボぼール盤るばんを含ふくむ。

（この意味いみでの通称つうしょうの）「ドリル」は、ドリルビットに回転かいてんする力ちからを与あたえるための機械きかいであり工具こうぐである。この「ドリル」のうち、ドリルビットを固定こていする部分ぶぶんは「チャック」と呼よばれる。

ドリルビット (drill bit) は、回転かいてんさせられることによって、物ものに穴あなを開あけ、切削せっさくを行おこなう。切削せっさく工具こうぐの一種いっしゅであり、また、錐きりの一種いっしゅでもある。ビットは、日本語にほんごでは「ドリル刃ば」とも呼よばれる。一般いっぱんに回転かいてん軸じくを持もち、細長ほそながい形状けいじょうをしている。一方いっぽうの先端せんたんは加工かこう対象たいしょう物ぶつを削けずる部分ぶぶんであり、もう一方いっぽうはチャックによって固定こていされて動力どうりょくを伝つたえる部分ぶぶんで「シャンク」と呼よばれる。切削せっさく側がわには金属きんぞく製せいの刃はがあり、回転かいてんにより加工かこうを行おこなう。シャンクの形状けいじょうは以前いぜんはもっぱら円柱えんちゅう形がたであったが、近年きんねんではスリップが起おきにくい六ろく角柱かくちゅう形がたが増ふえている。ボぼール盤るばんを含ふくむ電気でんき/電動でんどうドリル、または、ハンドドリル（手動しゅどう）のチャックに取とり付つけて使つかわれる。対象たいしょう物ぶつの材質ざいしつ（用途ようと）や穴あなの直径ちょっけいによって、様々さまざまな分類ぶんるいがされている。穴あなの仕上しあがり直径ちょっけいの表記ひょうきは、ミリメートル単位たんいか、またはインチ単位たんいである。

二ふたつ以上いじょうのドリルビットを同時どうじに一ひとつのチャックに取とり付つけることはできない。寸法すんぽう違ちがいのビットを交換こうかんして使つかうことや折おれることもあるため、たいてい一ひとつのドリルに対たいし複数ふくすうのドリルビットを備そなえることになる。

材質ざいしつ[編集へんしゅう]

切削せっさく性能せいのうだけではなく、耐たい熱性ねっせい、耐たい摩耗まもう性せい、靭うつぼ性せいを考慮こうりょした材料ざいりょうが使用しようされている。工具こうぐ鋼こうや超ちょう硬かた合金ごうきんを用もちいるほか、焼やき入いれや窒化処理しょり、チタンコーティング処理しょりによって切きれ刃ばの特性とくせいを改善かいぜんし、総合そうごう的てきな性能せいのう向上こうじょうを図はかっている。掘削くっさく工具こうぐ用ようになると、機械きかい構造こうぞう用よう鋼こうなども使つかわれる。

法律ほうりつによる制限せいげん[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは、ドリルビットは特殊とくしゅ開ひらけ錠じょう用具ようぐの所持しょじの禁止きんし等とうに関かんする法律ほうりつ（ピッキング防止ぼうし法ほう）の「指定してい侵入しんにゅう工具こうぐ」に該当がいとうする場合ばあいがある。業務ぎょうむその他た正当せいとうな理由りゆうによる場合ばあいを除のぞいて、隠かくして携帯けいたいすると処罰しょばつの対象たいしょうとなる。

ツイストドリルビット[編集へんしゅう]

丸まる棒ぼうに切きりくず排出はいしゅつ用ようの螺旋らせん（らせん）状じょうの溝みぞが2本ほん切きられ、円錐えんすい型がたに尖とがらせた先端せんたんに一対いっついの切きれ刃ばが設もうけられる。この切きれ刃ばは中心ちゅうしんで交まじわらず、それぞれの逃にげ面めんが先端せんたんで峰みねを形成けいせいする。これを「チゼルエッジ」と呼よび、この部分ぶぶんには切きれ刃ばが無ない。正確せいかくに穴あなの位置いちを定さだめるためには、ポンチ/センターポンチなどで被ひ削そぎ材ざいにチゼルエッジの幅はばよりも大おおきな径みちの円錐えんすい状じょうの窪くぼみを予あらかじめ加工かこうしておく必要ひつようがある。この作業さぎょうは通常つうじょう、「センタ打うち」などと呼よばれる。

チゼルエッジの幅はばはウェブの厚あつみに比例ひれいし、大おおきな径みちのドリルビットほど大おおきくなるため、これを小ちいさくする（あるいは無なくす）ためにシンニング (thinning) 加工かこうを施ほどこす。

金属きんぞくなどの深ふか穴あな加工かこう用ようドリルビットでは、ビット先端せんたんの切削せっさく点てんへ切削せっさく油ゆが確実かくじつに届とどくようにするため、内部ないぶに先端せんたんまで貫通かんつうしたオイルホールを持もつものがある。

柄えの形状けいじょう[編集へんしゅう]

ツイストドリルビットのシャンクには、主おもに以下いかの様ような形状けいじょうがある。

ストレートシャンク

円筒えんとう状じょうの柄えは、ストレートシャンクと呼よばれ、この径みちは一般いっぱんにはドリルビットの呼よび径みちと同一どういつ寸法すんぽうである。この柄えを持もったビットは、ストレートドリル（ビット）と呼よばれる。

エンドミルシャンク: エンドミルシャンクはストレートシャンクの一種いっしゅであるが、呼よび径みちより太ふとい径みちの柄えを持もつ。エンドミルにおいて一般いっぱん的てきに用もちいられる6 mm、8 mm、12 mmといった径みちが使つかわれ、コレットチャックによる強力きょうりょくで精密せいみつな把握はあくが可能かのうである。
ノス型がた: ノス型がたはストレートシャンクの一種いっしゅであるが、呼よび径みちより細ほそい径みちの柄えを持もつ。一般いっぱん的てきなハンドボーラ（ハンドドリル）のチャック有効ゆうこう把握はあく径みちは10 mmあるいは13 mmであるため、これより大おおきな穴あなをあける際さいに用もちいる。

テーパシャンク

円錐えんすい状じょうの柄えをテーパ（テーパー）シャンクと呼よぶ。この形状けいじょうの柄えを持もつドリルビットは一般いっぱんにテーパドリル（ビット）と呼よばれるが、「テーパの付ついた穴あなをあけるドリルビット」（リーマー）を意味いみするものではない。

SDSプラス、SDS-max

ボッシュの開発かいはつした特殊とくしゅな形状けいじょうのシャンクで、ハンマドリル（英語えいご版ばん）など強力きょうりょくな穴あなあけに用もちいられる。SDSとはドイツ語ごの Steck, Dreh, Sitzt （差さし込こみ、回まわすと、固定こていされる）の略りゃく^[2]であり、簡単かんたんに強力きょうりょくな把握はあくが可能かのうで、振動しんどう・衝撃しょうげきにも強つよい。

溝みぞの長ながさ[編集へんしゅう]

スタブ (stub): 穴あなの径みちに対たいして3倍ばい以下いかの深ふかさの、浅あさい穴あなに用もちいられる。
レギュラー (regular): 穴あなの径みちに対たいして5倍ばい以下いかの深ふかさの穴あなに用もちいられ、これが標準ひょうじゅん的てきな溝みぞ長ちょうである。
ロング (long) 、エキストラロング (extra-long): これらは、穴あなの径みちに対たいして5倍ばいより深ふかい穴あなに用もちいられる。こうした非常ひじょうに長ながいドリルを使用しようするには、「ガイド穴あな」と呼よばれるドリルを被ひ削そぎ材ざいに導みちびき入いれるための加工かこうを予あらかじめ施ほどこす必要ひつようがある。

超ちょう硬かたドリルビット[編集へんしゅう]

ツイストドリルビットの先端せんたんに超ちょう硬かた合金ごうきんのチップを取とり付つけたもの。コンクリートなど脆性ぜいせいの低ひくい被ひ削そぎ材ざいの穴あなあけに適てきする。先端せんたんにツイストドリルビットのような切きれ刃ばはなくタガネのような形状けいじょうとなっている。これに振動しんどうドリルやハンマドリルで軸じく方向ほうこうに衝撃しょうげきを与あたえることにより被ひ削そぎ材ざいを砕くだき、穴あなを空あける。

超ちょう硬かた合金ごうきん製せいのツイストドリルビットのことを指さす場合ばあいもある。

コアドリルビット[編集へんしゅう]

ツイストドリルビットは穴あな容積ようせき分ぶんの被ひ削そぎ材ざいをすべて切きり粉ことして排出はいしゅつするが、コアドリルは穴あなの外周がいしゅう部ぶのみを削けずり取とり、中心ちゅうしん部ぶ（コア）を円柱えんちゅう形がたに切きり抜ぬくものである。このためツイストドリルビットに比くらべて大おおきな穴あなを短時間たんじかんで空あける事ことができる。建物たてものの壁かべに配管はいかん用ようの穴あなを空あける場合ばあいに用もちいられることが多おおい。被ひ削そぎ材ざいとビットの組くみ合あわせによっては水みずをかけながら切削せっさくする必要ひつようがある。大おおきな穴あなの中心ちゅうしんを決きめる下した穴あなをあらかじめ開あけておく必要ひつようがある。

半月はんつきドリルビット[編集へんしゅう]

切きれ刃ばを付つけた丸まる棒ぼうの片側かたがわ半分はんぶんを削けずり落おとしただけのものである。一般いっぱん的てきにツイストドリルビットと比くらべると強度きょうどが劣おとるといわれる。しかし、この形状けいじょうから、ドリル溝みぞを切きりくず排出はいしゅつに利用りようできる特性とくせいを持もつため、一部いちぶの被ひ削そぎ材ざいに対たいしては、効果こうかが認みとめられる。半月はんつきドリルビットはすくい角かくを持もたず、0°であるため、切削せっさくの際さいに通常つうじょうのドリルより切削せっさく抵抗ていこうが高たかくなる傾向けいこうがある。

ガンドリルビット[編集へんしゅう]

半月はんつきドリルビットの一種いっしゅで直線ちょくせん状じょうの溝みぞを持もったものである。

ガンドリルビット
ガンドリルビットの先端せんたん、オイルホールが見みえる

ホールソー[編集へんしゅう]

コアドリルビット同様どうように穴あなの外周がいしゅう部ぶのみを削けずり取とるものであるがこちらは薄板うすいた用ようである。中心ちゅうしんにはガイドを兼かねた下しも穴あな用ようのドリルビットが設もうけられている。

ステップドリルビット[編集へんしゅう]

ステップドリルビットは多数たすうの円筒えんとう切きれ刃はを段階だんかい的てきに設もうけることにより円錐えんすい形がたの外形がいけいとしたものである。主おもに薄板うすいたの穴あなあけに用もちいられ、任意にんいの段だんで送おくりを止とめることにより広ひろい範囲はんいの大おおきさの穴あなあけが可能かのうである。その形状けいじょうから、「筍たけのこドリルビット」とも俗称ぞくしょうされる。

木工もっこう用ようスペード・ビット[編集へんしゅう]

板いた錐きり（いたぎり）とも呼よばれる。木材もくざいに貫通かんつうする穴あなを作つくるために用もちいられる。回転かいてん軸じくの中心ちゅうしんの先端せんたんは突つき出だして尖とがっており、先端せんたんに近ちかい部分ぶぶんは平たいらな金属きんぞく板ばんになっている。その中央ちゅうおう付近ふきんには小ちいさな穴あなが開あけられていることが多おおく、壁かべの裏側うらがわのような手てが届とどかない部分ぶぶんへ貫通つらぬきとおさせて回転かいてんを止とめ、この穴あなにワイヤーやケーブルを通とおして引ひき抜ぬくことで、裏うらにある細長ほそながい物ものの先端せんたんを自分じぶん側がわに引ひき寄よせることができる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]