鏨

鏨（たがね、chisel）とは、金属きんぞくや岩石がんせきを加工かこうするための工具こうぐの一種いっしゅ。鋼鉄こうてつ製せいで、一般いっぱん的てきにつち（ハンマー）とともに用もちいる。たがね とひらがなで表記ひょうきされることが多おおい。漢字かんじでは鏨と書かく。

なお、英語えいごではchiselという用語ようごで呼よぶが、chiselは日本語にほんごの「たがね」と「のみ（鑿）」を含ふくんでおり、欧米おうべいの用語ようごでは一般いっぱんに、金工きんこう用ようと木工もっこう用ようを区別くべつをせず呼よんでいる。

用途ようと

鏨（たがね）は用途ようとによって、鍛冶たんや用よう、彫金ちょうきん用よう、石工せっこう用ようなどに分わけられる。なお、鏨（たがね）で削けずることをはつるという。

機械きかい工こう

機械きかい工こうで使用しようされる鏨（たがね）は、平ひら鏨（ひらたがね）、烏帽子えぼし鏨（えぼしたがね）、特殊とくしゅ鏨に分類ぶんるいされる。

• 平ひら鏨 - 平面へいめんをはつるのに用もちいる。
• 烏帽子えぼし鏨 - 楔くさびを入いれる溝みぞを切きったり、材料ざいりょうを溝みぞに入いれるために用もちいる。
• 特殊とくしゅ鏨 - 丸まるみのある溝みぞを切きったり、隅すみを直角ちょっかくにはつるのに用もちいる。

彫金ちょうきん用よう

彫金ちょうきん鏨は「彫ほり鏨」と「打うち込こみ鏨」に大おおきく分わけられる。

• 彫ほり鏨 - 毛彫けぼり鏨、丸まる毛彫けぼり鏨、片かた切きり鏨、刃は鏨、鋤すき鏨、剣先けんさき鏨（線せん象嵌ぞうがん鏨）などの種類しゅるいがある。
• 打うち込こみ鏨 - 目め切ぎり鏨（布目ぬのめ象嵌ぞうがん）、抜ぬき鏨、直線ちょくせん用よう蹴けり上あげ鏨、曲線きょくせん用よう蹴けり上あげ鏨、直ただし・曲きょく用よう側がわ寄よせ鏨、ひょうたん鏨、ずらせ鏨、魚さかな々子こ鏨、石いし目打めうち鏨、打うち出だし鏨、はまぐり鏨、なめくり鏨、足あし鏨、均ならし鏨、裁たち切きり鏨などの種類しゅるいがある。

採鉱さいこう用よう

近代きんだい化かされる以前いぜんの採鉱さいこう方法ほうほうでは、セットウ（ハンマー）と鏨（たがね）が用もちいられたが、鉱山こうざん技術ぎじゅつの近代きんだい化かにより削そぎ岩がん機きや火薬かやくを用もちいた発破はっぱ採掘さいくつ法ほうが用もちいられるようになった。

ギャラリー

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  金属きんぞく用もちいたがね
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  フランスの石工せっこうが使つかっているたがね
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  石いしの彫刻ちょうこくに用もちいられている、刃はつきのたがね。筋すじをつける。

関連かんれん項目こうもく

• 金属きんぞく加工かこう