ブレイトンサイクル (英 えい : Brayton cycle )は、断熱 だんねつ 圧縮 あっしゅく 、等 とう 圧 あつ 加熱 かねつ 、断熱 だんねつ 膨張 ぼうちょう 、等 とう 圧 あつ 冷却 れいきゃく から構成 こうせい される熱 ねつ 力学 りきがく サイクル であり、ジュールサイクルとも呼 よ ばれる。
当初 とうしょ は、ピストン・シリンダ方式 ほうしき のガス機関 きかん のサイクルとして実現 じつげん されたが、現在 げんざい では、等 とう 圧 あつ 燃焼 ねんしょう ガスタービン機関 きかん の理論 りろん サイクルとして用 もち いられている。
等 とう 圧 あつ 燃焼 ねんしょう のガスタービン機関 きかん のサイクルは、もとは英国 えいこく の技術 ぎじゅつ 者 しゃ ジョン・バーバー (en )が1791年 ねん に提案 ていあん して特許 とっきょ 取得 しゅとく したものであるが、実際 じっさい に該当 がいとう する熱 ねつ 機関 きかん を作 つく ったのはアメリカの技術 ぎじゅつ 者 しゃ ジョージ・ブレイトン (en )であり、彼 かれ の名 な にちなんでブレイトンサイクルと呼 よ ばれている。
ジョージ・ブレイトンは、1872年 ねん に「Ready Motor」と名 な づけた往復 おうふく 動 どう 式 しき 定圧 ていあつ 燃焼 ねんしょう 機関 きかん の特許 とっきょ を申請 しんせい した。その熱 ねつ 機関 きかん はピストン・シリンダ式 しき の圧縮 あっしゅく 機 き と膨張 ぼうちょう 機 き で構成 こうせい されていた。気化 きか 器 き でガスと空気 くうき の混合 こんごう 気 き を作 つく り、それを圧縮 あっしゅく 機 き で圧縮 あっしゅく してリザーバー・タンクに溜 た める。それを膨張 ぼうちょう 機 き に導 みちび き、膨張 ぼうちょう 機 き へ入 はい る直前 ちょくぜん でパイロット火炎 かえん により点火 てんか 燃焼 ねんしょう させて、膨張 ぼうちょう 機 き で仕事 しごと を取 と り出 だ す。膨張 ぼうちょう 機 き はクランク軸 じく を介 かい して圧縮 あっしゅく 機 き に繋 つな がり、圧縮 あっしゅく 機 き を駆動 くどう して残 のこ りの仕事 しごと が出力 しゅつりょく として取 と り出 だ された。当初 とうしょ は石炭 せきたん ガスを燃料 ねんりょう としたが、後 のち には灯油 とうゆ 等 とう の石油 せきゆ 系 けい 燃料 ねんりょう を使用 しよう した。揚水 ようすい ポンプ、製粉 せいふん 、さらには船舶 せんぱく の推進 すいしん などの用途 ようと に用 もち いられた。また、1878年 ねん にジョージ B. セルデン はブレイトンの熱 ねつ 機関 きかん で駆動 くどう される四 よん 輪 りん 自動車 じどうしゃ を開発 かいはつ した。
ブレイトンサイクルという名称 めいしょう は、近年 きんねん ではガスタービン機関 きかん の理論 りろん サイクルを表 あらわ すのに用 もち いられている。単純 たんじゅん なガスタービン機関 きかん は、回転 かいてん 翼 つばさ 式 しき の圧縮 あっしゅく 機 き とタービンおよび燃焼 ねんしょう 器 き で構成 こうせい されており、ブレイトンの熱 ねつ 機関 きかん と同 おな じブレイトンサイクルを行 おこな う。また、ターボジェット、ターボファンなどのジェット機関 きかん もブレイトンサイクルであり、空気 くうき 取入 とりい れ口 こう ディフューザが圧縮 あっしゅく 機 き 前段 ぜんだん の役割 やくわり を担 にな い、推力 すいりょく 用 よう ノズルがタービン後段 こうだん の役割 やくわり を担 にな っている。
単純 たんじゅん なブレイトンサイクルの P –v 線 せん 図 ず および T –s 線 せん 図 ず を図 ず 1 、2 に示 しめ す。図 ず の番号 ばんごう は次 つぎ の機器 きき (状態 じょうたい 変化 へんか )に対応 たいおう している。
図 ず 1. 単純 たんじゅん ブレイトンサイクルの p –v 線 せん 図 ず
図 ず 2. 単純 たんじゅん ブレイトンサイクルの T –s 線 せん 図 ず
1 → 2 : 圧縮 あっしゅく 機 き (断熱 だんねつ 圧縮 あっしゅく )
2 → 3 : 燃焼 ねんしょう 器 き (等 とう 圧 あつ 加熱 かねつ )
3 → 4 : タービン (断熱 だんねつ 膨張 ぼうちょう )
4 → 1 : 大気 たいき 中 ちゅう への排気 はいき と給 きゅう 気 き (等 とう 圧 あつ 冷却 れいきゃく )
比熱 ひねつ 一定 いってい の理想 りそう 気体 きたい の可逆 かぎゃく 変化 へんか を仮定 かてい することにより、各 かく 点 てん の状態 じょうたい 量 りょう は下表 かひょう のように求 もと まる。ただし、
κ かっぱ
=
c
p
/
c
v
{\displaystyle \kappa =c_{p}/c_{v}}
は定圧 ていあつ 比熱 ひねつ と定 てい 積 せき 比熱 ひねつ の比 ひ であり、空気 くうき 等 とう の 2 原子 げんし 分子 ぶんし 気体 きたい では ほぼ 1.4 である。また、パラメータ
ϕ
{\displaystyle \phi }
は圧力 あつりょく 比 ひ と呼 よ ばれる。
サイクル各 かく 点 てん の状態 じょうたい 量 りょう
圧力 あつりょく
比 ひ 体積 たいせき
絶対温度 ぜったいおんど
1
p
1
{\displaystyle p_{1}}
v
1
{\displaystyle v_{1}}
T
1
{\displaystyle T_{1}}
2
p
1
ϕ
{\displaystyle p_{1}\phi }
v
1
/
ϕ
1
/
κ かっぱ
{\displaystyle v_{1}/\phi ^{1/\kappa }}
T
1
ϕ
(
κ かっぱ
−
1
)
/
κ かっぱ
{\displaystyle T_{1}\phi ^{(\kappa -1)/\kappa }}
3
p
1
ϕ
{\displaystyle p_{1}\phi }
v
1
σ しぐま
/
ϕ
1
/
κ かっぱ
{\displaystyle v_{1}\sigma /\phi ^{1/\kappa }}
T
1
σ しぐま
ϕ
(
κ かっぱ
−
1
)
/
κ かっぱ
{\displaystyle T_{1}\sigma \phi ^{(\kappa -1)/\kappa }}
4
p
1
{\displaystyle p_{1}}
v
1
σ しぐま
{\displaystyle v_{1}\sigma }
T
1
σ しぐま
{\displaystyle T_{1}\sigma }
ϕ
=
p
2
/
p
1
{\displaystyle \phi =p_{2}/p_{1}}
、
σ しぐま
=
T
3
/
T
2
{\displaystyle \sigma =T_{3}/T_{2}}
、
κ かっぱ
=
c
p
/
c
v
=
1.40
{\displaystyle \kappa =c_{p}/c_{v}=1.40}
このサイクルの単位 たんい 質量 しつりょう あたりの加熱 かねつ 量 りょう
q
h
{\displaystyle q_{\mathrm {h} }}
、放熱 ほうねつ 量 りょう
q
l
{\displaystyle q_{\mathrm {l} }}
、得 え られる正味 しょうみ の仕事 しごと
w
{\displaystyle w}
および熱 ねつ 効率 こうりつ
η いーた
{\displaystyle \eta }
は下記 かき のとおりとなる。
q
h
=
c
p
(
T
3
−
T
2
)
=
T
1
(
σ しぐま
−
1
)
ϕ
(
κ かっぱ
−
1
)
/
κ かっぱ
{\displaystyle q_{\mathrm {h} }=c_{p}(T_{3}-T_{2})=T_{1}(\sigma -1)\phi ^{(\kappa -1)/\kappa }\,}
q
l
=
c
p
(
T
4
−
T
1
)
=
T
1
(
σ しぐま
−
1
)
{\displaystyle q_{\mathrm {l} }=c_{p}(T_{4}-T_{1})=T_{1}(\sigma -1)\,}
w
=
q
h
−
q
l
=
T
1
(
σ しぐま
−
1
)
{
ϕ
(
κ かっぱ
−
1
)
/
κ かっぱ
−
1
}
{\displaystyle w=q_{\mathrm {h} }-q_{\mathrm {l} }=T_{1}(\sigma -1)\{\phi ^{(\kappa -1)/\kappa }-1\}\,}
η いーた
=
w
q
h
=
1
−
1
ϕ
(
κ かっぱ
−
1
)
/
κ かっぱ
{\displaystyle \eta ={\frac {w}{q_{\mathrm {h} }}}=1-{\frac {1}{\phi ^{(\kappa -1)/\kappa }}}\,}
熱 ねつ 効率 こうりつ は、上 うえ 式 しき のように圧力 あつりょく 比 ひ
ϕ
{\displaystyle \phi }
に大 おお きく依存 いぞん し、圧力 あつりょく 比 ひ の上昇 じょうしょう と共 とも に向上 こうじょう するので、圧力 あつりょく 比 ひ を上 あ げることが第 だい 一 いち の課題 かだい となるが、それには以下 いか のような問題 もんだい が生 しょう じる。
図 ず 3. 高 こう 圧力 あつりょく 比 ひ のブレイトンサイクル
実際 じっさい のガスタービン機関 きかん では、燃焼 ねんしょう ガスにさらされるタービン翼 つばさ の高温 こうおん 強度 きょうど 上 じょう の制約 せいやく により、タービン入口 いりくち のガス温度 おんど
T
3
{\displaystyle T_{3}}
が制限 せいげん される。タービン入口 いりくち 温度 おんど を一定 いってい に保 たも って圧力 あつりょく 比 ひ を上昇 じょうしょう させたときの、p-v 線 せん 図 ず を図 ず 3 に示 しめ す。圧力 あつりょく 比 ひ が上昇 じょうしょう すると 1234 のサイクルが 12'3'4' となり、圧縮 あっしゅく 後 ご 2' の空気 くうき 温度 おんど が高 たか くなるので、燃焼 ねんしょう 器 き バーナーでの燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 量 りょう を減 へ らして単位 たんい 空気 くうき 量 りょう あたりの加熱 かねつ 量 りょう を減 へ らさざるを得 え なくなる。このため、圧力 あつりょく 比 ひ がある程度 ていど 高 たか くなると、圧力 あつりょく 比 ひ の上昇 じょうしょう と共 とも に単位 たんい 空気 くうき 量 りょう あたりの仕事 しごと 量 りょう (p -v 線 せん 図 ず の面積 めんせき )が減少 げんしょう する。これは所要 しょよう 出力 しゅつりょく に対 たい する設備 せつび 費 ひ の増大 ぞうだい をきたすことになり、経済 けいざい 的 てき メリットが低下 ていか する。
また、高 たか い圧力 あつりょく 比 ひ では圧縮 あっしゅく 機 き 高 だか 圧 あつ 段 だん の翼 つばさ 列 れつ の直径 ちょっけい が小 ちい さくなり、翼 つばさ 端 はし とケーシング間 あいだ のギャップからの空気 くうき 漏洩 ろうえい による損失 そんしつ が大 おお きくなる。このため圧縮 あっしゅく 機 き の効率 こうりつ が低下 ていか し、結果 けっか 的 てき に全体 ぜんたい の熱 ねつ 効率 こうりつ が低下 ていか する。一般 いっぱん 的 てき なガスタービン機関 きかん では、圧力 あつりょく 比 ひ は概 おおむ ね 11~16 の範囲 はんい の値 ね となっている。
再 さい 熱 ねつ および圧縮 あっしゅく 機 き 中 ちゅう 間 あいだ 冷却 れいきゃく [ 編集 へんしゅう ]
ブレイトンサイクル(ガスタービン機関 きかん )の出力 しゅつりょく は次 つぎ の方法 ほうほう で増加 ぞうか させることが可能 かのう である。
図 ず 4. 再 さい 熱 ねつ ブレイトンサイクル
タービンを複数 ふくすう に分割 ぶんかつ して膨張 ぼうちょう 途中 とちゅう のガスを別 べつ の燃焼 ねんしょう 器 き (再 さい 熱 ねつ 器 き )に導 みちび き、再度 さいど 燃料 ねんりょう を噴射 ふんしゃ して燃焼 ねんしょう 加熱 かねつ (再 さい 熱 ねつ )して温度 おんど を上昇 じょうしょう させて、次 つぎ のタービンへ入 い れる。この再 さい 熱 ねつ サイクル の p –v 線 せん 図 ず の例 れい を図 ず 4 に示 しめ す。サイクルは 123ab4' の経路 けいろ をたどる。図 ず の ab が再 さい 熱 ねつ 器 き 内 ない の等 とう 圧 あつ 加熱 かねつ であり、ab4'4 で囲 かこ まれる面積 めんせき が単位 たんい 質量 しつりょう あたりの仕事 しごと 増加 ぞうか 量 りょう となる。理想 りそう 的 てき には再 さい 熱 ねつ 圧力 あつりょく を
p
a
=
p
3
p
4
{\displaystyle p_{\mathrm {a} }={\sqrt {p_{3}p_{4}}}}
に選 えら ぶとき、仕事 しごと 増加 ぞうか 量 りょう が最大 さいだい となる。
ジェットエンジンでは、低圧 ていあつ タービンの代 か わりにノズルが用 もち いられるが、一時 いちじ 的 てき な推力 すいりょく 増大 ぞうだい の目的 もくてき で用 もち いられるアフターバーナー は再 さい 熱 ねつ 器 き の一種 いっしゅ である。
圧縮 あっしゅく 機 き の中 なか 間 あいだ 冷却 れいきゃく [ 編集 へんしゅう ]
図 ず 5. 中間 ちゅうかん 冷却 れいきゃく 再 さい 熱 ねつ ブレイトンサイクル
圧縮 あっしゅく 機 き を複数 ふくすう に分割 ぶんかつ して圧縮 あっしゅく 途中 とちゅう の空気 くうき を中間 ちゅうかん 冷却 れいきゃく 器 き に導 みちび いて(または、水 みず スプレーにより)冷却 れいきゃく し、比 ひ 体積 たいせき を減少 げんしょう させた上 うえ で次 つぎ の圧縮 あっしゅく 機 き へ入 い れる。この中間 ちゅうかん 冷却 れいきゃく (再 さい 熱 ねつ )サイクルの p-v 線 せん 図 ず 例 れい を図 ず 5 に示 しめ す。サイクルは 1cd2'3ab4' の経路 けいろ をたどる。図 ず の cd が中間 ちゅうかん 冷却 れいきゃく 器 き 内 ない の等 とう 圧 あつ 冷却 れいきゃく であり、圧縮 あっしゅく 機 き では cd2'2 で囲 かこ まれる面積 めんせき に相当 そうとう する所要 しょよう 仕事 しごと 量 りょう が削減 さくげん されるので、結果 けっか 的 てき に出力 しゅつりょく の増加 ぞうか となる。
水 みず をスプレーする場合 ばあい は、冷却 れいきゃく 効果 こうか に加 くわ えて、(水蒸気 すいじょうき を含 ふく めた)燃焼 ねんしょう ガス量 りょう の増加 ぞうか となり、タービン出力 しゅつりょく が増加 ぞうか する効果 こうか もある。
再 さい 熱 ねつ サイクルおよび圧縮 あっしゅく 機 き の中 なか 間 あいだ 冷却 れいきゃく は断熱 だんねつ 変化 へんか を等温 とうおん 変化 へんか に近 ちか づけることになる。これを多段 ただん に行 おこな えば、
圧縮 あっしゅく 機 き +多段 ただん 中間 ちゅうかん 冷却 れいきゃく (等温 とうおん 圧縮 あっしゅく )
再生 さいせい 器 き (等 とう 圧 あつ 加熱 かねつ )
タービン+多段 ただん 再 さい 熱 ねつ (等温 とうおん 膨張 ぼうちょう )
再生 さいせい 器 き (等 とう 圧 あつ 冷却 れいきゃく )、
となり、エリクソンサイクル に近 ちか づく。
図 ず 6. 再 さい 熱 ねつ 再生 さいせい ブレイトンサイクル
通常 つうじょう 、ガスタービンの排気 はいき の温度 おんど は比較的 ひかくてき 高 たか く、特 とく に再 さい 熱 ねつ や圧縮 あっしゅく 機 き 中 ちゅう 間 あいだ 冷却 れいきゃく を行 おこな う場合 ばあい は、圧縮 あっしゅく 機 き 出口 でぐち (燃焼 ねんしょう 器 き 入口 いりくち )温度 おんど より高温 こうおん となる場合 ばあい が多 おお い。このような場合 ばあい は、タービンの排気 はいき の熱 ねつ の一部 いちぶ を回収 かいしゅう して、燃焼 ねんしょう 器 き に入 はい る前 まえ の圧縮 あっしゅく 空気 くうき を予熱 よねつ することができ、大幅 おおはば な熱 ねつ 効率 こうりつ 改善 かいぜん が可能 かのう となる。もとのサイクルで廃棄 はいき する熱 ねつ を利用 りよう して必要 ひつよう な加熱 かねつ 量 りょう を削減 さくげん したサイクルを、再生 さいせい サイクル という。
再生 さいせい サイクル(再 さい 熱 ねつ 再生 さいせい サイクル)の説明 せつめい 図 ず (T –s 線 せん 図 ず )を図 ず 6 に示 しめ す。
図 ず の番号 ばんごう (記号 きごう )は下記 かき の機器 きき (状態 じょうたい 変化 へんか )に対応 たいおう している。
1 → 2 : 圧縮 あっしゅく 機 き (断熱 だんねつ 圧縮 あっしゅく )
2 → e : 再生 さいせい 器 き (等 とう 圧 あつ 加熱 かねつ )
e → 3 : 燃焼 ねんしょう 器 き (等 とう 圧 あつ 加熱 かねつ )
3 → a : 高 こう 圧 あつ タービン (断熱 だんねつ 膨張 ぼうちょう )
a → b : 再 さい 熱 ねつ 器 き (等 とう 圧 あつ 加熱 かねつ )
b → 4 : 低圧 ていあつ タービン (断熱 だんねつ 膨張 ぼうちょう )
4 → f : 再生 さいせい 器 き (等 とう 圧 あつ 冷却 れいきゃく )
f → 1 : 大気 たいき 中 ちゅう への排気 はいき と給 きゅう 気 き (等 とう 圧 あつ 冷却 れいきゃく )
再生 さいせい の有無 うむ は線 せん 図上 ずじょう のサイクルの形状 けいじょう には影響 えいきょう しないが、燃焼 ねんしょう 器 き および排気 はいき ・給 きゅう 気 き の一部 いちぶ を再生 さいせい 器 き (一種 いっしゅ の熱 ねつ 交換 こうかん 器 き )が受 う け持 も つことになる。排気 はいき の 4f の冷却 れいきゃく で得 え られる熱量 ねつりょう を回収 かいしゅう して、圧縮 あっしゅく 空気 くうき を 2e の予熱 よねつ に利用 りよう できる可能 かのう 性 せい がある。再生 さいせい 器 き として向 むかい 流 りゅう 型 がた の熱 ねつ 交換 こうかん 器 き を用 もち いれば、理想 りそう 的 てき には
T
e
=
T
4
{\displaystyle T_{\mathrm {e} }=T_{4}}
、
T
f
=
T
2
{\displaystyle T_{\mathrm {f} }=T_{2}}
となることが期待 きたい できるが、現実 げんじつ には
T
e
<
T
4
{\displaystyle T_{\mathrm {e} }<T_{4}}
、
T
f
>
T
2
{\displaystyle T_{\mathrm {f} }>T_{2}}
となる。
再生 さいせい サイクルで得 え られる仕事 しごと 量 りょう は元 もと のサイクルと同 おな じであるにもかかわらず、必要 ひつよう な加熱 かねつ 量 りょう が
c
p
(
T
e
−
T
2
)
{\displaystyle c_{p}(T_{\mathrm {e} }-T_{2})}
だけ減少 げんしょう するので、熱 ねつ 効率 こうりつ はその分 ぶん だけ向上 こうじょう する。
開放 かいほう ブレイトンサイクル[ 編集 へんしゅう ]
開放 かいほう ブレイトンサイクルは、サイクル内 ない で燃料 ねんりょう を燃焼 ねんしょう させ、その燃焼 ねんしょう ガスでタービン を回 まわ す内燃 ないねん 機関 きかん である。
特徴 とくちょう
直接 ちょくせつ 燃焼 ねんしょう ガスをタービンで利用 りよう するため、熱 ねつ 交換 こうかん 器 き による損失 そんしつ が無 な い。
タービンに腐蝕 ふしょく 性 せい の燃焼 ねんしょう ガスに耐 た える素材 そざい が必要 ひつよう である。
また、燃焼 ねんしょう 用 よう 空気 くうき の取入 とりい れ質量 しつりょう が吸気 きゅうき 温度 おんど 上昇 じょうしょう や大気 たいき 圧力 あつりょく の減少 げんしょう と共 とも に減少 げんしょう し、軸 じく 出力 しゅつりょく の減少 げんしょう につながる。そのため、定置 ていち 用途 ようと では高温 こうおん 時 じ の吸気 きゅうき 冷却 れいきゃく ・大気 たいき 圧 あつ の低 ひく い高地 こうち での出力 しゅつりょく 設定 せってい の補正 ほせい 、移動 いどう 用途 ようと では出力 しゅつりょく 低下 ていか に対応 たいおう した運用 うんよう が行 おこな われる。
軸 じく ・蒸気 じょうき 出力 しゅつりょく 可変 かへん サイクル[ 編集 へんしゅう ]
軸 じく ・蒸気 じょうき 出力 しゅつりょく 可変 かへん サイクルは、排 はい 熱 ねつ ボイラー で発生 はっせい させた、蒸気 じょうき を燃焼 ねんしょう ガスと共 とも にタービンに吹 ふ き込 こ み、軸 じく 出力 しゅつりょく を増加 ぞうか させるものである。蒸気 じょうき ・軸 じく 出力 しゅつりょく の発生 はっせい 割合 わりあい を変化 へんか させることができるため、コジェネレーション において用 もち いられている。
純 じゅん 水 みず の使用 しよう 量 りょう が多 おお くなる欠点 けってん がある。
チェンサイクル : 過熱 かねつ 蒸気 じょうき を燃焼 ねんしょう 器 き へ吹 ふ き込 こ むものである。
二 に 流体 りゅうたい サイクル : 飽和 ほうわ 蒸気 じょうき と圧縮 あっしゅく 機 き より抽気した高温 こうおん の圧縮 あっしゅく 空気 くうき とを混合 こんごう して、燃焼 ねんしょう 器 き へ吹 ふ き込 こ むものである。
密閉 みっぺい ブレイトンサイクル[ 編集 へんしゅう ]
密閉 みっぺい ブレイトンサイクルは、燃料 ねんりょう の燃焼 ねんしょう で間接 かんせつ 的 てき に熱 ねつ 交換 こうかん 器 き でサイクル内 ない の動作 どうさ 流体 りゅうたい を加熱 かねつ しタービンを回 まわ す外 そと 燃 もえ 機関 きかん である。
利点 りてん
動作 どうさ 流体 りゅうたい を非 ひ 腐食 ふしょく 性 せい のものにすることによって、タービンの素材 そざい の選択 せんたく の幅 はば が広 ひろ くなる。
動作 どうさ 流体 りゅうたい を密度 みつど の大 おお きなものとすることで小型 こがた 化 か が可能 かのう となる。
サイクル内 ない の動作 どうさ 流体 りゅうたい の量 りょう を変化 へんか させることで、効率 こうりつ 低下 ていか の少 すく ない出力 しゅつりょく 調整 ちょうせい が可能 かのう である。
欠点 けってん
冷却 れいきゃく 水 すい が必要 ひつよう で、付加 ふか 装置 そうち も多 おお く複雑 ふくざつ な構成 こうせい となる。
間接 かんせつ 的 てき に熱 ねっ するため、燃焼 ねんしょう ガスの圧力 あつりょく を利用 りよう できないなど、熱 ねつ 交換 こうかん 器 き での損失 そんしつ がある。
熱 ねつ 交換 こうかん 器 き があり熱容量 ねつようりょう が大 おお きくなるため、開放 かいほう サイクルに比 くら べて始動 しどう 時間 じかん が長 なが くなる。
ピーク時 じ 用 よう の大 だい 規模 きぼ 定置 ていち 型 がた 発電 はつでん として1940年代 ねんだい - 1960年代 ねんだい まで使用 しよう されていたことがあったが、耐食性 たいしょくせい 素材 そざい の進歩 しんぽ により使用 しよう されなくなった。また、ガス冷却 れいきゃく 原子 げんし 炉 ろ で発生 はっせい させた高温 こうおん ガスでタービンを回 まわ すものが、2005年 ねん 現在 げんざい 要素 ようそ 実験 じっけん 段階 だんかい である。
半 はん 密閉 みっぺい ブレイトンサイクル[ 編集 へんしゅう ]
半 はん 密閉 みっぺい ブレイトンサイクルは、開放 かいほう ブレイトンサイクルの排 はい 熱 ねつ で密閉 みっぺい ブレイトンサイクルを動作 どうさ させるものである。動作 どうさ 流体 りゅうたい として腐食 ふしょく 性 せい の強 つよ い燃焼 ねんしょう ガスが使用 しよう され、熱 ねつ 交換 こうかん 器 き が多 おお く冷却 れいきゃく 水 すい も必要 ひつよう となるなど、双方 そうほう の欠点 けってん をあわせ持 も つものであった。
1950年代 ねんだい に実験 じっけん 的 てき に発電 はつでん に使用 しよう されたが、タービン素材 そざい の進歩 しんぽ により入口 いりくち 温度 おんど を上昇 じょうしょう させることで排気 はいき 温度 おんど が上昇 じょうしょう し、蒸気 じょうき タービン とのコンバインドサイクル が可能 かのう となって用 もち いられなくなった。