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ホフマイスターシリーズ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ホフマイスターシリーズ (Hofmeister series) とは、みず構造こうぞうさせる能力のうりょくじゅんイオン配列はいれつしたものである。電解でんかいしつによるみず構造こうぞう変化へんかは、タンパク質たんぱくしつ溶解ようかいかんするイオンおよびかげイオンの影響えいきょうについて研究けんきゅうしたドイツ化学かがくしゃフランツ・ホフマイスターによってはじめて解明かいめいされた[1]ホフマイスター系列けいれつホフマイスター順列じゅんれつホフマイスター序列じょれつはなれえき順列じゅんれつ(りえきじゅんれつ、Lyotropic series)ともばれる。

1888ねんにホフマイスターは、かげイオンにおいて、しおようする最小さいしょう濃度のうど比較ひかくし、つぎのような順列じゅんれつた。

クエン酸くえんさんイオン > 酒石酸しゅせきさんイオン > 硫酸りゅうさんイオン > 酢酸さくさんイオン > Cl- > Br- > NO3- > ClO3- > I- > SCN-

イオンは、かげイオンほどおおきないが、だいたいつぎのようになる。

一価いっかイオン Li+ > Na+ > K+ > Rb+ > Cs+
イオン Mg2+ > Ca2+ > Sr2+ > Ba2+

ホフマイスターシリーズの仕組しくみはまだ完全かんぜんあきらかになっていないが、みずそのものの構造こうぞうというよりは、イオンとタンパク質たんぱくしつ、イオンとみず相互そうご作用さよう変化へんかしているとかんがえられている[2]

 効果こうかおおきいイオンは溶液ようえき表面張力ひょうめんちょうりょくし、極性きょくせい溶質ようしつ溶解ようかいげる。またみず乱雑らんざつさをげて疎水そすい効果こうかつよめている。

効果こうかちいさい I や SCN 、グアニジウムのような カオトロピックイオンや尿素にょうそは、むしろみず乱雑らんざつさをして疎水そすいせい相互そうご作用さようによってりたたまれた構造こうぞうばした状態じょうたいにする。しかし、こうして変性へんせいしたタンパク質たんぱくしつ凝集ぎょうしゅうするための疎水そすいせい相互そうご作用さよううしなわれた環境かんきょうにあるため、タンパク質たんぱくしつ沈殿ちんでんしない。尿素にょうそのこの効果こうかひとしでんてん電気でんきおよげどう利用りようされている。またチオシアンさんグアニジン温和おんわ条件じょうけんタンパク質たんぱくしつ変性へんせいさせつつして、生体せいたいから核酸かくさん分離ぶんりするために利用りようされている。

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ Hofmeister, F. (1888) Arch. Exp. Pathol. Pharmacol. 24: 247-260.
  2. ^ Zhang, Y.; Cremer, P. S. (2006). “Interactions between macromolecules and ions: The Hofmeister series”. Curr. Opin. Chem. Biol. 10 (6): 658–663. doi:10.1016/j.cbpa.2006.09.020. PMID 17035073. 

関連かんれん項目こうもく

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