RNAポリメラーゼ[注釈 ちゅうしゃく 1] (RNA polymerase ) とは、リボヌクレオチド を重合 じゅうごう させてRNA を合成 ごうせい する酵素 こうそ (RNA合成 ごうせい 酵素 こうそ )。
DNAの鋳型 いがた 鎖 くさり (一本 いっぽん 鎖 くさり )の塩基 えんき 配列 はいれつ を読 よ み取 と って相補 そうほ 的 てき なRNAを合成 ごうせい する反応 はんのう (転写 てんしゃ )を触媒 しょくばい する中心 ちゅうしん となる酵素 こうそ をDNA依存 いぞん 性 せい RNAポリメラーゼ という(単 たん に「RNAポリメラーゼ」とも呼 よ ぶ)。真 ま 核 かく 生物 せいぶつ では、DNA を鋳型 いがた にしてmRNA やsnRNA 遺伝子 いでんし の多 おお くを転写 てんしゃ するRNAポリメラーゼII がよく知 し られる。このほかに35S rRNA 前駆 ぜんく 体 たい を転写 てんしゃ するRNAポリメラーゼI 、tRNA とU6 snRNA 、5S rRNA 前駆 ぜんく 体 たい 等 とう を転写 てんしゃ するRNAポリメラーゼIII などがあり、この三種 さんしゅ はDNA依存 いぞん 性 せい RNAポリメラーゼと呼 よ ばれる。
また、RNAを鋳型 いがた にRNAを合成 ごうせい するRNA依存 いぞん 性 せい RNAポリメラーゼ もあり、多 おお くのRNAウイルス で重要 じゅうよう な機能 きのう を果 は たす以外 いがい に、microRNA の増幅 ぞうふく 過程 かてい にも利用 りよう される。
鋳型 いがた を必要 ひつよう としない物 もの もあり、初 はじ めて発見 はっけん されたRNA ポリメラーゼであるポリヌクレオチドホスホリラーゼ(ポリヌクレオチドフォスフォリレース、ポリニュークリオタイドフォスフォリレース)もそのひとつとしてあげられる。この酵素 こうそ は実際 じっさい には細菌 さいきん の細胞 さいぼう 内 うち でヌクレアーゼ として働 はたら くが、試験管 しけんかん 内 ない ではRNAを合成 ごうせい することができる。これを利用 りよう して一 いち 種類 しゅるい のヌクレオチド からなるRNAを合成 ごうせい し、それから翻訳 ほんやく されるタンパク質 たんぱくしつ を調 しら べることで初 はじ めて遺伝 いでん 暗号 あんごう の決定 けってい が行 おこな われた。真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のもつpoly(A)ポリメラーゼも同様 どうよう に鋳型 いがた を必要 ひつよう とせず、Pol II転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の3'末端 まったん にpoly(A)鎖 くさり を付加 ふか することで転写 てんしゃ 後 ご の遺伝子 いでんし 発現 はつげん 制御 せいぎょ 機構 きこう の一端 いったん を担 にな っている。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ の転写 てんしゃ 装置 そうち (RNAポリメラーゼ )は、Pol I、Pol II、Pol IIIの3種 しゅ がある。それぞれ10種類 しゅるい 以上 いじょう ものサブユニットから構成 こうせい される(基本 きほん 的 てき には12種 しゅ )。また、古 こ 細菌 さいきん のRNAポリメラーゼもサブユニット数 すう が多 おお く、9-14種 しゅ のサブユニットから構成 こうせい されている。ユーリ古 こ 細菌 さいきん ではいくつかのサブユニットが省 はぶ かれているが、一部 いちぶ のクレン古 こ 細菌 さいきん には真 ま 核 かく 生物 せいぶつ の12種類 しゅるい のサブユニットが全 すべ て保存 ほぞん されており、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ の持 も つ3種 しゅ のRNAポリメラーゼの祖先 そせん 型 がた と考 かんが えられている。古 こ 細菌 さいきん のRNAポリメラーゼは、Aサブユニットが2つに分 わ かれている特徴 とくちょう がある。
一方 いっぽう で、真正 しんしょう 細菌 さいきん のRNAポリメラーゼは全体 ぜんたい 的 てき に真 ま 核 かく 生物 せいぶつ や古 こ 細菌 さいきん のものより単純 たんじゅん な構成 こうせい である。ααββ'ω おめが の4種 しゅ 5サブユニットからなるコアエンザイムに、σ しぐま が会合 かいごう したホロエンザイムと呼 よ ばれる形態 けいたい で正常 せいじょう なプロモーターを認識 にんしき する。シグマ因子 いんし は遺伝子 いでんし 上流 じょうりゅう のプロモーター 配列 はいれつ を認識 にんしき して転写 てんしゃ を開始 かいし する役割 やくわり を担 にな っている。
真正 しんしょう 細菌 さいきん のRNAポリメラーゼサブユニット[ 編集 へんしゅう ]
大腸菌 だいちょうきん のRNAポリメラーゼホロ酵素 こうそ RNA polymerase holoenzyme は2分子 ぶんし のα あるふぁ (α あるふぁ 1, 2) および1分子 ぶんし ずつのβ べーた 、β べーた ’ 、σ しぐま 、ω おめが サブユニット を含 ふく む[1] 。σ しぐま サブユニット以外 いがい だけでも複 ふく 合体 がったい を形成 けいせい し、これをRNAポリメラーゼコア酵素 こうそ (RNA polymerase core enzyme, コアポリメラーゼ (core polymerase))と呼 よ ぶ。コア酵素 こうそ は実際 じっさい にRNAを合成 ごうせい する部位 ぶい で、σ しぐま サブユニット(σ しぐま 因子 いんし )はコア酵素 こうそ を特定 とくてい の遺伝子 いでんし に導 みちび き、ホロ酵素 こうそ の特異 とくい 性 せい specificity (σ しぐま はギリシャ文字 もじ のs) を担 にな うといえる[2] 。
それぞれの項 こう で各 かく サブユニットを紹介 しょうかい する。
RNAポリメラーゼホロ酵素 こうそ において2つ存在 そんざい するα あるふぁ サブユニットは、開始 かいし 段階 だんかい ではプロモーターのUPエレメント の認識 にんしき を担 にな う。一方 いっぽう 、伸長 しんちょう 段階 だんかい になるとコア酵素 こうそ の会合 かいごう を含 ふく む様々 さまざま な活性 かっせい を示 しめ す。
リチャード・グルース (Richard Grouse) らはα あるふぁ 235 (C末端 まったん の94アミノ酸 あみのさん が欠損 けっそん 。正常 せいじょう なα あるふぁ サブユニットのアミノ酸 あみのさん 数 すう は329であるため、94アミノ酸 あみのさん を失 うしな い235) およびR265C (N末端 まったん から265番目 ばんめ のアルギニン をシステイン に置換 ちかん ) という2つのα あるふぁ サブユニット変異 へんい 体 たい について実験 じっけん を行 おこな った。これにより、RNAポリメラーゼホロ酵素 こうそ がUPエレメントを認識 にんしき しないことが明 あき らかにされた[3] 。また、グルースとリチャード・エブライト (Richard Ebright) らはタンパク質 たんぱくしつ 限定 げんてい 分解 ぶんかい 法 ほう を用 もち いて、α あるふぁ サブユニットのN末端 まったん およびC末端 まったん がそれぞれ独立 どくりつ してα あるふぁ -NTD (amino terminal domain of the α あるふぁ subunit) およびα あるふぁ -CTD (carboxyl terminal domain of the α あるふぁ subunit) というドメイン を形成 けいせい することを突 つ き止 と めた[4] 。実験 じっけん に用 もち いられた生物 せいぶつ は大腸菌 だいちょうきん である。N末端 まったん ドメインは8〜241付近 ふきん を含 ふく む28 kD 、C末端 まったん ドメインは249〜329(末端 まったん )付近 ふきん を含 ふく む8 kDである。グルースとエブライトらはまた、両者 りょうしゃ が明確 めいかく な構造 こうぞう (モチーフ ) をとらない、少 すく なくとも239〜251の13アミノ酸 あみのさん による連結 れんけつ 鎖 くさり でつながっていることも発見 はっけん した[5] 。
このことから、α あるふぁ -CTDの機能 きのう について一 ひと つの仮説 かせつ が考 かんが えられる。RNAコア酵素 こうそ においてほかのタンパク質 たんぱくしつ と相互 そうご 作用 さよう するのはα あるふぁ -NTDであり、α あるふぁ CTDは連結 れんけつ 鎖 くさり の先 さき でコア酵素 こうそ から離 はな れている。しかし、UPエレメントに対 たい して強力 きょうりょく に結合 けつごう し、DNAとホロ酵素 こうそ とのつながりをさらに強固 きょうこ に補 おぎな う[5] [6] 。後述 こうじゅつ するRF複 ふく 合体 がったい の立体 りったい 構造 こうぞう 解析 かいせき から、2つあるUPエレメントのうち-40付近 ふきん のものはα あるふぁ 1が、-60付近 ふきん のものはα あるふぁ 2が連結 れんけつ することが示 しめ されている。
β べーた 'サブユニットとともに転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の伸長 しんちょう を担 にな う。どちらもDNAとの結合 けつごう 部位 ぶい を持 も つが、β べーた サブユニットのそれはN末端 まったん [注釈 ちゅうしゃく 2] 近 ちか くのMet 30〜Met102の領域 りょういき である[7] 。静 しずか 電 でん 相互 そうご 作用 さよう で弱 よわ く結合 けつごう する。エフゲニー・ナドラー (Evgeny Nudler) の1996年 ねん の実験 じっけん によると、DNAの-6〜+1が結合 けつごう 標的 ひょうてき であり、転写 てんしゃ 中 ちゅう この部位 ぶい は融解 ゆうかい している[8] 。DNAとの接続 せつぞく で中心 ちゅうしん になるのは別 べつ のβ べーた 'サブユニットの結合 けつごう 部位 ぶい であるが、β べーた サブユニットのそれはその上流 じょうりゅう に位置 いち する。このため、上流 じょうりゅう へと吐 は き出 だ される転写 てんしゃ 産物 さんぶつ が鋳型 いがた 鎖 くさり との結合 けつごう を脅 おど かしたとしても、RNAポリメラーゼの活性 かっせい に大 おお きな影響 えいきょう はない。また、ナドラーの別 べつ の実験 じっけん によると、β べーた サブユニットはβ べーた ’の結合 けつごう にも関 かか わるようである[7] 。
ホロ酵素 こうそ の活性 かっせい 部位 ぶい を構成 こうせい するタンパク質 たんぱくしつ の一 ひと つであり、補 ほ 因子 いんし であるMg+ と結合 けつごう する3つのアスパラギン酸 さん を持 も つ。
β べーた サブユニットは微生物 びせいぶつ に対 たい する代表 だいひょう 的 てき な抗生 こうせい 物質 ぶっしつ であるリファンピシン とストレプトリジギン の直接的 ちょくせつてき な作用 さよう 標的 ひょうてき である[9] 。したがってこの2つの抗生 こうせい 物質 ぶっしつ は転写 てんしゃ の伸長 しんちょう を阻害 そがい する。ただし、ストレプトリジギンは開始 かいし 段階 だんかい に効果 こうか があるとされている。これは、開始 かいし 段階 だんかい にも10ntのRNA(アボーティブ転写 てんしゃ 産物 さんぶつ )を合成 ごうせい する過程 かてい [注釈 ちゅうしゃく 3] があり、これを阻害 そがい するためである[9] 。
β べーた 'サブユニットは、転写 てんしゃ の開始 かいし 段階 だんかい においてRNAポリメラーゼホロ酵素 こうそ が-11〜+1位 い を巻 ま き戻 もど すことを助 たす ける[9] 。この巻 ま き戻 もど しはいわゆる開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい の形成 けいせい [注釈 ちゅうしゃく 4] であるが、その際 さい に非 ひ 鋳型 いがた 鎖 くさり [注釈 ちゅうしゃく 5] の-10領域 りょういき 中 ちゅう にRNAポリメラーゼの結合 けつごう が必要 ひつよう である。キャロル・グロス (Carol Gross) らの研究 けんきゅう によると、結合 けつごう はβ べーた 'の262〜309のアミノ酸 あみのさん 領域 りょういき が促 うなが す[3] 。
伸長 しんちょう 段階 だんかい においてはRNAポリメラーゼホロ酵素 こうそ のDNA結合 けつごう を担 にな う。すなわち、C末端 まったん [注釈 ちゅうしゃく 2] 近 ちか くのMet 1230〜Met1273で+2〜+11の領域 りょういき に強 つよ く疎水 そすい 性 せい 相互 そうご 作用 さよう する[8] 。このDNA領域 りょういき はβ べーた サブユニットとの結合 けつごう 部位 ぶい と異 こと なり、転写 てんしゃ 中 ちゅう は二 に 重 じゅう らせんのままである。
特 とく に転写 てんしゃ 開始 かいし 段階 だんかい [注釈 ちゅうしゃく 3] で活躍 かつやく するようである。σ しぐま 因子 いんし があるとRNAポリメラーゼは不 ふ 特定 とくてい のDNA部位 ぶい (緩 ゆる い結合 けつごう 部位 ぶい 、loose binding site)に弱 よわ く結合 けつごう する。滑 すべ って移動 いどう し、プロモーターに出会 であ うかそのまま遊離 ゆうり する。これにより、RNAポリメラーゼによる転写 てんしゃ を行 おこな う遺伝子 いでんし の発見 はっけん は加速 かそく される。速度 そくど 定数 ていすう にして1010 M-1 s-1 で、滑 すべ らずにDNAへ無 む 差別 さべつ に結合 けつごう と解離 かいり を繰 く り返 かえ す場合 ばあい の100倍 ばい である[10] [11] 。結合 けつごう した時 とき の安定 あんてい 性 せい でいえば、解離 かいり までの半減 はんげん 期 き は約 やく 60分 ふん と長 なが い[11] 。σ しぐま 因子 いんし がなければ1秒 びょう 以下 いか である[11] 。σ しぐま サブユニットはまたRNAポリメラーゼとプロモーター を、半減 はんげん 期 き が数時間 すうじかん になるほど強固 きょうこ に結合 けつごう させる。ホロ酵素 こうそ とプロモーターの会合 かいごう 定数 ていすう はほかの配列 はいれつ と比較 ひかく して平均 へいきん 約 やく 107 倍 ばい であり、コア酵素 こうそ の平均 へいきん 1000倍 ばい にもなる[11] 。プロモーターによって結合 けつごう 定数 ていすう は106 〜1012 と幅広 はばひろ く、rRNA のような約 やく 1秒 びょう に1回 かい からlacI 遺伝子 いでんし のような約 やく 30分 ふん に1回 かい という転写 てんしゃ 頻度 ひんど の違 ちが いを生 う み出 だ す[12] 。それだけではなく、伸長 しんちょう 段階 だんかい への移行 いこう に必要 ひつよう なDNAの巻 ま き戻 もど しも担 にな う[注釈 ちゅうしゃく 4] [13] 。
伸長 しんちょう 段階 だんかい に移行 いこう するとき、RNAポリメラーゼは構造 こうぞう を変 か えるが、このときσ しぐま 因子 いんし の結合 けつごう は極端 きょくたん に弱 よわ くなる。トラバーズ (Travers) とバージェス (Burgess) の研究 けんきゅう によると、σ しぐま 因子 いんし が伸長 しんちょう を促進 そくしん することはない[14] 。二人 ふたり の1969年 ねん の論文 ろんぶん では、離 はな れたσ しぐま 因子 いんし は別 べつ のコア酵素 こうそ と結合 けつごう し、なおかつそれはDNAの正常 せいじょう な転写 てんしゃ を行 おこな うことが証明 しょうめい された[14] 。このことから、σ しぐま 因子 いんし は再 さい 利用 りよう されると考 かんが えられる。σ しぐま サイクル という循環 じゅんかん の中 なか では当初 とうしょ 、伸長 しんちょう 前 まえ に必 かなら ず離 はな れるものと考 かんが えられていたが、現在 げんざい では結合 けつごう が弱 よわ くなるだけという説 せつ が有力 ゆうりょく である[15] 。実際 じっさい 、伸長 しんちょう 段階 だんかい に至 いた ったホロ酵素 こうそ の70%はσ しぐま 因子 いんし を保有 ほゆう したままである[13] 。すなわち、σ しぐま 因子 いんし は通常 つうじょう 伸長 しんちょう が止 と まったときに、別 べつ のコア酵素 こうそ に利用 りよう されるため離 はな れる。
特別 とくべつ な遺伝子 いでんし を専任 せんにん するσ しぐま 因子 いんし もある。あらゆる真正 しんせい 細菌 さいきん は、成長 せいちょう 機能 きのう に関 かん する遺伝子 いでんし (通常 つうじょう の増殖 ぞうしょく に必要 ひつよう な遺伝子 いでんし )を転写 てんしゃ する主要 しゅよう σ しぐま 因子 いんし (primary σ しぐま factor, σ しぐま A ) を持 も つ。例 たと えば、大腸菌 だいちょうきん ではσ しぐま 70 であり、枯草 かれくさ 菌 きん ではσ しぐま 43 である[16] 。それぞれ70 kD と43 kDで、右 みぎ 上 じょう の番号 ばんごう は分子 ぶんし 量 りょう に由来 ゆらい する。ほかにも、熱 ねつ ショック遺伝子 いでんし や胞子 ほうし 形成 けいせい 遺伝子 いでんし なども特別 とくべつ なσ しぐま 因子 いんし が担当 たんとう する[16] 。多 おお くの種類 しゅるい があるのは、環境 かんきょう 条件 じょうけん によって適切 てきせつ な遺伝子 いでんし 群 ぐん を発現 はつげん するためで、この使 つか い分 わ けは特 とく に枯草 かれくさ 菌 きん を用 もち いた研究 けんきゅう によって明 あき らかとなった。普段 ふだん はσ しぐま 43 が転写 てんしゃ 制御 せいぎょ に当 あ たっているが、栄養 えいよう 状態 じょうたい が悪 わる くなった場合 ばあい などには他 た のσ しぐま 因子 いんし (σ しぐま H など)が発現 はつげん し、胞子 ほうし 形成 けいせい の準備 じゅんび を始 はじ める。その後 ご 母 はは 細胞 さいぼう ではE、Kと変化 へんか し、胞子 ほうし ではF、Gが使用 しよう される。
σ しぐま 因子 いんし の領域 りょういき [ 編集 へんしゅう ]
あらゆる真正 しんせい 細菌 さいきん におけるσ しぐま 因子 いんし のアミノ酸 あみのさん 配列 はいれつ は領域 りょういき 1から4に分類 ぶんるい できる。ハーマン (Helmann) とチェンバーリン (Chamberlin) は各 かく 領域 りょういき の機能 きのう を以下 いか のように提唱 ていしょう した[17] 。
領域 りょういき 1は主要 しゅよう σ しぐま 因子 いんし にしか存在 そんざい しない。σ しぐま 因子 いんし がRNAポリメラーゼを伴 ともな わずにプロモーターと結合 けつごう することを阻害 そがい する。このため、DNAと結合 けつごう するためにはRNAポリメラーゼコア酵素 こうそ と結合 けつごう して、後述 こうじゅつ する領域 りょういき 2.4と4.2のドメイン を露出 ろしゅつ させなければならない。σ しぐま 因子 いんし 単独 たんどく の結合 けつごう はコア酵素 こうそ とプロモーター間 あいだ の結合 けつごう の阻害 そがい につながるためこの機能 きのう は重要 じゅうよう である。
領域 りょういき 2は全 すべ てのσ しぐま 因子 いんし に存在 そんざい し、あらゆる生物 せいぶつ で最 もっと も共通 きょうつう 性 せい が高 たか い[18] 。さらに領域 りょういき 2.1から2.4に分類 ぶんるい される。特 とく に重要 じゅうよう なのは領域 りょういき 2.4で、これは-10ボックスに特異 とくい 的 てき に強 つよ く結合 けつごう する。DNAとの結合 けつごう に最適 さいてき なα あるふぁ ヘリックス を形成 けいせい すると予測 よそく されるアミノ酸 あみのさん 配列 はいれつ を含 ふく んでいるが、実際 じっさい に-10ボックスを認識 にんしき することはリチャード・ロジック (Richard Losick) が代償 だいしょう 変異 へんい の実験 じっけん で証明 しょうめい した[18] 。
領域 りょういき 3はコア酵素 こうそ とDNA両方 りょうほう の結合 けつごう に関与 かんよ する。領域 りょういき 3と4をつなげる連結 れんけつ 鎖 くさり は、ほとんどの転写 てんしゃ で最初 さいしょ に合成 ごうせい されるアデニン との特異 とくい 的 てき な結合 けつごう に関 かか わり[19] 、また、RNA出口 でぐち 通路 つうろ を塞 ふさ ぐ (#真正 しんしょう 細菌 さいきん のホロ酵素 こうそ -DNA複 ふく 合体 がったい の(3)で詳述 しょうじゅつ )。合成 ごうせい されたばかりのアデニンはDNAとの2本 ほん の弱 よわ い水素 すいそ 結合 けつごう でしか支 ささ えられておらず、ホロ酵素 こうそ との特異 とくい 的 てき な結合 けつごう が必要 ひつよう である。連結 れんけつ 鎖 くさり を欠 か いたホロ酵素 こうそ を用 もち いた実験 じっけん では、最初 さいしょ の2つのリボヌクレオチド の一方 いっぽう 、または両方 りょうほう が通常 つうじょう よりはるかに高 こう 濃度 のうど でなければ転写 てんしゃ が始 はじ まらないことが確認 かくにん された[19] 。
領域 りょういき 4は4.1と4.2に分 わ けられ、ホロ酵素 こうそ のプロモーター認識 にんしき において重要 じゅうよう と考 かんが えられている。領域 りょういき 4.2はヘリックスターンヘリックス というDNA結合 けつごう ドメイン を含 ふく み、-35ボックスに強 つよ く結合 けつごう する。
真正 しんしょう 細菌 さいきん の伸長 しんちょう 複 ふく 合体 がったい [ 編集 へんしゅう ]
伸長 しんちょう 段階 だんかい を実行 じっこう するDNAポリメラーゼを中心 ちゅうしん とした複 ふく 合体 がったい の立体 りったい 構造 こうぞう についての研究 けんきゅう は、1999年 ねん にセス・ダースト (Seth Darst) によるThermus aquaticus のDNAポリメラーゼ結晶 けっしょう のX線 せん 回折 かいせつ 像 ぞう に基 もと づいている。2008年 ねん 現在 げんざい 、真正 しんしょう 細菌 さいきん のモデル生物 せいぶつ である大腸菌 だいちょうきん のDNAポリメラーゼのX線 せん 結晶 けっしょう 構造 こうぞう 解析 かいせき には成功 せいこう していない。しかしながら、二 に 次元 じげん 結晶 けっしょう の電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう で観察 かんさつ した大腸菌 だいちょうきん コアポリメラーゼの全体 ぜんたい の形状 けいじょう は酷似 こくじ しているため、詳細 しょうさい な構造 こうぞう も似 に ていると考 かんが えられている[20] 。
真正 しんしょう 細菌 さいきん のコア酵素 こうそ [ 編集 へんしゅう ]
T. Aquaticus のRNAポリメラーゼコア酵素 こうそ はカニ のはさみ のようである。主 おも にツメの一 ひと つはβ べーた サブユニット、もう一 ひと つはβ べーた 'サブユニットが占 し める。α あるふぁ 1と2はヒンジ にあり、それぞれβ べーた 、β べーた 'に結合 けつごう している。小 ちい さなω おめが サブユニットはβ べーた 'サブユニットのC末端 まったん [注釈 ちゅうしゃく 2] に巻 ま きついており、はさみでいう峰 みね に存在 そんざい する。触媒 しょくばい 活性 かっせい 中心 ちゅうしん (catalytic center, 活性 かっせい 部位 ぶい ) は、β べーた とβ べーた 'サブユニットの内部 ないぶ である活性 かっせい 中心 ちゅうしん 溝 みぞ (channel) における付 つ け根 ね にある[21] 。広 ひろ さ約 やく 25 Å の空間 くうかん である[22] [23] 。ここにはマグネシウム イオン (Mg2+ ) がβ べーた サブユニット中 ちゅう の3つのアスパラギン酸 さん にキレート 結合 けつごう している。この3つはアミノ酸 あみのさん 配列 はいれつ N A DF DG D(Dがアスパラギン酸 さん )に含 ふく まれており、全 すべ ての細菌 さいきん で保存 ほぞん されている[20] 。
真正 しんしょう 細菌 さいきん のホロ酵素 こうそ [ 編集 へんしゅう ]
2002年 ねん のダーストらのX線 せん 結晶 けっしょう 構造 こうぞう 解析 かいせき から3つの結論 けつろん が出 だ された[24] 。(1) σ しぐま 因子 いんし (σ しぐま A )とβ べーた およびβ べーた ’サブユニットとの間 あいだ には広 ひろ い範囲 はんい の相互 そうご 作用 さよう がある。(2) σ しぐま 因子 いんし のN末端 まったん [注釈 ちゅうしゃく 2] にある91個 いっこ のアミノ酸 あみのさん (ドメイン 1.1 ) が欠損 けっそん しているホロ酵素 こうそ にはDNAを通 とお す割 わ れ目 め があったが、それにしては小 ちい さい。このことから、91個 いっこ のアミノ酸 あみのさん は割 わ れ目 め をこじ開 あ けてDNAを結合 けつごう させると推測 すいそく されている。(3) σ しぐま 因子 いんし 中 ちゅう のドメインのうちの2つ (ドメイン3と4) をつなぐ、明確 めいかく な三 さん 次 じ 構造 こうぞう のないループ はRNAポリメラーゼホロ酵素 こうそ の活性 かっせい 部位 ぶい に近 ちか く、また転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の出口 でぐち に存在 そんざい している。
2番目 ばんめ で欠損 けっそん している部位 ぶい を解釈 かいしゃく しているのは、ダーストらは完全 かんぜん なホロ酵素 こうそ を結晶 けっしょう 化 か することができず、ドメイン1.1を欠損 けっそん したσ しぐま のそれを撮影 さつえい に用 もち いたからである[25] 。よって、完全 かんぜん な構造 こうぞう は明 あき らかでないが、その予測 よそく はできる。例 たと えば、回折 かいせつ 像 ぞう によると切断 せつだん されたN末端 まったん がα あるふぁ サブユニットの端 はし に位置 いち し、活性 かっせい 部位 ぶい にまっすぐ向 む く。また、ドメイン1.1は中性 ちゅうせい pH で約 やく 3分 ぶん の1の残 ざん 基 もと が負 ふ 電荷 でんか となるほど酸性 さんせい アミノ酸 あみのさん が非常 ひじょう に多 おお い。塩基 えんき 性 せい アミノ酸 あみのさん が並 なら ぶ活性 かっせい 部位 ぶい にいかにも強 つよ く結合 けつごう できそうである。ダーストらはこれを、ドメイン1.1は小 ちい さすぎる入口 いりくち をこじ開 あ けてDNAを内部 ないぶ に結合 けつごう させるためと考 かんが えた[25] 。そして、内部 ないぶ でDNAは融解 ゆうかい し、ホロ酵素 こうそ は閉鎖 へいさ 型 がた 複 ふく 合体 がったい [注釈 ちゅうしゃく 3] になるのと考 かんが えられる。その際 さい にドメイン1.1は解離 かいり し、内部 ないぶ のDNA周辺 しゅうへん で活性 かっせい 部位 ぶい は閉 と じると考 かんが えられる。この解離 かいり は、閉鎖 へいさ 型 がた 複 ふく 合体 がったい に保護 ほご されていたのが、開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい への移行 いこう でドメイン1.1がヒドロキシルラジカル にさらされるためのようである。リチャード・エブライト は閉鎖 へいさ 型 がた 複 ふく 合体 がったい のドメイン1.1が開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい では消 き えていることを蛍光 けいこう 共鳴 きょうめい エネルギー移動 いどう 実験 じっけん で証明 しょうめい した[25] 。
3番目 ばんめ の見解 けんかい には2つの解釈 かいしゃく がある。第 だい 一 いち に、σ しぐま 因子 いんし は活性 かっせい 部位 ぶい に近 ちか づくことでリン酸 さん ジエステル結合 けつごう の形成 けいせい に携 たずさ わる。第 だい 二 に に、ループの連結 れんけつ 鎖 くさり は転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の出口 でぐち を塞 ふさ ぐことで、アボーティブ転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の形成 けいせい を行 おこな う[注釈 ちゅうしゃく 3] 。アボーティブ転写 てんしゃ 産物 さんぶつ 形成 けいせい については、連結 れんけつ 鎖 くさり と開始 かいし 段階 だんかい で合成 ごうせい されるRNAは出口 でぐち を占有 せんゆう するための競合 きょうごう をするという仮説 かせつ がある[26] 。連結 れんけつ 鎖 くさり が勝 か つとRNAの伸長 しんちょう は中断 ちゅうだん され、短 みじか いアボーティブ転写 てんしゃ 産物 さんぶつ として放出 ほうしゅつ される。アボーティブ転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は完成 かんせい した転写 てんしゃ 産物 さんぶつ より過剰 かじょう に合成 ごうせい される (大腸菌 だいちょうきん では11倍 ばい 過剰 かじょう [26] ) ので、この過程 かてい はおそらく何 なん 度 ど も繰 く り返 かえ される。約 やく 12nt以上 いじょう にうまく成長 せいちょう できたときにRNAはようやく競合 きょうごう に勝 か つ。連結 れんけつ 鎖 くさり はRNAにどかされ、結果 けっか 、コア酵素 こうそ とσ しぐま 因子 いんし との結合 けつごう は弱 よわ くなる。もしくはコア酵素 こうそ から解離 かいり して伸長 しんちょう への移行 いこう に備 そな える。ダーストらは、連結 れんけつ 鎖 くさり を欠損 けっそん したσ しぐま 因子 いんし でアボーティブ転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は多量 たりょう に生産 せいさん されないことを確認 かくにん した[26] 。アボーティブ転写 てんしゃ 産物 さんぶつ はσ しぐま 因子 いんし が活性 かっせい 部位 ぶい に存在 そんざい するための副産物 ふくさんぶつ であると推測 すいそく される。伸長 しんちょう の礎 いしずえ となる短 みじか いDNAを結合 けつごう させるためσ しぐま 因子 いんし が活性 かっせい 部位 ぶい に接近 せっきん することで、必然 ひつぜん 的 てき に連結 れんけつ 鎖 くさり は出口 でぐち を塞 ふさ いでいると考 かんが えられる[26] 。
真正 しんしょう 細菌 さいきん のホロ酵素 こうそ -DNA複 ふく 合体 がったい [ 編集 へんしゅう ]
T. aquaticus のRNAポリメラーゼ伸長 しんちょう 複 ふく 合体 がったい 。DNAは青 あお 、RNAは赤 あか 、活性 かっせい 部位 ぶい にあるマグネシウム イオン は黄色 おうしょく で示 しめ す。
ホロ酵素 こうそ とDNAによって形成 けいせい される複 ふく 合体 がったい は、転写 てんしゃ 時 じ の状態 じょうたい であるためRF複 ふく 合体 がったい (replicative form complex、RFは複製 ふくせい 型 がた ) と呼 よ ばれる。ダーストらは下図 したず のフォークジャンクションDNA にT. aquaticus のDNAポリメラーゼホロ酵素 こうそ を結合 けつごう させた、RF複 ふく 合体 がったい を作成 さくせい した。このDNAは、-35ボックス を含 ふく むほとんどが二 に 本 ほん 鎖 くさり だが、-10ボックス 中 なか の非 ひ 鋳型 いがた 鎖 くさり [注釈 ちゅうしゃく 5] に-11位 い から始 はじ まる一本 いっぽん 鎖 くさり の突出 とっしゅつ 部分 ぶぶん を持 も つ。これは開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい における状態 じょうたい を模倣 もほう したものである (詳 くわ しくは#真正 しんしょう 細菌 さいきん のβ べーた サブユニット )。
RF複 ふく 合体 がったい の立体 りったい 構造 こうぞう から、様々 さまざま な事実 じじつ が判明 はんめい した。ホロ酵素 こうそ に結合 けつごう するDNAはσ しぐま サブユニットがある場所 ばしょ を横切 よこぎ る。大腸菌 だいちょうきん のプロモーター においては、-12位 い の塩基 えんき がσ しぐま 70 因子 いんし の領域 りょういき 2.4のGln 437およびThr 440と相互 そうご 作用 さよう している。T. aquaticus のσ しぐま A で2つのアミノ酸 あみのさん はGln260とAsn 263とに相当 そうとう する。
Trp 256は-10ボックス 直前 ちょくぜん の-12位 い に非常 ひじょう に近 ちか い。T. aquaticus σ しぐま A のPhe 248、Tyr 253、Trp256や大腸菌 だいちょうきん σ しぐま 70 における一部 いちぶ の3 芳香 ほうこう 族 ぞく アミノ酸 あみのさん は高度 こうど に保存 ほぞん されている。これらは開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい の-10ボックスの非 ひ 鋳型 いがた 鎖 くさり に結合 けつごう することで、プロモーターの融解 ゆうかい に関与 かんよ すると予測 よそく される。観察 かんさつ されたTrp256の位置 いち から-11位 い の塩基 えんき 対 たい の代 か わりとなり、融解 ゆうかい を促進 そくしん する可能 かのう 性 せい が高 たか い。
σ しぐま の領域 りょういき 2.2と2.3における2つの保存 ほぞん された塩基 えんき 性 せい アミノ酸 あみのさん (Arg 237とLys 241)が 静 しずか 電 でん 相互 そうご 作用 さよう で結合 けつごう していることが観察 かんさつ された。しかし、領域 りょういき 4.2の残 ざん 基 もと は35ボックス に結合 けつごう していない。ダーストらは、RF複 ふく 合体 がったい の結晶 けっしょう 化 か の際 さい に、-35ボックスが領域 りょういき 4.2に対 たい する正常 せいじょう な位置 いち から押 お し出 だ されてしまったと結論 けつろん 付 つ けた[27] 。ダーストらは自身 じしん の撮影 さつえい したRF複 ふく 合体 がったい の構造 こうぞう やその他 た の証拠 しょうこ から以下 いか の仮説 かせつ を提唱 ていしょう した[27] 。DNAの上流 じょうりゅう で二 に 本 ほん 鎖 くさり DNAが曲 ま がることによって、DNaseⅠ の標的 ひょうてき 部位 ぶい が生 しょう じる。一方 いっぽう 、下流 かりゅう 領域 りょういき では二 に 重 じゅう らせんが融解 ゆうかい する。こうして閉鎖 へいさ 型 がた から開放 かいほう 型 がた へと複 ふく 合体 がったい が移行 いこう する。開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい でのDNAや各 かく タンパク質 たんぱくしつ の相互 そうご 作用 さよう も立体 りったい 的 てき に解析 かいせき された。-10ボックスがβ べーた とβ べーた ‘サブユニットの間 あいだ で融解 ゆうかい するが、これはβ べーた ’舵 かじ 型 がた 構造 こうぞう によって維持 いじ される。この構造 こうぞう はβ べーた ’サブユニットの表面 ひょうめん から隣接 りんせつ するβ べーた サブユニットに向 む けて、また分離 ぶんり した2つのDNA鎖 くさり の間隙 かんげき に突 つ き出 だ す。これによって、DNAの再 さい 会合 かいごう は阻止 そし される。
活性 かっせい 部位 ぶい には2つのMg+ が3つのアスパラギン酸 さん によって支 ささ えられる。
非 ひ 鋳型 いがた 鎖 くさり
-40 -30 -20 -10
5' GGCCGC|TTGACA|AAAGTGTTAAATTG|TG|C|TATACT 3'
3' CCGGCG|AACTGT|TTTCACAATTTAAC|AC|G|A 5'
-35ボックス ↑ -10ボックス
拡張 かくちょう した-10ボックス
鋳型 いがた 鎖 くさり
図 ず :RF複 ふく 合体 がったい の作成 さくせい に使用 しよう したDNA
少 すく なくとも開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい になった時点 じてん で、ホロ酵素 こうそ には内部 ないぶ に通 つう じる5つの通路 つうろ がある[21] 。NTP取 と り込 こ み通路 つうろ は基質 きしつ であるリボヌクレオチドを触媒 しょくばい 活性 かっせい 中心 ちゅうしん に迎 むか え入 い れる。RNA出口 でぐち 通路 つうろ は後 ご の伸長 しんちょう 段階 だんかい で合成 ごうせい したRNA鎖 くさり の部分 ぶぶん を出 だ すためにある。ほかの3つの通路 つうろ はDNAが出入 でい りするために使 つか う。下流 かりゅう のDNAは下流 かりゅう DNA用 よう 通路 つうろ から二 に 重 じゅう らせんのまま活性 かっせい 中心 ちゅうしん 溝 みぞ に入 はい る。そこでDNAは+3から2本 ほん の一本 いっぽん 鎖 くさり に分 わ かれる[28] 。非 ひ 鋳型 いがた 鎖 くさり は非 ひ 鋳型 いがた 鎖 くさり 用 よう 通路 つうろ (NT通路 つうろ )を抜 ぬ けてホロ酵素 こうそ の表面 ひょうめん に沿 そ って進 すす む。一方 いっぽう 、鋳型 いがた 鎖 くさり は触媒 しょくばい 活性 かっせい 溝 みぞ を突 つ き進 すす み、鋳型 いがた 鎖 くさり 用 よう 通路 つうろ (T通路 つうろ )から外 そと に出 で る。2つの一本 いっぽん 鎖 くさり はホロ酵素 こうそ の後方 こうほう にある上流 じょうりゅう DNAの-11の位置 いち で二 に 重 じゅう らせんに戻 もど る[28] 。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のRNAポリメラーゼ[ 編集 へんしゅう ]
α あるふぁ -アマニチン (赤 あか )が結合 けつごう した真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のRNAポリメラーゼII。この毒 どく はmRNA合成 ごうせい を阻害 そがい する。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ にはRNAポリメラーゼI 、II 、III といった3種類 しゅるい のRNAポリメラーゼがある。1969年 ねん にロバート・ローダー (Robert Roeder) とウィリアム・ラター William Rutter が発見 はっけん した[29] 。3つは合成 ごうせい するRNAが異 こと なり、RNAポリメラーゼⅠはrRNA 前駆 ぜんく 体 たい を合成 ごうせい する。RNAポリメラーゼIIは、タンパク質 たんぱくしつ をコードするmRNAのほか、いまだ謎 なぞ の多 おお いヘテロ核 かく 内 ない RNA (heterogeneous nuclear RNA, hnRNA ) や大 だい 部分 ぶぶん の核 かく 内 ない 低 てい 分子 ぶんし RNA (small nuclear RNA, snRNA ) を合成 ごうせい する。hnRNAとsnRNAは成熟 せいじゅく mRNA の合成 ごうせい に関 かか わる。RNAポリメラーゼIIIはtRNA や5S rRNA、前述 ぜんじゅつ とは別 べつ のいくつかのsnRNAの前駆 ぜんく 体 たい を担 にな う。また、細胞 さいぼう 内 ない の分布 ぶんぷ も別 べつ で、RNAポリメラーゼIは核 かく 小体 こてい にだけ、IIとIIIが核質 かくしつ にだけ存在 そんざい する。
細菌 さいきん は開始 かいし 因子 いんし が1つ (σ しぐま 因子 いんし ) だけだったが、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ では複数 ふくすう の基本 きほん 転写 てんしゃ 因子 いんし (general transcription factor, GTF ) を必要 ひつよう とする。しかし、実際 じっさい にはヌクレオソーム があるためさらにDNA結合 けつごう 調節 ちょうせつ タンパク、いわゆる介在 かいざい 複 ふく 合体 がったい 、ヌクレオソーム修飾 しゅうしょく 酵素 こうそ をはじめとしたいくつかのタンパク質 たんぱくしつ を必要 ひつよう とする[30] 。
RNAポリメラーゼIIのサブユニット [ 編集 へんしゅう ]
RNAポリメラーゼIIのサブユニット構成 こうせい は、1971年 ねん にピエール・シャンボン (Pierre Chambon) らとラターらのグループから独立 どくりつ に報告 ほうこく された[31] 。この時 とき は不完全 ふかんぜん だったが、1975年 ねん にマウス 由来 ゆらい の全 すべ てのRNAポリメラーゼから、ローダーらがほぼ完全 かんぜん な情報 じょうほう を明 あき らかにした[31] 。現在 げんざい では全 ぜん 3種 しゅ のサブユニットについて正確 せいかく に判明 はんめい している。
ヒト と酵母 こうぼ におけるポリメラーゼIIの12個 こ のサブユニットについて下 した の表 ひょう にまとめた。これらは各々 おのおの 単独 たんどく の遺伝子 いでんし にコードされている。各 かく サブユニットの名前 なまえ はその遺伝子 いでんし の名前 なまえ に由来 ゆらい する。RPBという名称 めいしょう は、シャンボンが用 もち いたRNAポリメラーゼB (すなわちII) という呼 よ び名 な にちなむ。
リチャード・ヤング (Richard Young) はエピトープタグ法 ほう で同定 どうてい した10個 こ のサブユニットを3つに分類 ぶんるい した[31] 。真正 しんしょう 細菌 さいきん のRNAポリメラーゼコア酵素 こうそ に構造 こうぞう ・機能 きのう ともに類似 るいじ するコアサブユニット 、少 すく なくとも酵母 こうぼ では3種類 しゅるい の核 かく 内 ない RNAポリメラーゼ全 すべ てにある共通 きょうつう サブユニット (common subunits)、必 かなら ずしも酵素 こうそ 活性 かっせい にいつも必要 ひつよう ではない非 ひ 必須 ひっす サブユニット の3つである。
電気 でんき 泳 およげ 動 どう の結果 けっか から、Rpb1サブユニットには215 kDのIIa と240 kDと測定 そくてい されたIIo の2つの形態 けいたい が存在 そんざい する。IIa のC末端 まったん にはCTD (carboxyl-terminal domain) と呼 よ ばれる、7個 こ のアミノ酸 あみのさん (heptad )から成 な る共通 きょうつう 配列 はいれつ Tyr -Ser -Pro -Thr -Ser-Pro-Ser が反復 はんぷく した配列 はいれつ がある。IIo はCTDのヒドロキシ基 もと を持 も ったアミノ酸 あみのさん (セリン、スレオニン、チロシン)がリン酸化 さんか したものである。しかし、哺乳類 ほにゅうるい のhaptadは52回 かい 反復 はんぷく するが、これが全 すべ てリン酸化 さんか したとしてもIIa とIIo の分子 ぶんし 量 りょう 差 さ を埋 う めることはできない。実際 じっさい の分子 ぶんし 量 りょう が大 おお きく見 み えるよう、泳 およげ 動 どう 度 ど が遅 おそ くなるよう、リン酸化 さんか は立体 りったい 構造 こうぞう の変化 へんか を引 ひ き起 お こすと考 かんが えられている。異 こと なるRpb1サブユニットを所有 しょゆう するRNAポリメラーゼIIをそれぞれRNAポリメラーゼIIA (RNA polymerase IIA) およびRNAポリメラーゼIIO (RNA polymerase IIO) と区別 くべつ する。前者 ぜんしゃ はプロモーター に最初 さいしょ に結合 けつごう するときの形態 けいたい で、後者 こうしゃ は伸長 しんちょう 反応 はんのう を行 おこな う。
ヒトと酵母 こうぼ におけるRNAポリメラーゼIIのサブユニット[32]
サブユニット
酵母 こうぼ 遺伝子 いでんし
酵母 こうぼ タンパク質 たんぱくしつ のモル質量 しつりょう (kD)
特徴 とくちょう
hRPB1
RPb1
192
コアサブユニット。CTDを含 ふく み、DNAと結合 けつごう する。プロモーターの選別 せんべつ に関与 かんよ 。β べーた ’と相 あい 同 どう 。
hRPB2
RPb2
139
活性 かっせい 部位 ぶい を含 ふく むコアサブユニット。プロモーターの認識 にんしき と伸長 しんちょう 速度 そくど に関与 かんよ 。β べーた ’に相 あい 同 どう 。
hRPB3
RPb3
35
コアサブユニット。原核 げんかく 生物 せいぶつ のα あるふぁ サブユニットと相 あい 同 どう で、Rpb11と機能 きのう する可能 かのう 性 せい あり。
hRPB4
RPb4
25
非 ひ 必須 ひっす サブユニット。Rpb7と複 ふく 合体 がったい を形成 けいせい し、ストレス応答 おうとう に関与 かんよ する。
hRPB5
RPb5
25
共通 きょうつう サブユニット。転写 てんしゃ アクチベーター の標的 ひょうてき 。
hRPB6
RPb6
18
共通 きょうつう サブユニット。複 ふく 合体 がったい 形成 けいせい と安定 あんてい 化 か に寄与 きよ 。
hRPB7
RPb7
19
定常 ていじょう 期 き のRpb4と複 ふく 合体 がったい を形成 けいせい 。
hRPB8
RPb8
17
共通 きょうつう サブユニット。オリゴヌクレオチド /オリゴ糖 とう 結合 けつごう ドメイン 。
hRPB9
RPb9
14
伸長 しんちょう に関与 かんよ する可能 かのう 性 せい があるZnリボンモチーフ を含 ふく む。プロモーターを認識 にんしき 。
hRPB10
RPb10
8
共通 きょうつう サブユニット。
hRPB11
RPb11
14
原核 げんかく 生物 せいぶつ のα あるふぁ サブユニットと相 あい 同 どう で、Rpb3と機能 きのう する可能 かのう 性 せい あり。
hRPB12
RPb12
8
共通 きょうつう サブユニット。
RNAポリメラーゼIIの立体 りったい 構造 こうぞう [ 編集 へんしゅう ]
ロジャー・コーンバーグらは2001年 ねん に X線 せん 構造 こうぞう 解析 かいせき の結果 けっか を発表 はっぴょう した[33] 。RNAポリメラーゼIIの結晶 けっしょう 化 か は難 むずか しく、撮影 さつえい に用 もち いたのはRpb4とRpb7を欠 か いた酵母 こうぼ 変異 へんい 株 かぶ のもの(polII Δ でるた 4/7)だった。これは転写 てんしゃ を開始 かいし できないが、伸長 しんちょう 反応 はんのう は問題 もんだい なくできる。
全体 ぜんたい の構造 こうぞう は巨大 きょだい な顎 あご のようで、酸性 さんせい のDNAをくわえる深 ふか い溝 みぞ がある。このため残 のこ りの酵素 こうそ 表面 ひょうめん は酸性 さんせい であるのに対 たい し、溝 みぞ には塩基 えんき 性 せい 残 ざん 基 もと が並 なら ぶ。上顎 じょうがく はRpb1とRpb9、下 しも 顎 あご はRpb5である。底 そこ の触媒 しょくばい 活性 かっせい 中心 ちゅうしん には2個 こ のMg2+ があり、コーンバーグらはメタルA (metal A) とメタルB (metal B) に区別 くべつ した[34] 。メタルAはRpb1のD481、D483、D485といった3個 こ のアスパラギン酸 さん と強固 きょうこ に結合 けつごう している。一方 いっぽう 、メタルBはRpb1のD481、Rpb2のE 836とD837に囲 かこ まれているものの、配 はい 位 い 結合 けつごう するには距離 きょり がある。触媒 しょくばい 反応 はんのう の過程 かてい でこれら酸性 さんせい アミノ酸 あみのさん が近 ちか づくと考 かんが えられる。メタルBは基質 きしつ のリボヌクレオチド三 さん リン酸 さん と結合 けつごう する。
真正 しんしょう 細菌 さいきん 同様 どうよう 、RNAポリメラーゼIIにもポア1 (pore 1) という、合成 ごうせい したRNAを出 だ す出口 でぐち が存在 そんざい する。漏斗 ろうと 状 じょう のポア1外縁 がいえん には、出 で てきたRNAを切断 せつだん するTFIIS と結合 けつごう するアミノ酸 あみのさん が並 なら ぶ[34] 。一方 いっぽう 、入 い り口 くち は14 Åにも及 およ ぶクランプモジュール (clamp module) が回転 かいてん することによって開閉 かいへい される[35] 。プロモーターは酵素 こうそ 表面 ひょうめん でほどかれ、相補 そうほ 鎖 くさり を外 そと に残 のこ して鋳型 いがた 鎖 くさり が溝 みぞ の中 なか へ誘導 ゆうどう される。
RNAポリメラーゼIIの伸長 しんちょう 複 ふく 合体 がったい [ 編集 へんしゅう ]
コーンバーグらはDNAと合成 ごうせい したRNA両方 りょうほう と結合 けつごう したRNAポリメラーゼIIの撮影 さつえい にも成功 せいこう した[35] 。単独 たんどく でクランプモジュールは開 ひら いて外 そと から活性 かっせい 中心 ちゅうしん に近 ちか づけたが、伸長 しんちょう 複 ふく 合体 がったい のクランプモジュールは閉 と じ、鋳型 いがた 鎖 くさり と転写 てんしゃ 産物 さんぶつ を覆 おお う[36] 。後述 こうじゅつ するように、転写 てんしゃ 中 ちゅう のDNAは内部 ないぶ で折 お れ曲 ま がらなければならない。しかし、転写 てんしゃ が開始 かいし する前 まえ のDNAは比較的 ひかくてき 強固 きょうこ なまっすぐな構造 こうぞう をしている[37] 。最初 さいしょ にDNAを入 い れるときは開 ひら いているが、途中 とちゅう からDNAが酵素 こうそ から離 はな れないように閉 と じるのである。メタルAは、最近 さいきん 付加 ふか された2つのリボヌクレオチド間 あいだ のリン酸 さん に結合 けつごう できる位置 いち にある[36] 。活性 かっせい 中心 ちゅうしん の近 ちか くには溝 みぞ にまたがったブリッジヘリックス (bridge helix) が観察 かんさつ される。まっすぐに伸 の びた状態 じょうたい では基質 きしつ のリボヌクレオチド三 さん リン酸 さん が入 い れるようポア1は開 ひら いている。一方 いっぽう で、Thr831とAla 832の付近 ふきん で曲 ま がる状態 じょうたい もあり、活性 かっせい 中心 ちゅうしん は閉 と ざされる[36] 。
内部 ないぶ のDNAは入口 いりくち の所 ところ でその先 さき にある壁 かべ のために無理 むり やり曲 ま げられる。酵素 こうそ 表面 ひょうめん でほどかれた鋳型 いがた 鎖 くさり はRNAと二 に 重 じゅう らせん形成 けいせい するが、この長 なが さはラダー (rudder, 舵 かじ ) と呼 よ ばれるタンパク質 たんぱくしつ が障害 しょうがい 物 ぶつ となり9bpに制限 せいげん される[37] 。それ以上 いじょう 付加 ふか されると、塩基 えんき 対 たい 形成 けいせい している最後 さいご のリボヌクレオチドがDNAから離 はな れ、RNAの出口 でぐち から抜 ぬ け出 だ す。DNAも別 べつ の出口 でぐち で脱出 だっしゅつ し、鋳型 いがた 鎖 くさり と非 ひ 鋳型 いがた 鎖 くさり は二 に 重 じゅう らせんに戻 もど る。RNAポリメラーゼの進路 しんろ 、DNAの下流 かりゅう を前 まえ とするなら、後 うし ろの壁 かべ から上 うえ にRNA・DNA出口 でぐち が、下 した にポア1が開 ひら いている[37] 。
^ 「ポリメラーゼ」は、より英語 えいご 発音 はつおん に近 ちか い「ポリメレース」と表記 ひょうき されることもある。
^ a b c d タンパク質 たんぱくしつ は様々 さまざま な立体 りったい 構造 こうぞう をとっているが、本来 ほんらい はアミノ酸 あみのさん が鎖 くさり のようにつながった直 ちょく 鎖 くさり 状 じょう 高分子 こうぶんし である。この直 ちょく 鎖 くさり の末端 まったん は残 ざん 基 もと がアミノ基 もと か酢酸 さくさん かでそれぞれN末端 まったん 、C末端 まったん と区別 くべつ する。RNAポリメラーゼおよびDNAポリメラーゼの酵素 こうそ 活性 かっせい 、すなわち転写 てんしゃ とDNA複製 ふくせい はN末端 まったん からC末端 まったん へと進 すす む。したがって、タンパク質 たんぱくしつ のアミノ酸 あみのさん 構成 こうせい を示 しめ すとき、N末端 まったん を左 ひだり に順番 じゅんばん にアミノ酸 あみのさん を書 か き並 なら べる。この中 なか の特定 とくてい のアミノ酸 あみのさん の位置 いち および区間 くかん はN末端 まったん から数 かぞ えた番号 ばんごう で示 しめ す。
^ a b c d 転写 てんしゃ は開始 かいし 、伸長 しんちょう 、終了 しゅうりょう の3段階 だんかい からなる。開始 かいし 段階 だんかい では、RNAポリメラーゼがホロ酵素 こうそ を形成 けいせい してDNAのプロモーター に結合 けつごう する。初 はじ め、DNAは二 に 重 じゅう らせんを形成 けいせい したままで、このときのホロ酵素 こうそ を閉鎖 へいさ 型 がた 複 ふく 合体 がったい と呼 よ ぶ。その後 ご 、二 に 重 じゅう らせんはほどかれ、開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい になる。アボーティブ転写 てんしゃ 産物 さんぶつ と呼 よ ぶ数 すう ヌクレオチドのRNAが合成 ごうせい される。伸長 しんちょう 段階 だんかい に入 はい って遺伝子 いでんし が本格 ほんかく 的 てき に転写 てんしゃ される。
^ a b 転写 てんしゃ の開始 かいし 段階 だんかい において、DNAポリメラーゼがRNA合成 ごうせい をできるようにするべく本来 ほんらい 二 に 重 じゅう らせんであるDNAを一本 いっぽん に巻 ま き戻 もど す。まず、DNAポリメラーゼは二 に 重 じゅう らせんDNAに結合 けつごう してする。次 つぎ に巻 ま き戻 もど しを行 おこな うが、このとき一 いち 本 ほん 鎖 くさり DNAとホロ酵素 こうそ とを開放 かいほう 型 がた 複 ふく 合体 がったい と呼 よ ぶ。
^ a b DNAは二 に 重 じゅう らせんを形成 けいせい しているが、RNAポリメラーゼが転写 てんしゃ を行 おこな うのはこのうち1本 ほん である。転写 てんしゃ されるほうを鋳型 いがた 鎖 くさり 、されないほうを非 ひ 鋳型 いがた 鎖 くさり と呼 よ ぶ。
^ 『ウィーバー 分子生物学 ぶんしせいぶつがく 』、化学 かがく 同人 どうじん 、著者 ちょしゃ :Robert F. Weaver、監訳 かんやく 者 しゃ :杉山 すぎやま 弘 ひろし 、2008、p136
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活性 かっせい 調整 ちょうせい 分類 ぶんるい 動力 どうりょく 学 がく 種類 しゅるい