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伝令でんれいRNA

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
MRNAから転送てんそう
かく細胞さいぼうmRNAのライフサイクルをしめしき。mRNAは細胞さいぼうかくうちDNAから転写てんしゃされてつくられる。つぎ転写てんしゃ修飾しゅうしょく(プロセシング)がおこなわれ、細胞さいぼうしつ輸送ゆそうされる。そのmRNAはリボソームtRNA相互そうご作用さようして翻訳ほんやくされ、タンパク質たんぱくしつ(またはペプチド)分子ぶんしつくられる。最終さいしゅうてきにmRNAは分解ぶんかいされる。

分子生物学ぶんしせいぶつがくにおいて、伝令でんれいRNA(でんれいアールエヌエー、えい: messenger ribonucleic acid)は、mRNAまたはメッセンジャーリボ核酸かくさんともばれ、タンパク質たんぱくしつ合成ごうせいする過程かていリボソームによってられる、遺伝子いでんし遺伝子いでんし配列はいれつ対応たいおうする一本いっぽんくさりリボ核酸かくさん(RNA)分子ぶんしである。

mRNAは、RNAポリメラーゼという酵素こうそ遺伝子いでんしいち転写てんしゃ産物さんぶつmRNA前駆ぜんくたい(pre-mRNA)に変換へんかんする転写てんしゃ過程かていつくられる。このpre-mRNAには通常つうじょう最終さいしゅうてきアミノ酸あみのさん配列はいれつコードしないイントロンという領域りょういきふくまれるが、これらはRNAスプライシング過程かてい除去じょきょされ、タンパク質たんぱくしつをコードする領域りょういきであるエクソンのみがのこる。このエクソン配列はいれつ成熟せいじゅくmRNA構成こうせいする。 つぎに、リボゾームが成熟せいじゅくmRNAをり、転移てんいRNA(tRNA)がはこアミノ酸あみのさん利用りようしてタンパク質たんぱくしつつくす。この過程かてい翻訳ほんやくとしてられている。 これらの過程かていはすべて、生物せいぶつけい英語えいごばんにおける遺伝いでん情報じょうほうながれを説明せつめいする分子生物学ぶんしせいぶつがくセントラルドグマ一部いちぶ形成けいせいする。

mRNAの遺伝いでん情報じょうほうは、デオキシリボ核酸かくさん(DNA)と同様どうようヌクレオチド配列はいれつふくまれ、おのおのが3れんリボヌクレオチドからなるコドン配列はいれつされている。かくコドンは、特定とくていアミノ酸あみのさんをコードしているが、タンパク質たんぱくしつ合成ごうせい停止ていしさせる終止しゅうしコドン例外れいがいである。コドンからアミノ酸あみのさん翻訳ほんやくするためには、コドンを認識にんしきして対応たいおうするアミノ酸あみのさん供給きょうきゅうする転移てんいRNAと、リボソームにふくまれるタンパク質たんぱくしつ製造せいぞう装置そうち中心ちゅうしんてき構成こうせい要素ようそであるリボソームRNA(rRNA)の2種類しゅるいのRNAが必要ひつようである。

mRNAの概念がいねんは、1960ねんシドニー・ブレナーフランシス・クリックによって発展はってんした(歴史れきし参照さんしょう)。実験じっけん検証けんしょうおこな過程かていで、フランソワ・ジャコブジャック・モノーが「メッセンジャーRNA(messenger RNA)」という名称めいしょうつくした。1961ねんジェームズ・ワトソン研究けんきゅうチームと、ジャコブ、モノー、マシュー・メセルソンのチームによって、mRNAがたんはなされ、独立どくりつして記述きじゅつされた。

合成ごうせい、プロセシング、はたら

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RNAポリメラーゼ酵素こうそ (黄色おうしょく)がDNAくさり転写てんしゃしてmRNA (緑色みどりいろ)を形成けいせいする

mRNA分子ぶんし転写てんしゃからはじまり、最終さいしゅうてき分解ぶんかいされてみじか生涯しょうがいえる。mRNA分子ぶんしはその寿命じゅみょうあいだ翻訳ほんやくまえプロセシング編集へんしゅう、そして輸送ゆそうされることもある。かく生物せいぶつのmRNA分子ぶんしは、しばしば広範こうはんなプロセシングや輸送ゆそう必要ひつようとするが、原核げんかく生物せいぶつのmRNA分子ぶんしはそうではない。かく生物せいぶつのmRNA分子ぶんしとそれに結合けつごうしたタンパク質たんぱくしつわせてメッセンジャーRNP英語えいごばんぶ。

転写てんしゃ

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DNAからRNAをコピーすることを転写てんしゃという。転写てんしゃさいRNAポリメラーゼ必要ひつようおうじてDNAからmRNAへの遺伝子いでんしコピーを作成さくせいする。この過程かていかく生物せいぶつ原核げんかく生物せいぶつでわずかに相違そういする。顕著けんちょ相違そういひとつは、原核げんかく生物せいぶつのRNAポリメラーゼは転写てんしゃちゅうにDNA処理しょり酵素こうそ結合けつごうし、転写てんしゃちゅうにプロセシングをすすめることができる。それによって、あたらしいmRNAくさりはtRNAくさりばれる相補そうほくさり生成せいせいしてほんくさりとなり、両者りょうしゃ結合けつごうすると塩基えんきたい形成けいせいによる構造こうぞう形成けいせいができなくなる。さらに、mRNAの鋳型いがたはtRNAの相補そうほくさりであり、DNAが結合けつごうするアンチコドン配列はいれつおな配列はいれつである。短命たんめいで、プロセシングあるいは部分ぶぶんてきにプロセシングされた転写てんしゃ産物さんぶつ前駆ぜんくたいmRNA、またはpre-mRNAび、完全かんぜんにプロセシングされると成熟せいじゅくmRNAぶ。

かく生物せいぶつのpre-mRNAプロセシング

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(上段じょうだん) DNA遺伝子いでんしはpre-mRNAに転写てんしゃされる。(中段ちゅうだん) その、pre-mRNAはプロセシングを成熟せいじゅくmRNAを形成けいせいする。(下段げだん) 最終さいしゅうてき成熟せいじゅくmRNAはリボソームによって翻訳ほんやくされてタンパク質たんぱくしつ生成せいせいする。

mRNAのプロセシングは、かく生物せいぶつ細菌さいきん、および細菌さいきんあいだおおきくことなっている。かく生物せいぶつのmRNAは、本質ほんしつてき転写てんしゃされた時点じてん成熟せいじゅくしており、まれな場合ばあいのぞいてプロセシングを必要ひつようとしない[1]。しかし、かく生物せいぶつのpre-mRNAは、細胞さいぼうしつ輸送ゆそうされリボソームにより翻訳ほんやくされるまえに、一連いちれんのプロセシング段階だんかい必要ひつようがある。

スプライシング

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RNAスプライシングは、かく生物せいぶつのpre-mRNAが成熟せいじゅくmRNAにいた広範こうはんなプロセシングであり、イントロンアウトロンコード領域りょういき)が除去じょきょされ、エクソン(コード領域りょういき)が結合けつごうする機構きこうである。

5'キャップの付加ふか

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かく生物せいぶつmRNAの5'キャップの構造こうぞう。7-メチルグアノシン (左上ひだりうえ) が、5'-5'-トリリンさん結合けつごう (中央ちゅうおう) をかいし、mRNAの最初さいしょ転写てんしゃヌクレオチド (みぎ) に結合けつごうすることでキャップを形成けいせいする。

5'キャップ5' cap、RNAキャップ、RNA 7-メチルグアノシンキャップ、RNA m7Gキャップともばれる)とは、かく生物せいぶつのメッセンジャーRNAの転写てんしゃ開始かいし直後ちょくごにその先端せんたんつまり5'末端まったん付加ふかされた修飾しゅうしょくグアニンヌクレオチドである。5'キャップは、末端まったんの7-メチルグアノシンざんもとからなり、5'-5'-トリリンさん結合けつごうかいして最初さいしょ転写てんしゃヌクレオチドにむすびつく。その存在そんざいは、リボソームによる認識にんしきリボヌクレアーゼ(RNase)酵素こうそからの保護ほごにおいて重要じゅうようである。

キャップの付加ふか転写てんしゃ連動れんどうしており、相互そうご影響えいきょうあたえるようにきょう転写てんしゃてきおこなわれる。転写てんしゃ開始かいし直後ちょくご合成ごうせいされるmRNAの5'末端まったんは、RNAポリメラーゼ結合けつごうしているキャップ結合けつごうふく合体がったい英語えいごばん結合けつごうする。この酵素こうそふく合体がったいは、mRNAのキャッピングに必要ひつよう化学かがく反応はんのう触媒しょくばいする。合成ごうせい段階だんかい生化学せいかがく反応はんのうとして進行しんこうする。

編集へんしゅう

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場合ばあいによって、mRNAが編集へんしゅうされて、そのヌクレオチド組成そせい変化へんかすることがある。ヒトをれいにとると、アポリポタンパクしつB英語えいごばんのmRNAは、ある組織そしきでは編集へんしゅうされるが、組織そしきでは編集へんしゅうされない。この編集へんしゅうによって中途ちゅうとでの終止しゅうしコドンがつくられ、翻訳ほんやくみじかタンパク質たんぱくしつ生成せいせいする。

ポリアデニル

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ポリアデニル過程かてい

ポリアデニルpolyadenylation)とは、メッセンジャーRNA分子ぶんしにポリアデニリル共有きょうゆう結合けつごうさせることである。かく生物せいぶつでは、ほとんどのメッセンジャーRNA(mRNA)分子ぶんしが3'末端まったんでポリアデニルされているが、最近さいきん研究けんきゅうでは、ウリジンみじか伸長しんちょう(オリゴウリジル)も一般いっぱんてきであることがしめされている[2]ポリ(A)テールとそれに結合けつごうしたタンパク質たんぱくしつは、エキソヌクレアーゼによる分解ぶんかいからmRNAを保護ほごすることをたすける。また、ポリアデニルは、転写てんしゃ終結しゅうけつ、mRNAのかくがい輸送ゆそう、および翻訳ほんやくにも重要じゅうようである。原核げんかく生物せいぶつでは、mRNAがポリアデニルされると、ポリ(A)テールがエキソヌクレアーゼ分解ぶんかいさまたげるのではなく、むしろ促進そくしんするように作用さようすることもある。

ポリアデニルは、DNAからRNAへ転写てんしゃされるさい、および(または)その直後ちょくごこる。転写てんしゃ終了しゅうりょうすると、RNAポリメラーゼに結合けつごうするエンドヌクレアーゼふく合体がったいはたらきによって、mRNAくさり切断せつだんされる。mRNAが切断せつだんされたのち切断せつだん部位ぶい遊離ゆうり3'末端まったんやく250のアデノシンざんもと付加ふかされる。この反応はんのうは、ポリアデニルさんポリメラーゼ英語えいごばんによって触媒しょくばいされる。選択せんたくてきスプライシング同様どうように、1つのmRNAに複数ふくすうしゅのポリアデニル変異へんいたい存在そんざいする可能かのうせいがある。

また、ポリアデニル部位ぶい変異へんいこる。遺伝子いでんしいちRNA転写てんしゃ産物さんぶつは、ポリA付加ふか部位ぶい切断せつだんされ、RNAの3'末端まったんに100-200のアデノシンざんもと付加ふかされる。この部位ぶい変化へんかすると、異常いじょうながく、不安定ふあんていなmRNAコンストラクトが形成けいせいされる。

輸送ゆそう

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かく生物せいぶつ原核げんかく生物せいぶつのもうひとつのちがいは、mRNAの輸送ゆそうかんするものである。かく生物せいぶつでは転写てんしゃ翻訳ほんやく区画くかくてき分割ぶんかつされているため、かく生物せいぶつではmRNAを細胞さいぼうかくから細胞さいぼうしつ輸送ゆそうしなくてはならない。この過程かていは、さまざまなシグナル伝達でんたつ経路けいろによって制御せいぎょされている可能かのうせいがある[3]成熟せいじゅくmRNAは修飾しゅうしょく処理しょりによって認識にんしきされ、キャップ結合けつごうタンパク質たんぱくしつ(CBC)英語えいごばんであるCBP20およびCBP80[4]、および転写てんしゃかくがい輸送ゆそうふく合体がったい(TREX)結合けつごうすることによって、かくまくあなから輸送ゆそうされる[5][6]かく生物せいぶつでは、複数ふくすうのmRNA輸送ゆそう経路けいろ同定どうていされている[7]

空間くうかんてき複雑ふくざつ細胞さいぼうでは、いくつかのmRNAは特定とくてい細胞さいぼうない目的もくてき輸送ゆそうされる。成熟せいじゅくした神経しんけい細胞さいぼうでは、あるしゅのmRNAが神経しんけい細胞さいぼうたいからじょう突起とっき輸送ゆそうされる。mRNA翻訳ほんやくおこなわれる部位ぶいいちれいは、シナプスのした選択せんたくてき局在きょくざいするポリリボソームである[8]Arc/Arg3.1のmRNAは、シナプス活動かつどうによって誘導ゆうどうされ、NMDA受容じゅようたい生成せいせいするシグナルにもとづいて、活動かつどうてきなシナプス近傍きんぼう選択せんたくてき局在きょくざいされる[9]。また、βべーたアクチン英語えいごばんのmRNAのように、外部がいぶ刺激しげき応答おうとうしてじょう突起とっき移動いどうするmRNAもある[10]アクチンのmRNAは、細胞さいぼうかくから輸送ゆそうされるときに、ZBP1英語えいごばんおよび40Sサブユニット英語えいごばん結合けつごうする。このふく合体がったいモータータンパク質たんぱくしつによって結合けつごうされ、細胞さいぼう骨格こっかく沿って目的もくてき位置いち神経しんけい突起とっき伸長しんちょう)に輸送ゆそうされる。最終さいしゅうてきに、ZBP1がSrc英語えいごばんによってリン酸化さんかされ、翻訳ほんやく開始かいしされる[11]発達はったつちゅう神経しんけい細胞さいぼうでは、mRNAは成長せいちょうちゅうじくさくとく成長せいちょう円錐えんすいにも輸送ゆそうされる。おおくのmRNAには、特定とくてい場所ばしょ輸送ゆそうするために、いわゆる「ジップコード(郵便ゆうびん番号ばんごう)」が付与ふよされている[12]。mRNAは、細胞さいぼうまくナノチューブ(トンネルナノチューブ)とばれる構造こうぞうたいつうじて、哺乳ほにゅう動物どうぶつ細胞さいぼうあいだでも移動いどうすることができる[13][14]

翻訳ほんやく

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mRNAからタンパク質たんぱくしつへの翻訳ほんやくしめしきリボソーム (みどり)は、一連いちれん伝令でんれいRNA (Messanger RNA) (みどり)と、転移てんいRNA (TRNA) () にむすびついたアミノ酸あみのさん (赤丸あかまる) から所定しょていタンパク質たんぱくしつ (赤丸あかまる連鎖れんさ) をてる。

原核げんかく生物せいぶつのmRNAは、プロセシングや輸送ゆそう必要ひつようとしないため、転写てんしゃ終了しゅうりょうすぐにリボソームにより翻訳ほんやく開始かいしすることができる。したがって、原核げんかく生物せいぶつにおける翻訳ほんやく転写てんしゃ共役きょうやくしており、きょう転写てんしゃてきおこなわれているとえる。

かく生物せいぶつのmRNAは、プロセシングされて細胞さいぼうしつ輸送ゆそうされたのち(すなわち成熟せいじゅくmRNA)、リボソームによって翻訳ほんやくすることができる。翻訳ほんやくは、細胞さいぼうしつない自由じゆう浮遊ふゆうしているリボソームでこる場合ばあいと、シグナル認識にんしき粒子りゅうしによって誘導ゆうどうされて、しょう胞体結合けつごうしたリボソームでこる場合ばあいがある。したがって、原核げんかく生物せいぶつとはことなり、かく生物せいぶつにおける翻訳ほんやく転写てんしゃ直接的ちょくせつてきむすびついていない。乳癌にゅうがん(がん)で監視かんしされるEEF1A1英語えいごばんのmRNA/タンパク質たんぱくしつレベルのように、mRNAレベルの低下ていかタンパク質たんぱくしつレベルの上昇じょうしょうともなうこともある[15][よういち資料しりょう]

構造こうぞう

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成熟せいじゅくしたかく生物せいぶつのmRNAの構造こうぞう完全かんぜんにプロセシングされたmRNAは、(ひだりからみぎへ) 5'キャップ5' UTRコーディング領域りょういき3' UTR、およびポリ(A)テールから構成こうせいされる。

コーディング領域りょういき

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コーディング領域りょういきcoding regions)はコドン遺伝いでん暗号あんごうともいう)で構成こうせいされ、リボソームによって解読かいどくされ、さらにタンパク質たんぱくしつ翻訳ほんやくされる。これは、かく生物せいぶつでは通常つうじょう1つなのにたいし、原核げんかく生物せいぶつでは通常つうじょう複数ふくすうである。コーディング領域りょういきは、開始かいしコドンはじまり、終止しゅうしコドンわる。一般いっぱんに、開始かいしコドンはAUGトリプレットで、終止しゅうしコドンはUAG(アンバー)、UAA(オーカー)、またはUGA(オパール)である。コーディング領域りょういき内部ないぶ塩基えんきたいによって安定あんていする傾向けいこうがあり、これが分解ぶんかいさまたげている[16][17]。コーディング領域りょういきは、タンパク質たんぱくしつコードすることにくわえ、その一部いちぶエクソンせいスプライシングエンハンサー英語えいごばんまたはエクソンせいスプライシングサイレンサー英語えいごばんとして、pre-mRNAなか制御せいぎょ配列はいれつ英語えいごばんとして機能きのうすることがある。

翻訳ほんやく領域りょういき

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かく生物せいぶつmRNAにおける5' 翻訳ほんやく領域りょういき (5' UTR) および3' 翻訳ほんやく領域りょういき (3' UTR) の一般いっぱんてき構造こうぞうしめす。

翻訳ほんやく領域りょういきuntranslated regions、UTR)は、mRNAのうち、開始かいしコドンのぜんおよび停止ていしコドンののち翻訳ほんやくされない領域りょういきのことで、それぞれ5' 翻訳ほんやく領域りょういき(5' UTR)と3' 翻訳ほんやく領域りょういき(3' UTR)とばれる。これらの領域りょういきはコーディング領域りょういき一緒いっしょ転写てんしゃされるため、成熟せいじゅくmRNAちゅうにそのまま存在そんざいすることからエクソンせいexonic)という。遺伝子いでんし発現はつげんかかわる翻訳ほんやく領域りょういきのいくつかの役割やくわりは、mRNAの安定あんていせい、mRNAの局在きょくざい翻訳ほんやく効率こうりつ英語えいごばん起因きいんするとされている。UTRがこれらの機能きのうたすかどうかはUTRの配列はいれつ依存いぞんし、mRNAの種類しゅるいによってことなる可能かのうせいがある。また、3' UTRの遺伝子いでんし変異へんいは、RNAの構造こうぞうタンパク質たんぱくしつへの翻訳ほんやく変化へんかさせるため、疾患しっかん感受性かんじゅせいにも関与かんよするとかんがえられている[18]

mRNAの安定あんていせいは、リボヌクレアーゼというRNA分解ぶんかい酵素こうそや、RNA分解ぶんかい促進そくしんまたは阻害そがいする補助ほじょタンパク質たんぱくしつたいする親和しんわせいことなるため、5' UTRおよび(または)3' UTRによって制御せいぎょされている可能かのうせいがある (Cリッチ安定あんてい配列はいれつ英語えいごばん参照さんしょう)。

翻訳ほんやく効率こうりつは、ときには翻訳ほんやく完全かんぜん阻害そがいすることもふくめ、UTRによって制御せいぎょすることができる。3' UTRまたは5' UTRに結合けつごうするタンパク質たんぱくしつは、リボソームがmRNAに結合けつごうする能力のうりょくはたらきかけることで、翻訳ほんやく影響えいきょうおよぼす可能かのうせいがある。また、3' UTRに結合けつごうしたマイクロRNA(miRNA)も、翻訳ほんやく効率こうりつやmRNAの安定あんていせい影響えいきょうおよぼす可能かのうせいがある。

mRNAの細胞さいぼうしつ局在きょくざいせいは、3' UTRの機能きのうであるとかんがえられている。細胞さいぼうない特定とくてい領域りょういき必要ひつようとされるタンパク質たんぱくしつは、その場所ばしょ翻訳ほんやくされることもある。このような場合ばあい、3' UTRには、転写てんしゃ産物さんぶつ翻訳ほんやくするためにこの領域りょういき局在きょくざいさせる配列はいれつふくまれている可能かのうせいがある。

翻訳ほんやく領域りょういきふくまれる配列はいれつなかには、RNAに転写てんしゃされると特徴とくちょうてき構造こうぞう形成けいせいするものがある。これらの構造こうぞうてきなmRNA配列はいれつは、mRNAの調節ちょうせつ関与かんよしている。SECIS配列はいれつ英語えいごばんのようにタンパク質たんぱくしつ結合けつごうする標的ひょうてきとなるものもある。mRNA配列はいれつ一種いっしゅであるリボスイッチは、しょう分子ぶんし直接ちょくせつ結合けつごうしてそのりたたみを変化へんかさせて転写てんしゃ翻訳ほんやくのレベルを変更へんこうする。こうした場合ばあい、mRNAはそれ自身じしん制御せいぎょしている。

ポリ(A)テール

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3'ポリ(A)テール(3' poly(A) tail)は、pre-mRNAの3'末端まったん付加ふかされたアデニンヌクレオチドのなが配列はいれつである(配列はいれつちょうすう100おおい)。このテール()は、細胞さいぼうかくからの輸送ゆそう翻訳ほんやく促進そくしんするとともに、mRNAを分解ぶんかいから保護ほごする役割やくわりつ。

モノシストロンがたとポリシストロンがたちが

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mRNA分子ぶんしが、単一たんいつタンパク質たんぱくしつくさり(ポリペプチド)のみを翻訳ほんやくするための遺伝いでん情報じょうほうふく場合ばあい、モノシストロンがたmonocistronic mRNA)であるという。ほとんどのかく生物せいぶつのmRNAはこのようなケースである[19][20]一方いっぽう、ポリシストロンがたpolycistronic mRNA)mRNAは、複数ふくすうオープン・リーディング・フレーム(ORF)をち、それぞれがポリペプチドに翻訳ほんやくされる。これらのポリペプチドは通常つうじょう関連かんれんする機能きのうち(おおくは最終さいしゅうてきふくあいタンパク質たんぱくしつ構成こうせいするサブユニット)、それらのコード配列はいれつcoding sequence、CDS)はプロモーターオペレーターふく制御せいぎょ領域りょういきにまとめられて全体ぜんたいとして制御せいぎょされる。細菌さいきん細菌さいきんられるmRNAのほとんどはポリシストロンがたで、ヒトのミトコンドリアゲノム同様どうようである[19]。ジシストロンがたdicistronic)またはバイシストロンがたbicistronic)のmRNAは、2つのタンパク質たんぱくしつのみをコードしている[21]

mRNAの環状かんじょう

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mRNAの環状かんじょう調節ちょうせつ。(詳細しょうさい画像がぞう概要がいよう参照さんしょう)

かく生物せいぶつでは、eIF4Eポリ(A)結合けつごうタンパク質たんぱくしつ(PABP)が相互そうご作用さようし、両者りょうしゃ足場あしばタンパク質たんぱくしつeIF4G英語えいごばん結合けつごうしてmRNA-タンパク質たんぱくしつ-mRNAの橋渡はしわたしをすることで、mRNA分子ぶんし環状かんじょう構造こうぞう形成けいせいする[22]環状かんじょうは、mRNAじょうのリボソームの循環じゅんかん促進そくしんし、時間じかん効率こうりつのよい翻訳ほんやくをもたらすとかんがえられており、また、無傷むきずのmRNAのみを翻訳ほんやくするように機能きのうする可能かのうせいもある(部分ぶぶんてき分解ぶんかいしたmRNAは、m7Gキャップやポリ(A)テールのかけしつ特徴とくちょうとする)[23]

このほかに、とくにウイルスmRNAで、環状かんじょう機構きこうられている。ポリオウイルスのmRNAは、その5'末端まったん方向ほうこうのクローバーリーフ部分ぶぶん利用りようしてヒトタンパク質たんぱくしつPCBP2英語えいごばん結合けつごうし、PCBP2はポリ(A)結合けつごうタンパク質たんぱくしつ結合けつごうして、よくられたmRNA-タンパク質たんぱくしつ-mRNAの形成けいせいする。オオムギ萎縮いしゅくウイルス英語えいごばんは、5'末端まったんと3'末端まったんのmRNAセグメントあいだ結合けつごうし(キッシングステムループ英語えいごばんばれる)、タンパク質たんぱくしつかいさずにmRNAを環状かんじょうする。

RNAウイルスゲノム(その+くさりがmRNAとして翻訳ほんやくされる)も一般いっぱん環状かんじょうしている[よう出典しゅってん]。ゲノム複製ふくせいさい環状かんじょうはゲノム複製ふくせい速度そくどたかめるように作用さようし、リボソームが循環じゅんかんしている仮説かせつとほぼ同様どうように、ウイルスRNA依存いぞんせいRNAポリメラーゼ循環じゅんかんさせる。

分解ぶんかい

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おな細胞さいぼうないでも、mRNAの寿命じゅみょう安定あんていせい)はそれぞれことなる。細菌さいきん細胞さいぼうでは、個々ここのmRNAはすうびょうから1時間じかん以上いじょう生存せいぞんすることができる。しかしその寿命じゅみょう平均へいきんして1-3ふんであり、細菌さいきんのmRNAはかく生物せいぶつのmRNAよりもはるかに安定あんていせいひく[24]哺乳ほにゅう動物どうぶつ細胞さいぼうでは、mRNAの寿命じゅみょうすうふんから数日すうじつにまでおよ[25]。mRNAの安定あんていせいたかいほどそのmRNAからよりおおくのタンパク質たんぱくしつ生成せいせいされる可能かのうせいがある。mRNAの寿命じゅみょうかぎられているので、細胞さいぼう変化へんかする需要じゅようおうじてタンパク質たんぱくしつ合成ごうせいすみやかに変更へんこうすることができる。mRNAの破壊はかいをもたらすおおくの機構きこうがあり、そのいくつかをつぎ説明せつめいする。

原核げんかく生物せいぶつのmRNA分解ぶんかい

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さまざまな生命せいめいドメインにおけるRNA分解ぶんかい経路けいろ概要がいよう。グラム陰性いんせい大腸菌だいちょうきんとグラム陽性ようせい枯草かれくさきん (それぞれ左上ひだりうえ右上みぎうえ) に代表だいひょうされる2つの主要しゅよう細菌さいきん系統けいとうでは、経路けいろ類似るいじしているが、酵素こうそことなっている。グラム陰性いんせいとグラム陽性ようせい両方りょうほうで、エンドリボヌクレアーゼは基質きしつかえ切断せつだんすることができ、生成せいせいぶつはエキソリボヌクレアーゼによって攻撃こうげきされる。比較ひかくのため、かく生物せいぶつ分解ぶんかい経路けいろしめす (右上みぎうえ)。

一般いっぱんてきに、原核げんかく生物せいぶつでは、かく生物せいぶつよりもmRNAの寿命じゅみょうがはるかにみじかい。原核げんかく生物せいぶつは、エンドヌクレアーゼ、3'エキソヌクレアーゼ、および5'エキソヌクレアーゼをふくむリボヌクレアーゼのわせて、メッセージ(mRNAの)を分解ぶんかいする。また、すうじゅうからすうひゃくヌクレオチドちょう小型こがたRNA英語えいごばん(sRNA)が相補そうほてき配列はいれつ塩基えんきたい形成けいせいし、RNase III英語えいごばんによるリボヌクレアーゼ切断せつだん促進そくしんすることによって、特定とくていのmRNAの分解ぶんかいうなが場合ばあいがある。最近さいきん細菌さいきんも5'末端まったんさんリンさんからなる一種いっしゅの5'キャップをっていることがあきらかになった[26]。このリンさんを2つ除去じょきょすると5'-リンさんのこり、5'を3'に分解ぶんかいするエキソヌクレアーゼRNase Jによってメッセージが破壊はかいされる。

かく生物せいぶつのmRNAターンオーバー

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かく細胞さいぼうないでは、翻訳ほんやくとmRNA分解ぶんかいのプロセスあいだいがたもたれている活発かっぱつ翻訳ほんやくされているメッセージは、リボソームかく生物せいぶつ翻訳ほんやく開始かいし因子いんしeIF4EおよびeIF4G英語えいごばんポリ(A)結合けつごうタンパク質たんぱくしつによって結合けつごうされている。eIF4EとeIF4Gはデキャッピング酵素こうそDCP2英語えいごばん)を阻害そがいし、ポリ(A)結合けつごうタンパク質たんぱくしつエキソソームふく合体がったい阻害そがいして、メッセージの末端まったん保護ほごする。翻訳ほんやく分解ぶんかいいは、Pボディ英語えいごばんP-bodies)という細胞さいぼうしつ構造こうぞうおおきさと存在そんざいりょう反映はんえいされる[27]。mRNAのポリ(A)テールは、RNAじょうのシス制御せいぎょ配列はいれつとトランス作用さようせいRNA結合けつごうタンパク質たんぱくしつわせによって、特定とくていのメッセンジャーRNAを標的ひょうてきとする特殊とくしゅなエキソヌクレアーゼによって短縮たんしゅくされる。ポリ(A)テールの除去じょきょは、メッセージの環状かんじょう構造こうぞう破壊はかいし、キャップ結合けつごうふく合体がったい英語えいごばん不安定ふあんていするとかんがえられている。その、メッセージはエキソソームふく合体がったいまたはデキャッピングふく合体がったい英語えいごばんのいずれかによって分解ぶんかいされる。このようにして、翻訳ほんやくてき活性かっせいなメッセージをすみやかに破壊はかいし、活性かっせいなメッセージを無傷むきずのままのこすことができる。翻訳ほんやく停止ていししてメッセージが崩壊ほうかいふく合体がったいわたされる機構きこうくわしくはかっていない。

AUえーゆーリッチエレメント分解ぶんかい

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一部いちぶ哺乳類ほにゅうるいでは、mRNAちゅうAUえーゆーリッチエレメント英語えいごばん(ARE)が存在そんざいすると、この配列はいれつ結合けつごうしてポリ(A)テール除去じょきょうなが細胞さいぼうタンパク質たんぱくしつ作用さようによって、これらの転写てんしゃ産物さんぶつ不安定ふあんていする傾向けいこうがある。ポリ(A)テールのかけしつは、エキソソームふく合体がったい[28]デキャッピングふく合体がったい英語えいごばん[29]両方りょうほうによる攻撃こうげき促進そくしんすることにより、mRNAの分解ぶんかい促進そくしんするとかんがえられている。AUえーゆーリッチエレメントをかいしたすみやかなmRNA分解ぶんかいは、腫瘍しゅよう壊死えし因子いんし(TNF)や顆粒かりゅうだまマクロファージコロニー刺激しげき因子いんし(GM-CSF)のような強力きょうりょくサイトカイン過剰かじょうさんせいふせぐための重要じゅうよう機構きこうである[30]。また、AUえーゆーリッチエレメントは、c-Junc-Fosなどのはつがんせい転写てんしゃ因子いんしなま合成ごうせい調節ちょうせつする[31]

ナンセンス変異へんい依存いぞんmRNA分解ぶんかい機構きこう

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かく生物せいぶつのメッセージは、メッセージちゅう中途ちゅうとでの終止しゅうしコドン(ナンセンスコドン)の存在そんざいをチェックするナンセンス変異へんい依存いぞんmRNA分解ぶんかい機構きこう(NMD)による監視かんしけている。ナンセンスコドンは、不完全ふかんぜんなスプライシング、適応てきおう免疫めんえきけいにおけるV(D)J遺伝子いでんしさい構成こうせい、DNAの変異へんい転写てんしゃエラー、フレームシフト英語えいごばんこすリボソームによる漏出ろうしゅつスキャン英語えいごばん、およびその原因げんいんによって発生はっせいする可能かのうせいがある。中途ちゅうとでの終止しゅうしコドンが検出けんしゅつされると、5'キャップ除去じょきょ、3'ポリ(A)テール除去じょきょ、またはヌクレオチドくさり切断せつだんによる分解ぶんかいこす[32]

てい分子ぶんし干渉かんしょうRNA (siRNA)

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後生ごしょう動物どうぶつでは、酵素こうそであるDicerによって処理しょりされたてい分子ぶんし干渉かんしょうRNA(siRNA)は、RNA誘導ゆうどうサイレンシングふく合体がったいまたはRISC(RNA-induced silencing complex)としてられるふく合体がったいまれる。このふくあいエンドヌクレアーゼふくんでおり、siRNAが結合けつごうする完全かんぜん相補そうほてきなメッセージを切断せつだんする。その結果けっかとしてしょうじたmRNA断片だんぺんは、エキソヌクレアーゼによって破壊はかいされる。siRNAは、細胞さいぼう培養ばいようにおいて遺伝子いでんし機能きのう阻害そがいするために、実験じっけんしつ一般いっぱんてき使用しようされている。これはほんくさりRNAウイルスたいする防御ぼうぎょとしての自然しぜん免疫めんえきけい一部いちぶであるとかんがえられている[33]

マイクロRNA (miRNA)

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マイクロRNA(miRNA)は、通常つうじょう後生ごしょう動物どうぶつのメッセンジャーRNAと部分ぶぶん相補そうほてき配列はいれつ小型こがたRNAである[34][35]。miRNAがメッセージに結合けつごうすると、そのメッセージの翻訳ほんやく抑制よくせいされまたポリ(A)テールの除去じょきょ促進そくしんされるため、mRNAの分解ぶんかいはやめられる。miRNAの作用さようじょ活発かっぱつ研究けんきゅう対象たいしょうとなっている[36][37]

その分解ぶんかい機構きこう

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メッセージが分解ぶんかいされる機構きこうほかにも、ノンストップ分解ぶんかい英語えいごばんnon-stop decay、NSD)や、Piwi結合けつごうRNA英語えいごばんPiwi-interacting RNA、piRNA)によるサイレンシングなど、さまざまなものがある。

おう用例ようれい

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ヌクレオシド修飾しゅうしょくメッセンジャーRNA(modRNA)配列はいれつ投与とうよすることで、細胞さいぼうタンパク質たんぱくしつつくらせることができ、直接的ちょくせつてきにはそのタンパク質たんぱくしつ病気びょうき治療ちりょうしたり、ワクチンとして機能きのうする可能かのうせいがある。より間接かんせつてきには、このタンパク質たんぱくしつ内在ないざいせいみき細胞さいぼうのぞましい方法ほうほう分化ぶんかさせる可能かのうせいがある[38][39]

RNA治療ちりょうおも課題かだいは、RNAを適切てきせつ細胞さいぼう送達そうたつすることにある[40]課題かだいにはさらに、はだかのRNA配列はいれつ調剤ちょうざい自然しぜん分解ぶんかいされること、身体しんたい免疫めんえきけいがRNAを侵入しんにゅうしゃとして攻撃こうげきする可能かのうせいがあること、細胞さいぼうまく通過つうかしないことといった事実じじつふくまれる[39]。RNAが細胞さいぼうないはいったのち必要ひつようリボソームがある細胞さいぼうしつ活動かつどうするためには、細胞さいぼう輸送ゆそう機構きこうはなれなくてはならない[38]

これらの課題かだい克服こくふくし、1989ねんに『ひろ適用てきよう可能かのうin vitroトランスフェクション技術ぎじゅつ開発かいはつされたのち[41]治療ちりょうやくとしてのmRNAがはじめて提唱ていしょうされた。1990年代ねんだいに、ヌクレオシド修飾しゅうしょくmRNAに依存いぞんした、個別こべつがん英語えいごばんたいするmRNAワクチンが開発かいはつされた。mRNAをもちいた治療ちりょうほうは、がんだけでなく、自己じこ免疫めんえき疾患しっかん代謝たいしゃせい疾患しっかん、および呼吸こきゅう炎症えんしょうせい疾患しっかんたいする治療ちりょうほう処置しょちほう両面りょうめん研究けんきゅうつづけられている。CRISPR英語えいごばんのような遺伝子いでんし編集へんしゅう療法りょうほうも、目的もくてきCasタンパク質たんぱくしつつくるよう細胞さいぼう誘導ゆうどうするためにmRNAを使用しようすることで、有益ゆうえきとなる可能かのうせいがある[42]

2010年代ねんだい以降いこう、RNAワクチンやそののRNA治療ちりょうやくは「あたらしいクラスの医薬品いやくひん」となされている[43]最初さいしょのmRNAにもとづくワクチンは制限せいげん承認しょうにんけ、COVID-19パンデミックあいだに、たとえばファイザー - バイオンテックモデルナによるCOVID-19ワクチン世界中せかいじゅう展開てんかいされた[44]

歴史れきし

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1950年代ねんだい初頭しょとうから、分子生物学ぶんしせいぶつがく研究けんきゅうによって、タンパク質たんぱくしつ合成ごうせいさいにRNAに関連かんれんする分子ぶんし存在そんざいすることが示唆しさされた。たとえば、もっとふる報告ほうこくの1つで、ジャック・モノーかれのチームは、RNA合成ごうせいタンパク質たんぱくしつ合成ごうせい必要ひつようであることをしめし、とく細菌さいきん大腸菌だいちょうきん酵素こうそであるβべーたガラクトシダーゼさんせいするとき必要ひつようなことをしめした[45]。また、1954ねんアーサー・パーディー英語えいごばん同様どうようのRNA蓄積ちくせき発見はっけんした[46]。1953ねんアルフレッド・ハーシージューン・ディクソンマーサ・チェイスは、大腸菌だいちょうきんない合成ごうせいすぐに消失しょうしつする特定とくていのシトシン含有がんゆうDNA(RNAであることをしめす)について報告ほうこくした[47]。これは、mRNAの存在そんざいしめ最初さいしょ記録きろくであったが、mRNAとしては特定とくていされなかった[48]

mRNAのアイディアは、1960ねん4がつ15にち、ケンブリッジのキングス・カレッジで、シドニー・ブレナーとフランシス・クリックによって最初さいしょ着想ちゃくそうされ、フランソワ・ジャコブが、アーサー・パーディー、ジャコブ、そしてモノーが最近さいきんおこなった実験じっけんについてはなしをしているときだった。クリックのはげましをけ、ブレナーとジャコブはすぐにこのあたらしい仮説かせつ検証けんしょう着手ちゃくしゅし、カリフォルニア工科こうか大学だいがくマシュー・メセルソン連絡れんらくった。1960ねんなつ、ブレナー、ジャコブ、メセルソンの3にんは、カリフォルニア工科こうか大学だいがくのメセルソンの研究けんきゅうしつ実験じっけんおこない、mRNAの存在そんざい証明しょうめいした。そのとしあきに、ジャコブとモノーは「メッセンジャーRNAmessenger RNA)」と命名めいめいし、その機能きのう説明せつめいする最初さいしょ理論りろんてき枠組わくぐみを構築こうちくした[48]

1961ねん2がつジェームズ・ワトソンは、自身じしん研究けんきゅうグループがかれらのすぐを、ほぼおな方向ほうこう同様どうよう実験じっけんおこなっていることをあきらかにした。ブレナーとひとたちは、かれらの研究けんきゅう知見ちけん論文ろんぶん発表はっぴょうおくらせるというワトソンからの要請ようせい同意どういした。その結果けっか、1961ねん5がつの『ネイチャーにブレナーとワトソンの論文ろんぶん同時どうじ掲載けいさいされ、おながつの『ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー英語えいごばんJournal of Molecular Biology)』にジャコブとモノーはmRNAの理論りろんてき枠組わくぐみを発表はっぴょうした[49][48]

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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推薦すいせん文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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