真 ま 核 かく 細胞 さいぼう のmRNA のライフサイクルを示 しめ す模 も 式 しき 図 ず 。mRNAは細胞 さいぼう 核 かく 内 うち でDNA から転写 てんしゃ されて作 つく られる。次 つぎ に転写 てんしゃ 後 ご 修飾 しゅうしょく (プロセシング)が行 おこな われ、細胞 さいぼう 質 しつ へ輸送 ゆそう される。その後 ご mRNAはリボソーム やtRNA と相互 そうご 作用 さよう して翻訳 ほんやく され、タンパク質 たんぱくしつ (またはペプチド )分子 ぶんし が作 つく られる。最終 さいしゅう 的 てき にmRNAは分解 ぶんかい される。
分子生物学 ぶんしせいぶつがく において、伝令 でんれい RNA (でんれいアールエヌエー、英 えい : messenger ribonucleic acid )は、mRNA またはメッセンジャーリボ核酸 かくさん とも呼 よ ばれ、タンパク質 たんぱくしつ を合成 ごうせい する過程 かてい でリボソーム によって読 よ み取 と られる、遺伝子 いでんし の遺伝子 いでんし 配列 はいれつ に対応 たいおう する一本 いっぽん 鎖 くさり のリボ核酸 かくさん (RNA)分子 ぶんし である。
mRNAは、RNAポリメラーゼ という酵素 こうそ が遺伝子 いでんし を一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ のmRNA前駆 ぜんく 体 たい (pre-mRNA)に変換 へんかん する転写 てんしゃ 過程 かてい で作 つく られる。このpre-mRNAには通常 つうじょう 、最終 さいしゅう 的 てき なアミノ酸 あみのさん 配列 はいれつ をコード しないイントロン という領域 りょういき が含 ふく まれるが、これらはRNAスプライシング の過程 かてい で除去 じょきょ され、タンパク質 たんぱくしつ をコードする領域 りょういき であるエクソン のみが残 のこ る。このエクソン配列 はいれつ が成熟 せいじゅく mRNA を構成 こうせい する。
次 つぎ に、リボゾームが成熟 せいじゅく mRNAを読 よ み取 と り、転移 てんい RNA (tRNA)が運 はこ ぶアミノ酸 あみのさん を利用 りよう してタンパク質 たんぱくしつ を作 つく り出 だ す。この過程 かてい は翻訳 ほんやく として知 し られている。
これらの過程 かてい はすべて、生物 せいぶつ 系 けい (英語 えいご 版 ばん ) における遺伝 いでん 情報 じょうほう の流 なが れを説明 せつめい する分子生物学 ぶんしせいぶつがく のセントラルドグマ の一部 いちぶ を形成 けいせい する。
mRNAの遺伝 いでん 情報 じょうほう は、デオキシリボ核酸 かくさん (DNA)と同様 どうよう にヌクレオチド 配列 はいれつ に含 ふく まれ、おのおのが3連 れん のリボヌクレオチド からなるコドン に配列 はいれつ されている。各 かく コドンは、特定 とくてい のアミノ酸 あみのさん をコードしているが、タンパク質 たんぱくしつ 合成 ごうせい を停止 ていし させる終止 しゅうし コドン は例外 れいがい である。コドンからアミノ酸 あみのさん へ翻訳 ほんやく するためには、コドンを認識 にんしき して対応 たいおう するアミノ酸 あみのさん を供給 きょうきゅう する転移 てんい RNAと、リボソームに含 ふく まれるタンパク質 たんぱくしつ 製造 せいぞう 装置 そうち の中心 ちゅうしん 的 てき な構成 こうせい 要素 ようそ であるリボソームRNA (rRNA)の2種類 しゅるい のRNAが必要 ひつよう である。
mRNAの概念 がいねん は、1960年 ねん にシドニー・ブレナー とフランシス・クリック によって発展 はってん した(歴史 れきし を参照 さんしょう )。実験 じっけん 検証 けんしょう を行 おこな う過程 かてい で、フランソワ・ジャコブ とジャック・モノー が「メッセンジャーRNA(messenger RNA )」という名称 めいしょう を作 つく り出 だ した。1961年 ねん 、ジェームズ・ワトソン の研究 けんきゅう チームと、ジャコブ、モノー、マシュー・メセルソン のチームによって、mRNAが単 たん 離 はな され、独立 どくりつ して記述 きじゅつ された。
RNAポリメラーゼ酵素 こうそ (黄色 おうしょく )がDNA鎖 くさり を転写 てんしゃ してmRNA (緑色 みどりいろ )を形成 けいせい する
mRNA分子 ぶんし は転写 てんしゃ から始 はじ まり、最終 さいしゅう 的 てき に分解 ぶんかい されて短 みじか い生涯 しょうがい を終 お える。mRNA分子 ぶんし はその寿命 じゅみょう の間 あいだ 、翻訳 ほんやく 前 まえ にプロセシング 、編集 へんしゅう 、そして輸送 ゆそう されることもある。真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のmRNA分子 ぶんし は、しばしば広範 こうはん なプロセシングや輸送 ゆそう を必要 ひつよう とするが、原核 げんかく 生物 せいぶつ のmRNA分子 ぶんし はそうではない。真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のmRNA分子 ぶんし とそれに結合 けつごう したタンパク質 たんぱくしつ を合 あ わせてメッセンジャーRNP (英語 えいご 版 ばん ) と呼 よ ぶ。
DNAからRNAをコピーすることを転写 てんしゃ という。転写 てんしゃ の際 さい 、RNAポリメラーゼ は必要 ひつよう に応 おう じてDNAからmRNAへの遺伝子 いでんし コピーを作成 さくせい する。この過程 かてい は真 ま 核 かく 生物 せいぶつ と原核 げんかく 生物 せいぶつ でわずかに相違 そうい する。顕著 けんちょ な相違 そうい の一 ひと つは、原核 げんかく 生物 せいぶつ のRNAポリメラーゼは転写 てんしゃ 中 ちゅう にDNA処理 しょり 酵素 こうそ と結合 けつごう し、転写 てんしゃ 中 ちゅう にプロセシングを進 すす めることができる。それによって、新 あたら しいmRNA鎖 くさり はtRNA鎖 くさり と呼 よ ばれる相補 そうほ 鎖 くさり を生成 せいせい して二 に 本 ほん 鎖 くさり となり、両者 りょうしゃ が結合 けつごう すると塩基 えんき 対 たい 形成 けいせい による構造 こうぞう 形成 けいせい ができなくなる。さらに、mRNAの鋳型 いがた はtRNAの相補 そうほ 鎖 くさり であり、DNAが結合 けつごう するアンチコドン 配列 はいれつ と同 おな じ配列 はいれつ である。短命 たんめい で、未 み プロセシングあるいは部分 ぶぶん 的 てき にプロセシングされた転写 てんしゃ 産物 さんぶつ を前駆 ぜんく 体 たい mRNA、またはpre-mRNA と呼 よ び、完全 かんぜん にプロセシングされると成熟 せいじゅく mRNA と呼 よ ぶ。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のpre-mRNAプロセシング[ 編集 へんしゅう ]
(上段 じょうだん ) DNA遺伝子 いでんし はpre-mRNAに転写 てんしゃ される。(中段 ちゅうだん ) その後 ご 、pre-mRNAはプロセシングを経 へ て成熟 せいじゅく mRNAを形成 けいせい する。(下段 げだん ) 最終 さいしゅう 的 てき に成熟 せいじゅく mRNAはリボソームによって翻訳 ほんやく されてタンパク質 たんぱくしつ が生成 せいせい する。
mRNAのプロセシングは、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ 、細菌 さいきん 、および古 こ 細菌 さいきん の間 あいだ で大 おお きく異 こと なっている。非 ひ 真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のmRNAは、本質 ほんしつ 的 てき に転写 てんしゃ された時点 じてん で成熟 せいじゅく しており、まれな場合 ばあい を除 のぞ いてプロセシングを必要 ひつよう としない[ 1] 。しかし、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のpre-mRNAは、細胞 さいぼう 質 しつ へ輸送 ゆそう されリボソームにより翻訳 ほんやく される前 まえ に、一連 いちれん のプロセシング段階 だんかい を経 へ る必要 ひつよう がある。
RNAスプライシング は、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のpre-mRNAが成熟 せいじゅく mRNAに至 いた る広範 こうはん なプロセシングであり、イントロン やアウトロン (非 ひ コード領域 りょういき )が除去 じょきょ され、エクソン (コード領域 りょういき )が結合 けつごう する機構 きこう である。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ mRNAの5'キャップの構造 こうぞう 。7-メチルグアノシン (左上 ひだりうえ ) が、5'-5'-トリリン酸 さん 結合 けつごう (中央 ちゅうおう ) を介 かい し、mRNAの最初 さいしょ の転写 てんしゃ ヌクレオチド (右 みぎ 下 か ) に結合 けつごう することでキャップを形成 けいせい する。
5'キャップ (5' cap、 RNAキャップ、RNA 7-メチルグアノシン キャップ、RNA m7 Gキャップとも呼 よ ばれる)とは、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のメッセンジャーRNAの転写 てんしゃ 開始 かいし 直後 ちょくご にその先端 せんたん 部 ぶ つまり5'末端 まったん に付加 ふか された修飾 しゅうしょく グアニン ヌクレオチドである。5'キャップは、末端 まったん の7-メチルグアノシン残 ざん 基 もと からなり、5'-5'-トリリン酸 さん 結合 けつごう を介 かい して最初 さいしょ の転写 てんしゃ ヌクレオチドに結 むす びつく。その存在 そんざい は、リボソーム による認識 にんしき とリボヌクレアーゼ (RNase)酵素 こうそ からの保護 ほご において重要 じゅうよう である。
キャップの付加 ふか は転写 てんしゃ と連動 れんどう しており、相互 そうご に影響 えいきょう を与 あた えるように共 きょう 転写 てんしゃ 的 てき に行 おこな われる。転写 てんしゃ 開始 かいし の直後 ちょくご 、合成 ごうせい されるmRNAの5'末端 まったん は、RNAポリメラーゼ に結合 けつごう しているキャップ結合 けつごう 複 ふく 合体 がったい (英語 えいご 版 ばん ) と結合 けつごう する。この酵素 こうそ 複 ふく 合体 がったい は、mRNAのキャッピングに必要 ひつよう な化学 かがく 反応 はんのう を触媒 しょくばい する。合成 ごうせい は多 た 段階 だんかい の生化学 せいかがく 反応 はんのう として進行 しんこう する。
場合 ばあい によって、mRNAが編集 へんしゅう されて、そのヌクレオチド組成 そせい が変化 へんか することがある。ヒトを例 れい にとると、アポリポタンパク質 しつ B (英語 えいご 版 ばん ) のmRNAは、ある組織 そしき では編集 へんしゅう されるが、他 た の組織 そしき では編集 へんしゅう されない。この編集 へんしゅう によって中途 ちゅうと での終止 しゅうし コドンが作 つく られ、翻訳 ほんやく 時 じ に短 みじか いタンパク質 たんぱくしつ が生成 せいせい する。
ポリアデニル化 か の過程 かてい
ポリアデニル化 か (polyadenylation )とは、メッセンジャーRNA分子 ぶんし にポリアデニリル部 ぶ を共有 きょうゆう 結合 けつごう させることである。真 ま 核 かく 生物 せいぶつ では、ほとんどのメッセンジャーRNA(mRNA)分子 ぶんし が3'末端 まったん でポリアデニル化 か されているが、最近 さいきん の研究 けんきゅう では、ウリジン の短 みじか い伸長 しんちょう (オリゴウリジル化 か )も一般 いっぱん 的 てき であることが示 しめ されている[ 2] 。ポリ(A)テール とそれに結合 けつごう したタンパク質 たんぱくしつ は、エキソヌクレアーゼ による分解 ぶんかい からmRNAを保護 ほご することを助 たす ける。また、ポリアデニル化 か は、転写 てんしゃ 終結 しゅうけつ 、mRNAの核 かく 外 がい 輸送 ゆそう 、および翻訳 ほんやく にも重要 じゅうよう である。原核 げんかく 生物 せいぶつ では、mRNAがポリアデニル化 か されると、ポリ(A)テールがエキソヌクレアーゼ分解 ぶんかい を妨 さまた げるのではなく、むしろ促進 そくしん するように作用 さよう することもある。
ポリアデニル化 か は、DNAからRNAへ転写 てんしゃ される際 さい 、および(または)その直後 ちょくご に起 お こる。転写 てんしゃ が終了 しゅうりょう すると、RNAポリメラーゼに結合 けつごう するエンドヌクレアーゼ複 ふく 合体 がったい の働 はたら きによって、mRNA鎖 くさり は切断 せつだん される。mRNAが切断 せつだん された後 のち 、切断 せつだん 部位 ぶい の遊離 ゆうり 3'末端 まったん に約 やく 250のアデノシン残 ざん 基 もと が付加 ふか される。この反応 はんのう は、ポリアデニル酸 さん ポリメラーゼ (英語 えいご 版 ばん ) によって触媒 しょくばい される。選択 せんたく 的 てき スプライシング と同様 どうよう に、1つのmRNAに複数 ふくすう 種 しゅ のポリアデニル化 か 変異 へんい 体 たい が存在 そんざい する可能 かのう 性 せい がある。
また、ポリアデニル化 か 部位 ぶい の変異 へんい も起 お こる。遺伝子 いでんし の一 いち 次 じ RNA転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は、ポリA付加 ふか 部位 ぶい で切断 せつだん され、RNAの3'末端 まったん に100-200個 こ のアデノシン残 ざん 基 もと が付加 ふか される。この部位 ぶい が変化 へんか すると、異常 いじょう に長 なが く、不安定 ふあんてい なmRNAコンストラクトが形成 けいせい される。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ と原核 げんかく 生物 せいぶつ のもう一 ひと つの違 ちが いは、mRNAの輸送 ゆそう に関 かん するものである。真 ま 核 かく 生物 せいぶつ では転写 てんしゃ と翻訳 ほんやく は区画 くかく 的 てき に分割 ぶんかつ されているため、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ ではmRNAを細胞 さいぼう 核 かく から細胞 さいぼう 質 しつ へ輸送 ゆそう しなくてはならない。この過程 かてい は、さまざまなシグナル伝達 でんたつ 経路 けいろ によって制御 せいぎょ されている可能 かのう 性 せい がある[ 3] 。成熟 せいじゅく mRNAは修飾 しゅうしょく の処理 しょり によって認識 にんしき され、キャップ結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ (CBC) (英語 えいご 版 ばん ) であるCBP20およびCBP80[ 4] 、および転写 てんしゃ /核 かく 外 がい 輸送 ゆそう 複 ふく 合体 がったい (TREX) に結合 けつごう することによって、核 かく 膜 まく 孔 あな から輸送 ゆそう される[ 5] [ 6] 。真 ま 核 かく 生物 せいぶつ では、複数 ふくすう のmRNA輸送 ゆそう 経路 けいろ が同定 どうてい されている[ 7] 。
空間 くうかん 的 てき に複雑 ふくざつ な細胞 さいぼう では、いくつかのmRNAは特定 とくてい の細胞 さいぼう 内 ない 目的 もくてき 地 ち に輸送 ゆそう される。成熟 せいじゅく した神経 しんけい 細胞 さいぼう では、ある種 しゅ のmRNAが神経 しんけい 細胞 さいぼう 体 たい から樹 き 状 じょう 突起 とっき に輸送 ゆそう される。mRNA翻訳 ほんやく が行 おこな われる部位 ぶい の一 いち 例 れい は、シナプスの下 した に選択 せんたく 的 てき に局在 きょくざい するポリリボソーム である[ 8] 。Arc/Arg3.1 のmRNAは、シナプス活動 かつどう によって誘導 ゆうどう され、NMDA受容 じゅよう 体 たい が生成 せいせい するシグナルに基 もと づいて、活動 かつどう 的 てき なシナプス近傍 きんぼう に選択 せんたく 的 てき に局在 きょくざい される[ 9] 。また、β べーた アクチン(英語 えいご 版 ばん ) のmRNAのように、外部 がいぶ 刺激 しげき に応答 おうとう して樹 き 状 じょう 突起 とっき に移動 いどう するmRNAもある[ 10] 。アクチン のmRNAは、細胞 さいぼう 核 かく から輸送 ゆそう されるときに、ZBP1 (英語 えいご 版 ばん ) および40Sサブユニット (英語 えいご 版 ばん ) と結合 けつごう する。この複 ふく 合体 がったい はモータータンパク質 たんぱくしつ によって結合 けつごう され、細胞 さいぼう 骨格 こっかく に沿 そ って目的 もくてき 位置 いち (神経 しんけい 突起 とっき 伸長 しんちょう 部 ぶ )に輸送 ゆそう される。最終 さいしゅう 的 てき に、ZBP1がSrc (英語 えいご 版 ばん ) によってリン酸化 さんか され、翻訳 ほんやく が開始 かいし される[ 11] 。発達 はったつ 中 ちゅう の神経 しんけい 細胞 さいぼう では、mRNAは成長 せいちょう 中 ちゅう の軸 じく 索 さく 、特 とく に成長 せいちょう 円錐 えんすい にも輸送 ゆそう される。多 おお くのmRNAには、特定 とくてい の場所 ばしょ に輸送 ゆそう するために、いわゆる「ジップコード(郵便 ゆうびん 番号 ばんごう の意 い )」が付与 ふよ されている[ 12] 。mRNAは、細胞 さいぼう 膜 まく ナノチューブ (トンネルナノチューブ)と呼 よ ばれる構造 こうぞう 体 たい を通 つう じて、哺乳 ほにゅう 動物 どうぶつ 細胞 さいぼう 間 あいだ でも移動 いどう することができる[ 13] [ 14] 。
mRNAからタンパク質 たんぱくしつ への翻訳 ほんやく を示 しめ す模 も 式 しき 図 ず 。リボソーム (緑 みどり )は、一連 いちれん の伝令 でんれい RNA (Messanger RNA) (黄 き 緑 みどり )と、転移 てんい RNA (TRNA) (黄 き ) に結 むす びついたアミノ酸 あみのさん (赤丸 あかまる ) から所定 しょてい のタンパク質 たんぱくしつ (赤丸 あかまる の連鎖 れんさ ) を組 く み立 た てる。
原核 げんかく 生物 せいぶつ のmRNAは、プロセシングや輸送 ゆそう を必要 ひつよう としないため、転写 てんしゃ 終了 しゅうりょう 後 ご すぐにリボソーム により翻訳 ほんやく を開始 かいし することができる。したがって、原核 げんかく 生物 せいぶつ における翻訳 ほんやく は転写 てんしゃ と共役 きょうやく しており、共 きょう 転写 てんしゃ 的 てき に行 おこな われていると言 い える。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のmRNAは、プロセシングされて細胞 さいぼう 質 しつ に輸送 ゆそう された後 のち (すなわち成熟 せいじゅく mRNA)、リボソームによって翻訳 ほんやく することができる。翻訳 ほんやく は、細胞 さいぼう 質 しつ 内 ない を自由 じゆう に浮遊 ふゆう しているリボソームで起 お こる場合 ばあい と、シグナル認識 にんしき 粒子 りゅうし によって誘導 ゆうどう されて、小 しょう 胞体 に結合 けつごう したリボソームで起 お こる場合 ばあい がある。したがって、原核 げんかく 生物 せいぶつ とは異 こと なり、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ における翻訳 ほんやく は転写 てんしゃ と直接的 ちょくせつてき に結 むす びついていない。乳癌 にゅうがん (がん)で監視 かんし されるEEF1A1 (英語 えいご 版 ばん ) のmRNA/タンパク質 たんぱくしつ レベルのように、mRNAレベルの低下 ていか がタンパク質 たんぱくしつ レベルの上昇 じょうしょう を伴 ともな うこともある[ 15] [要 よう 非 ひ 一 いち 次 じ 資料 しりょう ] 。
成熟 せいじゅく した真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のmRNAの構造 こうぞう 。完全 かんぜん にプロセシングされたmRNAは、(左 ひだり から右 みぎ へ) 5'キャップ 、5' UTR 、コーディング領域 りょういき 、3' UTR 、およびポリ(A)テール から構成 こうせい される。
コーディング領域 りょういき (coding regions )はコドン (遺伝 いでん 暗号 あんごう ともいう)で構成 こうせい され、リボソームによって解読 かいどく され、さらにタンパク質 たんぱくしつ へ翻訳 ほんやく される。これは、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ では通常 つうじょう 1つなのに対 たい し、原核 げんかく 生物 せいぶつ では通常 つうじょう 複数 ふくすう である。コーディング領域 りょういき は、開始 かいし コドン で始 はじ まり、終止 しゅうし コドン で終 お わる。一般 いっぱん に、開始 かいし コドンはAUGトリプレットで、終止 しゅうし コドンはUAG(アンバー)、UAA(オーカー)、またはUGA(オパール)である。コーディング領域 りょういき は内部 ないぶ の塩基 えんき 対 たい によって安定 あんてい 化 か する傾向 けいこう があり、これが分解 ぶんかい を妨 さまた げている[ 16] [ 17] 。コーディング領域 りょういき は、タンパク質 たんぱくしつ をコードする ことに加 くわ え、その一部 いちぶ はエクソン性 せい スプライシングエンハンサー (英語 えいご 版 ばん ) またはエクソン性 せい スプライシングサイレンサー (英語 えいご 版 ばん ) として、pre-mRNA 中 なか の制御 せいぎょ 配列 はいれつ (英語 えいご 版 ばん ) として機能 きのう することがある。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ mRNAにおける5' 非 ひ 翻訳 ほんやく 領域 りょういき (5' UTR) および3' 非 ひ 翻訳 ほんやく 領域 りょういき (3' UTR) の一般 いっぱん 的 てき な構造 こうぞう を示 しめ す。
非 ひ 翻訳 ほんやく 領域 りょういき (untranslated regions 、UTR)は、mRNAのうち、開始 かいし コドンの前 ぜん および停止 ていし コドンの後 のち で翻訳 ほんやく されない領域 りょういき のことで、それぞれ5' 非 ひ 翻訳 ほんやく 領域 りょういき (5' UTR)と3' 非 ひ 翻訳 ほんやく 領域 りょういき (3' UTR)と呼 よ ばれる。これらの領域 りょういき はコーディング領域 りょういき と一緒 いっしょ に転写 てんしゃ されるため、成熟 せいじゅく mRNA中 ちゅう にそのまま存在 そんざい することからエクソン性 せい (exonic )という。遺伝子 いでんし 発現 はつげん に関 かか わる非 ひ 翻訳 ほんやく 領域 りょういき のいくつかの役割 やくわり は、mRNAの安定 あんてい 性 せい 、mRNAの局在 きょくざい 化 か 、翻訳 ほんやく 効率 こうりつ (英語 えいご 版 ばん ) へ起因 きいん するとされている。UTRがこれらの機能 きのう を果 は たすかどうかはUTRの配列 はいれつ に依存 いぞん し、mRNAの種類 しゅるい によって異 こと なる可能 かのう 性 せい がある。また、3' UTRの遺伝子 いでんし 変異 へんい は、RNAの構造 こうぞう やタンパク質 たんぱくしつ への翻訳 ほんやく を変化 へんか させるため、疾患 しっかん 感受性 かんじゅせい にも関与 かんよ すると考 かんが えられている[ 18] 。
mRNAの安定 あんてい 性 せい は、リボヌクレアーゼ というRNA分解 ぶんかい 酵素 こうそ や、RNA分解 ぶんかい を促進 そくしん または阻害 そがい する補助 ほじょ タンパク質 たんぱくしつ に対 たい する親和 しんわ 性 せい が異 こと なるため、5' UTRおよび(または)3' UTRによって制御 せいぎょ されている可能 かのう 性 せい がある (Cリッチ安定 あんてい 化 か 配列 はいれつ (英語 えいご 版 ばん ) も参照 さんしょう )。
翻訳 ほんやく 効率 こうりつ は、時 とき には翻訳 ほんやく を完全 かんぜん に阻害 そがい することも含 ふく め、UTRによって制御 せいぎょ することができる。3' UTRまたは5' UTRに結合 けつごう するタンパク質 たんぱくしつ は、リボソームがmRNAに結合 けつごう する能力 のうりょく に働 はたら きかけることで、翻訳 ほんやく に影響 えいきょう を及 およ ぼす可能 かのう 性 せい がある。また、3' UTRに結合 けつごう したマイクロRNA (miRNA)も、翻訳 ほんやく 効率 こうりつ やmRNAの安定 あんてい 性 せい に影響 えいきょう を及 およ ぼす可能 かのう 性 せい がある。
mRNAの細胞 さいぼう 質 しつ 局在 きょくざい 性 せい は、3' UTRの機能 きのう であると考 かんが えられている。細胞 さいぼう 内 ない の特定 とくてい の領域 りょういき で必要 ひつよう とされるタンパク質 たんぱくしつ は、その場所 ばしょ で翻訳 ほんやく されることもある。このような場合 ばあい 、3' UTRには、転写 てんしゃ 産物 さんぶつ を翻訳 ほんやく するためにこの領域 りょういき に局在 きょくざい 化 か させる配列 はいれつ が含 ふく まれている可能 かのう 性 せい がある。
非 ひ 翻訳 ほんやく 領域 りょういき に含 ふく まれる配列 はいれつ の中 なか には、RNAに転写 てんしゃ されると特徴 とくちょう 的 てき な二 に 次 じ 構造 こうぞう を形成 けいせい するものがある。これらの構造 こうぞう 的 てき なmRNA配列 はいれつ は、mRNAの調節 ちょうせつ に関与 かんよ している。SECIS配列 はいれつ (英語 えいご 版 ばん ) のようにタンパク質 たんぱくしつ が結合 けつごう する標的 ひょうてき となるものもある。mRNA配列 はいれつ の一種 いっしゅ であるリボスイッチ は、小 しょう 分子 ぶんし と直接 ちょくせつ 結合 けつごう してその折 お りたたみを変化 へんか させて転写 てんしゃ や翻訳 ほんやく のレベルを変更 へんこう する。こうした場合 ばあい 、mRNAはそれ自身 じしん を制御 せいぎょ している。
3'ポリ(A)テール(3' poly(A) tail )は、pre-mRNAの3'末端 まったん に付加 ふか されたアデニン ヌクレオチドの長 なが い配列 はいれつ である(配列 はいれつ 長 ちょう は数 すう 100個 こ が多 おお い)。このテール(尾 お 部 ぶ )は、細胞 さいぼう 核 かく からの輸送 ゆそう と翻訳 ほんやく を促進 そくしん するとともに、mRNAを分解 ぶんかい から保護 ほご する役割 やくわり を持 も つ。
モノシストロン型 がた とポリシストロン型 がた の違 ちが い[ 編集 へんしゅう ]
mRNA分子 ぶんし が、単一 たんいつ のタンパク質 たんぱくしつ 鎖 くさり (ポリペプチド)のみを翻訳 ほんやく するための遺伝 いでん 情報 じょうほう を含 ふく む場合 ばあい 、モノシストロン型 がた (monocistronic mRNA )であるという。ほとんどの真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のmRNAはこのようなケースである[ 19] [ 20] 。一方 いっぽう 、ポリシストロン型 がた (polycistronic mRNA )mRNAは、複数 ふくすう のオープン・リーディング・フレーム (ORF)を持 も ち、それぞれがポリペプチドに翻訳 ほんやく される。これらのポリペプチドは通常 つうじょう 、関連 かんれん する機能 きのう を持 も ち(多 おお くは最終 さいしゅう 的 てき な複 ふく 合 あい タンパク質 たんぱくしつ を構成 こうせい するサブユニット)、それらのコード配列 はいれつ (coding sequence 、CDS)はプロモーター とオペレーター を含 ふく む制御 せいぎょ 領域 りょういき にまとめられて全体 ぜんたい として制御 せいぎょ される。細菌 さいきん や古 こ 細菌 さいきん に見 み られるmRNAのほとんどはポリシストロン型 がた で、ヒトのミトコンドリア ・ゲノム も同様 どうよう である[ 19] 。ジシストロン型 がた (dicistronic )またはバイシストロン型 がた (bicistronic )のmRNAは、2つのタンパク質 たんぱくしつ のみをコードしている[ 21] 。
mRNAの環状 かんじょう 化 か と調節 ちょうせつ 。(詳細 しょうさい は画像 がぞう の概要 がいよう を参照 さんしょう )
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ では、eIF4E とポリ(A)結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ (PABP)が相互 そうご 作用 さよう し、両者 りょうしゃ が足場 あしば タンパク質 たんぱくしつ のeIF4G (英語 えいご 版 ばん ) に結合 けつごう してmRNA-タンパク質 たんぱくしつ -mRNAの橋渡 はしわた しをすることで、mRNA分子 ぶんし は環状 かんじょう 構造 こうぞう を形成 けいせい する[ 22] 。環状 かんじょう 化 か は、mRNA上 じょう のリボソームの循環 じゅんかん を促進 そくしん し、時間 じかん 効率 こうりつ のよい翻訳 ほんやく をもたらすと考 かんが えられており、また、無傷 むきず のmRNAのみを翻訳 ほんやく するように機能 きのう する可能 かのう 性 せい もある(部分 ぶぶん 的 てき に分解 ぶんかい したmRNAは、m7 Gキャップやポリ(A)テールの欠 かけ 失 しつ を特徴 とくちょう とする)[ 23] 。
この他 ほか に、特 とく にウイルスmRNAで、環状 かんじょう 化 か の機構 きこう が知 し られている。ポリオウイルス のmRNAは、その5'末端 まったん 方向 ほうこう のクローバーリーフ部分 ぶぶん を利用 りよう してヒトタンパク質 たんぱくしつ PCBP2 (英語 えいご 版 ばん ) と結合 けつごう し、PCBP2はポリ(A)結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ と結合 けつごう して、よく知 し られたmRNA-タンパク質 たんぱくしつ -mRNAの輪 わ を形成 けいせい する。オオムギ黄 き 化 か 萎縮 いしゅく ウイルス (英語 えいご 版 ばん ) は、5'末端 まったん と3'末端 まったん のmRNAセグメント間 あいだ で結合 けつごう し(キッシングステムループ (英語 えいご 版 ばん ) と呼 よ ばれる)、タンパク質 たんぱくしつ を介 かい さずにmRNAを環状 かんじょう 化 か する。
RNAウイルスゲノム(その+鎖 くさり がmRNAとして翻訳 ほんやく される)も一般 いっぱん に環状 かんじょう 化 か している[要 よう 出典 しゅってん ] 。ゲノム複製 ふくせい の際 さい 、環状 かんじょう 化 か はゲノム複製 ふくせい 速度 そくど を高 たか めるように作用 さよう し、リボソームが循環 じゅんかん している仮説 かせつ とほぼ同様 どうよう に、ウイルスRNA依存 いぞん 性 せい RNAポリメラーゼ を循環 じゅんかん させる。
同 おな じ細胞 さいぼう 内 ない でも、mRNAの寿命 じゅみょう (安定 あんてい 性 せい )はそれぞれ異 こと なる。細菌 さいきん 細胞 さいぼう では、個々 ここ のmRNAは数 すう 秒 びょう から1時間 じかん 以上 いじょう 生存 せいぞん することができる。しかしその寿命 じゅみょう は平均 へいきん して1-3分 ふん であり、細菌 さいきん のmRNAは真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のmRNAよりもはるかに安定 あんてい 性 せい が低 ひく い[ 24] 。哺乳 ほにゅう 動物 どうぶつ 細胞 さいぼう では、mRNAの寿命 じゅみょう は数 すう 分 ふん から数日 すうじつ にまで及 およ ぶ[ 25] 。mRNAの安定 あんてい 性 せい が高 たか いほどそのmRNAからより多 おお くのタンパク質 たんぱくしつ が生成 せいせい される可能 かのう 性 せい がある。mRNAの寿命 じゅみょう が限 かぎ られているので、細胞 さいぼう は変化 へんか する需要 じゅよう に応 おう じてタンパク質 たんぱくしつ 合成 ごうせい を速 すみ やかに変更 へんこう することができる。mRNAの破壊 はかい をもたらす多 おお くの機構 きこう があり、そのいくつかを次 つぎ に説明 せつめい する。
さまざまな生命 せいめい ドメインにおけるRNA分解 ぶんかい 経路 けいろ の概要 がいよう 。グラム陰性 いんせい の大腸菌 だいちょうきん とグラム陽性 ようせい の枯草 かれくさ 菌 きん (それぞれ左上 ひだりうえ と右上 みぎうえ ) に代表 だいひょう される2つの主要 しゅよう な細菌 さいきん 系統 けいとう では、経路 けいろ は類似 るいじ しているが、酵素 こうそ は異 こと なっている。グラム陰性 いんせい とグラム陽性 ようせい の両方 りょうほう で、エンドリボヌクレアーゼは基質 きしつ を繰 く り返 かえ し切断 せつだん することができ、生成 せいせい 物 ぶつ はエキソリボヌクレアーゼによって攻撃 こうげき される。比較 ひかく のため、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ の分解 ぶんかい 経路 けいろ を示 しめ す (右上 みぎうえ )。
一般 いっぱん 的 てき に、原核 げんかく 生物 せいぶつ では、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ よりもmRNAの寿命 じゅみょう がはるかに短 みじか い。原核 げんかく 生物 せいぶつ は、エンドヌクレアーゼ 、3'エキソヌクレアーゼ 、および5'エキソヌクレアーゼを含 ふく むリボヌクレアーゼの組 く み合 あ わせて、メッセージ(mRNAの意 い )を分解 ぶんかい する。また、数 すう 十 じゅう から数 すう 百 ひゃく ヌクレオチド長 ちょう の小型 こがた RNA(英語 えいご 版 ばん ) (sRNA)が相補 そうほ 的 てき な配列 はいれつ と塩基 えんき 対 たい を形成 けいせい し、RNase III (英語 えいご 版 ばん ) によるリボヌクレアーゼ切断 せつだん を促進 そくしん することによって、特定 とくてい のmRNAの分解 ぶんかい を促 うなが す場合 ばあい がある。最近 さいきん 、細菌 さいきん も5'末端 まったん に三 さん リン酸 さん からなる一種 いっしゅ の5'キャップを持 も っていることが明 あき らかになった[ 26] 。このリン酸 さん を2つ除去 じょきょ すると5'-リン酸 さん が残 のこ り、5'を3'に分解 ぶんかい するエキソヌクレアーゼRNase Jによってメッセージが破壊 はかい される。
真 ま 核 かく 細胞 さいぼう 内 ない では、翻訳 ほんやく とmRNA分解 ぶんかい のプロセス間 あいだ で釣 つ り合 あ いが保 たも たれている 。活発 かっぱつ に翻訳 ほんやく されているメッセージは、リボソーム 、真 ま 核 かく 生物 せいぶつ 翻訳 ほんやく 開始 かいし 因子 いんし eIF4E およびeIF4G (英語 えいご 版 ばん ) 、ポリ(A)結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ によって結合 けつごう されている。eIF4EとeIF4Gはデキャッピング酵素 こうそ (DCP2 (英語 えいご 版 ばん ) )を阻害 そがい し、ポリ(A)結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ はエキソソーム複 ふく 合体 がったい を阻害 そがい して、メッセージの末端 まったん を保護 ほご する。翻訳 ほんやく と分解 ぶんかい の釣 つ り合 あ いは、Pボディ (英語 えいご 版 ばん ) (P-bodies )という細胞 さいぼう 質 しつ 構造 こうぞう の大 おお きさと存在 そんざい 量 りょう に反映 はんえい される[ 27] 。mRNAのポリ(A)テール は、RNA上 じょう のシス制御 せいぎょ 配列 はいれつ とトランス作用 さよう 性 せい RNA結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ の組 く み合 あ わせによって、特定 とくてい のメッセンジャーRNAを標的 ひょうてき とする特殊 とくしゅ なエキソヌクレアーゼによって短縮 たんしゅく される。ポリ(A)テールの除去 じょきょ は、メッセージの環状 かんじょう 構造 こうぞう を破壊 はかい し、キャップ結合 けつごう 複 ふく 合体 がったい (英語 えいご 版 ばん ) を不安定 ふあんてい 化 か すると考 かんが えられている。その後 ご 、メッセージはエキソソーム複 ふく 合体 がったい またはデキャッピング複 ふく 合体 がったい (英語 えいご 版 ばん ) のいずれかによって分解 ぶんかい される。このようにして、翻訳 ほんやく 的 てき に不 ふ 活性 かっせい なメッセージを速 すみ やかに破壊 はかい し、活性 かっせい なメッセージを無傷 むきず のまま残 のこ すことができる。翻訳 ほんやく を停止 ていし してメッセージが崩壊 ほうかい 複 ふく 合体 がったい に渡 わた される機構 きこう は詳 くわ しくは分 わ かっていない。
一部 いちぶ の哺乳類 ほにゅうるい では、mRNA中 ちゅう にAU えーゆー リッチエレメント(英語 えいご 版 ばん ) (ARE)が存在 そんざい すると、この配列 はいれつ に結合 けつごう してポリ(A)テール の除去 じょきょ を促 うなが す細胞 さいぼう タンパク質 たんぱくしつ の作用 さよう によって、これらの転写 てんしゃ 産物 さんぶつ を不安定 ふあんてい 化 か する傾向 けいこう がある。ポリ(A)テールの欠 かけ 失 しつ は、エキソソーム複 ふく 合体 がったい [ 28] とデキャッピング複 ふく 合体 がったい (英語 えいご 版 ばん ) [ 29] の両方 りょうほう による攻撃 こうげき を促進 そくしん することにより、mRNAの分解 ぶんかい を促進 そくしん すると考 かんが えられている。AU えーゆー リッチエレメントを介 かい した速 すみ やかなmRNA分解 ぶんかい は、腫瘍 しゅよう 壊死 えし 因子 いんし (TNF)や顆粒 かりゅう 球 だま マクロファージコロニー刺激 しげき 因子 いんし (GM-CSF)のような強力 きょうりょく なサイトカイン の過剰 かじょう 産 さん 生 せい を防 ふせ ぐための重要 じゅうよう な機構 きこう である[ 30] 。また、AU えーゆー リッチエレメントは、c-Jun やc-Fos などの発 はつ がん性 せい 転写 てんしゃ 因子 いんし の生 なま 合成 ごうせい も調節 ちょうせつ する[ 31] 。
ナンセンス変異 へんい 依存 いぞん mRNA分解 ぶんかい 機構 きこう [ 編集 へんしゅう ]
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ のメッセージは、メッセージ中 ちゅう の中途 ちゅうと での終止 しゅうし コドン(ナンセンスコドン )の存在 そんざい をチェックするナンセンス変異 へんい 依存 いぞん mRNA分解 ぶんかい 機構 きこう (NMD)による監視 かんし を受 う けている。ナンセンスコドンは、不完全 ふかんぜん なスプライシング、適応 てきおう 免疫 めんえき 系 けい におけるV(D)J遺伝子 いでんし 再 さい 構成 こうせい 、DNAの変異 へんい 、転写 てんしゃ エラー、フレームシフト (英語 えいご 版 ばん ) を引 ひ き起 お こすリボソームによる漏出 ろうしゅつ スキャン(英語 えいご 版 ばん ) 、およびその他 た の原因 げんいん によって発生 はっせい する可能 かのう 性 せい がある。中途 ちゅうと での終止 しゅうし コドンが検出 けんしゅつ されると、5'キャップ除去 じょきょ 、3'ポリ(A) テール除去 じょきょ 、またはヌクレオチド鎖 くさり 切断 せつだん による分解 ぶんかい を引 ひ き起 お こす[ 32] 。
低 てい 分子 ぶんし 干渉 かんしょう RNA (siRNA)[ 編集 へんしゅう ]
後生 ごしょう 動物 どうぶつ では、酵素 こうそ であるDicer によって処理 しょり された低 てい 分子 ぶんし 干渉 かんしょう RNA (siRNA)は、RNA誘導 ゆうどう サイレンシング複 ふく 合体 がったい またはRISC(RNA-induced silencing complex)として知 し られる複 ふく 合体 がったい に取 と り込 こ まれる。この複 ふく 合 あい はエンドヌクレアーゼ を含 ふく んでおり、siRNAが結合 けつごう する完全 かんぜん に相補 そうほ 的 てき なメッセージを切断 せつだん する。その結果 けっか として生 しょう じたmRNA断片 だんぺん は、エキソヌクレアーゼ によって破壊 はかい される。siRNAは、細胞 さいぼう 培養 ばいよう において遺伝子 いでんし の機能 きのう を阻害 そがい するために、実験 じっけん 室 しつ で一般 いっぱん 的 てき に使用 しよう されている。これは二 に 本 ほん 鎖 くさり RNAウイルス に対 たい する防御 ぼうぎょ としての自然 しぜん 免疫 めんえき 系 けい の一部 いちぶ であると考 かんが えられている[ 33] 。
マイクロRNA (miRNA)は、通常 つうじょう 、後生 ごしょう 動物 どうぶつ のメッセンジャーRNAと部分 ぶぶん 相補 そうほ 的 てき な配列 はいれつ を持 も つ小型 こがた RNAである[ 34] [ 35] 。miRNAがメッセージに結合 けつごう すると、そのメッセージの翻訳 ほんやく は抑制 よくせい されまたポリ(A)テールの除去 じょきょ が促進 そくしん されるため、mRNAの分解 ぶんかい は早 はや められる。miRNAの作用 さよう 機 き 序 じょ は活発 かっぱつ な研究 けんきゅう 対象 たいしょう となっている[ 36] [ 37] 。
メッセージが分解 ぶんかい される機構 きこう は他 ほか にも、ノンストップ分解 ぶんかい (英語 えいご 版 ばん ) (non-stop decay 、NSD)や、Piwi結合 けつごう RNA (英語 えいご 版 ばん ) (Piwi-interacting RNA 、piRNA)によるサイレンシング など、さまざまなものがある。
ヌクレオシド修飾 しゅうしょく メッセンジャーRNA (modRNA)配列 はいれつ を投与 とうよ することで、細胞 さいぼう にタンパク質 たんぱくしつ を作 つく らせることができ、直接的 ちょくせつてき にはそのタンパク質 たんぱくしつ が病気 びょうき を治療 ちりょう したり、ワクチン として機能 きのう する可能 かのう 性 せい がある。より間接 かんせつ 的 てき には、このタンパク質 たんぱくしつ が内在 ないざい 性 せい 幹 みき 細胞 さいぼう を望 のぞ ましい方法 ほうほう で分化 ぶんか させる可能 かのう 性 せい がある[ 38] [ 39] 。
RNA治療 ちりょう の主 おも な課題 かだい は、RNAを適切 てきせつ な細胞 さいぼう に送達 そうたつ することにある[ 40] 。課題 かだい にはさらに、裸 はだか のRNA配列 はいれつ が調剤 ちょうざい 後 ご に自然 しぜん に分解 ぶんかい されること、身体 しんたい の免疫 めんえき 系 けい がRNAを侵入 しんにゅう 者 しゃ として攻撃 こうげき する可能 かのう 性 せい があること、細胞 さいぼう 膜 まく を通過 つうか しないことといった事実 じじつ も含 ふく まれる[ 39] 。RNAが細胞 さいぼう 内 ない に入 はい った後 のち 、必要 ひつよう なリボソーム がある細胞 さいぼう 質 しつ で活動 かつどう するためには、細胞 さいぼう の輸送 ゆそう 機構 きこう を離 はな れなくてはならない[ 38] 。
これらの課題 かだい を克服 こくふく し、1989年 ねん に『広 ひろ く適用 てきよう 可能 かのう なin vitro トランスフェクション技術 ぎじゅつ が開発 かいはつ された後 のち 』[ 41] 、治療 ちりょう 薬 やく としてのmRNAが初 はじ めて提唱 ていしょう された。1990年代 ねんだい に、非 ひ ヌクレオシド修飾 しゅうしょく mRNAに依存 いぞん した、個別 こべつ 化 か がん(英語 えいご 版 ばん ) に対 たい するmRNAワクチンが開発 かいはつ された。mRNAを用 もち いた治療 ちりょう 法 ほう は、がんだけでなく、自己 じこ 免疫 めんえき 疾患 しっかん 、代謝 たいしゃ 性 せい 疾患 しっかん 、および呼吸 こきゅう 器 き 炎症 えんしょう 性 せい 疾患 しっかん に対 たい する治療 ちりょう 法 ほう と処置 しょち 法 ほう の両面 りょうめん で研究 けんきゅう が続 つづ けられている。CRISPR (英語 えいご 版 ばん ) のような遺伝子 いでんし 編集 へんしゅう 療法 りょうほう も、目的 もくてき のCas タンパク質 たんぱくしつ を作 つく るよう細胞 さいぼう を誘導 ゆうどう するためにmRNAを使用 しよう することで、有益 ゆうえき となる可能 かのう 性 せい がある[ 42] 。
2010年代 ねんだい 以降 いこう 、RNAワクチンやその他 た のRNA治療 ちりょう 薬 やく は「新 あたら しいクラスの医薬品 いやくひん 」と見 み なされている[ 43] 。最初 さいしょ のmRNAに基 もと づくワクチンは制限 せいげん 付 つ き承認 しょうにん を受 う け、COVID-19パンデミック の間 あいだ に、たとえばファイザー - バイオンテック やモデルナ によるCOVID-19ワクチン が世界中 せかいじゅう で展開 てんかい された[ 44] 。
1950年代 ねんだい 初頭 しょとう から、分子生物学 ぶんしせいぶつがく の研究 けんきゅう によって、タンパク質 たんぱくしつ 合成 ごうせい の際 さい にRNAに関連 かんれん する分子 ぶんし が存在 そんざい することが示唆 しさ された。たとえば、最 もっと も古 ふる い報告 ほうこく の1つで、ジャック・モノー と彼 かれ のチームは、RNA合成 ごうせい がタンパク質 たんぱくしつ 合成 ごうせい に必要 ひつよう であることを示 しめ し、特 とく に細菌 さいきん の大腸菌 だいちょうきん で酵素 こうそ であるβ べーた ガラクトシダーゼ を産 さん 生 せい する時 とき に必要 ひつよう なことを示 しめ した[ 45] 。また、1954年 ねん にアーサー・パーディー (英語 えいご 版 ばん ) も同様 どうよう のRNA蓄積 ちくせき を発見 はっけん した[ 46] 。1953年 ねん 、アルフレッド・ハーシー 、ジューン・ディクソン 、マーサ・チェイス は、大腸菌 だいちょうきん 内 ない で合成 ごうせい 後 ご すぐに消失 しょうしつ する特定 とくてい のシトシン含有 がんゆう DNA(RNAであることを示 しめ す)について報告 ほうこく した[ 47] 。これは、mRNAの存在 そんざい を示 しめ す最初 さいしょ の記録 きろく であったが、mRNAとしては特定 とくてい されなかった[ 48] 。
mRNAのアイディアは、1960年 ねん 4月 がつ 15日 にち 、ケンブリッジのキングス・カレッジ で、シドニー・ブレナー とフランシス・クリックによって最初 さいしょ に着想 ちゃくそう され、フランソワ・ジャコブ が、アーサー・パーディー、ジャコブ、そしてモノーが最近 さいきん 行 おこな った実験 じっけん について話 はな しをしているときだった。クリックの励 はげ ましを受 う け、ブレナーとジャコブはすぐにこの新 あたら しい仮説 かせつ の検証 けんしょう に着手 ちゃくしゅ し、カリフォルニア工科 こうか 大学 だいがく のマシュー・メセルソン に連絡 れんらく を取 と った。1960年 ねん の夏 なつ 、ブレナー、ジャコブ、メセルソンの3人 にん は、カリフォルニア工科 こうか 大学 だいがく のメセルソンの研究 けんきゅう 室 しつ で実験 じっけん を行 おこな い、mRNAの存在 そんざい を証明 しょうめい した。その年 とし の秋 あき に、ジャコブとモノーは「メッセンジャーRNA (messenger RNA )」と命名 めいめい し、その機能 きのう を説明 せつめい する最初 さいしょ の理論 りろん 的 てき 枠組 わくぐ みを構築 こうちく した[ 48] 。
1961年 ねん 2月 がつ 、ジェームズ・ワトソン は、自身 じしん の研究 けんきゅう グループが彼 かれ らのすぐ後 ご を、ほぼ同 おな じ方向 ほうこう で同様 どうよう の実験 じっけん を行 おこな っていることを明 あき らかにした。ブレナーと他 た の人 ひと たちは、彼 かれ らの研究 けんきゅう 知見 ちけん の論文 ろんぶん 発表 はっぴょう を遅 おく らせるというワトソンからの要請 ようせい に同意 どうい した。その結果 けっか 、1961年 ねん 5月 がつ の『ネイチャー 』誌 し にブレナーとワトソンの論文 ろんぶん が同時 どうじ に掲載 けいさい され、同 おな じ月 がつ の『ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー (英語 えいご 版 ばん ) (Journal of Molecular Biology )』誌 し にジャコブとモノーはmRNAの理論 りろん 的 てき 枠組 わくぐ みを発表 はっぴょう した[ 49] [ 48] 。
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