マーネース

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
3世紀せいきキリスト教徒きりすときょうと墓石はかいしにも "D.M." ときざまれている。

マーネース(Mānēs)は古代こだいローマにおいて、くなったあいするひとたましい意味いみした。よわ精霊せいれい一種いっしゅとしてはラレースゲニウスペナーテースちかい。2月におこなわれるパレンターリアさいおよびフェラーリアさいあがめられた。長音ちょうおん肖像しょうぞうしてマネスとも表記ひょうきされる。

ディ・マーネース (Di Manes) ともばれる(Di は「かみ」の)。古代こだいローマの墓石はかいしには "D.M." という文字もじがよくきざまれていて、dis manibus(マーネースしんのために)を意味いみした。この言葉ことばはまた、あんハーデースまたは冥界めいかいしめすのにも使つかわれた。

マーネースの語源ごげんふる形容詞けいようし manus(い)であり、その反対はんたいは immanis である[1]

マーネースには生贄いけにえ提供ていきょうした。けん闘士とうし試合しあいがもともと葬式そうしきもよおされていたのも、マーネースへのささぶつだった可能かのうせいがある[1]

キケローによれば、アヴェルヌス付近ふきん特定とくてい洞窟どうくつでマーネースをすことができるという[1]

ラピス・マナリス[編集へんしゅう]

ラピス・マナリス (lapis manalis) は「マーネースのいし」ので、古代こだいローマには2種類しゅるいのラピス・マナリスがあった。1つめは、あらたなまち建設けんせつするさいまるあなり、そこに「ラピス・マナリス」とばれるいし基礎きそとしていて、冥界めいかいへのもんあらわしたものである[1]

もう1つは雨乞あまごよういしである。古代こだいローマでは日照ひでりがつづくとだい神官しんかん先頭せんとうにした行列ぎょうれつセルウィウス城壁じょうへきのカペーナもんからカンピドリオまでラピス・マナリスとばれるいしはこび、これにみずをかけながら天空てんくうしんユーピテルいのりをささげた。これはるいかん呪術じゅじゅつ一種いっしゅることができる[2]

これらは名前なまえおなじだが混同こんどうすべきではない[3]

脚注きゃくちゅう出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d Aldington, Richard; Ames, Delano (1968) New Larousse Encyclopedia of Mythology. Yugoslavia: The Hamlyn Publishing Group Limited, 213.
  2. ^ Bailey (1907), The Religion of Ancient Romechapter two (accessed: August 21, 2007)
  3. ^ Burriss (1931), Taboo, Magic, Spirits: A Study of Primitive Elements in Roman Religion Chapter 4 (accessed: August 21, 2007)

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Bailey, Cyril (1907). The Religion of Ancient Rome. London, UK: Archibald Constable & Co. Ltd. Source: [1] (Accessed: August 21, 2007)
  • Burriss, Eli Edward (1931). Taboo, Magic, Spirits: A Study of Primitive Elements in Roman Religion. New York, USA: Macmillan Company. Source: [2] (Accessed: August 21, 2007)