ウーラノス

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ウーラノス
Οおみくろんὐρανός
カルル・フリードリッヒ・シンケル絵画かいが『ウーラノスとおどほし々』(1834ねん
ベルリン工科こうか大学だいがく建築けんちく美術館びじゅつかん所蔵しょぞう
住処すみか 天空てんくう
配偶はいぐうしん ガイア
おや ガイア
子供こども クロノス, オーケアノス, コイオス, クレイオス, ヒュペリーオーン, イーアペトス, テイア, レアー, テミス, ムネーモシュネー, ポイベー, テーテュース, キュクロープス, ヘカトンケイル, ギガース, メリアス, アプロディーテー, エリーニュス
ローマ神話しんわ ウーラヌス, カイルス
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ウーラノス古代こだいギリシア: Οおみくろんὐρανός、Ouranos)は、ギリシア神話しんわ登場とうじょうする天空てんくうしんである。ぜん宇宙うちゅう最初さいしょべた原初げんしょかみ々のおうとされる。ウーラノスとはギリシアで 「てん」 の意味いみで、てんそのものの神格しんかくである。日本語にほんごではちょう母音ぼいん省略しょうりゃくしてウラノスとも表記ひょうきする。

ローマ神話しんわにもれられカイルス(Caelus)とばれる[1]

概説がいせつ[編集へんしゅう]

ジョルジョ・ヴァザーリクリストファーノ・ゲラルディ英語えいごばんの1560ねん絵画かいが『クロノスに去勢きょせいされるウーラノス』。ヴェッキオ宮殿きゅうでん所蔵しょぞう

ガイア息子むすこであると同時どうじおっとでもあり、ガイアとのあいだクロノスティーターン12かみをもうける。

また、キュクロープスヘカトンケイルもウーラノスとガイアとのあいだ子供こどもだが、ウーラノスはそのみにくあやさをきらい、かれらをタルタロス幽閉ゆうへいしてしまう。これにおこったガイアは末子まっしクロノスにめいじて、魔法まほう金属きんぞく・アダマスでつくられたかまでウーラノスの男性だんせいとさせた。このときながれたからエリーニュスたちやギガースたち、メリアスたちがまれた[1]。また、一説いっせつではこののちうみ漂流ひょうりゅうしていたウーラノスのぶつ周囲しゅういにできたあわからまれたのがアプロディーテー女神めがみである。

ギリシアでは、てん元来がんらいくらいものとかんがえられており、ひるひかりヘーメラー)はてんうえアイテール清明せいめい大気たいき)にあるものとされていた。ウーラノスは「ほしちりばめたる」という称号しょうごうち、全身ぜんしん銀河ぎんがちりばめた宇宙うちゅうかみかんがえられていた。よるくらくなるのは、かれがガイアとまじわるためニュクスよる)をともなって大地だいちちかづくためだという。

解釈かいしゃく[編集へんしゅう]

ガイアの息子むすこにておっとであるウーラノスはほしのきらめくそらであり、ギリシアにおいて信仰しんこう対象たいしょうとはまったくされなかったようである。このそら大地だいち概念がいねん原初げんしょてきはしらかみかんがえられ、これはすべてのインド=ヨーロッパ民族みんぞく共通きょうつうする。すでにリグ・ヴェーダのなかそら大地だいちは、「不滅ふめつ夫婦ふうふ」、世界せかいにんの曾父母ちちははばれていた。[2]

派生はせい[編集へんしゅう]

ドイツの法律ほうりつ同性愛どうせいあいしゃ活動かつどうカール・ハインリッヒ・ユルリクスde)は、ウーラノスの逸話いつわから男性だんせい同性愛どうせいあい連想れんそうし、それを「ウールニング(Urning、ドイツ男性だんせい同性愛どうせいあい意味いみする)」(en)と名付なづけた。日本にっぽんでは1913ねん大正たいしょう2ねん)に翻訳ほんやく刊行かんこうされたクラフト=エビング変態へんたい性慾せいよく心理しんり』(後年こうねんの「せい精神せいしん病理びょうり」とおなじ)でられるようになった。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 高津たかつ春繁はるしげ『ギリシア・ローマ神話しんわ辞典じてん岩波書店いわなみしょてん、1960ねん、60,95,104,287ぺーじ
  2. ^ Girishia shinwa.. Guirand, Félix., Nakajima, Takeshi, 1931- Hon'yakuka., 中島なかじま, けん, 1931- 翻訳ほんやく. 青土おうづちしゃ. (1991.11). ISBN 4791751442. OCLC 674720971. https://www.worldcat.org/oclc/674720971 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]