タルタロス

タルタロス Τάρταρος
奈落ならくの神かみ
タルタロスで罰ばっせられるシーシュポス。後うしろで見張みはっているのは冥界めいかいの女王じょおうペルセポネー。
住処すみか	冥界めいかい
配偶はいぐう神しん	ガイア
親おや	カオス
兄弟きょうだい	ガイア、エロース、エレボス、ニュクス
子供こども	テューポーン、エキドナ

タルタロス（古希こき: Τάρταρος）は、ギリシア神話しんわにおける奈落ならくの神かみであり、奈落ならくそのものとされる。冥界めいかいの最奥さいおうにあることから牢獄ろうごくとして扱あつかわれた。

概要がいよう

ギリシャ神話しんわにおける奈落ならくの神かみにして、奈落ならくそのものとされた神かみ。原初げんしょの神かみカオスの次つぎに生うまれた原初げんしょの神かみ々の一いち柱はしら。兄弟きょうだい姉妹しまい関係かんけいにある大地だいちの女神めがみガイアを配偶はいぐう神しんとし、彼女かのじょとの間あいだに怪物かいぶつテューポーン、エキドナをもうけた

冥界めいかいのさらに下方かほうに有ある。天てんと地ちの間あいだの距離きょりと同おなじだけ、大地だいちからさらに低ひくいところにある（その距離きょりというのは、具体ぐたい的てきには、上端じょうたんから下端かたんへ真鍮しんちゅうの金かね敷じきを九きゅう昼夜ちゅうや落おとし続つづけて十じゅう日にち目めに下端かたんにつく距離きょり）。

霧きりたちこめ、神かみ々ですら忌いみ嫌きらう澱よどんだ空間くうかん。ポセイドーンが青銅せいどうの門もんを作つくり、その周まわりは青銅せいどうの壁かべで覆おおわれているため、何者なにものも逃にげおおすことはできない。仮かりに人間にんげんがこの門もんの中なかに入はいったとしたら、一いち年ねんがかりでも底そこにたどり着つけない。かえって、神かみ々が怖こわれるほどの苛烈かれつな暴風ぼうふうで吹ふき飛とばされてしまう。

はじめ、ウーラノスやクロノスがヘカトンケイル族ぞくやキュクロープス族ぞくを幽閉ゆうへいするのに使つかい、怪物かいぶつカムペーに番人ばんにんをさせていた。後のちにゼウス達いたるが彼かれらを解放かいほうしティーターン族ぞくを打うち倒たおすと、ティーターン族ぞくが幽閉ゆうへいされる番ばんとなり、ヘカトンケイル族ぞくがその牢番ろうばんとなった。他ほかにもテューポーンがここに投とうじられたとも言いわれている。

後世こうせい、たとえばプラトーンなどでは地獄じごくとして扱あつかわれるようになった。

新約しんやく聖書せいしょの原文げんぶん中ちゅう、ただ一いち度どペテロ第だい二に2章しょう4節せつにその名前なまえがみえる。

タルタロスに幽閉ゆうへいされた者ものたち

• ヘカトンケイル族ぞく（後のちに解放かいほう）
• キュクロープス族ぞく（後のちに解放かいほう）
• ティーターン族ぞく
  • Arke - ティターン族ぞくの伝令でんれい兵へいで決戦けっせん後ごにティターン族ぞくと共ともにタルタロスに落おとされた。彼女かのじょの翼つばさはアキレウスの親おやが結婚けっこんした時ときに送おくられ、名前なまえの由来ゆらいともなった。
• テューポーン（一説いっせつ）
• ティテュオス - 女神めがみレートーに対たいする狼藉ろうぜきで、はりつけにされて生いきたまま内臓ないぞうをハゲタカに食たべさせる罰ばちを受うける。これはティターン族ぞく プロメテウスへの罰ばっと同様どうようである。
• タンタロス - 神かみ々の食料しょくりょうを横領おうりょうしたりなどで怒いかりを買かった。沼ぬまの上うえにある果樹かじゅの枝えだに吊つるされ、永遠えいえんに水みずと果実かじつが取とれないようにされた。
• シーシュポス - タナトスやハデスを騙だました罪つみで、大岩おおいわを山やまの上うえまで持もち上あげて途中とちゅうで落おとされる罰ばちを受うける。
• イクシーオーン -　ヘーラーを誘惑ゆうわくしてゼウスの怒いかりを買かった。永遠えいえんに火焔かえん車しゃの刑けいを受うける。
• オクノス - 理由りゆうは不明ふめいだが、永遠えいえんにロープを作つくる作業さぎょうがい渡いわたされた。
• ダナイデス - 夫おっとを殺ころした罪つみで、水みず漏もれがする壺つぼで水汲みずくまみをする。
• シーデー　オーリーオーンの最初さいしょの妻つまだったが、自分じぶんはへーラーよりも美うつくしいと言いったためへーラーの怒いかりを買かった。

関連かんれん項目こうもく

• ゲヘナ
• 地獄じごく (キリスト教きょう)
• サルモーネウス - ゼウスの名なを騙かたった罪つみで雷かみなりに打うたれた。