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青銅せいどう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
じゅうえん硬貨こうかどう95%、スズ1-2%、亜鉛あえん4-3%の青銅せいどうせい

青銅せいどう(せいどう、えいふつどく: bronze ブロンズ)とは、どうCu を主成分しゅせいぶんとしてスズSn をふく合金ごうきんである。

特徴とくちょう

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一般いっぱんにいう青銅せいどうしょくいろどりひくあお緑色みどりいろであるが、本来ほんらい青銅せいどう光沢こうたくある金属きんぞくで、そのいろ添加てんかぶつりょうによって様々さまざまである(たとえば黄金おうごんしょくなど)。添加てんかするすずりょうすくなければ日本にっぽんじゅうえん硬貨こうかにみられるような純銅じゅんどうちか赤銅しゃくどうしょくおおくなると次第しだい色味いろみして黄金おうごんしょくとなり、ある一定いっていりょう以上いじょう添加てんかでは白銀はくぎんしょくとなる。そのため、古代こだい銅鏡どうきょうすず添加てんかりょうおお白銀はくぎんしょく青銅せいどう素材そざいとするものがおおく、日本語にほんごの「白銅はくどう」のかたり元来がんらいはその白銀はくぎんしょく青銅せいどうしていた。硬度こうどすず添加てんかりょうおおいほどがるが、それにともなってもろくもなるので、青銅器せいどうき時代じだい青銅せいどうせい刀剣とうけん黄金おうごんしょく程度ていど色彩しきさい青銅せいどうおお使つかわれている。また、中世ちゅうせい近世きんせい銅鏡どうきょうはもろい白銀はくぎんしょく青銅せいどうではなく強靭きょうじん赤銅しゃくどうしょく青銅せいどう鋳造ちゅうぞうし、水銀すいぎんみがいたうえでアマルガム生成せいせいさせ、鏡面きょうめんとする方法ほうほう主体しゅたいになっている。

しかし、青銅せいどう大気たいきちゅう徐々じょじょ酸化さんかされて表面ひょうめん炭酸たんさんしおしょうじながら緑青ろくしょうとなる。そのため、年月としつき青銅器せいどうきはくすんだあお緑色みどりいろ、つまり前述ぜんじゅつ青銅せいどうしょくになる。

青銅せいどうしょくからもかるように、青銅せいどうといえば緑色みどりいろおもわれがちである。しかし、本来ほんらい青銅せいどう前述ぜんじゅつとお黄金おうごんしょく白銀はくぎんしょく金属きんぞく光沢こうたくていする。そのから、古代こだいにおいて金銀きんぎんじゅんじる金属きんぞくとして利用りようされためんがあるとかんがえられる。れいとして、先述せんじゅつのように銅鏡どうきょう反射はんしゃめん白銀はくぎんしょくかがやいていたうえ、弥生やよい時代じだい国産こくさんきょうにはすず含有がんゆうりょうげて黄金おうごんしょく鋳造ちゅうぞうし、太陽たいようしたのではないかとかんがえられるものがある。

2014ねん現在げんざいでは、青銅せいどうせい芸術げいじゅつ作品さくひんおおくはアンモニア塗布とふなどの方法ほうほう酸化さんか皮膜ひまく形成けいせいして着色ちゃくしょくされることがおおいが、コンスタンティン・ブランクーシのようにみがげて黄金おうごんしょく金属きんぞく光沢こうたく作品さくひん仕上しあげをする芸術げいじゅつもいる。

一般いっぱんどう採掘さいくつ可能かのうりょうすくなく、かたさと強度きょうどではてつおとる(沸点ふってん硬度こうどはほぼ比例ひれいしているゆえにかたくない)ものの、その一方いっぽう加工かこうせいすぐれ、てつよりびにくい。

古代こだい中国ちゅうごくでは、かたいがもろ展延てんえんせいおと鋳鉄ちゅうてつを「あくきん」とぶのにたいし、加工かこうせい耐久たいきゅうせい実用じつようせいのバランスにすぐれた青銅せいどうを「きちきん」「きん」としょうした。

古代こだいギリシャじんは、ふる時代じだいほど世界せかい平和へいわゆたかで、もっとふる黄金おうごん時代じだいから白銀しろがね時代ときよそして青銅せいどう時代じだい英雄えいゆう時代じだい現代げんだいたるてつ時代じだい推移すいいしたというかんがえをっていた。オリンピック表彰ひょうしょうメダルもこの伝説でんせつにちなんでおり、3しょうどうメダル英語えいごでBronze medalとばれるように青銅せいどうつくられている場合ばあいおおい(純銅じゅんどうや、おなどう主体しゅたい合金ごうきんでも、ぎん亜鉛あえん、ニッケルとの合金ごうきん場合ばあいもある)。

歴史れきし

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どうはスズを混合こんごうして青銅せいどうとすることでかたくなる。一方いっぽう適度てきど展延てんえんせいがあり、研磨けんま圧延あつえんなどの加工かこうができる。また融点ゆうてんひくく、木炭もくたん使つかった原始げんしてきで熔解し、鋳造ちゅうぞうすることができた。そのため青銅せいどうは、古代こだいにはおのけん銅鐸どうたくなどにひろ使つかわれた。てつ普及ふきゅうする以前いぜんには、もっともひろ利用りようされていた金属きんぞくであった(青銅器せいどうき時代じだい参照さんしょう)。

紀元前きげんぜん3000ねんころ初期しょきメソポタミア文明ぶんめいであるシュメール文明ぶんめい発明はつめいされた。イラン高原こうげんは、どうすず燃料ねんりょう木材もくざい豊富ほうふであった。また、おおくの銅鉱どうこうせきすず同時どうじふくむので自然しぜん青銅せいどうられた。この場合ばあい産地さんちによってすずなどの配合はいごうまっているとともに、すず同時どうじ添加てんかされることのおおなまり同位どういたい比率ひりつ産出さんしゅつ鉱山こうざんごとにことなるので、分析ぶんせきによりその原産地げんさんち推定すいていできる。

よりかたく、より安価あんかてつ製造せいぞう技術ぎじゅつ確立かくりつすると、おおくの青銅せいどう製品せいひんてつ製品せいひんってわられ、青銅器せいどうき時代じだいから鉄器てっき時代じだいへと移行いこうしていった。また、貴金属ききんぞく製品せいひんとしてもかねぎん、その合金ごうきんのほうが主流しゅりゅうとなった。しかしながらてつよりびにくいことから、一部いちぶ製品せいひんには鉄器てっき時代じだい以降いこうなが使つかわれた。たとえば建築けんちくぶつ屋根やね葺板、あるいは銅像どうぞうといった用途ようとであり、とく大砲たいほう材料ざいりょうとしては19世紀せいきごろまでもちいられている。これは大砲たいほうのような大型おおがた製品せいひん材質ざいしつ均一きんいつてつ鋳造ちゅうぞうする技術ぎじゅつかったからであり、青銅せいどう砲金ほうきんぶのはこれに由来ゆらいする。しかし、19世紀せいき以降いこう製鉄せいてつ技術ぎじゅつ進歩しんぽによって、鉄製てつせい大砲たいほう移行いこうすることとなる。

日本にっぽん

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紀元前きげんぜん4世紀せいきころてつとともに九州きゅうしゅうつたわった。青銅せいどうてつ最初さいしょ輸入ゆにゅうされていた。

紀元前きげんぜん1世紀せいきころ国内こくないでの生産せいさんはじまった。ちなみにてつ国内こくないでの生産せいさん製鉄せいてつ)は紀元きげん5世紀せいきころだと推測すいそくされている。

2世紀せいきには大型おおがた銅鐸どうたくつくられ、技術ぎじゅつひがしアジアでもかなりたか水準すいじゅんたっしていた。

いずれにせよ、日本にっぽん場合ばあいてつとともに伝来でんらいし、実用じつよう道具どうぐとしてはてつ製品せいひんおももちいられたため、青銅せいどう製品せいひん祭器さいき中心ちゅうしんであった。

戦国せんごく時代じだい後期こうきから江戸えど時代じだい初期しょきにかけて大砲たいほう技術ぎじゅつ伝来でんらいし、日本にっぽんでも青銅せいどうほう製造せいぞうされることとなる。西洋せいよう青銅せいどうほうから鉄製てつせいほう移行いこうした時期じきは、ちょうど鎖国さこくやぶられた時期じき該当がいとうするため、青銅せいどうほう鎖国さこく日本にっぽんにおける技術ぎじゅつ停滞ていたい象徴しょうちょうてき存在そんざいとなった(鉄製てつせいほう製作せいさくするための反射はんしゃが、開国かいこくによる技術ぎじゅつ革新かくしん象徴しょうちょうとなった)。

青銅せいどう」を名称めいしょうもちいている合金ごうきん

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本来ほんらい、「青銅せいどう」はすずふくどう合金ごうきん意味いみであるが、これがどう合金ごうきんとして有名ゆうめいであるために、アルミニウム青銅せいどうマンガン青銅せいどうニッケル青銅せいどうシルジン青銅せいどうなどでは、「青銅せいどう」のかたりすずふくまれていることをしめすというよりもどう合金ごうきん一般いっぱん代名詞だいめいしとしてもちいられている。このため、どうすずからなる通常つうじょう意味いみでの青銅せいどうを「すず青銅せいどう」とぶこともある。同様どうよう今日きょうベリリウムどうばれている合金ごうきん当初とうしょはベリリウム青銅せいどうぶことがあった。なお、リン青銅せいどうすずふくんでおり、すなわち(通常つうじょう意味いみでの)青銅せいどうリンくわえた合金ごうきんである。

一方いっぽう近年きんねん開発かいはつされたどう合金ごうきん場合ばあいは、チタンどうジルコニウムどうクロムどうのように主要しゅよう合金ごうきん元素げんそめいどうをつけてよぶようになっている。

関連かんれん項目こうもく

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