この項目 こうもく では、元素 げんそ ・金属 きんぞく について説明 せつめい しています。その他 た の用法 ようほう については「すず 」をご覧 らん ください。
「錫 すず 」はこの項目 こうもく へ転送 てんそう されています。錫 すず 蘭 らん (セイロン、略称 りゃくしょう : 錫 すず )については「スリランカ 」を、錫 すず (しゃく)については「錫杖 しゃくじょう 」をご覧 らん ください。
外見 がいけん
銀 ぎん 白色 はくしょく (左 ひだり 、β べーた スズ)または灰色 はいいろ (右 みぎ 、α あるふぁ スズ)
一般 いっぱん 特性 とくせい
名称 めいしょう , 記号 きごう , 番号 ばんごう
スズ, Sn, 50
分類 ぶんるい
貧 ひん 金属 きんぞく
族 ぞく , 周期 しゅうき , ブロック
14 , 5 , p
原子 げんし 量 りょう
118.710
電子 でんし 配置 はいち
[Kr ] 4d10 5s2 5p2
電子 でんし 殻 から
2, 8, 18, 18, 4(画像 がぞう )
物理 ぶつり 特性 とくせい
相 そう
固体 こたい
密度 みつど (室温 しつおん 付近 ふきん )
(β べーた スズ)7.265 g/cm3
密度 みつど (室温 しつおん 付近 ふきん )
(α あるふぁ スズ)5.769 g/cm3
融点 ゆうてん での液体 えきたい 密度 みつど
6.99 g/cm3
融点 ゆうてん
505.08 K , 231.928 °C , 449.47 °F
沸点 ふってん
2875 K , 2602 °C , 4716 °F
融解 ゆうかい 熱 ねつ
(β べーた スズ)7.03 kJ/mol
蒸発 じょうはつ 熱 ねつ
(β べーた スズ)296.1 kJ/mol
熱容量 ねつようりょう
(25 °C ) (β べーた スズ)27.112 J/(mol·K)
蒸気 じょうき 圧 あつ
圧力 あつりょく (Pa)
1
10
100
1 k
10 k
100 k
温度 おんど (K)
1497
1657
1855
2107
2438
2893
原子 げんし 特性 とくせい
酸化 さんか 数 すう
4 , 2, −4(両性 りょうせい 酸化 さんか 物 ぶつ )
電気 でんき 陰性 いんせい 度 ど
1.96(ポーリングの値 ね )
イオン化 いおんか エネルギー
第 だい 1: 708.6 kJ/mol
第 だい 2: 1411.8 kJ/mol
第 だい 3: 2943.0 kJ/mol
原子 げんし 半径 はんけい
140 pm
共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい
139 ± 4 pm
ファンデルワールス半径 はんけい
217 pm
その他 た
磁性 じせい
(β べーた スズ)常 つね 磁性 じせい 、(α あるふぁ スズ)反 はん 磁性 じせい [ 1]
電気 でんき 抵抗 ていこう 率 りつ
(0 °C ) 115 nΩ おめが ⋅m
熱 ねつ 伝導 でんどう 率 りつ
(300 K) 66.8 W/(m⋅K)
熱 ねつ 膨張 ぼうちょう 率 りつ
(25 °C ) 22.0 μ みゅー m/(m⋅K)
ヤング率 りつ
50 GPa
剛性 ごうせい 率 りつ
18 GPa
体積 たいせき 弾性 だんせい 率 りつ
58 GPa
ポアソン比 ひ
0.36
モース硬度 こうど
1.5
ブリネル硬度 こうど
51 MPa
CAS登録 とうろく 番号 ばんごう
7440-31-5
主 おも な同位 どうい 体 たい
詳細 しょうさい はスズの同位 どうい 体 たい を参照 さんしょう
スズ (錫 すず 、英 えい : Tin 、仏 ふつ :étain、独 どく : Zinn )とは、典型 てんけい 元素 げんそ の中 なか の炭素 たんそ 族 ぞく 元素 げんそ に分類 ぶんるい される金属 きんぞく で、原子 げんし 番号 ばんごう 50の元素 げんそ である。元素 げんそ 記号 きごう は Sn 。
元素 げんそ 記号 きごう のSnは、ラテン語 らてんご のstannum に由来 ゆらい する。元来 がんらい この単語 たんご は銀 ぎん と鉛 なまり の合金 ごうきん を意味 いみ していたが、4世紀 せいき にはスズを意味 いみ するようになった[ 2] 。それ以前 いぜん にはスズのことはplumbum candidum (白 しろ い鉛 なまり )と呼 よ んでいた。Stannum は、ロマンシュ語 ご やケルト語 ご においてスズを意味 いみ する語 かたり の語源 ごげん [ 3] [ 4] であるstāgnum に由来 ゆらい しているものと見 み られる[ 3] 。stannum およびstāgnum の起源 きげん は不明 ふめい である。印欧語 いんおうご 以前 いぜん のものかもしれない[ 5] 。
『マイヤー百科 ひゃっか 事典 じてん 』では、stannum はコーンウォール語 ご (の祖語 そご )のstean に由来 ゆらい するものであるとし、紀元 きげん 後 ご の最初 さいしょ の数 すう 世紀 せいき においてコーンウォール がスズの主 おも な産地 さんち であったことをその根拠 こんきょ としている。
英語 えいご のtin という語 かたり はゲルマン諸語 しょご の間 あいだ で共有 きょうゆう されており、再 さい 構 されたゲルマン祖語 そご の*tin-om にまで遡 さかのぼ ることができる。同 どう 源 みなもと の語 かたり に、ドイツ語 ご のZinn 、スウェーデン語 ご のtenn 、オランダ語 ご のtin がある。この語 かたり は、ゲルマン語 ご からの借用 しゃくよう (英語 えいご からアイルランド語 ご に借用 しゃくよう されたtinne など)を除 のぞ いて、他 た の印欧語 いんおうご には見 み られない[ 3] 。
中国 ちゅうごく 語 ご の錫 すず という語 かたり は放浪 ほうろう 語 ご で、モン・ミエン語 ご などいくつかの周辺 しゅうへん 言語 げんご にも借用 しゃくよう されているが、詳細 しょうさい な起源 きげん は不明 ふめい である。[ 6]
漢字 かんじ の「錫 すず 」は、音 おと を表 あらわ す「易 えき 」と意味 いみ を示 しめ す「金 かね 」からなる形声 けいせい 文字 もじ である。なお、かつて会意 かいい 文字 もじ や「会意 かいい 形声 けいせい 文字 もじ 」として解釈 かいしゃく する説 せつ があったが、根拠 こんきょ のない憶測 おくそく に基 もと づく誤 あやま った分析 ぶんせき である。
スズは軟 やわ らかく展延 てんえん 性 せい を有 ゆう した結晶 けっしょう 性 せい の高 たか い白銀 はくぎん 色 しょく の金属 きんぞく である。金属 きんぞく スズに力 ちから をかけて変形 へんけい させると、「スズ鳴 な き」と呼 よ ばれる双 そう 晶 あきら 変形 へんけい による亀裂 きれつ 音 おん を発 はっ する[ 7] 。第 だい 14族 ぞく 元素 げんそ 中 なか で最 もっと も低 ひく い232 °C の融点 ゆうてん を持 も ち、粒 つぶ 径 みち 11 nmの微細 びさい 粒子 りゅうし ではさらに低温 ていおん (177 °C )で溶融 ようゆう する[ 8] 。
常温 じょうおん ・常 つね 圧 あつ では展延 てんえん 性 せい を有 ゆう する正方 まさかた 晶 あきら のβ べーた スズ (beta-tin) 構造 こうぞう が安定 あんてい であり、この状態 じょうたい の金属 きんぞく スズをβ べーた スズ(白色 はくしょく スズ)と言 い う。一方 いっぽう で、13.2 °C 以下 いか で安定 あんてい なα あるふぁ スズは脆 もろ く灰色 はいいろ の非金属 ひきんぞく 物質 ぶっしつ である。α あるふぁ スズはダイヤモンド やケイ素 けいそ 、ゲルマニウム などに類似 るいじ したダイヤモンド型 がた 結晶 けっしょう 構造 こうぞう を取 と る。α あるふぁ スズは共有 きょうゆう 結合 けつごう によって形成 けいせい されているため自由 じゆう 電子 でんし を持 も たず、金属 きんぞく 的 てき な性質 せいしつ を有 ゆう さない。α あるふぁ スズには一般 いっぱん 的 てき な用途 ようと は無 な いが、いくつかの特殊 とくしゅ な半導体 はんどうたい 用途 ようと に用 もち いられる[ 7] 。スズにはさらに2つの同素体 どうそたい があり、161 °C 以上 いじょう の温度 おんど ではγ がんま スズ、数 すう GPa以上 いじょう の高 こう 圧 あつ 下 か ではσ しぐま スズとなる[ 9] 。
一般 いっぱん に流通 りゅうつう している金属 きんぞく スズの純度 じゅんど は99.8%であり、不純物 ふじゅんぶつ として少量 しょうりょう のビスマス 、アンチモン 、鉛 なまり および銀 ぎん が含 ふく まれている。これらの不純物 ふじゅんぶつ 元素 げんそ はβ べーた スズがα あるふぁ スズへと転移 てんい するのを抑制 よくせい する働 はたら きがある。また、銅 どう 、アンチモン、ビスマス、カドミウム 、銀 ぎん などと合金 ごうきん を形成 けいせい し、スズの硬度 こうど を向上 こうじょう させる。スズは硬 かた く脆 もろ い金属 きんぞく 間 あいだ 化合 かごう 物相 もっそう を容易 ようい に形成 けいせい する傾向 けいこう があり、それらはしばしば望 のぞ ましくないものとされる。スズは一般 いっぱん 的 てき な金属 きんぞく と比 くら べて固溶体 こようたい を形成 けいせい する範囲 はんい が狭 せま く、スズに対 たい して高 たか い固 かた 溶度を示 しめ す元素 げんそ はほとんど無 な い。一方 いっぽう でビスマス、ガリウム 、鉛 なまり 、タリウム 、亜鉛 あえん との間 あいだ では単純 たんじゅん 共 きょう 晶 あきら 系 けい を示 しめ す[ 10] 。
超 ちょう 伝導 でんどう 転移 てんい 温度 おんど は3.72K である[ 11] 。超 ちょう 伝導 でんどう スズは超 ちょう 伝導 でんどう の研究 けんきゅう において最 もっと も初期 しょき に発見 はっけん された超 ちょう 伝導 でんどう 体 たい の一 ひと つであり、超 ちょう 伝導 でんどう 体 たい の持 も つ性質 せいしつ の一 ひと つであるマイスナー効果 こうか も超 ちょう 伝導 でんどう スズから発見 はっけん された[ 12] 。
スズには常温 じょうおん に近 ちか い温度 おんど にβ べーた スズとα あるふぁ スズの転移 てんい 点 てん が存在 そんざい する。α あるふぁ スズへの転移 てんい では展性 てんせい が失 うしな われ、同時 どうじ に大幅 おおはば に体積 たいせき が増加 ぞうか する。この転移 てんい 温度 おんど は13.2 °C であるが、アルミニウム や亜鉛 あえん などの不純物 ふじゅんぶつ が含 ふく まれると転移 てんい 温度 おんど は0 °C を下回 したまわ る[ 10] 。通常 つうじょう の温度 おんど 範囲 はんい では不純物 ふじゅんぶつ などの影響 えいきょう によりこの転移 てんい はほとんど進 すす まないが、極 ごく 地方 ちほう のような酷寒 こっかん の環境 かんきょう では転移 てんい が進行 しんこう する場合 ばあい があり、スズ製品 せいひん が膨 ふく らんでぼろぼろになってしまう現象 げんしょう が生 しょう じる。この現象 げんしょう はスズ製品 せいひん の一部分 いちぶぶん から始 はじ まりやがて全体 ぜんたい に広 ひろ がるため、伝染 でんせん 病 びょう に喩 たと えてスズペスト と呼 よ ばれる[ 13] 。アンチモンやビスマスを添加 てんか することで同素 どうそ 変態 へんたい を防 ふせ ぎスズの耐久 たいきゅう 性 せい を向上 こうじょう させることができる[ 10] 。
スズに限 かぎ らず金属 きんぞく にはこういった、温度 おんど や圧力 あつりょく に応 おう じて結晶 けっしょう 構造 こうぞう が変 か わる同素 どうそ 変態 へんたい をみせるものがある。スズではこの同素 どうそ 変態 へんたい によってその物性 ぶっせい が大 おお きく変化 へんか する。β べーた スズからα あるふぁ スズには熱 ねつ 力学 りきがく 的 てき には13.2 °C で変態 へんたい するが、実際 じっさい に反応 はんのう が進行 しんこう するのは−10 °C の低温 ていおん 領域 りょういき からであり、−45 °C でその反応 はんのう 速度 そくど は最大 さいだい になるが、それでも1 mm進 すす むのに約 やく 500時 じ 間 あいだ も掛 か かる。スズは結晶 けっしょう 構造 こうぞう の違 ちが いによってさらに161 °C 以上 いじょう でのγ がんま スズがあり、これらの異 こと なる単体 たんたい は同素体 どうそたい と呼 よ ばれ、変態 へんたい する温度 おんど は変態 へんたい 点 てん と呼 よ ばれる[ 14] 。
スズは両性 りょうせい を示 しめ し酸 さん ともアルカリとも反応 はんのう するが、中性 ちゅうせい 領域 りょういき においてはある程度 ていど の耐食性 たいしょくせい を示 しめ す[ 15] 。濃 こ 硝酸 しょうさん に対 たい しては加水 かすい 分解 ぶんかい により不溶性 ふようせい の二酸化 にさんか スズ水 みず 和物 あえもの を形成 けいせい して沈殿 ちんでん を生 しょう じる[ 16] [ 15] 。アルカリとの反応 はんのう では対応 たいおう するスズ酸 さん 塩 しお を形成 けいせい する[ 17] 。
スズは通常 つうじょう +2価 か および+4価 か の酸化 さんか 数 すう を取 と る。+2価 か のスズ化合 かごう 物 ぶつ はイオン結合 けつごう 性 せい の強 つよ い物質 ぶっしつ で還元 かんげん 性 せい を有 ゆう しており、+4価 か のスズ化合 かごう 物 ぶつ は共有 きょうゆう 結合 けつごう 性 せい の強 つよ い物質 ぶっしつ である[ 18] 。単 たん 原子 げんし イオン のSn4+ は存在 そんざい しないと考 かんが えられており、+4価 か のスズイオンはSn(OH)6 2- やSnCl6 2- 等 ひとし の錯イオンの形 かたち で存在 そんざい している[ 19] 。第 だい 14族 ぞく 元素 げんそ は軽 かる い元素 げんそ ほど+4価 か が安定 あんてい で、重 おも い元素 げんそ になるほど+2価 か が安定 あんてい となる周期 しゅうき 性 せい を有 ゆう しており、その周期 しゅうき 性 せい を反映 はんえい して+2価 か のスズは比較的 ひかくてき 安定 あんてい であるが、それでも+2価 か のスズイオンは容易 ようい に空気 くうき 酸化 さんか を受 う けて+4価 か に酸化 さんか される[ 20] 。また、+3価 か の化合 かごう 物 ぶつ としては、Sn[(Me3 Si)2 N]3 のような配 はい 位 い 化合 かごう 物 ぶつ が知 し られている。通常 つうじょう スズの+3価 か の化合 かごう 物 ぶつ は不安定 ふあんてい で単 たん 離 はなれ が困難 こんなん だが、この化合 かごう 物 ぶつ は分子 ぶんし サイズの大 おお きな配 はい 位 い 子 こ に囲 かこ まれていることによる立体 りったい 障害 しょうがい の大 おお きさに守 まも られているため、数ヶ月 すうかげつ から1年 ねん 程度 ていど は安定 あんてい に存在 そんざい できる。Sn3 F8 のような化合 かごう 物 ぶつ は形式 けいしき 的 てき には+2.7価 か であるが、これは2個 こ のSnF2 と1個 いっこ のSnF4 からなる混合 こんごう 原子 げんし 価 か 化合 かごう 物 ぶつ である[ 21] 。
スズは他 た の第 だい 14族 ぞく 元素 げんそ と同様 どうよう にカテネーション を起 お こすことが知 し られており、例 たと えばアンモニア中 ちゅう でアルカリ金属 きんぞく 元素 げんそ と反応 はんのう してNa2 Sn5 のようなスズクラスター構造 こうぞう を含 ふく む化合 かごう 物 ぶつ を形成 けいせい する[ 22] 。また有機 ゆうき 金属 きんぞく 化合 かごう 物 ぶつ ではスズが直 ちょく 鎖 くさり もしくは環状 かんじょう にカテネーションした化合 かごう 物 ぶつ が多 おお く存在 そんざい しており、例 たと えば[Sn(CH3 )2 ]n ではn=12から20のスズの直 ちょく 鎖 くさり 構造 こうぞう を持 も ち、(C2 H5 )2 Snはスズが環状 かんじょう にカテネーションした6量 りょう 体 たい や9量 りょう 体 たい の構造 こうぞう を取 と る[ 23] 。
スズは金属 きんぞく や酸化 さんか 物 ぶつ 、塩類 えんるい といった無機 むき 化合 かごう 物 ぶつ の形 かたち では毒性 どくせい が低 ひく いため食器 しょっき や缶詰 かんづめ など広範囲 こうはんい に渡 わた って利用 りよう されているが[ 24] 、缶詰 かんづめ 内側 うちがわ の腐食 ふしょく などによって高 こう 濃度 のうど に無機 むき スズが溶出 ようしゅつ した食品 しょくひん を摂取 せっしゅ することによる急性 きゅうせい 中毒 ちゅうどく も発生 はっせい している[ 25] 。急性 きゅうせい 毒性 どくせい の症状 しょうじょう としては吐 は き気 け 、嘔吐 おうと 、下痢 げり などがみられる[ 25] 。例 たと えば、日本 にっぽん の食品 しょくひん 衛生 えいせい 法 ほう ではスズの濃度 のうど は150 ppm以下 いか とするよう定 さだ められており[ 25] 、英国 えいこく 食品 しょくひん 基準局 きじゅんきょく では缶詰 かんづめ 食品 しょくひん 中 ちゅう のスズ濃度 のうど の上限 じょうげん を200 ppmとしている[ 26] 。この要因 よういん の多 おお くは、何 なん らかの理由 りゆう で缶 かん の錫 すず メッキが腐食 ふしょく を起 お こして溶出 ようしゅつ したり、土壌 どじょう に施 ほどこ した硝酸 しょうさん 肥料 ひりょう により作物 さくもつ (主 おも に根菜 こんさい など)に高 こう 濃度 のうど の硝酸塩 しょうさんえん が含 ふく まれていたことによる[ 27] 。
2002年 ねん に英国 えいこく 食品 しょくひん 基準局 きじゅんきょく が行 おこな った調査 ちょうさ では、調査 ちょうさ 対象 たいしょう となった食品 しょくひん の缶詰 かんづめ のうち99.5 %がスズの含有 がんゆう 量 りょう の上限 じょうげん 値 ち を下回 したまわ っており、基準 きじゅん 値 ち を超 こ えていた缶詰 かんづめ に関 かん しては販売 はんばい 差 さ し止 と め措置 そち が取 と られている[ 28] 。2003年 ねん のBlundenの報告 ほうこく では、過去 かこ 25年間 ねんかん に100から200 ppmの濃度 のうど 範囲 はんい ではスズの急性 きゅうせい 中毒 ちゅうどく の症例 しょうれい の報告 ほうこく がないことから、スズの急性 きゅうせい 中毒 ちゅうどく の閾値は200 ppmであることが示唆 しさ されるという見解 けんかい が示 しめ されている[ 29] 。また、長期間 ちょうきかん 酸化 さんか スズの粉塵 ふんじん に曝 さら される環境 かんきょう では肺 はい が冒 おか されることがあり、錫 すず 肺 はい 症 しょう と呼 よ ばれる。環境 かんきょう の整 ととの っていない時代 じだい には鉱山 こうざん からの採掘 さいくつ の際 さい に多 おお くの労働 ろうどう 者 しゃ が肺 はい を病 や んだ。
一方 いっぽう で、有機 ゆうき スズ化合 かごう 物 ぶつ の毒性 どくせい は無機 むき スズ化合 かごう 物 ぶつ の毒性 どくせい よりもはるかに高 たか く、その毒性 どくせい は有機 ゆうき 基 もと によって異 こと なるもののいくつかの有機 ゆうき スズ化合 かごう 物 ぶつ はシアン化物 ばけもの と同 どう 程度 ていど の非常 ひじょう に強 つよ い毒性 どくせい を有 ゆう するものもある[ 24] 。トリブチルスズ 誘導体 ゆうどうたい (TBT)は船底 ふなそこ に貝 かい が付着 ふちゃく することを効果 こうか 的 てき に防止 ぼうし する塗料 とりょう として広 ひろ く用 もち いられていたが、1970年代 ねんだい 以降 いこう 内分泌 ないぶんぴつ 攪乱 かくらん 化学 かがく 物質 ぶっしつ としての作用 さよう や海洋 かいよう 生物 せいぶつ に対 たい する蓄積 ちくせき 毒性 どくせい などTBTの毒性 どくせい が知 し られ始 はじ め、1982年 ねん にフランス政府 せいふ がTBTを含 ふく む塗料 とりょう を小型 こがた ボートに使用 しよう することを禁止 きんし したのをはじめとして各国 かっこく で規制 きせい されるようになっていった[ 30] 。例 たと えば日本 にっぽん では化学 かがく 物質 ぶっしつ の審査 しんさ 及 およ び製造 せいぞう 等 とう の規制 きせい に関 かん する法律 ほうりつ (化 か 審 しん 法 ほう )によって第 だい 一種 いっしゅ 特定 とくてい 化学 かがく 物質 ぶっしつ としてビス(トリブチルスズ)オキシド が規制 きせい 対象 たいしょう となっており[ 31] 、トリフェニルスズ誘導体 ゆうどうたい やトリブチルスズ誘導体 ゆうどうたい も第 だい 二 に 種 しゅ 特定 とくてい 化学 かがく 物質 ぶっしつ として規制 きせい 対象 たいしょう となっている[ 32] 。2001年 ねん には全 すべ ての船舶 せんぱく に有機 ゆうき スズ化合 かごう 物 ぶつ を含 ふく んだ塗料 とりょう の使用 しよう を禁止 きんし する船舶 せんぱく の有害 ゆうがい な防 ぼう 汚 けがれ 方法 ほうほう の規則 きそく に関 かん する国際 こくさい 条約 じょうやく (IMO条約 じょうやく )が国際 こくさい 海事 かいじ 機関 きかん によって採択 さいたく され、2008年 ねん に25か国 こく が批准 ひじゅん したことによって発効 はっこう した[ 33] 。また、TBTは2009年 ねん にロッテルダム条約 じょうやく (国際 こくさい 貿易 ぼうえき の対象 たいしょう となる特定 とくてい の有害 ゆうがい な化学 かがく 物質 ぶっしつ 及 およ び駆除 くじょ 剤 ざい についての事前 じぜん のかつ情報 じょうほう に基 もと づく同意 どうい の手続 てつづき に関 かん するロッテルダム条約 じょうやく 、PIC条約 じょうやく )の規制 きせい 対象 たいしょう 物質 ぶっしつ リストである附属 ふぞく 書 しょ IIIに追加 ついか され、TBTの国際 こくさい 貿易 ぼうえき を行 おこな うには500 ppm以下 いか の非 ひ 意図 いと 的 てき 混入 こんにゅう を除 のぞ いて輸出 ゆしゅつ 申請 しんせい を行 おこな わなければならないことが義務付 ぎむづ けられている[ 34] 。
スズ鉱石 こうせき
金属 きんぞく スズを曲 ま げると、結晶 けっしょう 構造 こうぞう が変化 へんか することによりスズ鳴 な き (tin cry ) と呼 よ ばれる独特 どくとく の音 おと がする。同様 どうよう の現象 げんしょう は、ニオブ やインジウム でも見 み られる。
体 からだ 心 こころ 正方 まさかた 晶 あきら 格子 こうし である白色 はくしょく スズの結晶 けっしょう に力 ちから を加 くわ えて変形 へんけい させると、「カリッ」と音 おと を出 だ して金属 きんぞく 結晶 けっしょう が塑性 そせい 変形 へんけい して内部 ないぶ 結晶 けっしょう が双 そう 晶 あきら に変化 へんか する。この双 そう 晶 あきら は変形 へんけい 双 そう 晶 あきら や機械 きかい 的 てき 双 そう 晶 あきら と呼 よ ばれ、冷 ひや 間 あいだ 加工 かこう 後 ご に焼 や きなましされた時 とき に作 つく られる焼 や きなまし双 そう 晶 あきら と区別 くべつ される[ 14] 。
スズには安定 あんてい 同位 どうい 体 たい の種類 しゅるい が比較的 ひかくてき 多 おお い。これは、スズの陽子 ようし の数 かず が魔法 まほう 数 すう の1つである50 だからだと説明 せつめい されている。
スズは鉄 てつ などと比較 ひかく すると融点 ゆうてん が低 ひく いため比較的 ひかくてき 加工 かこう しやすい金属 きんぞく 材料 ざいりょう として、また鉛 なまり などと比較 ひかく すると害 がい が少 すく ない比較的 ひかくてき 扱 あつか いやすい金属 きんぞく 材料 ざいりょう として、スズ単体 たんたい 、または、合金 ごうきん の成分 せいぶん として古来 こらい から広 ひろ く用 もち いられてきた。
合金 ごうきん にすることで軟金属 きんぞく を硬 かた くしたり、融点 ゆうてん を下 さ げてより加工 かこう 性 せい を良 よ くする等 ひとし の作用 さよう がある。スズを含 ふく む合金 ごうきん としては、鉛 なまり との合金 ごうきん であるはんだ (最近 さいきん は鉛 なまり フリーのはんだ もある)、銅 どう との合金 ごうきん である青銅 せいどう が代表 だいひょう 的 てき である。青銅 せいどう の一種 いっしゅ である砲金 ほうきん は靱性 に富 と むため、1450年 ねん ごろからそれまで鋳鉄 ちゅうてつ 製 せい だった大砲 たいほう がこれで鋳造 ちゅうぞう され、砲金 ほうきん の名 な もここからきている。この青銅 せいどう 製 せい への変換 へんかん によって大砲 たいほう は安定 あんてい 性 せい を獲得 かくとく し、1520年 ねん ごろには大砲 たいほう は完全 かんぜん に青銅 せいどう 製 せい のものとなった[ 35] 。大砲 たいほう はやがてふたたび鉄製 てつせい に移行 いこう したが、砲金 ほうきん は現代 げんだい においても機械 きかい の軸受 じくう けなどに広 ひろ く使用 しよう される。
パイプオルガン のパイプもスズを主 おも とした合金 ごうきん である。鉛 なまり は単体 たんたい では金属 きんぞく 素材 そざい として軟すぎるため、スズ等 とう を加 くわ えて硬 かた くした活字 かつじ 合金 ごうきん や硬 かた 鉛 なまり として利用 りよう されることが多 おお い。
中世 ちゅうせい ヨーロッパ では、スズを主成分 しゅせいぶん とする合金 ごうきん であるピューター (しろめ)が、銀 ぎん 食器 しょっき に次 つ ぐ高級 こうきゅう 食器 しょっき に使 つか われた。スズを大量 たいりょう に産出 さんしゅつ するマレーシア では、19世紀 せいき からピューターで作 つく った食器 しょっき や花器 かき 、その他 た の工芸 こうげい 品 ひん が作 つく られ、国 くに を代表 だいひょう する特産 とくさん 品 ひん になっており、ロイヤルセランゴール 社 しゃ などの製品 せいひん が各国 かっこく に輸出 ゆしゅつ されている[ 36] 。19世紀 せいき から20世紀 せいき 前半 ぜんはん にかけてのヨーロッパでは、スズで作 つく られた男児 だんじ 用 よう の玩具 おもちゃ であるスズの兵隊 へいたい が生産 せいさん され、現代 げんだい ではコレクターによって収集 しゅうしゅう されている。全米 ぜんべい フィギュアスケート選手権 せんしゅけん では4位 い の選手 せんしゅ にピューター(錫 すず 合金 ごうきん )メダルを授与 じゅよ する。
時報 じほう として鳴 な らすベルや、仏教 ぶっきょう で使 つか われる仏具 ぶつぐ のひとつ鈴 すず の製造 せいぞう 材料 ざいりょう としても使 つか われている。非常 ひじょう に安定 あんてい した材質 ざいしつ であるため、昔 むかし から存在 そんざい するベルや鈴 すず も現役 げんえき で使 つか われている。
このほか、軸受 じくうけ に用 もち いられるバビットメタル (銅 どう およびアンチモン との合金 ごうきん )、ウッド合金 ごうきん やガリンスタン のような一連 いちれん の低 てい 融点 ゆうてん 合金 ごうきん などがある。
スズ単体 たんたい についても、錆 さ びず適度 てきど な硬 かた さがあり加工 かこう もしやすいため、食器 しょっき などの日 ひ 用品 ようひん や、展延 てんえん 性 せい の良 よ さを活 い かしたスズ箔 はく (これを紙 かみ と貼 は り合 あ わせた銀紙 ぎんがみ )として、20世紀 せいき にアルミニウム が普及 ふきゅう するまで広 ひろ く用 もち いられてきた。絵具 えのぐ などのチューブ も元 もと は錫 すず で作 つく られていた。安価 あんか で錆 さ びにくい金属 きんぞく 食器 しょっき としての地位 ちい は軽量 けいりょう ・頑丈 がんじょう で熱 ねつ に強 つよ いアルミ材 ざい に置 お き換 か わったが、手工 しゅこう 芸 げい による加工 かこう に適 てき していることや懐古 かいこ 調 ちょう 趣味 しゅみ でスズも錫 すず 箔 はく や銀紙 ぎんがみ を含 ふく む食器 しょっき 材料 ざいりょう として一定 いってい の需要 じゅよう がある。
液体 えきたい 金属 きんぞく 冷却 れいきゃく 炉 ろ #スズ
近代 きんだい の用途 ようと としてまず最初 さいしょ に開発 かいはつ されたのはβ べーた スズを鋼板 こうはん に被覆 ひふく したブリキ であり、亜鉛 あえん を同 おな じく鋼板 こうはん に被覆 ひふく したトタン とともに錆 さ びやすい鋼板 こうはん の大量 たいりょう 使用 しよう への道 みち を開 ひら き、缶詰 かんづめ や玩具 おもちゃ の材料 ざいりょう として広 ひろ く使用 しよう された。
なお、スズには毒性 どくせい (後述 こうじゅつ )があるため、食品 しょくひん 衛生 えいせい 法 ほう により缶詰 かんづめ 中 ちゅう に含 ふく まれる(溶出 ようしゅつ する)上限 じょうげん 値 ち が定 さだ められている。1969年 ねん には、上限 じょうげん 値 ち 以上 いじょう のスズが含 ふく まれるトマトジュースが流通 りゅうつう して食中毒 しょくちゅうどく が起 お きたことがある[ 37] 。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 以前 いぜん のスズの生産 せいさん 地 ち は、南 みなみ アメリカ や東南 とうなん アジア など政情 せいじょう が不安定 ふあんてい な地域 ちいき に限 かぎ られていた。戦争 せんそう 中 ちゅう にスズの入手 にゅうしゅ 難 なん に陥 おちい ったアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく は、電気 でんき メッキ法 ほう の改良 かいりょう よりブリキ製造 せいぞう に用 もち いるスズの使用 しよう 量 りょう を低減 ていげん させることに成功 せいこう 。戦後 せんご 、安価 あんか な製品 せいひん を大量 たいりょう 生産 せいさん する道 みち を拓 ひら いた[ 38] 。
インジウム とスズの酸化 さんか 物 ぶつ (ITO ) は液晶 えきしょう ディスプレイ ・有機 ゆうき EL の電極 でんきょく として用 もち いられるほか、熱線 ねっせん カットガラスとして乗用車 じょうようしゃ のフロントガラスなどの表面 ひょうめん に用 もち いられる。また、融点 ゆうてん が低 ひく いことを利用 りよう してフロートガラス の製造 せいぞう にも使 つか われている。
有機 ゆうき スズ化合 かごう 物 ぶつ は塩化 えんか ビニールなどの安定 あんてい 剤 ざい などに広 ひろ く使用 しよう される[ 39] 。
日本 にっぽん には、スズそのものの加工 かこう 品 ひん としては奈良 なら 時代 じだい 後期 こうき に茶 ちゃ とともに持 も ち込 こ まれた可能 かのう 性 せい が高 たか い。今 いま でいう茶 ちゃ 壷 つぼ 、茶托 ちゃたく などと推測 すいそく される。金属 きんぞく スズは比較的 ひかくてき 毒性 どくせい が低 ひく く、酸化 さんか や腐食 ふしょく に強 つよ いため、主 おも に飲食 いんしょく 器 き として重宝 ちょうほう された。現在 げんざい でも、大陸 たいりく 喫茶 きっさ 文化 ぶんか の流 なが れを汲 く む煎茶 せんちゃ 道 どう ではスズの器物 きぶつ が用 もち いられることが多 おお い。日本 にっぽん 独自 どくじ のものには、神社 じんじゃ で用 もち いられる瓶子 へいじ (へいし、御神酒 おみき 徳利 とっくり )、水玉 みずたま 、高 こう 杯 はい などの神 かみ 具 ぐ がある。いずれも京都 きょうと を中心 ちゅうしん として製法 せいほう が発展 はってん し、全国 ぜんこく へ広 ひろ まった。それまでの特権 とっけん 階級 かいきゅう のものから、江戸 えど 時代 じだい には町民 ちょうみん 階級 かいきゅう にも慣 な れ親 した しまれ、酒 さけ 器 き 、中 なか でも特 とく に注 ちゅう 器 うつわ としてもてはやされた。落語 らくご 『御神酒 おみき 徳利 とっくり 』の語 かた りの発端 ほったん となる御神酒 おみき 徳利 とっくり は、スズ製 せい という設定 せってい である。京都 きょうと 、大阪 おおさか (大阪 おおさか 浪 なみ 華 はな 錫 すず 器 き )、鹿児島 かごしま (薩摩 さつま 錫 すず 器 き )[ 40] に、伝統 でんとう 的 てき な錫 すず 工芸 こうげい 品 ひん が今 いま も残 のこ る。近年 きんねん では日本酒 にほんしゅ 用 もちい 以外 いがい にビアマグ やタンブラー などもつくられるようになった。また、一部 いちぶ の比較的 ひかくてき 高級 こうきゅう な飲食 いんしょく 店 てん では日本酒 にほんしゅ の燗 かん に、こだわりとして高価 こうか であるスズ製 せい ちろり を使用 しよう するところがある。科学 かがく 的 てき には定 さだ かではないが、錫 すず 製品 せいひん は水 みず を浄化 じょうか し雑 ざつ 味 あじ が取 と り除 のぞ かれ、酒 さけ がまろやかになると言 い われている。近年 きんねん では、錫 すず の軟 やわ らかい性質 せいしつ を利用 りよう した錫 すず 製品 せいひん や作品 さくひん が、富山 とやま 県 けん を中心 ちゅうしん に製造 せいぞう されている。他 ほか にも第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 ちゅう にチャフとして使 つか われた。
上記 じょうき 用途 ようと のうちでもっとも重要 じゅうよう な用途 ようと ははんだの製造 せいぞう であり、スズ年間 ねんかん 使用 しよう 量 りょう の約 やく 45%を占 し める。次 つ いで約 やく 20%がスズめっき(ブリキなど)に使用 しよう される。3番目 ばんめ の用途 ようと は塩化 えんか ビニール などの安定 あんてい 剤 ざい などに使用 しよう する化合 かごう 物 ぶつ としての使用 しよう であり、この用途 ようと に約 やく 15%が使用 しよう される。残 のこ り20%が各種 かくしゅ 合金 ごうきん やガラス製造 せいぞう 、スズ工芸 こうげい 品 ひん などその他 た の用途 ようと に使用 しよう される分 ぶん である[ 41] 。
用途 ようと の例 れい
錫 すず 鍍金 めっき した缶詰 かんづめ の鋼板 こうはん
ピューターの皿 さら
はんだ
スズは、錫 すず 石 せき (すずいし)などに含 ふく まれている。比較的 ひかくてき 精錬 せいれん や加工 かこう のしやすい金属 きんぞく として、古 ふる くから用 もち いられてきた。青銅器 せいどうき などの材料 ざいりょう として有名 ゆうめい である。
スズの重要 じゅうよう な鉱石 こうせき 鉱物 こうぶつ は、錫 すず 石 せき (SnO2 ) であり、スズ鉱石 こうせき の4分 ぶん の3を占 し めている[ 42] 。主 おも に石英 せきえい との鉱石 こうせき フォーメーション として産 さん する。鉱滓 こうさい からはタンタル を回収 かいしゅう できる。錫 すず 石 せき は比重 ひじゅう の大 おお きなスズと比重 ひじゅう の小 ちい さい石英 せきえい を主体 しゅたい としており、また浮遊 ふゆう 選鉱 せんこう になじまないため、古 ふる い選鉱 せんこう 法 ほう である比重 ひじゅう 選鉱 せんこう 法 ほう (鉱石 こうせき の載 の ったテーブル上 じょう に水 みず を流 なが し込 こ み、振動 しんどう させて比重 ひじゅう の差 さ により分離 ぶんり する)が主 おも に使用 しよう される[ 43] 。風化 ふうか に強 つよ いため、砂 すな 鉱 こう の砂 すな 錫 すず としても産出 さんしゅつ する。また、硫化 りゅうか 物 ぶつ からなる黄 き 錫 すず 鉱 こう (Cu2FeSnS4)もおもな鉱石 こうせき のひとつである[ 44] 。
経済 けいざい 的 てき 可 か 採 と 資源 しげん 量 りょう [ 46]
年 とし
100万 まん トン
1965
4,265
1970
3,930
1975
9,060
1980
9,100
1985
3,060
1990
7,100
2000
7,100[ 47]
2010
5,200[ 48]
世界 せかい のスズ鉱山 こうざん 埋蔵 まいぞう 量 りょう (トン, 2011年 ねん )[ 49]
国 くに
埋蔵 まいぞう 量 りょう
中国 ちゅうごく
1,500,000
マレーシア
250,000
ペルー
310,000
インドネシア
800,000
ブラジル
590,000
ボリビア
400,000
ロシア
350,000
オーストラリア
180,000
タイ
170,000
その他 た の国 くに
180,000
総計 そうけい
4,800,000
世界 せかい の10大 だい スズ生産 せいさん 企業 きぎょう (トン)[ 50]
社名 しゃめい
国 くに
2006年 ねん
2007年 ねん
%増減 ぞうげん
雲南 うんなん 錫 すず 業 ぎょう
中国 ちゅうごく
52,339
61,129
16.7
ティマ社 しゃ
インドネシア
44,689
58,325
30.5
Minsur
ペルー
40,977
35,940
−12.3
Malay
中国 ちゅうごく
52,339
61,129
16.7
Malaysia Smelting Corp
マレーシア
22,850
25,471
11.5
Thaisarco
タイ
27,828
19,826
−28.8
雲南 うんなん 乗 じょう 風 ふう
中国 ちゅうごく
21,765
18,000
−17.8
Liuzhou China Tin
中国 ちゅうごく
13,499
13,193
−2.3
EM Vinto
ボリビア
11,804
9,448
−20.0
Gold Bell Group
中国 ちゅうごく
4,696
8,000
70.9
鉱山 こうざん および精錬 せいれん 所 しょ のスズ生産 せいさん 量 りょう (トン)、2006年 ねん [ 51]
国 くに
鉱山 こうざん 生産 せいさん 量 りょう
精錬 せいれん 所 しょ 生産 せいさん 量 りょう
インドネシア
117,500
80,933
中国 ちゅうごく
114,300
129,400
ペルー
38,470
40,495
ボリビア
17,669
13,500
タイ
225
27,540
マレーシア
2,398
23,000
ベルギー
0
8,000
ロシア
5,000
5,500
コンゴ民主 みんしゅ 共和 きょうわ 国 こく
15,000
0
スズの鉱床 こうしょう は漂砂鉱床 こうしょう と鉱脈 こうみゃく とに大別 たいべつ され、東南 とうなん アジアにおいては漂砂鉱床 こうしょう が、南 みなみ アメリカのアンデス山脈 あんですさんみゃく においては鉱脈 こうみゃく が主流 しゅりゅう である。2006年度 ねんど の鉱山 こうざん からの世界 せかい 生産 せいさん 量 りょう は321000トンである。2006年度 ねんど において最 もっと もスズの産出 さんしゅつ 量 りょう が多 おお い国 くに はインドネシア であり、117500トンにのぼる。これに次 つ ぐのが中国 ちゅうごく であり、114300トンを産出 さんしゅつ している。これ以外 いがい の国 くに の産出 さんしゅつ 量 りょう は上位 じょうい 2国 こく に比 くら べると生産 せいさん 量 りょう はずっと少 すく なく、3位 い のペルー でも38470トンと半分 はんぶん 以下 いか になる。以下 いか 、産出 さんしゅつ 量 りょう はボリビア 、ブラジル 、コンゴ民主 みんしゅ 共和 きょうわ 国 こく 、ロシア 、ベトナム 、マレーシア と続 つづ く。こののち、2010年 ねん にはスズの最大 さいだい 生産 せいさん 国 こく は中国 ちゅうごく となり、インドネシアはスズ鉱石 こうせき ・スズ精 せい 鉱 こう ともに世界 せかい 2位 い の生産 せいさん 量 りょう となった[ 52] 。スズは埋蔵 まいぞう 量 りょう に比 くら べて消費 しょうひ 量 りょう が多 おお い金属 きんぞく の1つであり、可 か 採 と 埋蔵 まいぞう 量 りょう は18年 ねん (2007年 ねん )にすぎないが、スズは未 み 探査 たんさ 区域 くいき の多 おお い鉱物 こうぶつ であり、その推定 すいてい 埋蔵 まいぞう が見込 みこ まれるため実際 じっさい の枯渇 こかつ はそれより後 のち になると考 かんが えられている[ 44] 。また、スズはリサイクルが盛 さか んであり、鉱山 こうざん からの産出 さんしゅつ 32万 まん トンのほかに、リサイクルからの供給 きょうきゅう が14000トンほど存在 そんざい する[ 44] 。スズ鉱石 こうせき は必 かなら ずしも生産 せいさん 国 こく で精錬 せいれん されるわけではなく、ベルギー のようにまったく国内 こくない にスズを産 む しないにもかかわらず精錬 せいれん 量 りょう の多 おお い国 くに や、逆 ぎゃく にコンゴ民主 みんしゅ 共和 きょうわ 国 こく のように多量 たりょう のスズ鉱石 こうせき を産出 さんしゅつ しながらまったく国内 こくない で精錬 せいれん の行 おこな われない国 くに も存在 そんざい する。スズ生産 せいさん 企業 きぎょう としては、中国 ちゅうごく の雲南 うんなん 錫 すず 業 ぎょう やインドネシアの国営 こくえい スズ鉱山 こうざん 企業 きぎょう であるティマ社 しゃ などが大 おお きい。
日本 にっぽん においてはかつて兵庫 ひょうご 県 けん の明 あかり 延 のべ 鉱山 こうざん などで盛 さか んに産出 さんしゅつ されたが、現在 げんざい ではスズ鉱山 こうざん のほとんどは閉山 へいざん し産出 さんしゅつ はわずかである。2008年 ねん には日本 にっぽん のスズ輸入 ゆにゅう 量 りょう は33659トンであったが、このほかに日本 にっぽん 国内 こくない に流通 りゅうつう するブリキやハンダの多 おお くはリサイクルに回 まわ されるため、この回収 かいしゅう された分 ぶん の国内 こくない 生産 せいさん 量 りょう が879トン存在 そんざい する[ 53] 。
スズは融点 ゆうてん が低 ひく く、また主要 しゅよう 鉱石 こうせき である錫 すず 石 せき からの精練 せいれん が容易 ようい であるため、人類 じんるい 史 し においてもっとも早 はや くから使用 しよう され始 はじ めた金属 きんぞく の一 ひと つである。当初 とうしょ の主 おも な用途 ようと は銅 どう との合金 ごうきん である青銅 せいどう を製造 せいぞう することであり、紀元前 きげんぜん 3000年 ねん 頃 ごろ にメソポタミア において初 はじ めて青銅 せいどう が開発 かいはつ されたことによって銅 どう の硬度 こうど 不足 ふそく が大幅 おおはば に改善 かいぜん され、人類 じんるい は石器 せっき 時代 じだい から青銅器 せいどうき 時代 じだい へと移行 いこう した。ただしスズは地域 ちいき 的 てき に非常 ひじょう に偏在 へんざい している鉱物 こうぶつ [ 42] であり、現代 げんだい においても一部 いちぶ 地域 ちいき に鉱山 こうざん が集中 しゅうちゅう する傾向 けいこう がある。このため、スズを発見 はっけん できなかった地域 ちいき においては石器 せっき 時代 じだい が長 なが く続 つづ くことも稀 まれ ではなかった。日本 にっぽん においては青銅 せいどう の製法 せいほう は鉄 てつ と同時 どうじ に伝 つた えられたために青銅器 せいどうき 時代 じだい が存在 そんざい せず、また新大陸 しんたいりく においても青銅 せいどう の発見 はっけん が遅 おく れたために、スペイン人 じん が新大陸 しんたいりく に到達 とうたつ した時点 じてん において青銅 せいどう は装飾 そうしょく 品 ひん としての利用 りよう に限 かぎ られていた。
古 ふる くから世界 せかい 有数 ゆうすう (少 すく なくともヨーロッパ最大 さいだい )のスズの産地 さんち だったのは、イギリス のコーンウォール である。この地域 ちいき のスズ鉱山 こうざん はフェニキア人 じん が初 はじ めて開発 かいはつ したと言 い われ、各地 かくち に盛 さか んにスズを輸出 ゆしゅつ していた。コーンウォールに隣接 りんせつ するデヴォン州 しゅう においては、スズの地金 じがね を積 つ んだ青銅器 せいどうき 時代 じだい の難破 なんぱ 船 せん が発見 はっけん されており[ 54] 、この時期 じき すでに盛 さか んにスズ交易 こうえき が行 おこな われていたことをうかがわせる。この航路 こうろ を握 にぎ っていたフェニキア人 じん 国家 こっか であるカルタゴ の崩壊 ほうかい 後 ご はローマ人 じん がこの交易 こうえき を握 にぎ り、やがて43年 ねん のクラウディウス 帝 みかど の遠征 えんせい によってコーンウォールはロ ろ ーマ帝国 まていこく 領 りょう のブリタンニア となり、帝国 ていこく 崩壊 ほうかい 後 ご も中世 ちゅうせい ・近世 きんせい にかけて、イギリスはヨーロッパ中 ちゅう にスズを輸出 ゆしゅつ していた。しかし産業 さんぎょう 革命 かくめい により、とくに1810年 ねん にイギリスのピーター・デュラントによって缶詰 かんづめ が開発 かいはつ されブリキ 製造 せいぞう 用 よう のスズの需要 じゅよう が急増 きゅうぞう すると、コーンウォールのスズでは不足 ふそく するようになり、産出 さんしゅつ 量 りょう も1871年 ねん を最後 さいご に減少 げんしょう するようになった[ 55] 。それ以降 いこう も1890年代 ねんだい までは世界 せかい 有数 ゆうすう の産地 さんち であり続 つづ けたが、他 た 産地 さんち との競合 きょうごう に敗 やぶ れて1900年代 ねんだい にはシェアが大幅 おおはば に下落 げらく した[ 55] 。
それに代 か わって世界 せかい 最大 さいだい のスズ産出 さんしゅつ 国 こく となったのがマレーシア である。マレ まれ ー半島 はんとう は古 ふる くからスズの産地 さんち として知 し られていたが、イギリスの植民 しょくみん 地 ち 時代 じだい に資源 しげん 開発 かいはつ が進 すす み、1972年 ねん の7700トン/年 とし をピークに減少 げんしょう に転 てん じたものの、1985年 ねん までは世界 せかい の約 やく 4分 ぶん の1のシェアを占 し めていた。マレーにおけるスズの主 しゅ 産地 さんち はキンタ渓谷 けいこく からクラン渓谷 けいこく にかけての一帯 いったい であり[ 56] 、この錫 すず 鉱山 こうざん 地帯 ちたい の中心 ちゅうしん となったイポー は1900年代 ねんだい に入 はい り急速 きゅうそく に発展 はってん した。この時期 じき 、スズが国家 こっか 経済 けいざい において重要 じゅうよう な地位 ちい を占 し めたもう一 ひと つの国 くに はボリビア である。ボリビアのスズ開発 かいはつ は1880年代 ねんだい に始 はじ まり、当時 とうじ 同国 どうこく の主要 しゅよう 輸出 ゆしゅつ 品 ひん であった銀 ぎん の退潮 たいちょう と時 とき を同 おな じくして生産 せいさん は急増 きゅうぞう していった。このスズの増産 ぞうさん は民族 みんぞく 資本 しほん によって行 おこな われたものであり、オルロ 近郊 きんこう にあるワヌニ鉱山 こうざん の開発 かいはつ によって世界 せかい 有数 ゆうすう の大 だい 富豪 ふごう と呼 よ ばれたシモン・パティーニョ のパティーニョ財閥 ざいばつ をはじめとし、カルロス・ビクトル・アラマヨのアラマヨ財閥 ざいばつ とマウリシオ・ホッホチルドのホッホチルド財閥 ざいばつ を含 ふく めた3大 だい 財閥 ざいばつ が生産 せいさん の大 だい 部分 ぶぶん を独占 どくせん していた。これらの新興 しんこう 財閥 ざいばつ はラパス 市 し に本拠 ほんきょ を置 お く自由党 じゆうとう と結 むす びつき[ 57] 、1899年 ねん には銀鉱 ぎんこう 山主 やまぬし と結 むす びつきスクレ 市 し を基盤 きばん とする保守党 ほしゅとう の政権 せいけん を打倒 だとう した。これはボリビア連邦 れんぽう 革命 かくめい と呼 よ ばれ、これによってボリビアの首都 しゅと はスクレからスズ鉱山 こうざん 主 ぬし の本拠地 ほんきょち であるラパス市 し に事実 じじつ 上 じょう 移動 いどう した。その後 ご はさらにボリビアのスズ生産 せいさん は増加 ぞうか し、1902年 ねん には銀 ぎん の輸出 ゆしゅつ 額 がく を抜 ぬ き、1913年 ねん には同国 どうこく の輸出 ゆしゅつ の70%を占 し めるようになり[ 57] 、「スズの世紀 せいき 」とも呼 よ ばれる時期 じき を現出 げんしゅつ した。この好況 こうきょう 期 き は1929年 ねん の大 だい 恐慌 きょうこう によって終息 しゅうそく するが、その後 ご も1980年代 ねんだい に至 いた るまでの100年 ねん 以上 いじょう もの間 あいだ 、スズはボリビア経済 けいざい の柱 はしら となっていた。
こうしたスズ生産 せいさん を統括 とうかつ するため、1956年 ねん には国際 こくさい スズ協定 きょうてい が採択 さいたく された。この協定 きょうてい は価格 かかく 維持 いじ と生産 せいさん 安定 あんてい を主眼 しゅがん に置 お いたもので、下部 かぶ 機関 きかん の国際 こくさい スズ理事 りじ 会 かい によって輸出 ゆしゅつ 割 わ り当 あ てや需給 じゅきゅう 調整 ちょうせい が行 おこな われていた。このシステムは1976年 ねん 頃 ころ までは有効 ゆうこう に機能 きのう したが、しかしその後 ご はオイルショック による資源 しげん 全般 ぜんぱん 高 だか に引 ひ っ張 ぱ られたスズの価格 かかく 高騰 こうとう と、それに反比例 はんぴれい する消費 しょうひ の低迷 ていめい によってこの協定 きょうてい は揺 ゆ らぎ始 はじ めた。また、この協定 きょうてい は生産 せいさん 国 こく と消費 しょうひ 国 こく がともに加盟 かめい するものであったため、生産 せいさん 国 こく のための機関 きかん として1983年 ねん 、スズ生産 せいさん 国 こく 同盟 どうめい がマレーシアを中心 ちゅうしん として結成 けっせい された。さらに1982年 ねん に第 だい 6次 じ 協定 きょうてい が締結 ていけつ されたが、これには大 だい 生産 せいさん 国 こく のボリビアやアメリカ、ソビエト連邦 れんぽう の3か国 こく が参加 さんか しなかったため、市場 いちば 支配 しはい 力 りょく が80%から53%にまで激減 げきげん したことも、この体制 たいせい の動揺 どうよう を加速 かそく させた。そして1985年 ねん 、国際 こくさい スズ市場 いちば が暴落 ぼうらく したため国際 こくさい スズ理事 りじ 会 かい が機能 きのう を停止 ていし し、それを受 う けてロンドン金属 きんぞく 取引 とりひき 所 しょ (LME)でのスズが取引 とりひき 停止 ていし となり、世界中 せかいじゅう のスズ取引 とりひき が停止 ていし してしまった。錫 すず 危機 きき である[ 58] 。これによって国際 こくさい スズ協定 きょうてい の価格 かかく 維持 いじ 策 さく は完全 かんぜん に崩壊 ほうかい した。
このためにマレーシアのスズ鉱業 こうぎょう は壊滅 かいめつ 的 てき な打撃 だげき を受 う け、翌 よく 1986年 ねん には産出 さんしゅつ 量 りょう は半減 はんげん し、その後 ご も市場 いちば の混乱 こんらん や資源 しげん 枯渇 こかつ による衰退 すいたい が続 つづ き、現在 げんざい は主要 しゅよう でない産出 さんしゅつ 国 こく の一 ひと つにすぎない。またボリビアも、1952年 ねん のボリビア革命 かくめい によって3大 だい 財閥 ざいばつ のスズ鉱山 こうざん が接収 せっしゅう されて国有 こくゆう 化 か されたのちは、非 ひ 効率 こうりつ な経営 けいえい によって生産 せいさん の減退 げんたい が続 つづ き、1986年 ねん に国有 こくゆう 企業 きぎょう のボリビア鉱山 こうざん 公社 こうしゃ が解散 かいさん した後 のち でも生産 せいさん の伸 の びはみられず、生産 せいさん 量 りょう は世界 せかい 第 だい 4位 い にまで落 お ち込 こ んでいる。
これに代 か わってスズ生産 せいさん を伸 の ばし大 だい 生産 せいさん 国 こく に躍 おど り出 で たのは、インドネシア と中国 ちゅうごく だった。インドネシアは19世紀 せいき 末 すえ のオランダ領 りょう インドネシア 時代 じだい にバンカ島 とう とブリトゥン島 とう (ビリトン島 とう )でのスズ開発 かいはつ が始 はじ まって以来 いらい のスズの生産 せいさん 国 こく の一 ひと つである。このうちビリトン島 とう で1860年 ねん にスズの採掘 さいくつ を始 はじ めたビリトン社 しゃ は、やがてオランダ領 りょう スリナム のボーキサイト 採掘 さいくつ など非鉄 ひてつ 金属 きんぞく 鉱山 こうざん 全般 ぜんぱん に業務 ぎょうむ を拡大 かくだい し、やがて2001年 ねん にオーストラリア のBHP社 しゃ と合併 がっぺい して世界 せかい 最大 さいだい の資源 しげん 企業 きぎょう であるBHPビリトン(現在 げんざい はBHPグループ )となった。この両島 りょうしま でのスズ採掘 さいくつ は現代 げんだい ではインドネシア国営 こくえい 企業 きぎょう のティマ社 しゃ が行 おこな っている[ 59] 。
スズの価格 かかく は上記 じょうき のスズ危機 きき 以降 いこう 低迷 ていめい を続 つづ け、2002年 ねん 頃 ころ まで低迷 ていめい していたが、その後 ご 中国 ちゅうごく のスズ需要 じゅよう の急増 きゅうぞう などに伴 ともな って価格 かかく が急騰 きゅうとう し、2007年 ねん には2002年 ねん の3倍 ばい 以上 いじょう の価格 かかく となった[ 60] 。
古 ふる くから用 もち いられてきたことから錫 すず (tin)を金属 きんぞく の代名詞 だいめいし とするい回 いまわ しも多 おお い。例 れい としては『tin fish(魚雷 ぎょらい )』、『tin hat(軍用 ぐんよう のヘルメット)』、『Tin Kincer(航空 こうくう 事故 じこ の調査官 ちょうさかん )』などである[ 61] 。
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