ヤコブ

ヤコブ（Jacob）は、ヘブライ語ご起源きげんの人名じんめいヤアコブの日本にっぽんでの慣用かんよう表記ひょうき。

概要がいよう

ヤアコブはヘブライ語ごで「かかとをつかむ者もの＝人ひとを出だし抜ぬく者もの」を意味いみするとされる。それは旧約きゅうやく聖書せいしょ創世そうせい記き25章しょう26節せつには、ヤアコブ「יעקב」（イスラエル）が、双子ふたごの兄あに・エサウのかかと（アケブ「עקב」）をつかんだまま生うまれ、後のちに兄あにを出だし抜ぬいて長子ちょうしの祝福しゅくふくを得えたことに由来ゆらいすると説明せつめいされている。

ギリシャ語ごでは Ιάκωβος, Iakôbos（古典こてん：ヤコーボス／現代げんだい：ヤコヴォス）、ラテン語らてんごではJacobus（ヤコブス）、日本語にほんごではヤコブと表記ひょうきするのが慣例かんれいである。ラテン語らてんご形がたJacobusは音韻おんいん変化へんかを経へてJacomus（ヤコムス）に変化へんかした。英語えいごでは Jacob（ジェイコブ）、 James（ジェームズ）、アイルランド語ごでは Séamus, Seamus（シェイマス）、フランス語ふらんすごでは Jacques（ジャック）または James（ジャーム）または Jacob（ジャコブ）（注ちゅう：フランス語ふらんすごでは、Jacquesが新約しんやくのヤコブで、Jacobが旧約きゅうやくのヤコブを指さす）、ドイツ語ごでは Jakob（ヤーコプ）、アラビア語ご・ペルシア語ごではYa'qūb（ヤアクーブ）、トルコ語ごでYakup（ヤークプ）、イタリア語ごでは Giacomo（ジャコモ）または Jacopo（ヤーコポ）、スペイン語ごでは Jaime（ハイメ）または異形いぎょう Diego （ディエゴ）、Jacobo（ハコボ）、ポルトガル語ごでは Jaime （ジャイム）、スラヴ語ごではIakov, Yakov（ヤーコフ）、Jakub, Jakup（ヤクプ）など、ゲエズ語ごではyāʿiqōb（ヤコブ）、アムハラ語ごではyā'iqōb（ヤコブ）などによりいずれも男子だんしの名なとしてよく見みられる。

ヤコブの息子むすこたち12人にんがイスラエル十じゅう二に部族ぶぞくの祖そとなったことから、イスラエル民族みんぞくのことを「ヤコブの家いえ」と表あらわすこともある。

ヤコブの名なを持もつ人物じんぶつの一覧いちらん

• ヤコブ (旧約きゅうやく聖書せいしょ) - 創世そうせい記きに現あらわれる。イサクの息子むすこ。イスラエルの名なを得えて、ユダヤ人じんの祖そとなる。
• ヤコブ (ゼベダイの子こ) - イエス・キリストの十じゅう二に使徒しとの一人ひとり。ヨハネ (使徒しと)の兄弟きょうだい。
• アルファイの子こヤコブ - イエス・キリストの十じゅう二に使徒しとの一人ひとり。
• 主おもの兄弟きょうだいヤコブ - 伝統でんとう的てきにイエスの異母いぼ兄けい（正教会せいきょうかい）または従兄じゅうけい（カトリック）と考かんがえられているエルサレム教会きょうかいの指導しどう者しゃで、初代しょだいエルサレム総そう主教しゅきょう。正教会せいきょうかいでは七なな十じゅう門徒もんとに数かぞえられる。
• ヤコボス・バラダイオス - 6世紀せいきのシリアの神学しんがく者しゃ。シリア正教会せいきょうかいの聖人せいじん。東方とうほう正教会せいきょうかい等とうからはキリスト教きりすときょうヤコブ派はの設立せつりつ者しゃとされる。
• エデッサのヤコボス - シリア正教会せいきょうかいの神学しんがく者しゃ。
• ヤコブ (エチオピア皇帝こうてい) - エチオピア帝国ていこく・ソロモン朝ちょうの皇帝こうてい。在位ざいい1597年ねん-1603年ねん、1604年ねん-1606年ねん。
• アルフォンス・マリア・ヤコブ（1884年ねん - 1931年ねん） - ドイツの神経しんけい学者がくしゃ。クロイツフェルト・ヤコブ病びょうに名なを残のこす。
• ヤコブ・ポエートル(1995 - ) - オーストリアのバスケットボール選手せんしゅ（C）

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