ルビーレーザー

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ルビーレーザー
ルビーレーザーロッド
ルビーレーザーの透過とうかスペクトル

ルビーレーザー (えい: Ruby laser) とは固体こたいレーザー一種いっしゅである。ははざいルビー使用しようするためこのいている。実際じっさいは3クロムイオン (Cr3+) で代用だいようできる。1960ねんセオドア・ハロルド・メイマン世界せかいはつレーザー発振はっしん方式ほうしきとして実現じつげんした。なお持続じぞくてき動作どうさするルビーレーザー装置そうち発明はつめいしたのはウィラード・ボイルである。

構造こうぞう[編集へんしゅう]

レーザー装置そうちレーザー媒体ばいたい励起れいき装置そうちひかり共振きょうしんからる。ルビーレーザーの場合ばあい、レーザー媒質ばいしつには合成ごうせいルビー、すなわちアルミナ骨格こっかく (Al2O3) の Al 原子げんしのうち0.01~0.5%程度ていど発光はっこう原子げんしであるクロム置換ちかんされたものをもちいる。まずポンピングようランプ光源こうげんフラッシュランプ)によりレーザー媒質ばいしつ励起れいき反転はんてん分布ぶんぷこさせる。つぎ誘導ゆうどう放出ほうしゅつにより放出ほうしゅつされたこうひかり共振きょうしんにより増幅ぞうふくされ、ある一定いってい以上いじょうのエネルギーになるとレーザービームとして出力しゅつりょくされる。

原理げんり[編集へんしゅう]

ルビーレーザーは3つのエネルギーじゅんもちいて反転はんてん分布ぶんぷ形成けいせいする3じゅんレーザーである。基底きてい状態じょうたいにあるクロム原子げんし励起れいき装置そうちにより励起れいき状態じょうたいにする。励起れいき状態じょうたいのクロム原子げんし緩和かんわ時間じかんやく 100 nsじゅん安定あんてい状態じょうたいく。この緩和かんわ時間じかんから基底きてい状態じょうたいへの緩和かんわ時間じかんやくms状態じょうたいよりながいために反転はんてん分布ぶんぷこる。このあいだ誘導ゆうどう放出ほうしゅつこさせると 694.3 nmひかり放出ほうしゅつされる。しかし3じゅんレーザーの場合ばあいしもじゅん基底きてい状態じょうたいであるために占有せんゆうりつきわめてたかく、かなり強力きょうりょく励起れいきおこなわないとじゅん安定あんてい状態じょうたい基底きてい状態じょうたいとのあいだ反転はんてん分布ぶんぷ形成けいせいできないので、より効率こうりつよく反転はんてん分布ぶんぷ形成けいせいできる4じゅんレーザーほう固体こたいレーザーとしては主流しゅりゅうである。

用途ようと[編集へんしゅう]

4じゅんレーザーと比較ひかくして効率こうりつわるいために、研究けんきゅう産業さんぎょうにはほとんどもちいられていない。医療いりょう用途ようととく美容びよう)ではメラニン色素しきそ赤色あかいろ波長はちょうひかり吸収きゅうしゅうしやすいことを利用りようし、シミ・ホクロしに利用りようされている。また、赤色あかいろひかりすとして有用ゆうようであり、ホログラフィーなどに使つかわれている。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]