主しゅ馬うま寮りょう

主しゅ馬うま寮りょう（しゅめりょう）は律令制りつりょうせいにおいて宮みや内省ないせいに属ぞくした機関きかん。令れい外そと官かんの1つ。

馬うまおよび馬車ばしゃ装具そうぐの管理かんり、馬うまの飼養しようや調しらべ習、牧場ぼくじょう、輸送ゆそうなどに関かんする事務じむを扱あつかった。天てん応おう元年がんねん5月がつ（781年ねん）ごろ設置せっち。

概要がいよう

官位かんい相当そうとうは未み詳しょうだが、頭あたまに任にんじられたものをみると、従したがえ五ご位い下か相当そうとうであったと推定すいていされる。

主しゅ馬うま寮りょう官かん人じんの任命にんめいの初はつ見みは、

従したがえ四よん位い上じょう伊勢いせ（いせ）朝臣あそん老人ろうじん（おきな）を主おも馬頭めず（しゅめのかみ）

という記述きじゅつである^[1]。この時点じてんでの内うち厩うまや頭あたまである道みち嶋しま嶋しま足あしは正せい四よん位い上じょう、内うち厩うまや助すけの紀きの船守ふなもりが従したがえ四よん位い上じょうとあり、これらと釣つり合あいを取とろうとした形跡けいせきが見受みうけられる。

その後ご、『日本にっぽん後ご紀き』には延のべ暦れき25年ねん4月がつの藤原ふじわら山人さんじんが主しゅ馬うま権助ごんすけに任命にんめいされた^[2]のが最後さいごである。大同だいどう3年ねん6月がつ（808年ねん）には左右さゆう馬頭めずが再度さいど任命にんめいされ^[3]、この時ときに内うち厩うまや寮りょうとともに再編さいへんされ、新あらたに左右さゆう馬うま寮りょうが発足ほっそくしたものと推定すいていされる。

1886年ねん（明治めいじ10年ねん）以降いこうは、宮みや内省ないせいの一部いちぶ局きょくとして整備せいび。馬うま並ならびに馬車ばしゃ装具そうぐの管理かんり、馬うまの飼養しよう調ちょう習、牧場ぼくじょうなどに関かんする事務じむを扱あつかった^[4]。 1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）の大正天皇たいしょうてんのうの大喪たいそうの礼れいでは、皇居こうきょから新宿しんじゅく御苑ぎょえんまで棺かんを運はこぶ牛車うしぐるま（轜車）に係かかわる作業さぎょうを担当たんとう。轜車の製作せいさくから轜車を牽引けんいんするウシの調達ちょうたつなどの作業さぎょうを担になった^[5]。

^ 『続ぞく日本にっぽん紀き』巻まき第だい三さん十じゅう六ろく　光ひかり仁じん天皇てんのう　天てん応おう元年がんねん5月がつ7日にち条じょう
^ 『日本にっぽん後ご紀き』巻まき第だい十じゅう三さん　桓武かんむ天皇てんのう　延のべ暦れき25年ねん4月がつ28日にち条じょう
^ 『日本にっぽん後ご紀き』巻まき第だい十じゅう七なな　平城ひらじろ天皇てんのう　大同だいどう3年ねん6月がつ9日にち条じょう
^ “主しゅ馬うま寮りょう”. 精選せいせん版ばん日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん. 2023年ねん6月がつ28日にち閲覧えつらん。
^ 轜車を引ひく牛うし四よん頭とうを買かい上あげ『大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん』昭和しょうわ2年ねん1月がつ5日にち（『昭和しょうわニュース事典じてん第だい1巻かん昭和しょうわ元年がんねん-昭和しょうわ3年ねん』本編ほんぺんp365 昭和しょうわニュース事典じてん編纂へんさん委員いいん会かい毎日まいにちコミュニケーションズ刊かん 1994年ねん）