仙台せんだい師し管かん

仙台せんだい師し管かん（せんだいしかん）は、東北とうほく地方ちほう南部なんぶ（時期じきにより新潟にいがた県けんも含ふくむ）に設もうけられた大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんの管区かんくで、師し管かんの一ひとつである。時期じきを離はなして二に度ど設もうけられており、一いち度どめは1873年ねんから1885年ねんの第だい4師し管かんの別称べっしょう、二に度目どめは第だい2師し管かんを継承けいしょうして1940年ねんから1945年ねんに置おかれたものである。本ほん項目こうもくでは二に度目どめのほうを解説かいせつする。1873年ねん設置せっちの仙台せんだい師し管かんについては、「第だい4師し管かん#東北とうほく地方ちほう南部なんぶ (1873 - 1885)、歩兵ほへい第だい4連隊れんたい」を参照さんしょうされたい。

1940年ねん設置せっちの仙台せんだい師し管かんは宮城みやぎ・福島ふくしま・新潟にいがたの3県けんを範囲はんいとし、1945年ねん2月がつまで東部とうぶ軍ぐん管区かんく、以後いごは東北とうほく軍ぐん管区かんくに属ぞくした。防衛ぼうえい・動員どういんなどの管区かんく業務ぎょうむを担当たんとうする部隊ぶたいは、はじめ第だい2師団しだん、続つづいて留守るす第だい2師団しだん、第だい42師団しだん、留守るす第だい2師団しだん、第だい72師団しだん、留守るす第だい2師団しだんと変遷へんせんした。1945年ねん4月がつに仙台せんだい師し管区かんくに改称かいしょうしてなくなった。

番号ばんごうの師し管かんから地名ちめいの師し管かんへ

師団しだん制せいを採用さいようしてから、師団しだんと師し管かんは同おなじ番号ばんごうで対応たいおうするのが原則げんそくで、東北とうほく地方ちほう南部なんぶでは第だい2師団しだんが第だい2師し管かんを管轄かんかつしていた。ただ、1940年ねん初はじめに第だい2師団しだんは満州まんしゅうに派遣はけんされており、師し管かんの管轄かんかつのためには留守るす第だい2師団しだんが置おかれていた。

1940年ねん7月がつに師し管かんに番号ばんごうを付つけることをやめ、管轄かんかつ師団しだんの所在地しょざいちをとって名付なづけることになり、1940年ねん7月がつ24日にち制定せいてい（26日にち公布こうふ、8月がつ1日にち施行しこう）の昭和しょうわ15年ねん軍令ぐんれい陸りく第だい20号ごうで陸軍りくぐん管区かんく表ひょうが改定かいていされ、仙台せんだい師し管かんが置おかれることになった。ほぼ同時どうじの7月がつ27日にちに、第だい2師団しだんは帰還きかんを命めいじられた。これにともなって留守るす第だい2師団しだんも復帰ふっき（解散かいさん）したが、師し管かん発足ほっそくの8月がつ1日にち時点じてんでの交代こうたい状じょう況きょうは不明ふめいである。

範囲はんいは宮城みやぎ県けん・福島ふくしま県けん・新潟にいがた県けんである。東京とうきょうに司令しれい部ぶを置おく東部とうぶ軍ぐん管区かんくに属ぞくし、師し管かんを4つの連隊れんたい区くに分わけた。宮城みやぎ県けんは仙台せんだい連隊れんたい区く、福島ふくしま県けんは福島ふくしま連隊れんたい区くで、新潟にいがた県けんは新発田しばた連隊れんたい区くと高田たかだ連隊れんたい区くという2つの連隊れんたい区くに分わけた。

一いち県けん一いち連隊れんたい区く制せい

1941年ねん8月がつ5日にち制定せいてい（7日にち公布こうふ・11月1日にち施行しこう）の昭和しょうわ16年ねん軍令ぐんれい陸りく第だい20号ごうの陸軍りくぐん管区かんく表ひょう改定かいていで、本州ほんしゅう・四国しこく・九州きゅうしゅうの連隊れんたい区くの境界きょうかいを府県ふけんと一致いっちさせた。仙台せんだい師し管かんでは、新潟にいがた県けんが新潟にいがた連隊れんたい区くに一本いっぽん化かした

留守るす師団しだんと新しん師団しだん

1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）10月がつ8日にち、対たいアメリカ・イギリス開戦かいせんを前まえに、南方なんぽうへの進攻しんこう部隊ぶたいに予定よていされた第だい2師団しだんの動員どういんと、留守るす第だい2師団しだんの臨時りんじ編成へんせいが命めいじられた。これにともない、留守るす第だい2師団しだんが仙台せんだい師し管かんを管轄かんかつするようになった。

1943年ねん5月がつ14日にちの昭和しょうわ18年ねん軍令ぐんれい甲かぶと第だい45号ごうによって、留守るす第だい2師団しだんを復帰ふっき（解散かいさん）し、新あらたに第だい42師団しだんを置おいた。留守るす師団しだんに替かえて本土ほんどの防衛ぼうえいを強化きょうかするためで、仙台せんだい師し管かんはこの第だい42師団しだんが管轄かんかつすることになった。

1944年ねん（昭和しょうわ14年ねん）2月がつ1日にちに、第だい42師団しだんは千島ちしま方面ほうめんに転てんじた。留守るす第だい2師団しだんがまた臨時りんじ動員どういんされ、師し管かんを管轄かんかつした。

さらにこの留守るす師団しだんをもとにして、4月がつ4日にちに第だい72師団しだんを編成へんせいした。仙台せんだい師し管かんはこの師団しだんの管轄かんかつ下かになった。

7月がつ6日にちには第だい72師団しだんも動員どういんされ、また留守るす第だい2師団しだんが臨時りんじ動員どういんされて師し管かんを管轄かんかつした。

師し管区かんくへの改称かいしょう

1945年ねん1月がつ22日にち制定せいてい（24日にち公布こうふ）の昭和しょうわ20年ねん軍令ぐんれい陸りく第だい1号ごうによる陸軍りくぐん管区かんく表ひょう改定かいていで、2月がつ11日にちに東北とうほく地方ちほうに東北とうほく軍ぐん管区かんくが設もうけられ、仙台せんだい師し管かんと弘前ひろさき師し管かんがこれに属ぞくした。このとき、新潟にいがた県けんを新設しんせつの長野ながの師し管かんに譲ゆずり、山形やまがた県けんを弘前ひろさき師し管かんから併あわせ、宮城みやぎ・山形やまがた・福島ふくしまの3県けんになった。

続つづいて2月がつ9日にち制定せいてい（10日とおか公布こうふ、2月がつ11日にち施行しこう）の昭和しょうわ20年ねん軍令ぐんれい陸りく第だい2号ごうで、留守るす師団しだんに管区かんく防衛ぼうえい・動員どういんを委ゆだねる方式ほうしきを廃止はいしし、師し管区かんくを常設じょうせつの師し管区かんく部隊ぶたいに任まかせる制度せいどが導入どうにゅうされることになった。4月1日にちに、仙台せんだい師し管かんは仙台せんだい師し管区かんくとなり、留守るす第だい2師団しだんが仙台せんだい師し管区かんく部隊ぶたいに転換てんかんした。

管区かんく構造こうぞうの変遷へんせん

軍ぐん管区かんく

• 東部とうぶ軍ぐん管区かんく - 1940年ねん8月がつ1日にちから1945年ねん2月がつ10日とおかまで
• 東北とうほく軍ぐん管区かんく - 1945年ねん2月がつ11日にちから1945年ねん3月がつ31日にちまで

連隊れんたい区く

1940年ねん8月がつ1日にちから1941年ねん10月がつ31日にちまで

• 仙台せんだい連隊れんたい区く - 宮城みやぎ県けん
• 福島ふくしま連隊れんたい区く - 福島ふくしま県けん
• 新発田しばた連隊れんたい区く - 新潟にいがた県けん北東ほくとう部ぶ。新潟にいがた市し、長岡ながおか市し、三条さんじょう市し、岩船いわふね郡ぐん、北蒲原きたかんばら郡ぐん、東蒲原ひがしかんばら郡ぐん、中蒲原なかかんばら郡ぐん、西蒲原にしかんばら郡ぐん、南蒲原みなみかんばら郡ぐん、古志こし郡ぐん、佐渡さど郡ぐん。
• 高田たかだ連隊れんたい区く - 新潟にいがた県けん南西なんせい部ぶ。高田たかだ市し、柏崎かしわざき市し、三島みしま郡ぐん、刈羽かりわ郡ぐん、北魚沼きたうおぬま郡ぐん、南魚沼みなみうおぬま郡ぐん、中魚沼なかうおぬま郡ぐん、中ちゅう頸城郡ぐん、東ひがし頸城郡ぐん、西にし頸城郡ぐん。

1941年ねん11月1日にちから1945年ねん3月がつ31日にちまで

• 仙台せんだい連隊れんたい区く - 宮城みやぎ県けん
• 福島ふくしま連隊れんたい区く - 福島ふくしま県けん
• 新潟にいがた連隊れんたい区く - 新潟にいがた県けん

参考さんこう文献ぶんけん

• 内閣ないかく印刷いんさつ局きょく『官報かんぽう』。
• 防衛庁ぼうえいちょう防衛ぼうえい研修けんしゅう所しょ戦史せんし室しつ『本土ほんど決戦けっせん準備じゅんび』<1>（戦史せんし叢書そうしょ）、朝あさ雲くも新聞しんぶん社しゃ、1971年ねん。
• 防衛庁ぼうえいちょう防衛ぼうえい研修けんしゅう所しょ戦史せんし部ぶ『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』（戦史せんし叢書そうしょ）、朝あさ雲くも新聞しんぶん社しゃ、1979年ねん。