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あに

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

あに(えうかし)とは、記紀ききひとしつたわる古代こだい日本にっぽん人物じんぶつ。『古事記こじき』ではあに宇迦斯表記ひょうきされている。おとうと(おとうかし)のあに

経歴けいれき

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古事記こじきなかまき・『日本書紀にほんしょきまきだいさんともに、以下いかのような物語ものがたりつたえている。

かみ日本にっぽんいわあまり天皇てんのう(かむやまといわれひこ の すめらみこと)ははち咫烏(やた の からす)のみちびきとみちしんいのち(みちのおみ の みこと)のはたらきでからくも大和やまとうさぎ穿ほじ(うだ の うがち の むら)に辿たどいた。

しょ』のこよみによると、いわあまり彦はつちのえうまねん紀元前きげんぜん663ねん)8がつ2にちに、うさぎけん(うだのあがた)のさきがけそち(ひとごのかみ=首長しゅちょう)であるあに猾、おとうと兄弟きょうだいした。しかしあに猾はやってなかった。

それどころか、『古事記こじき』によると、つかいにしたはち咫烏が

こんてんかみ御子みこ(みこ)さいわいこう(い)でましつ。なんじ(なれ)つかまつたてまつらむや」 (いまてんかみ御子みこがおいでになった。おまえたちは御子みこにおつかえするのかどうか)やく荻原おぎわらあさおとこ[1]

びかけてたのにたいし、鳴鏑なりかぶら(なりかぶら)をがえして、かえした。

そして

  • 古事記こじき』 - 軍勢ぐんぜいあつめようとしたがあつめることができなかった
  • 日本書紀にほんしょき』 - 「すめらぎ(みいくさ)の(いきおい)」[2]をながめて、とてもてきしがたいとおそれた

という理由りゆうで、正面しょうめんきってたたかうことをあきらめ、かわりに押機(むとはさまれて圧死あっしする仕掛しかけ)のある新宮しんぐう大殿おおいどの)をつくり、もてなしをするかにせかけていわあまり彦をころそうとたくらんだ。

しかし、この奸計かんけいいわあまり彦のしにおうじたおとうと猾によって報告ほうこくされた。結果けっかみちしんいのち(と大久おおひさべいいのち)に「自分じぶんさきはいってみろ」とけんゆんで(『古事記こじき』では大刀たちのつかをにぎったままで、ほことで)おどされ、敢えなく自身じしんつくったわなにかかり、圧死あっししてしまった(『古事記こじき』では、たれてんでしまった)。

あに猾がんだことにより、そのうさぎでん宇陀うだ)のばらばれるようになった(『古事記こじき』ではわなんだあに宇迦斯の死体したいをただちに解体かいたいしたから、『しょ』はあに猾の死体したいきずりしてったら、くるぶし(つぶなぎ=くるぶし)をめるほどだったから、だという)。

おとうと猾は、戦勝せんしょういわって、さけ牛肉ぎゅうにく用意よういして、もてなしをした。いわあまり彦は『古事記こじき』によると、以下いかのようなうたうたった(( )ないは『しょ』の表記ひょうき)。

宇陀うだうさぎ)の 高城たかぎ(たかき)に しぎ羂(しぎわな)る われ)がつや しぎさわ(さや)らず いすくはし くじら(くぢら)さわる(たかとうざわり) 前妻ぜんさい(こなみ)が さかな(な)乞はさば たて柧棱(たて蕎麦そば)の けくを こ(=扱)きしひゑね(幾多いくた(こきし)聶ゑね) 後妻ごさい(うはなり)が さかな(な)乞はさば 柃(ときけん、いちさかき) おおけくを こきだひゑね(幾多いくた聶ゑね) 

以下いかは『古事記こじき』のみ) ええ しやこしや 此(こ)はいのごふそ ああ しやこしや 此はあざけさき(あざわら)ふぞ」[1]

わけ宇陀うだ高城たかぎしぎをとるわなをはって わたしっていると しぎがかからないで (いすくはしの)くじら(『しょ』では「たか」)がかかってしまった 女房にょうぼうがほしがったら (たて蕎麦そばのような) すくないところを けずりとってやれ わか女房にょうぼうがほしがったら (ひさかきのような) おおいところをいっぱいけずってやれ

ええ、しやこしや これはにくねたもうとするこえ

あー、しやこしや これはあざわらこえで)

しょ』はこれを「らい」とし、「らく(おおうたどころ=雅楽ががくりょう」でこのうた演奏えんそうするときには「りょう(たばかり=のひろげかた)のおおきさちいささ、音声おんせい(うたごゑ)のきょ(ふと)さほそり」[2]注釈ちゅうしゃくをつけている。

しょ』ではこのあと、吉野よしの国津くにつしん井光いかりごおり鹿しか)、いわはいべついし押分おしわけ之子ゆきこ)、つと苴担がにえもち之子ゆきこ)にむかえられることになる(『古事記こじき』ではあに宇迦斯事件じけんまえ出会であっている)。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 古事記こじきちゅうまき神武じんむ天皇てんのうじょう
  2. ^ a b 日本書紀にほんしょき神武じんむ天皇てんのう即位そくいぜんつちのえうまねん8がつ2にちじょう

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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