入之波しおのは温泉おんせん

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入之波しおのは温泉おんせん
大迫おおさこダムみずうみめんした入之波しおのは温泉おんせん湯元ゆもと 山鳩やまばと
温泉おんせん情報じょうほう
所在地しょざいち 奈良ならけん吉野よしのぐん川上かわかみむら
交通こうつう 公共こうきょう交通こうつう機関きかん近鉄きんてつ大和やまと上市うわいちえきから奈良交通ならこうつうバスもり温泉おんせんすぎ終点しゅうてん下車げしゃ、タクシーで15ふん
くるま西名阪自動車道にしめいはんじどうしゃどう郡山こおりやまICよりやく1あいだ50ふんみなみ阪奈はんな道路どうろ葛城かつらぎICよりやく1あいだ40ふん[1]
いずみただし炭酸たんさん重曹じゅうそういずみ単純たんじゅん温泉おんせん
いずみあつし摂氏せっし 39 °C
湧出ゆうしゅつりょう まいぶん500 [1]
pH 6.6
えきせい分類ぶんるい ナトリウム炭酸たんさん水素すいそしお塩化えんかぶついずみ[1]
宿泊しゅくはく施設しせつすう 1
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入之波しおのは温泉おんせん(しおのはおんせん[1][2])は、奈良ならけん吉野よしのぐん川上かわかみむらにある温泉おんせん

いずみただし[編集へんしゅう]

ナトリウム炭酸たんさん水素すいそしお塩化えんかぶついずみ山鳩やまばと[1][3]源泉げんせん温度おんどは39.0[1][3]あつしながまいぶん500Lの湧出ゆうしゅつりょうがある[1][3]しょく時間じかんつにつれて無色むしょく透明とうめいから黄金おうごんしょく変化へんかする[3]いんいずみ

なお、日本にっぽん有数ゆうすうトラバーチン石灰せっかいはな)の発達はったつした温泉おんせんとしてもられる[2]

温泉おんせんがい[編集へんしゅう]

2009ねん5がつ閉館へいかんとなった五色ごしき単純たんじゅんいずみであり、近代きんだいてき建物たてものであった。

吉野川よしのがわ源流げんりゅうちか山奥やまおく大迫おおさこダムみずうみのほとりに1けん旅館りょかん山鳩やまばと」および民宿みんしゅく2けんがある。

山鳩やまばとは、成分せいぶんおおにご有名ゆうめい。かつての源泉げんせんがダムみずうみみずうみしずんだのち中村なかむら家業かぎょうとしていた林業りんぎょう先行さきゆきをあやぶんで地下ちか150メートルから源泉げんせんて、1977ねん旅館りょかん開業かいぎょうした[1]湯船ゆぶねは、まるで陶器とうきえるほど、褐色かっしょく石灰せっかいしつ析出せきしゅつぶつ付着ふちゃくしている[3]露天風呂ろてんぶろは、だい女将おかみ発案はつあんケヤキざいすうほんわせてつくった[1]当初とうしょれていたが、温泉おんせんゆえに年間ねんかん1~2センチメートルそだ石灰せっかいはななどの温泉おんせん析出せきしゅつぶつ隙間すきまふさぎ、木製もくせいとは一見いっけんわからないほどになっている[1]泉源せんげんのうち山鳩やまばと源泉げんせんからは温泉おんせんすいやく半分はんぶん利用りようされ、のこりの半分はんぶんはそのままたにながれて大迫おおさこダム貯水池ちょすいち合流ごうりゅうしているが、その途中とちゅう温泉おんせん析出せきしゅつぶつのトラバーチンの堆積たいせきがみられる[2]

山鳩やまばと源泉げんせんとはべつ五色ごしき源泉げんせんがあるが性質せいしつ炭素たんそ安定あんてい同位どういからだ酸素さんそ安定あんてい同位どういからだなど)が多少たしょうことなる[2]大台おおだいはらかう登山とざんどう途中とちゅうに、江戸えど時代じだい湯治とうじじょうであった五色ごしきあとがある。ただし、ここで湧出ゆうしゅつしているおしょく旅館りょかん使つかわれていない。

歴史れきし[編集へんしゅう]

やく小角おがくによるというひらき伝説でんせつがある[1]

山鳩やまばとについては江戸えど時代じだいには地表ちひょうからていたという記録きろくのこるが、温泉おんせんすいとして使用しようされている源泉げんせんふかやく150mのボーリングあなからのである[2]昭和しょうわ48ねん大迫おおさこダムが完成かんせいしたさい温泉おんせんはダムみずうみしずんだが、そのボーリングによって源泉げんせんて、山鳩やまばと旅館りょかん営業えいぎょうはじめて温泉おんせん復活ふっかつした[4]

アクセス[編集へんしゅう]

公共こうきょう交通こうつう機関きかん

  • 大和やまと上市うわいちえきから川上かわかみ村営そんえいやまぶきバス入之波しおのは終点しゅうてん下車げしゃひがしへ400m。所要しょよう70ふん平日へいじつ3往復おうふく土曜どよう2往復おうふくのみの運行うんこう
  • 近鉄きんてつ大和やまと上市うわいちえきから奈良交通ならこうつうバスもり温泉おんせんすぎ終点しゅうてん下車げしゃ池原いけはら経由けいゆ下桑原しもくわはらきに大迫おおさこダム下車げしゃひがしへ4km。1にち1往復おうふくのみ。もり温泉おんせんすぎからタクシー利用りよう場合ばあい所要しょよう15ふん

くるま

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l しんたび入之波しおのは温泉おんせん奈良ならけん黄金おうごんしょく物語ものがた成分せいぶんさ『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん朝刊ちょうかん2022ねん5がつ21にち別刷べつづりNIKKEIプラス1(13めん
  2. ^ a b c d e 高島たかしま千鶴ちづる, 狩野かの彰宏あきひろ奈良ならけん入之波しおのは温泉おんせん発達はったつするトラバーチンの堆積たいせき過程かてい」『地質ちしつがく雑誌ざっしだい111かんだい12ごう日本にっぽん地質ちしつ学会がっかい、2005ねん、751-764ぺーじdoi:10.5575/geosoc.111.751ISSN 00167630CRID 1390001206238500992 
  3. ^ a b c d e 入之波しおのは温泉おんせん 山鳩やまばと奈良ならけん観光かんこう[公式こうしきサイト あをによし ならたびネット|川上かわかみむら吉野よしのエリア|温泉おんせん温泉おんせん宿泊しゅくはく]”. 奈良ならけん観光かんこう[公式こうしきサイト] あをによし ならたびネット. 2022ねん3がつ5にち閲覧えつらん
  4. ^ ダムの建設けんせつによりもと温泉おんせんがダムみずうみしずんだ温泉おんせんには、にちちゅう温泉おんせんづる温泉おんせん大牧おおまき温泉おんせんさるきょう温泉おんせん大塩おおしお温泉おんせんなどがある。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • 茂野しげのひろし「「奈良ならけん入之波しおのは温泉おんせん発達はったつするトラバーチンの堆積たいせき過程かてい」へのコメント(様々さまざま観点かんてんから)」『地質ちしつがく雑誌ざっしだい112かんだい7ごう日本にっぽん地質ちしつ学会がっかい、2006ねん、482-485ぺーじdoi:10.5575/geosoc.112.482ISSN 00167630CRID 1390001206238907776 
  • 高島たかしま千鶴ちづる, 狩野かの彰宏あきひろ入之波しおのは温泉おんせんトラバーチンの堆積たいせき速度そくど日輪にちりん組織そしき-「奈良ならけん入之波しおのは温泉おんせん発達はったつするトラバーチンの堆積たいせき過程かてい」へのコメントにたいする回答かいとう」『地質ちしつがく雑誌ざっしだい112かんだい7ごう日本にっぽん地質ちしつ学会がっかい、2006ねん、486-489ぺーじdoi:10.5575/geosoc.112.486ISSN 00167630CRID 1390282681215618432 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]