副業ふくぎょう

副業ふくぎょう（ふくぎょう、英えい: side business）とは、収入しゅうにゅうを得えるために携たずさわる本業ほんぎょう以外いがいの仕事しごとを指さす。兼業けんぎょう、サイドビジネス、ダブルワーク（Double work）ともよばれる。副業ふくぎょうは就労しゅうろう形態けいたいによって、アルバイト（常用じょうよう）、日雇ひやとい派遣はけん、個人こじん事業じぎょう主ぬし、在宅ざいたくビジネス、内職ないしょくなどに分類ぶんるいされる。所得しょとくは給与きゅうよ所得しょとくや雑ざつ所得しょとくなどに分類ぶんるいされる。

副業ふくぎょう禁止きんしの可否かひ

日本にっぽんでは労働ろうどう者しゃが勤務きんむ時間じかん外がいに行おこなう副業ふくぎょうは禁きんじられていない。

従来じゅうらいから日本にっぽんの民間みんかん企業きぎょうでは就業しゅうぎょう規則きそくで従業じゅうぎょう員いんの副業ふくぎょうについて規定きていしており、自由じゆうにしている事例じれいや、許可きょか制せいや届出とどけで制せいにしている事例じれいもあるが、厳禁げんきんにしている事例じれいも多おおい副業ふくぎょうに厳きびしい姿勢しせいを見みせている会社かいしゃでも、経営けいえい状態じょうたいが悪化あっかして賃金ちんぎんを引ひき下さげざるをえないような時ときに、社員しゃいんの収入しゅうにゅう低下ていかの対応たいおう策さくとして副業ふくぎょう規制きせいが緩和かんわされることもある。

裁判所さいばんしょは1982年ねん（昭和しょうわ57年ねん）の判決はんけつで、労働ろうどう者しゃの副業ふくぎょうに関かんして「本業ほんぎょうの遂行すいこうに支障ししょうが生しょうじるような副業ふくぎょう」について会社かいしゃは制限せいげんしてよく、会社かいしゃの秩序ちつじょを侵害しんがいしたり対外たいがい的てき信用しんよう・体面たいめんを傷きずつける副業ふくぎょう事故じこにつながる副業ふくぎょうも雇用こよう主ぬしは制限せいげんしてよいとしている。

労働ろうどう法ほう学者がくしゃの大内おおうち伸哉のぶやは通常つうじょうの労働ろうどう時間じかん外がいに「自宅じたくで本ほんを執筆しっぴつする」「家業かぎょうがあって時々ときどき手伝てつだう」「実家じっかが兼業けんぎょう農家のうかで繁盛はんじょう期きには手伝てつだう」といった副業ふくぎょうは、副業ふくぎょう禁止きんしとして規制きせいされるべきものではないとしている。

副業ふくぎょうは「一ひとつの会社かいしゃでずっと働はたらいているよりも視野しやをひろげることができる」「社員しゃいんの能力のうりょく開発かいはつにつながり、会社かいしゃの利益りえきにつながる」「ある程度ていどの収入しゅうにゅうを得えることができる安定あんていした副業ふくぎょうを持もっていることは失業しつぎょうに備そなえた保険ほけんになる」というメリットもある。

従前じゅうぜん、厚生こうせい労働省ろうどうしょうが公表こうひょうしていた「モデル就業しゅうぎょう規則きそく」では副業ふくぎょう禁止きんし規定きていの定さだめをおいていたが、世論せろんの流ながれとともに政府せいふは「副業ふくぎょうを禁止きんしする必要ひつようはない」という認識にんしきを持もつようになり、2018年ねん1月がつには厚生こうせい労働省ろうどうしょうの「モデル就業しゅうぎょう規則きそく」から副業ふくぎょう禁止きんし規定きていが削除さくじょされた。

副業ふくぎょうと法ほう制度せいど

労働ろうどう時間じかん

労働ろうどう基準きじゅん法ほう第だい38条じょう（時間じかん計算けいさん）
労働ろうどう時間じかんは、事業じぎょう場じょうを異ことにする場合ばあいにおいても、労働ろうどう時間じかんに関かんする規定きていの適用てきようについては通算つうさんする。

労働ろうどう基準きじゅん法ほうでは時間じかん外がい労働ろうどう（残業ざんぎょう）における割増わりまし賃金ちんぎん（通常つうじょうの賃金ちんぎんの25％増まし）を支払しはらうにあたって、原則げんそくとして時間じかん的てきに後うしろで労働ろうどう者しゃを雇やとった会社かいしゃが割増わりまし賃金ちんぎんの支払しはらい義務ぎむがあるとされている。一方いっぽうで健康けんこう保険ほけんや被用者ひようしゃ年金ねんきんなどでは、労働ろうどう時間じかんを通算つうさんする規定きていはない。

労働ろうどう保険ほけん

保険ほけん料りょうの計算けいさんに用もちいる標準ひょうじゅん報酬ほうしゅうは、複数ふくすうの事業じぎょう所しょにおいて合算がっさんして計算けいさんされる。

健康けんこう保険ほけん法ほう第だい3条じょう 6. この法律ほうりつにおいて「報酬ほうしゅう」とは、賃金ちんぎん、給料きゅうりょう、俸給ほうきゅう、手当てあて、賞与しょうよその他たいかなる名称めいしょうであるかを問とわず、労働ろうどう者しゃが、労働ろうどうの対たい償つぐなえとして受うけるすべてのものをいう。ただし、臨時りんじに受うけるもの及および三さん月がつを超こえる期間きかんごとに受うけるものは、この限かぎりでない。

第だい44条じょう 3. 同時どうじに二に以上いじょうの事業じぎょう所しょで報酬ほうしゅうを受うける被ひ保険ほけん者しゃについて報酬ほうしゅう月額げつがくを算定さんていする場合ばあいにおいては、各かく事業じぎょう所しょについて、第だい四よん十じゅう一いち条じょう第だい一いち項こう、第だい四よん十じゅう二に条じょう第だい一いち項こう、第だい四よん十じゅう三さん条じょう第だい一いち項こう若もしくは前条ぜんじょう第だい一いち項こう又または第だい一いち項こうの規定きていによって算定さんていした額がくの合算がっさん額がくをその者ものの報酬ほうしゅう月額げつがくとする。

複数ふくすうの社会しゃかい保険ほけん適用てきよう事業じぎょう所しょに雇用こようされるようになった場合ばあいは、被ひ保険ほけん者しゃが「健康けんこう保険ほけん・厚生こうせい年金ねんきん保険ほけん　所属しょぞく選択せんたく・二に以上いじょう事業じぎょう所しょ勤務きんむ届とどけ」を提出ていしゅつする必要ひつようがある（健康けんこう保険ほけん法ほう施行しこう規則きそく第だい1条じょう）。

会社かいしゃから副業ふくぎょう先さきに向むかう途中とちゅうで事故じこに遭あった場合ばあいの通勤つうきん災害さいがいとして労災ろうさい保険ほけんの適用てきようについて、2006年ねん3月がつ以前いぜんは「自宅じたくと会社かいしゃの往復おうふくにはあたらない」と扱あつかわれて適用てきようされなかったが、2006年ねん4月がつ以降いこうは「就業しゅうぎょうの場所ばしょから他たの就業しゅうぎょうの場所ばしょへの移動いどう」も「通勤つうきん」に含ふくまれるとして適用てきようされるようになった。

公務員こうむいん等とうにおける副業ふくぎょう禁止きんし規定きてい

公務員こうむいん

公務員こうむいんについては原則げんそくとして副業ふくぎょうが禁止きんしされている。

• 国家こっか公務員こうむいん一般いっぱん職しょく（国家こっか公務員こうむいん法ほう第だい103条じょう）
• 地方ちほう公務員こうむいん一般いっぱん職しょく（地方ちほう公務員こうむいん法ほう第だい38条じょう）

また以下いかの特別とくべつ職しょく公務員こうむいんについても原則げんそくとして副業ふくぎょうが禁止きんしされている。

• 自衛隊じえいたい員いん（自衛隊じえいたい法ほう第だい62条じょう）
• 防衛ぼうえい省しょう職員しょくいん（防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう第だい39条じょう）
• 外務がいむ職員しょくいん（外務がいむ公務員こうむいん法ほう第だい3条じょう）
• 国会こっかい職員しょくいん（国会こっかい職員しょくいん法ほう第だい21条じょう）
• 裁判所さいばんしょ職員しょくいん（裁判所さいばんしょ職員しょくいん臨時りんじ措置そち法ほう）
• 特定とくてい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん役員やくいん（独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん通則つうそく法ほう第だい54条じょう）
• 特定とくてい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいん（独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん通則つうそく法ほう第だい59条じょう）
• 特定とくてい地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん役員やくいん（地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん法ほう第だい50条じょう）
• 特定とくてい地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいん（地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん法ほう第だい53条じょう）
• 裁判官さいばんかん（裁判所さいばんしょ法ほう第だい52条じょう）
• 内閣ないかく危機きき管理かんり監かん・内閣ないかく官房かんぼう副ふく長官ちょうかん補ほ・内閣ないかく広報こうほう官かん・内閣ないかく情報じょうほう官かん（内閣ないかく法ほう第だい15条じょう～第だい18条じょう）
• 内閣ないかく総理そうり大臣だいじん補佐ほさ官かん（内閣ないかく法ほう第だい19条じょう）
• 大臣だいじん補佐ほさ官かん（内閣ないかく府ふ設置せっち法ほう第だい14条じょうの2）
• 防衛ぼうえい大臣だいじん政策せいさく参与さんよ（防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう第だい7条じょう）
• 国会こっかい議員ぎいん公設こうせつ秘書ひしょ（国会こっかい議員ぎいんの秘書ひしょの給与きゅうよ等とうに関かんする法律ほうりつ第だい21条じょうの2）
• 人事じんじ官かん（国家こっか公務員こうむいん法ほう第だい6条じょう・第だい103条じょう）
• 人事じんじ委員いいん会かい委員いいん・公平こうへい委員いいん会かい委員いいん（地方ちほう公務員こうむいん法ほう第だい9条じょうの2・第だい38条じょう）
• 公正こうせい取引とりひき委員いいん会かい委員いいん長ちょう・公正こうせい取引とりひき委員いいん会かい委員いいん（私的してき独占どくせんの禁止きんし及および公正こうせい取引とりひきの確保かくほに関かんする法律ほうりつ第だい37条じょう）
• 証券しょうけん取引とりひき等とう監視かんし委員いいん会かい委員いいん長ちょう・証券しょうけん取引とりひき等とう監視かんし委員いいん会かい委員いいん（金融きんゆう庁ちょう設置せっち法ほう第だい16条じょう）
• 中央ちゅうおう労働ろうどう委員いいん会かい公益こうえき委員いいん（労働ろうどう組合くみあい法ほう第だい19条じょうの6）
• 社会しゃかい保険ほけん審査しんさ会かい委員いいん長ちょう・社会しゃかい保険ほけん審査しんさ会かい委員いいん（社会しゃかい保険ほけん審査しんさ官かん及および社会しゃかい保険ほけん審査しんさ会かい法ほう第だい29条じょう）
• 中央ちゅうおう更生こうせい保護ほご審査しんさ会かい委員いいん長ちょう・中央ちゅうおう更生こうせい保護ほご審査しんさ会かい委員いいん（更生こうせい保護ほご法ほう第だい8条じょう）
• 労働ろうどう保険ほけん審査しんさ会かい委員いいん（労働ろうどう保険ほけん審査しんさ官かん及および労働ろうどう保険ほけん審査しんさ会かい法ほう第だい35条じょう）
• 原子力げんしりょく委員いいん会かい委員いいん長ちょう・原子力げんしりょく委員いいん会かい委員いいん（原子力げんしりょく委員いいん会かい設置せっち法ほう第だい11条じょう）
• 原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かい委員いいん長ちょう・原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かい委員いいん（原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かい設置せっち法ほう第だい11条じょう）
• 地方ちほう財政ざいせい審議しんぎ会かい委員いいん（総務そうむ省しょう設置せっち法ほう第だい15条じょう）
• 土地とち鑑定かんてい委員いいん会かい委員いいん（地価ちか公示こうじ法ほう第だい18条じょう）
• 公害こうがい等とう調整ちょうせい委員いいん会かい委員いいん長ちょう・公害こうがい等とう調整ちょうせい委員いいん会かい委員いいん（公害こうがい等とう調整ちょうせい委員いいん会かい設置せっち法ほう第だい11条じょう）
• 公害こうがい健康けんこう被害ひがい補償ほしょう不服ふふく審査しんさ会かい委員いいん（公害こうがい健康けんこう被害ひがいの補償ほしょう等とうに関かんする法律ほうりつ第だい123条じょう）
• 食品しょくひん安全あんぜん委員いいん会かい委員いいん（食品しょくひん安全あんぜん基本きほん法ほう第だい32条じょう）
• 運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かい委員いいん長ちょう・運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かい委員いいん（運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かい設置せっち法ほう第だい12条じょう）
• 運輸うんゆ審議しんぎ会かい委員いいん（国土こくど交通省こうつうしょう設置せっち法ほう第だい21条じょう）
• 電気でんき通信つうしん紛争ふんそう処理しょり委員いいん会かい委員いいん（電気でんき通信つうしん事業じぎょう法ほう第だい150条じょう）
• 国家こっか公務員こうむいん倫理りんり審査しんさ会かい会長かいちょう・国家こっか公務員こうむいん倫理りんり審査しんさ会かい委員いいん（国家こっか公務員こうむいん倫理りんり法ほう第だい18条じょう）
• 情報じょうほう公開こうかい・個人こじん情報じょうほう保護ほご審査しんさ会かい委員いいん（情報じょうほう公開こうかい・個人こじん情報じょうほう保護ほご審査しんさ会かい設置せっち法ほう第だい4条じょう）
• 公認こうにん会計士かいけいし・監査かんさ審査しんさ会かい会長かいちょう、公認こうにん会計士かいけいし・監査かんさ審査しんさ会かい委員いいん（公認こうにん会計士かいけいし法ほう第だい37条じょうの6）
• 総合そうごう科学かがく技術ぎじゅつ会議かいぎ議員ぎいん（内閣ないかく府ふ設置せっち法ほう第だい33条じょう）

上記じょうきの公務員こうむいんは許可きょかなく営利えいりを目的もくてきとする私企業しきぎょうを営いとなんだり、その企業きぎょうで地位ちいを得えたり、あるいは報酬ほうしゅう（収入しゅうにゅう）が発生はっせいするいかなる事務じむにも従事じゅうじしてはならないと規定きていされている。許可きょかの主体しゅたいは国家こっか公務員こうむいんの場合ばあいは人事院じんじいん又または任命にんめい権けん者しゃ、地方ちほう公務員こうむいんの場合ばあいは人事じんじ委員いいん会かい又または任命にんめい権けん者しゃ、裁判官さいばんかんの場合ばあいは最高裁判所さいこうさいばんしょ、国会こっかい議員ぎいん公設こうせつ秘書ひしょの場合ばあいは国会こっかい議員ぎいんである。また、公務員こうむいんの副業ふくぎょうは、職務しょくむ遂行すいこう上じょうで得えた秘密ひみつの保持ほじ（守秘しゅひ義務ぎむ）、信用しんよう失墜しっつい行為こういの禁止きんしなどの面めんからも制限せいげんされることになる。

国会こっかい議員ぎいん、地方ちほう議員ぎいんについては、副業ふくぎょう禁止きんし規定きていはない。

検査官けんさかん、収用しゅうよう委員いいん会かい委員いいん、内閣ないかく法制ほうせい局きょく長官ちょうかん、宮内庁くないちょう長官ちょうかん、内閣ないかく総理そうり大臣だいじん秘書官ひしょかん、国務大臣こくむだいじん秘書官ひしょかん、人事院じんじいん総裁そうさい秘書官ひしょかん、会計検査院かいけいけんさいん長ちょう秘書官ひしょかん、内閣ないかく法制ほうせい局きょく長官ちょうかん秘書官ひしょかん、宮内庁くないちょう長官ちょうかん秘書官ひしょかん、侍従じじゅう長ちょう、東宮とうぐう大夫たいふ、式部しきぶ官かん長ちょう、侍従じじゅう次長じちょう、宮みや務つとむ主管しゅかん、皇室こうしつ医務いむ主管しゅかん、侍従じじゅう、女官にょかん長ちょう、女官にょかん、侍医じい長ちょう、侍医じい、東宮とうぐう侍従じじゅう長ちょう、東宮とうぐう侍従じじゅう、東宮とうぐう女官にょかん長ちょう、東宮とうぐう女官にょかん、東宮とうぐう侍医じい長ちょう、東宮とうぐう侍医じい、宮みや務つとむ官かん、侍女じじょ長ちょうについては法律ほうりつで副業ふくぎょうを直接ちょくせつ禁止きんしする規定きていはない。ただし、職務しょくむ専念せんねん義務ぎむに違反いはんする場合ばあいには免職めんしょくを含ふくめた処分しょぶんが下くだされる可能かのう性せいがある。

また、内閣ないかく総理そうり大臣だいじん、国務大臣こくむだいじん、副ふく大臣だいじん、大臣だいじん政務せいむ官かん、内閣ないかく官房かんぼう副ふく長官ちょうかんについては法律ほうりつで副業ふくぎょうを直接ちょくせつ禁止きんしする規定きていはないが、国務大臣こくむだいじん、副ふく大臣だいじん及および大臣だいじん政務せいむ官かん規範きはんで原則げんそくとして副業ふくぎょうが禁止きんしされている。

公務員こうむいん以外いがい

公務員こうむいん以外いがいでも一部いちぶの役職やくしょくや職員しょくいんについては原則げんそくとして副業ふくぎょうが禁止きんしされている。

• 日本銀行にっぽんぎんこう総裁そうさい・日本銀行にっぽんぎんこう副ふく総裁そうさい・日本にっぽん銀行ぎんこう審査しんさ委員いいん・日本銀行にっぽんぎんこう理事りじ・日本銀行にっぽんぎんこう職員しょくいん（日本銀行にっぽんぎんこう法ほう第だい26条じょう・第だい32条じょう）
• 危険きけん物ぶつ保安ほあん技術ぎじゅつ協会きょうかい役員やくいん（消防しょうぼう法ほう第だい16条じょうの29）
• 小型こがた船舶せんぱく検査けんさ機構きこう役員やくいん（船舶せんぱく安全あんぜん法ほう第だい25条じょうの21）
• 高圧ガス保安協会こうあつがすほあんきょうかい役員やくいん（高こう圧あつガス保安ほあん法ほう第だい59条じょうの18）
• 軽自動車けいじどうしゃ検査けんさ協会きょうかい役員やくいん（道路どうろ運送うんそう車両しゃりょう法ほう第だい76条じょうの21）
• 日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい役員やくいん（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい法ほう第だい14条じょう）
• 国家こっか公務員こうむいん共済きょうさい組合くみあい連合れんごう会かい役員やくいん（国家こっか公務員こうむいん共済きょうさい組合くみあい法ほう第だい33条じょう）
• 日本電気にほんでんき計器けいき検定けんてい所しょ役員やくいん（日本電気にほんでんき計器けいき検定けんてい所しょ法ほう第だい16条じょう）
• 日本下水道事業団にほんげすいどうじぎょうだん役員やくいん（日本下水道事業団にほんげすいどうじぎょうだん法ほう第だい19条じょう）
• 沖縄おきなわ振興しんこう開発かいはつ金融きんゆう公庫こうこ役員やくいん（沖縄おきなわ振興しんこう開発かいはつ金融きんゆう公庫こうこ法ほう第だい13条じょう）
• 農水のうすい産業さんぎょう協同きょうどう組合くみあい貯金ちょきん保険ほけん機構きこう役員やくいん（農水のうすい産業さんぎょう協同きょうどう組合くみあい貯金ちょきん保険ほけん法ほう第だい30条じょう）
• 自動車じどうしゃ安全あんぜん運転うんてんセンター役員やくいん（自動車じどうしゃ安全あんぜん運転うんてんセンター法ほう第だい22条じょう）
• 原子力げんしりょく発電はつでん環境かんきょう整備せいび機構きこう役員やくいん（特定とくてい放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの最終さいしゅう処分しょぶんに関かんする法律ほうりつ第だい50条じょう）
• 地方ちほう公共こうきょう団体だんたい金融きんゆう機構きこう役員やくいん（地方ちほう公共こうきょう団体だんたい金融きんゆう機構きこう法ほう第だい23条じょう）
• 日本にっぽん年金ねんきん機構きこう役員やくいん（日本にっぽん年金ねんきん機構きこう法ほう第だい24条じょう）
• 全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい役員やくいん（健康けんこう保険ほけん法ほう第だい7条じょうの15）
• 日本にっぽん私立しりつ学校がっこう振興しんこう・共済きょうさい事業じぎょう団だん役員やくいん（日本にっぽん私立しりつ学校がっこう振興しんこう・共済きょうさい事業じぎょう団だん法ほう第だい16条じょう）
• 原子力げんしりょく損害そんがい賠償ばいしょう支援しえん機構きこう役員やくいん（原子力げんしりょく損害そんがい賠償ばいしょう支援しえん機構きこう法ほう第だい29条じょう）
• 日本にっぽん政策せいさく金融きんゆう公庫こうこ取締役とりしまりやく・日本にっぽん政策せいさく金融きんゆう公庫こうこ執行しっこう役やく・日本にっぽん政策せいさく金融きんゆう公庫こうこ監査かんさ役やく（株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽん政策せいさく金融きんゆう公庫こうこ法ほう第だい8条じょう）
• 国際こくさい協力きょうりょく銀行ぎんこう取締役とりしまりやく・国際こくさい協力きょうりょく銀行ぎんこう執行しっこう役やく・国際こくさい協力きょうりょく銀行ぎんこう監査かんさ役やく（株式会社かぶしきがいしゃ国際こくさい協力きょうりょく銀行ぎんこう法ほう第だい8条じょう）
• 商工組合中央金庫しょうこうくみあいちゅうおうきんこ常務じょうむ従事じゅうじ取締役とりしまりやく（株式会社かぶしきがいしゃ商工組合中央金庫しょうこうくみあいちゅうおうきんこ法ほう第だい20条じょう）
• 預金保険機構よきんほけんきこう理事りじ長ちょう・預金保険機構よきんほけんきこう理事りじ（預金よきん保険ほけん法ほう第だい30条じょう）
• 農林中央金庫のうりんちゅうおうきんこ理事りじ・農林中央金庫のうりんちゅうおうきんこ監事かんじ（農林中央金庫のうりんちゅうおうきんこ法ほう第だい24条じょうの5）
• 郵便ゆうびん認証にんしょう司し（郵便ゆうびん法ほう第だい63条じょう）

上記じょうきの役職やくしょく員いんは許可きょかなく営利えいりを目的もくてきとする私企業しきぎょうを営いとなんだり、その企業きぎょうで地位ちいを得えたり、あるいは報酬ほうしゅう（収入しゅうにゅう）が発生はっせいするいかなる事務じむにも従事じゅうじしてはならないと規定きていされている。許可きょかの主体しゅたいは所管しょかんの国務大臣こくむだいじんである。また、上記じょうきの役職やくしょく員いんの副業ふくぎょう内容ないようは、職務しょくむ遂行すいこう上じょうで得えた秘密ひみつの保持ほじ（守秘しゅひ義務ぎむ）、信用しんよう失墜しっつい行為こういの禁止きんしなどの面めんからも制限せいげんされる場合ばあいもある。

例外れいがい

国家こっか公務員こうむいん法ほう第だい104条じょうにより、事前じぜんに申告しんこくし許可きょかされた場合ばあいに兼業けんぎょうが認みとめられるが、無む報酬ほうしゅうであっても物品ぶっぴんの貸与たいよや接待せったいなどが報酬ほうしゅうとして問題もんだい視しされた例れいもある。

営利えいり性せいの乏とぼしい活動かつどう

禁止きんしされている「営利えいり目的もくてきの企業きぎょう」に該当がいとうしないとして、許可きょかを要ようさず副業ふくぎょうが認みとめられているもの。ただし、実際じっさいの営利えいり性せいの判断はんだんは、個々ここの状況じょうきょうにより異ことなってくる可能かのう性せいがある。

• 小規模しょうきぼな農林のうりん水産すいさん業ぎょう
• 一定いってい規模きぼ以下いかの不動産ふどうさん賃貸ちんたい業ぎょう
• 寺院じいんの住職じゅうしょく等ひとし、非ひ営利えいりの宗教しゅうきょう活動かつどうによる布施ふせその他たの名目めいもくによる収入しゅうにゅう
• 農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい・消費しょうひ生活協同組合せいかつきょうどうくみあい等ひとしの非ひ営利えいり目的もくてき団体だんたいで、無む報酬ほうしゅうの役員やくいんに就つく場合ばあい
• 預金よきん利子りし・積立つみたて保険ほけん・株式かぶしき・投資とうし信託しんたく・FX取引とりひきなど、貯蓄ちょちく・資産しさん運用うんように属ぞくする性質せいしつのものからの収入しゅうにゅう

研究けんきゅう・学術がくじゅつ活動かつどう

• 無む報酬ほうしゅうであれば大学だいがくの客員きゃくいん教授きょうじゅや講師こうしなどに就任しゅうにんすることが可能かのうである。
• 矯正きょうせい医い官かんなど公務員こうむいん医師いしが外部がいぶの医療いりょう機関きかんで兼業けんぎょうしたり、研究けんきゅうのため大学だいがくで活動かつどうするなど、研究けんきゅう機関きかんや大学だいがくとの兼業けんぎょうは概おおむね許可きょかされている。
• 教科書きょうかしょや学術がくじゅつ書しょの他ほか、自身じしんの研究けんきゅう成果せいかやノウハウを一般いっぱん向むけに解説かいせつしたり、教育きょういくを啓蒙けいもうする書籍しょせきの刊行かんこうは許可きょかされている。
• 司法しほう修習しゅうしゅう生せいは国家こっか公務員こうむいんに準じゅんじた地位ちいを有ゆうしており修習しゅうしゅう専念せんねん義務ぎむを負おうが、法科ほうか大学院だいがくいんや予備校よびこうの講師こうしなどは許可きょかを受うければ可能かのうである。

公益こうえき性せいの高たかい活動かつどう

• たかまつななは学校がっこうなどで政治せいじや持続じぞく可能かのうな開発かいはつ目標もくひょうの教育きょういくを行おこなう会社かいしゃの取締役とりしまりやくだったが、NHK入局にゅうきょく後ごは無む報酬ほうしゅうとすることで副業ふくぎょうが許可きょかされた。

文筆ぶんぴつ活動かつどう

小説しょうせつや詩しなどの文芸ぶんげい作品さくひんを発表はっぴょうし対価たいかを得える行為こういは許可きょかを得えれば問題もんだいないとされており、公務員こうむいんを兼業けんぎょうする作家さっかが存在そんざいする。大蔵省おおくらしょうへ入省にゅうしょうする前まえから作家さっかとして活動かつどうしていた三島みしま由紀夫ゆきおはスピーチライターも任まかされた。

戦前せんぜんにも農のう商務省しょうむしょうの研究所けんきゅうじょに在籍ざいせきしていた甲賀こうが三郎さぶろうと大下宇陀児おおしたうだるが推理すいり小説しょうせつを雑誌ざっしに発表はっぴょうしている。

営利えいり目的もくてきかの判断はんだんに統一とういつ見解けんかいは無なく、自衛じえい官かん時代じだいにデビューし区役所くやくしょ職員しょくいんに転職てんしょくした砂川すなかわ文ぶん次じ、司法しほう修習しゅうしゅう生せい時代じだいにデビューした五十嵐いがらし律ただし人じん、公立こうりつ小学校しょうがっこう教師きょうしのはやみねかおる、名古屋大学なごやだいがくの助教授じょきょうじゅだった森もり博嗣ひろつぐ、国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんの職員しょくいんだった阿おもね刀かたな田高たたかと森もり見み登のぼり美彦よしひこなどがいる。

一方いっぽうで、漫画まんが同人どうじん誌しの執筆しっぴつにより7年間ねんかんで175万まん円えんの利益りえきを得えた公立こうりつ校こうの教員きょういんや、病気びょうき療養りょうよう中ちゅうに小説しょうせつを執筆しっぴつし約やく3年間ねんかんで320万まん円えんの報酬ほうしゅうを得えた平塚ひらつか市しの職員しょくいんが、許可きょかを得えなかったことを理由りゆうに処分しょぶんが下くだされた事例じれいがある。

スポーツ

スポーツ選手せんしゅを兼業けんぎょうする公務員こうむいんが大会たいかいの優勝ゆうしょう賞金しょうきんを得えることもある。

川内かわうち優輝ゆきは実業じつぎょう団だんに所属しょぞくせず埼玉さいたま県庁けんちょうの職員しょくいんとして勤務きんむしながら大会たいかいに参加さんかしていたことから「公務員こうむいんランナー」と呼よばれた。県けんではPRを兼かねて県庁けんちょうのマラソン愛好あいこう会かいを陸連りくれん登録とうろくしたり県民けんみん向むけのイベントを担当たんとうさせるなど便宜べんぎを図はかっていた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 大内おおうち伸哉のぶや『どこまでやったらクビになるか』新潮社しんちょうしゃ（新潮しんちょう新書しんしょ）、2008年ねん。ISBN 9784106102776。 

関連かんれん項目こうもく

• 確定かくてい申告しんこく
• 収入しゅうにゅう
• コーポレートサイト
• 御ご開帳かいちょう

外部がいぶリンク

• 副業ふくぎょう・兼業けんぎょう - 厚生こうせい労働省ろうどうしょう
• 多様たようで柔軟じゅうなんな働はたらき方かた - 経済けいざい産業さんぎょう省しょう