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ふく大臣だいじん

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だい2岸田きしだだい2改造かいぞうないかく発足ほっそくふく大臣だいじん記念きねん撮影さつえい(2023ねん9がつ15にち

ふく大臣だいじん(ふくだいじん、えい: State Minister)は、日本にっぽん内閣ないかくデジタルちょう復興ふっこうちょうおよかくしょうかれる官職かんしょくである。

2001ねん平成へいせい13ねん)の中央ちゅうおう省庁しょうちょう再編さいへんともない、従来じゅうらい政務次官せいむじかん廃止はいしして新設しんせつされた政治せいじ任用にんようしょくである。大臣だいじん政務せいむかんとともに、国務大臣こくむだいじんふく大臣だいじんおよ大臣だいじん政務せいむかん規範きはんさだめた資産しさん公開こうかい制度せいど対象たいしょうがいしょくである。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

根拠こんきょ法令ほうれい[編集へんしゅう]

内閣ないかく設置せっちほうだい13じょう国家こっか行政ぎょうせい組織そしきほうだい16じょうデジタルちょう設置せっちほうだい9じょう、および復興ふっこうちょう設置せっちほうだい9じょうもとづくしょくである。国会こっかい議員ぎいんてることが慣例かんれいとなっている[注釈ちゅうしゃく 1]従来じゅうらい政務次官せいむじかんくらべて強力きょうりょく権限けんげんゆうし、ふく大臣だいじん大臣だいじん職務しょくむ代行だいこうでき、政策せいさく決定けっていにかかわり、国会こっかい答弁とうべん担当たんとうする。官僚かんりょう主導しゅどうから政治せいじ主導しゅどう行政ぎょうせい運営うんえい体制たいせいへの転換てんかん目指めざし、首相しゅしょう中心ちゅうしん内閣ないかく主導しゅどう政策せいさく決定けっていするしくみの導入どうにゅうをねらったものである[1]

目的もくてき[編集へんしゅう]

内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかんまた内閣ないかく特命とくめい担当たんとう大臣だいじんデジタル大臣だいじん復興ふっこう大臣だいじん、および各省かくしょうちょうである大臣だいじんいのちけ、政策せいさくおよ企画きかくをつかさどり、政務せいむ処理しょりする。また、かく省庁しょうちょうちょうである大臣だいじん不在ふざい場合ばあい大臣だいじん事前じぜん命令めいれいもとづいてその職務しょくむ代行だいこうすることができる(内閣ないかく総理そうり大臣だいじん不在ふざい代理だいり内閣ないかく総理そうり大臣だいじん臨時りんじ代理だいりたる国務大臣こくむだいじんおこなうため、内閣ないかくふく大臣だいじんデジタルふく大臣だいじん復興ふっこうふく大臣だいじんのぞく)。ただし国務大臣こくむだいじんとしての職権しょっけん代行だいこうできないため閣議かくぎへの代理だいり出席しゅっせきなどはできない。

待遇たいぐう[編集へんしゅう]

職位しょくいとしてはほぼふく大臣だいじん相当そうとうする内閣ないかく官房かんぼうふく長官ちょうかんは、内閣ないかく官房かんぼうだけでなく内閣ないかく事務じむ特定とくてい事項じこう一部いちぶ担当たんとうし、ふく大臣だいじん会議かいぎ構成こうせいいんであるとともに、俸給ほうきゅうとう待遇たいぐうめんでも同等どうとうであるが、設置せっち根拠こんきょ内閣ないかくそう辞職じしょくどき連帯れんたい失職しっしょく有無うむとうことなるため、法的ほうてき学問がくもんてきにはふく大臣だいじんふくまれない。

俸給ほうきゅうとう待遇たいぐうめんふく大臣だいじん相当そうとうするしょくには、そのほか、内閣ないかく法制ほうせいきょく長官ちょうかん国家こっか公務員こうむいん倫理りんり審査しんさかい常勤じょうきん会長かいちょう公正こうせい取引とりひき委員いいんかい委員いいんちょう宮内庁くないちょう長官ちょうかん大使たいし一部いちぶがある。国会こっかいにおいては、かく議院ぎいん事務じむ総長そうちょう法制ほうせい局長きょくちょう国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんちょうが、裁判所さいばんしょにおいては、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ長官ちょうかんがこれらに相当そうとうする。

国会こっかい議員ぎいん政治せいじ倫理りんり確立かくりつのための国会こっかい議員ぎいん資産しさんとう公開こうかいとうかんする法律ほうりつによる資産しさん開示かいじおこない、国務大臣こくむだいじんふく大臣だいじんおよ大臣だいじん政務せいむかん規範きはんさだめた資産しさん公開こうかい制度せいどは、国務大臣こくむだいじん配偶はいぐうしゃおよびその扶養ふようする資産しさん公開こうかい規定きていしているが、ふく大臣だいじんについてはこの規定きてい適用てきようされない。

定数ていすう[編集へんしゅう]

定数ていすうかく省庁しょうちょうごとにことなる(1人ひとりから3にん)。任免にんめんは、その省庁しょうちょうちょうである大臣だいじんさるにより内閣ないかくおこない、天皇てんのうがこれを認証にんしょうする(認証官にんしょうかん)。内閣ないかくそう辞職じしょくがなされると付随ふずいして地位ちいうしなう。国家こっか公務員こうむいんほううえ特別とくべつしょくである。

活動かつどう[編集へんしゅう]

かく省庁しょうちょう政策せいさくとうかん相互そうご調整ちょうせいするため、ふく大臣だいじん会議かいぎ設置せっちされている。ふく大臣だいじん会議かいぎは、内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかんもとで、内閣ないかく官房かんぼうふく長官ちょうかん政務せいむおよぜんふく大臣だいじんにより組織そしきされ、内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかん主宰しゅさいし、内閣ないかく官房かんぼうふく長官ちょうかん政務せいむ)が議長ぎちょうつとめる。

ふく大臣だいじん大臣だいじん政務せいむかん事務次官じむじかんよりもかくじょう位置いちづけられている。一方いっぽうふく大臣だいじんおよふく大臣だいじん会議かいぎ閣議かくぎ決定けってい案件あんけんなにらの権限けんげんゆうしておらず、閣議かくぎ決定けってい案件あんけん事前じぜん調整ちょうせいはもっぱら事務次官じむじかんとう会議かいぎによって事実じじつじょうになわれてきた(事務次官じむじかんとう会議かいぎ2009ねん鳩山はとやま由紀夫ゆきお内閣ないかくによって廃止はいしされるが、2011ねん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい契機けいき事務次官じむじかんとう事務じむかた中心ちゅうしんとする「かくしょう連絡れんらく会議かいぎ」が定例ていれい)。2012ねん2がつ10日とおか野田のだ内閣ないかく内閣ないかくふく大臣だいじん一部いちぶ各省かくしょうふく大臣だいじん一部いちぶ兼任けんにんさせたが、この兼任けんにんシステムは政権せいけん交代こうたい自民党じみんとう政権せいけんでもがれている。

英語えいご名称めいしょう[編集へんしゅう]

英語えいご名称めいしょうは、Senior Vice-Minister、Parliamentary Senior Vice-Minister、State Minister、State Secretary などとかく省庁しょうちょうがまちまちに訳語やくごあたえていたが、現在げんざいはState Ministerに統一とういつされている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

従来じゅうらい政治せいじ任用にんようポストであった政務次官せいむじかんは、権限けんげんちいさく役割やくわり明確めいかくであったため、「省庁しょうちょう盲腸もうちょう」と揶揄やゆされかるんじられてきた[よう出典しゅってん]1999ねん国会こっかい審議しんぎ活性かっせいほうにより、国会こっかいにおける政府せいふ委員いいん制度せいどおよ政務次官せいむじかん廃止はいしされ、ふく大臣だいじん大臣だいじん政務せいむかんあらたに設置せっちされた。ふく大臣だいじんには、適材適所てきざいてきしょ実力じつりょくしゃ登用とうようして国会こっかい答弁とうべんたらせることが期待きたいされた。また法律ほうりつじょう根拠こんきょがなかった政務次官せいむじかん会議かいぎえて、どうほうだい9じょうもとづくふく大臣だいじん会議かいぎ創設そうせつ権威けんいけと実質じっしつてき省庁しょうちょうあいだ政策せいさく調整ちょうせいおこなわれることもされた。

ふく大臣だいじん大臣だいじん政務せいむかん制度せいどへの移行いこう議論ぎろんされていただい2橋本はしもと内閣ないかく小渕おぶち内閣ないかくにおいては、重要じゅうよう官庁かんちょう政務次官せいむじかん閣僚かくりょう経験けいけんしゃてるこころみ(高村たかむら正彦まさひこ外務がいむ政務次官せいむじかん谷垣たにがき禎一ていいち大蔵おおくら政務次官せいむじかん町村ちょうそん信孝のぶたか外務がいむ政務次官せいむじかんなど)がなされるなど、しん制度せいど効果こうかてき活用かつよう期待きたいされていた。

法案ほうあん審議しんぎ経過けいか[編集へんしゅう]

小渕おぶちだい2改造かいぞうないかくは1999ねん平成へいせい11ねん)、官僚かんりょう主導しゅどうから政治せいじ主導しゅどうへの政治せいじ転換てんかん目的もくてきとした中央ちゅうおう省庁しょうちょう再編さいへんともない、あわせて国会こっかい議員ぎいん議員ぎいんすうを10年間ねんかんで25%削減さくげんすることで連立れんりつ政権せいけんとも合意ごういし、また、自由民主党じゆうみんしゅとうだい145かい国会こっかい衆議院しゅうぎいんに「政府せいふ委員いいん制度せいど廃止はいしおよふく大臣だいじんとう設置せっちとうかんする法律ほうりつあんおよび「国会こっかい審議しんぎ活性かっせいおよ政治せいじ主導しゅどう政策せいさく決定けっていシステムの確立かくりつかんする法律ほうりつあん」の2けん提出ていしゅつした[2]民主党みんしゅとうはこれにたいし、民営みんえい規制きせい緩和かんわ撤廃てっぱい民間みんかん委託いたく地方ちほうへの権限けんげん移譲いじょうなど、大胆だいたん改革かいかく必要ひつようであり無謀むぼう定員ていいん削減さくげんであることや、行政ぎょうせい専門せんもん知識ちしき国会こっかいから排除はいじょされかねないとして撤回てっかい動議どうぎ発議はつぎ[3]、これにより自由民主党じゆうみんしゅとうはそのの7がつ13にち前者ぜんしゃ法案ほうあん撤回てっかいげた。

一方いっぽう、「国会こっかい審議しんぎ活性かっせいおよ政治せいじ主導しゅどう政策せいさく決定けっていシステムの確立かくりつかんする法律ほうりつあん」は参議院さんぎいんにおいて社会しゃかい民主党みんしゅとう反論はんろんおこなわれたが[4]、7がつ成立せいりつして結果けっかてき政府せいふ委員いいん制度せいど廃止はいし決定けっていした[注釈ちゅうしゃく 2]

これにより2001ねん平成へいせい13ねん)1がつ政務次官せいむじかん制度せいど廃止はいしされ、ふく大臣だいじん大臣だいじん政務せいむかん制度せいど改組かいそされた。

制度せいど発足ほっそく以後いご[編集へんしゅう]

しかしながら、しん制度せいど導入どうにゅうされたのち閣僚かくりょう人事じんじにおいては、若手わかて抜擢ばってき民間みんかんじん起用きようなどが注目ちゅうもくされた小泉こいずみ内閣ないかくにおいても、ふく大臣だいじん大臣だいじん政務せいむかん人事じんじについては、派閥はばつ順送じゅんおくり・年功序列ねんこうじょれつがた慣行かんこうがほぼ踏襲とうしゅうされるなど、おおきな変化へんかられないとする評価ひょうかもなされた。

つづ安倍あべ内閣ないかくにおいては派閥はばつ推薦すいせんをそのままれるのではなく、推薦すいせんリストをもとに総理そうりとう幹部かんぶ決定けっていするというスタイルがとられた。

一方いっぽう福田ふくだ改造かいぞうないかくでは高市たかいち早苗さなえ経済けいざい産業さんぎょう)と鴨下かもした一郎いちろう厚生こうせい労働ろうどう)が、だい2安倍あべ内閣ないかくでは小渕おぶち優子ゆうこ財務ざいむ)、鈴木すずき俊一しゅんいち外務がいむ)、上川かみかわ陽子ようこ総務そうむ)の3めいが、閣僚かくりょう経験けいけんしゃながらふく大臣だいじん起用きようされるなどあたらしい方向ほうこうでの模索もさくもなされている。

国務大臣こくむだいじん決裁けっさい必要ひつよう書類しょるいふく大臣だいじんによる事前じぜん決裁けっさい必要ひつようとされ[6]鳩山はとやま由紀夫ゆきお内閣ないかく以降いこう民主党みんしゅとう政権せいけんしたでは政務せいむさんやく会議かいぎ設置せっちなどによりふく大臣だいじん地位ちい格段かくだんつよまり[7]高級こうきゅう官僚かんりょうたちは相手あいてふく大臣だいじんであってもひざまずいて「大臣だいじん」とぶほどであった[8]

2023ねんニューデリーG20英語えいごばん外務がいむ大臣だいじんわりに外務がいむふく大臣だいじん出席しゅっせきしたことは、おおくの国際こくさいてきメディアから非難ひなんされた[9]

ふく大臣だいじん一覧いちらん[編集へんしゅう]

定数ていすうけい26にんである。内閣ないかくふく大臣だいじん、デジタルふく大臣だいじん復興ふっこうふく大臣だいじんについてはふく大臣だいじん兼任けんにんさせることができるため、事実じじつじょう人数にんずうはこれを下回したまわることがある。

げん内閣ないかくでのふく大臣だいじん[編集へんしゅう]

だい2岸田きしだ内閣ないかく (だい2改造かいぞう)#ふく大臣だいじん」を参照さんしょう

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 国務大臣こくむだいじん同様どうよう国会こっかい議員ぎいん以外いがいからの登用とうよう可能かのうであるが、これまでのところれいはない。
  2. ^ 政府せいふ委員いいん制度せいどは、国会こっかいにおいて国務大臣こくむだいじん補佐ほさする行政ぎょうせい職員しょくいんを、内閣ないかくりょう議院ぎいん議長ぎちょう承認しょうにん政府せいふ委員いいんとして任命にんめいする制度せいど[5]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]