出雲いずも弟おとうと山やま

経歴けいれき

天平てんぺい5年ねん（733年ねん）2月がつに撰せん進しんされた『出雲いずも国こく風土記ふどき』に「飯石いいし郡ぐん少しょう領りょう外そと従したがえ八はち位い上じょう出雲いずも臣しん」との署名しょめいがあり^[1]、同書どうしょによると出雲いずも国こく意宇いう郡ぐん山代やましろ郷きょう（現在げんざいの島根しまね県けん松江まつえ市し山代やましろ町まち）に厳いむ堂どうを建立こんりゅうしたとされる^[2]。また、同年どうねん9月がつの『出雲いずも国こく計けい会かい帳ちょう』にも飯石いいし郡ぐん少しょう領りょう外がい従したがえ八はち位い上じょうとして署名しょめいがある。

天平てんぴょう18年ねん（746年ねん）外そと従したがえ七なな位い下かから四よん階かい昇進しょうしんして外そと従したがえ六ろく位い下かに昇叙しょうじょされ、出雲いずも広嶋ひろしまの後のちを継ついで出雲いずも国造くにのみやつこに任にんぜられる。なお、これと同時どうじに出雲いずも国造くにのみやつこの本拠ほんきょである意宇いう郡ぐん大だい領りょうも兼帯けんたいしたと想定そうていされる。

天平てんぴょう勝かち宝たから2年ねん（750年ねん）孝こう謙けん天皇てんのうに出雲いずも国造くにのみやつこ神しん賀詞がしを奏上そうじょうし、外そと正せい六ろく位い上じょうから外そと従したがえ五ご位い下かに叙じょせられ、祝しゅく部ぶも含ふくめて位階いかいを進すすめられ、絁・綿めんを与あたえられた。翌よく天平てんぴょう勝かち宝たから3年ねん（751年ねん）にも再ふたたび神かみ賀が事ごとを奏上そうじょうし、位階いかいを進すすめられ物ものを与あたえられている。

注記ちゅうきのないものは『続ぞく日本にっぽん紀き』による。

『続ぞく日本にっぽん紀き 3 新しん日本にっぽん古典こてん文学ぶんがく大系たいけい 14』岩波書店いわなみしょてん、1992年ねん
『続ぞく日本にっぽん紀き 4 新しん日本にっぽん古典こてん文学ぶんがく大系たいけい 15』岩波書店いわなみしょてん、1995年ねん
宇治谷うじたに孟はじめ『続ぞく日本にっぽん紀き（中なか）』講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ〉、1992年ねん
武田たけだ祐吉ゆうきち編へん『風土記ふどき』岩波いわなみ文庫ぶんこ、1937年ねん
荻原おぎわら千鶴ちづる『出雲いずも国こく風土記ふどき全ぜん訳注やくちゅう』講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ〉、1999年ねん
『コンサイス日本人にっぽんじん名めい辞典じてん改訂かいてい新版しんぱん』三省堂さんせいどう、1993年ねん、p105
坂本さかもと太郎たろう、平野ひらの邦雄くにお監修かんしゅう『日本にっぽん古代こだい氏族しぞく人名じんめい辞典じてん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1990年ねん
宝たから賀が寿男としお『古代こだい氏族しぞく系譜けいふ集成しゅうせい』古代こだい氏族しぞく研究けんきゅう会かい、1986年ねん