喜安きやす璡太郎ろう

きやす しんたろう 喜安きやす 璡太郎ろう
生誕せいたん	1876年ねん（明治めいじ9年ねん）1月がつ10日とおか 愛媛えひめ県けん伊予いよ郡ぐん恵久美えくび村むら（松前まさき町まち恵久美えくみ）
死没しぼつ	1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）12月22日にち 神奈川かながわ県けん藤沢ふじさわ市し鵠沼くげぬま2724番地ばんち（本鵠沼ほんくげぬま四よん丁目ちょうめ7番ばん6号ごう)
墓地ぼち	東京とうきょう都と文京ぶんきょう区く伝通院でんづういん
住居じゅうきょ	松山まつやま市し、本郷ほんごう区く丸山まるやま新町しんまち、高田たかだ市し、小石川こいしかわ区く指ゆびヶ谷町たにまち、白山はくさん御殿ごてん町まち、小立おだち村むら島原しまばら
国籍こくせき	日本にっぽん
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう専門せんもん学校がっこう文学ぶんがく科か
職業しょくぎょう	新潟にいがた県立けんりつ高田たかだ中学校ちゅうがっこう教諭きょうゆ、早稲田実業学校わせだじつぎょうがっこう教員きょういん
著名ちょめいな実績じっせき	『英語えいご青年せいねん』
代表だいひょう作さく	『湖畔こはん通信つうしん・鵠沼くげぬま通信つうしん』
影響えいきょうを受うけたもの	正岡子規まさおかしき、増田ますだ藤之助とうのすけ、坪内つぼうち逍遥しょうよう
影響えいきょうを与あたえたもの	相馬そうま御風ぎょふう、小川おがわ未明みめい、丸沢まるさわ常つね哉
配偶はいぐう者しゃ	こま
子供こども	喜安きやす貞雄さだお、喜安きやす俊雄としお、橋爪はしづめ春子はるこ、喜安きやす三郎さぶろう、朝比奈あさひな秋子あきこ
親おや	喜安きやす喜市きいち、シヤウ
親戚しんせき	喜安きやす健次郎けんじろう（弟おとうと）

喜安きやす 璡太郎ろう（きやす しんたろう、1876年ねん（明治めいじ9年ねん）1月がつ10日とおか - 1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）12月22日にち）は戦前せんぜん日本にっぽんの英語えいご教育きょういく者もの、雑誌ざっし編集へんしゅう者しゃ。新潟にいがた県立けんりつ高田たかだ中学校ちゅうがっこう教諭きょうゆ、早稲田実業学校わせだじつぎょうがっこう教員きょういん。長年ながねん『英語えいご青年せいねん』編集へんしゅうを引ひき受うけ、引退いんたい後ごは「河畔かはん通信つうしん」「鵠沼くげぬま通信つうしん」を連載れんさいした。

生涯しょうがい

学生がくせい時代じだい

1876年ねん（明治めいじ9年ねん）1月がつ10日とおか愛媛えひめ県けん伊予いよ郡ぐん恵久美えくび村むら（松前まさき町まち恵久美えくみ）の豪農ごうのうの長男ちょうなんとして生うまれた。早はやく父ちちを喪うしない、教育きょういく熱心ねっしんな母ははの下した、近所きんじょの和尚おしょうに四書ししょ五経ごきょうを学まなんだ。地元じもとの小学校しょうがっこうに通かよい、1886年ねん（明治めいじ19年ねん）米湊こみなと村むらの高等こうとう小学校しょうがっこうに編入へんにゅうした。

伯母おば宅たくに預あづけられて松山まつやま高等こうとう小学校しょうがっこうに転校てんこうし、『文学ぶんがく之の栞しおり』編集へんしゅうに参加さんかした。1889年ねん（明治めいじ22年ねん）私立しりつ伊予いよ尋常じんじょう中学校ちゅうがっこうに進学しんがくし、1892年ねん（明治めいじ25年ねん）卒業そつぎょうした。

1893年ねん（明治めいじ26年ねん）9月がつ13日にち東京とうきょう専門せんもん学校がっこう専修せんしゅう英語えいご科か3年ねんに編入へんにゅうし、9月27日にち文学ぶんがく科かに進学しんがく、倫理りんり学がくを専攻せんこうした。坪内つぼうち逍遥しょうようから英語えいご教師きょうしとなることを勧すすめられ、佐伯さえき好郎よしろう、今井いまい鉄太郎てつたろうに指導しどうを受うけ、1897年ねん（明治めいじ30年ねん）7月がつ卒業そつぎょうした。10月本郷ほんごう区く丸山まるやま新町しんまち27番地ばんちの増田ますだ藤之助とうのすけ宅たくに住すみ込こみ、『日本にっぽん英えい学がく新しん誌し』の編集へんしゅうを手伝てつだった。

現役げんえき時代じだい

1898年ねん（明治めいじ31年ねん）4月がつ坪内つぼうち逍遥しょうよう、今井いまい鉄太郎てつたろうの推薦すいせんで早稲田わせだ中学校ちゅうがっこうに就職しゅうしょくしたが、生徒せいとの管理かんりを持もて余あまして2ヶ月かげつで辞任じにんし、雑誌ざっし編集へんしゅうの傍かたわら、神田かんだの英語えいご学校がっこうの夜学やがくで教おしえた。

1899年ねん（明治めいじ32年ねん）4月がつ坪内つぼうち逍遥しょうようの推薦すいせんで新潟にいがた県立けんりつ高田たかだ中学校ちゅうがっこう教諭きょうゆとなり、英語えいご主任しゅにん細川ほそかわ文五郎ぶんごろうの下した、金子かねこ俊郎としお、相馬そうま御風ぎょふう、熊木くまき捨治、小川おがわ未明みめい・丸沢まるさわ常つね哉等ひとしを教おしえた。

1903年ねん（明治めいじ36年ねん）4月がつ早稲田実業学校わせだじつぎょうがっこうに、当初とうしょ小石川こいしかわ区く指ゆびヶ谷町たにまち7番地ばんちに住すみ、1904年ねん（明治めいじ37年ねん）増田ますだ宅たくの隣となりに移うつり住すんで雑誌ざっし編集へんしゅうを手伝てつだい、1905年ねん（明治めいじ38年ねん）9月がつ武信たけのぶ由太郎よしたろうから『英語えいご青年せいねん』の編集へんしゅう・経営けいえいを引ひき受うけた。

1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）小石川こいしかわ区く白山はくさん御殿ごてん町まち107番地ばんちに移うつった。1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）7月がつ早稲田わせだ騒動そうどうに絡からんで早稲田実業学校わせだじつぎょうがっこうを退職たいしょくした。

隠居いんきょ

1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）3月がつ『英語えいご青年せいねん』が研究けんきゅう社しゃ『英語えいご研究けんきゅう』と合併がっぺいされ、事業じぎょうを小酒井こさかい五ご一いち郎ろうに譲渡じょうとし、山梨やまなし県けん南都留みなみつる郡ぐん小立おだち村むら島原しまばらの河口湖かわぐちこ畔ほとり別荘べっそうに疎開そかいした。1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）5月がつ25日にちの最後さいごの東京とうきょう大だい空襲くうしゅうで自宅じたくが蔵書ぞうしょ共々ともども全焼ぜんしょうした。

1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）2月がつ次男じなん俊雄としお宅たく近ちかくの藤沢ふじさわ市し鵠沼くげぬま2724番地ばんち（本鵠沼ほんくげぬま四よん丁目ちょうめ7番ばん6号ごう）に隠居いんきょした。1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）眼め病びょうで右みぎ眼めが失明しつめいし、左ひだり眼めもそこひになった。1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）5月がつ盲腸もうちょうで手術しゅじゅつを受うけた。1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）12月22日にち午前ごぜん7時じ死去しきょし、26日にち文京ぶんきょう区く伝通院でんづういんに葬ほうむられた。

著書ちょしょ

• サミュエル・スマイルズ 著しる、英語えいご学がく研究けんきゅう会かい 訳やく『生活せいかつ術じゅつ詳解しょうかい』喜安きやす璡太郎ろう校こう、中野なかの書店しょてん、1903年ねん6月がつ。NDLJP:757436。 
• 熊本くまもと謙二郎けんじろう、喜安きやす璡太郎ろう共編きょうへん 編へん『ナショナル第だい四よん読本とくほん研究けんきゅう 上巻じょうかん』長ちょう風ふう社しゃ、1912年ねん10月がつ。 
• 熊本くまもと謙二郎けんじろう・喜安きやす璡太郎ろう共ども 編へん『ナショナル第だい四よん読本とくほん研究けんきゅう 中ちゅう巻まき』長ちょう風ふう社しゃ、1915年ねん11月。 
  • 熊本くまもと謙二郎けんじろう・喜安きやす璡太郎ろう共ども 編へん『ナショナル第だい四よん読本とくほん研究けんきゅう』（訂正ていせい合冊がっさつ）研究けんきゅう社しゃ、1938年ねん6月がつ。 
  • 熊本くまもと謙二郎けんじろう・喜安きやす璡太郎ろう共ども 編へん『ナショナル第だい四よん読本とくほん研究けんきゅう』（訂正ていせい合冊がっさつ）研究けんきゅう社しゃ辞書じしょ部ぶ、1954年ねん5月がつ。 
• 『ナショナル第だい五ご読本とくほん研究けんきゅう 上巻じょうかん』研究けんきゅう社しゃ辞書じしょ部ぶ、1928年ねん9月がつ。 
• 喜安きやす璡太郎たろう 著ちょ、福原ふくはら麟太郎りんたろう 編へん『湖畔こはん通信つうしん・鵠沼くげぬま通信つうしん』研究けんきゅう社しゃ出版しゅっぱん、1972年ねん10月がつ。 

人物じんぶつ

学生がくせい時代じだいは常つねに成績せいせき優秀ゆうしゅうで、伊予いよ尋常じんじょう中学校ちゅうがっこう2年ねん級きゅう1学期がっきで高橋たかはし龍太郎りゅうたろうに次ついで2番ばんだったため、2人ふたりで3年ねんに編入へんにゅうした。他たの同級生どうきゅうせいには河東かわとう碧梧桐へきごとう、山内やまうち正ただし瞭あきら、1期き上じょうに高浜たかはま虚子きょし、1期き下かに景けい浦うら直孝なおたか、2期き下かに水野みずの広徳ひろのり、真鍋まなべ嘉一郎かいちろうがいた。

東京とうきょう専門せんもん学校がっこう英語えいご科かでは清滝きよたき知とも隆たかしに次ついで2番ばん、文学ぶんがく科かでは1,2年ねんとも主席しゅせき、3年ねんは平野ひらの履くつ道どうに次ついで2番ばんだった。同どう学年がくねんには繁野しげの天来てんらい、古沢ふるさわ典のり惣そう、長谷川はせがわ天渓てんけい、梅沢うめざわ和軒わけんがいた。

趣味しゅみは釣つり。好すきな食たべ物ものは豆腐とうふと餅もち。

家族かぞく

父母ちちはは兄弟きょうだい

• 父ちち：喜安きやす喜市きいち – 嘉よしみ永ひさし6年ねん（1853年ねん）2月がつ生せい、1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）5月がつ没ぼつ。
• 母はは：喜安きやすシヤウ – 安政あんせい2年ねん（1855年ねん）4月がつ生せい、1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）12月がつ没ぼつ。北川原きたがわら村むら出身しゅっしん。
• 長ちょう妹いもうと：岡本おかもとトク - 伊予いよ市し灘なだ町まち下駄げた屋や岡本おかもと家かに嫁とついだ。
• 次じ妹いもうと：片山かたやまセイ - 松山まつやま市し弁天べんてん町まち片山かたやま家かに嫁とついだ。
• 長ちょう弟おとうと：喜安きやす健次郎けんじろう - 鉄道てつどう省しょう次官じかん。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）8月がつ63歳さいで没ぼつ。
• 次じ弟おとうと：喜安きやす豊ゆたか（みのる） - 1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）4月がつ63歳さいで没ぼつ。
• 三さん妹いもうと：野間のまトキエ - 湯山ゆやま村むら上高野かみこうや蜜柑みかん山やま経営けいえい農家のうか野間のま家かに嫁とついだ。1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）12月37歳さいで没ぼつ。
• 三さん弟おとうと：喜安きやす修治しゅうじ - 日本郵船にっぽんゆうせん監査かんさ役やく。

妻子さいし

• 妻つま：喜安きやすこま – 1882年ねん（明治めいじ15年ねん）2月がつ18日生にっせい。松山まつやま市し小しょう唐人とうじん町まち二に丁目ちょうめ41番地ばんち日野ひの冬原ふゆばる四よん女じょ。1900年ねん（明治めいじ33年ねん）8月がつ18日にち結婚けっこん。
• 長男ちょうなん：喜安きやす貞雄さだお - 1902年ねん（明治めいじ35年ねん）8月がつ18日生にっせい。海軍かいぐん造機ぞうき大佐たいさ、スルザー・ブラザーズ工業こうぎょう事務所じむしょ技師ぎし。
• 次男じなん：喜安きやす俊雄としお - 1906年ねん（明治めいじ39年ねん）6月がつ13日生にっせい。王子製紙おうじせいし検査けんさ部ぶ副ふく部長ぶちょう。
• 長女ちょうじょ：橋爪はしづめ春子はるこ - 1909年ねん（明治めいじ42年ねん）2月がつ15日生にっせい。大阪おおさか府ふ中小ちゅうしょう企業きぎょう信用しんよう保証ほしょう協会きょうかい理事りじ長ちょう橋爪はしづめ恭一きょういちに嫁とついだ。
• 三男さんなん：喜安きやす三郎さぶろう - 1910年ねん（明治めいじ43年ねん）4月がつ13日生にっせい。帝国ていこく音楽おんがく学校がっこうでバイオリンを学まなんだが、1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）1月がつ4日にち中ちゅう支ささえで戦死せんしした。
• 次女じじょ：朝比奈あさひな秋子あきこ - 1912年ねん（大正たいしょう元年がんねん）9月がつ3日生にっせい。武田薬品工業たけだやくひんこうぎょう技術ぎじゅつ員いん朝比奈あさひな盛一もりいちに嫁とついだ。

参考さんこう文献ぶんけん

• 上井かみい磯いそ吉きち「喜安きやす璡太郎ろう先生せんせい小伝しょうでん」『英語えいご青年せいねん』第だい102巻かん第だい4号ごう、研究けんきゅう社しゃ、1956年ねん4月がつ1日にち。 
• 佐川さがわ春水しゅんすい「噫、喜安きやすさん」『英語えいご青年せいねん』第だい102巻かん第だい4号ごう、研究けんきゅう社しゃ、1956年ねん4月がつ1日にち。 
• 成田なりた成しげる寿ことぶき「英学えいがく青年せいねん社しゃのころ」『英語えいご青年せいねん』第だい102巻かん第だい4号ごう、研究けんきゅう社しゃ、1956年ねん4月がつ1日にち。 
• 喜安きやすこま、俊雄としお、晴子はるこ「追憶ついおく」『英語えいご青年せいねん』第だい102巻かん第だい4号ごう、研究けんきゅう社しゃ、1956年ねん4月がつ1日にち。 
• 愛媛えひめ県けん史し編へんさん委員いいん会かい「き」『愛媛えひめ県けん史し』 人物じんぶつ、愛媛えひめ県けん、1989年ねん2月がつ28日にち。http://www.i-manabi.jp/system/regionals/regionals/ecode:2/57/view/7500。