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因数いんすう定理ていり

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
多項式たこうしき f(x) = 1/4(x3 + 3x2 − 6x − 8)x = −4, −1, 2れいてん)につ。このことから、因数いんすう定理ていりより f(x) = 1/4(x + 4)(x + 1)(x − 2)因数いんすう分解ぶんかいされる。

因数いんすう定理ていり(いんすうていり、えい: factor theorem)とは、多項式たこうしきからもと多項式たこうしき因数いんすう分解ぶんかいすることができるという定理ていりである。因数いんすう定理ていり剰余じょうよ定理ていり特別とくべつ場合ばあいになっている[1]

定理ていり (Ruffini[よう検証けんしょう])
多項式たこうしき f(x)いちしき xαあるふぁ因子いんし必要ひつようじゅうふん条件じょうけんf(αあるふぁ) = 0、すなわち αあるふぁ多項式たこうしき f(x)となることである[2]

概要がいよう

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多項式たこうしき因数いんすう分解ぶんかい

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多項式たこうしきいちしきせき因数いんすう分解ぶんかいするのは、「多項式たこうしきもとめること」と本質ほんしつてき等価とうか問題もんだいであることがかる。

多項式たこうしきが1つもとまれば、因数いんすう分解ぶんかいにより、未知みちからなる多項式たこうしき次数じすうがるため、をよりもとめやすくなる。多項式たこうしきすべてのもとめる手順てじゅん以下いかとおりである[3]

  1. 多項式たこうしき f αあるふぁ を「推測すいそくする」。(一般いっぱんにはこれは「非常ひじょう困難こんなん」である。ただし、係数けいすうたい有理数ゆうりすう場合ばあいは、有理ゆうり定理ていりにより、有理ゆうり候補こうほ有限ゆうげんしぼれる。係数けいすうたい実数じっすう場合ばあいは、グラフから近似きんじもとめることができる)
  2. 因数いんすう定理ていりにより xαあるふぁf因子いんしである。
  3. (xαあるふぁ)g(x) = f(x) となる多項式たこうしき g を、実際じっさいf(x)xαあるふぁ多項式たこうしきとして(多項式たこうしきちょう除法じょほう英語えいごばん組立くみたて除法じょほう英語えいごばんなどにより)ることでもとめる。
  4. fαあるふぁ 以外いがいは、gである。g次数じすうf よりひとがるから、fαあるふぁ 以外いがいもとめることは、簡単かんたんになる。

変数へんすう多項式たこうしき因数いんすう定理ていり

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fn 変数へんすう X1, X2, …, Xn多項式たこうしきgX1 以外いがいn − 1 変数へんすう X2, …, Xn多項式たこうしきとする。

定理ていり
f(X1, X2, …, Xn)X1g(X2, …, Xn)因子いんしつための必要ひつようじゅうふん条件じょうけんは、f(g(X2, …, Xn), X2, …, Xn) = 0 となることである。

これは f, gX1多項式たこうしきれば gX1かんして定数ていすうであるから、一変いっぺんすう場合ばあい因数いんすう定理ていりからしたが[4]注目ちゅうもくする変数へんすうえれば、かく変数へんすうについて同様どうよう主張しゅちょうつ。

たとえば fヴァンデルモンドの行列ぎょうれつしき

とするとき f(X2, X2, …, Xn) = 0あきらかにつから、g(X2, …, Xn) ≔ X2 として因数いんすう定理ていり適用てきようすれば、fX1X2れるとかる。同様どうよう議論ぎろんにより、fせき (X1, X2, …, Xn)れるとかる。

f(x) = x3 + 4x2 + 3x − 2

有理数ゆうりすう範囲はんい因数いんすう分解ぶんかいする。

有理ゆうり定理ていりより、f(x)候補こうほ

x = ±2/1, ±1/1

このうちとしててきするのは x = −2 のみである。

因数いんすう定理ていりより、f(x)x − (−2)因数いんすうつ。

組立くみたて除法じょほうなどにより

x3 + 4x2 + 3x − 2 = (x + 2)(x2 + 2x − 1)

出典しゅってん

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  1. ^ Sullivan, Michael (1996), Algebra and Trigonometry, Prentice Hall, p. 381, ISBN 0-13-370149-2 
  2. ^ Sehgal, V K; Gupta, Sonal, Longman ICSE Mathematics Class 10, Dorling Kindersley (India), p. 119, ISBN 978-81-317-2816-1 
  3. ^ Bansal, R. K., Comprehensive Mathematics IX, Laxmi Publications, p. 142, ISBN 81-7008-629-9 
  4. ^ 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん剰余じょうよ定理ていり』 - コトバンク

外部がいぶリンク

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