数学 すうがく において、多項式 たこうしき の判別 はんべつ 式 しき (はんべつしき、英 えい : discriminant )とは、その多項式 たこうしき の根 ね が重根 しこね を持 も つための条件 じょうけん を与 あた える、元 もと の多項式 たこうしき 係数 けいすう の多項式 たこうしき で、最小 さいしょう のもののことである。
一般 いっぱん にdiscriminantの頭文字 かしらもじ を取 と って、D で表記 ひょうき される。
"discriminant"(判別 はんべつ 式 しき )という用語 ようご は1851年 ねん にイギリス人数 にんずう 学者 がくしゃ ジェームス・ジョセフ・シルベスター によって造 つく り出 だ された[1] 。
通常 つうじょう は、大文字 おおもじ の D あるいは大文字 おおもじ の Δ でるた で表記 ひょうき される。
具体 ぐたい 的 てき には、以下 いか の式 しき で定義 ていぎ される:
x の n 次 つぎ 式 しき
an xn + a n −1x n −1 + … + a 1 x + a 0 (an ≠ 0)
の重複 じゅうふく を含 ふく めた根 ね を α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n とすると、
D
=
a
n
2
n
−
2
∏
i
,
j
(
i
<
j
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
2
=
(
−
1
)
n
(
n
−
1
)
/
2
a
n
2
n
−
2
∏
i
,
j
(
i
≠
j
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
{\displaystyle D={a_{n}}^{2n-2}\textstyle \prod \limits _{i,j(i<j)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})^{2}=(-1)^{n(n-1)/2}{a_{n}}^{2n-2}\prod \limits _{i,j(i\neq j)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})}
この定義 ていぎ 式 しき は、次 つぎ の手順 てじゅん から、係数 けいすう an , a n −1 , …, a 1 , a 0 の分数 ぶんすう 式 しき である(実際 じっさい には多項式 たこうしき になる)。
D は α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n の対称 たいしょう 式 しき である。
α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n の対称 たいしょう 式 しき は、α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n の基本 きほん 対称 たいしょう 式 しき の多項式 たこうしき で表 あらわ せる。
α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n の基本 きほん 対称 たいしょう 式 しき は、根 ね と係数 けいすう の関係 かんけい より、α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n の分数 ぶんすう 式 しき である。//
判別 はんべつ 式 しき D を係数 けいすう an , a n −1 , …, a 1 , a 0 で表 あらわ すには、終結 しゅうけつ 式 しき (シルべスター行列 ぎょうれつ の行列 ぎょうれつ 式 しき )を用 もち いるのが最 もっと も簡明 かんめい である:
多項式 たこうしき f の判別 はんべつ 式 しき D は、f とその導 しるべ 関数 かんすう f' の終結 しゅうけつ 式 しき に
(
−
1
)
n
(
n
−
1
)
/
2
a
n
{\displaystyle {\frac {(-1)^{n(n-1)/2}}{a_{n}}}}
を掛 か けた値 ね に等 ひと しい。すなわち、
D
=
(
−
1
)
n
(
n
−
1
)
/
2
a
n
|
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
⋱
⋱
⋱
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
n
a
n
(
n
−
1
)
a
n
−
1
⋯
1
a
1
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
n
a
n
(
n
−
1
)
a
n
−
1
⋯
1
a
1
|
{\displaystyle D={\frac {(-1)^{n(n-1)/2}}{a_{n}}}{\begin{vmatrix}a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}&&\\&\ddots &\ddots &&&\ddots &\\&&a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}\\na_{n}&(n-1)a_{n-1}&\cdots &1a_{1}&&&\\&\ddots &\ddots &&\ddots &&\\&&\ddots &\ddots &&\ddots &\\&&&na_{n}&(n-1)a_{n-1}&\cdots &1a_{1}\end{vmatrix}}}
(対 たい 角 かく 成分 せいぶん に an が (n − 1) 個 こ 、1a 1 が n 個 こ )
二 に 次 じ 方程式 ほうていしき ax 2 + bx + c = 0 の判別 はんべつ 式 しき は
Δ でるた
=
b
2
−
4
a
c
{\displaystyle \Delta =b^{2}-4ac}
である。
三 さん 次 じ 方程式 ほうていしき ax 3 + bx 2 + cx + d = 0 の判別 はんべつ 式 しき は
Δ でるた
=
b
2
c
2
−
4
a
c
3
−
4
b
3
d
−
27
a
2
d
2
+
18
a
b
c
d
{\displaystyle \Delta =b^{2}c^{2}-4ac^{3}-4b^{3}d-27a^{2}d^{2}+18abcd}
である。
四 よん 次 じ 方程式 ほうていしき ax 4 + bx 3 + cx 2 + dx + e = 0 の判別 はんべつ 式 しき は
Δ でるた
=
256
a
3
e
3
−
192
a
2
b
d
e
2
−
128
a
2
c
2
e
2
+
144
a
2
c
d
2
e
−
27
a
2
d
4
+
144
a
b
2
c
e
2
−
6
a
b
2
d
2
e
−
80
a
b
c
2
d
e
+
18
a
b
c
d
3
+
16
a
c
4
e
−
4
a
c
3
d
2
−
27
b
4
e
2
+
18
b
3
c
d
e
−
4
b
3
d
3
−
4
b
2
c
3
e
+
b
2
c
2
d
2
{\displaystyle {\begin{aligned}\Delta =&\;256a^{3}e^{3}-192a^{2}bde^{2}-128a^{2}c^{2}e^{2}+144a^{2}cd^{2}e-27a^{2}d^{4}\\&\ +144ab^{2}ce^{2}-6ab^{2}d^{2}e-80abc^{2}de+18abcd^{3}+16ac^{4}e\\&\ -4ac^{3}d^{2}-27b^{4}e^{2}+18b^{3}cde-4b^{3}d^{3}-4b^{2}c^{3}e+b^{2}c^{2}d^{2}\end{aligned}}}
である。
より高次 こうじ の方程式 ほうていしき に対 たい しても、判別 はんべつ 式 しき は定義 ていぎ され、係数 けいすう たちの多項式 たこうしき であるが、その式 しき は非常 ひじょう に長大 ちょうだい なものになる。五 ご 次 じ 方程式 ほうていしき の判別 はんべつ 式 しき は 59 の項 こう を持 も ち[2] 、六 ろく 次 じ 方程式 ほうていしき の判別 はんべつ 式 しき は 246 の項 こう を持 も ち[3] 、項 こう の個数 こすう は次数 じすう によって指数 しすう 的 てき に増加 ぞうか する[要 よう 出典 しゅってん ] 。
(具体 ぐたい 的 てき な高次 こうじ 方程式 ほうていしき の判別 はんべつ 式 しき を最初 さいしょ の定義 ていぎ 式 しき に基 もと づいて求 もと めようとすると、長大 ちょうだい な係数 けいすう の多項式 たこうしき になり、計算 けいさん すると時間 じかん がかかる。判別 はんべつ 式 しき を終結 しゅうけつ 式 しき の形 かたち で表 あらわ し、そこでの係数 けいすう の値 ね で表 あらわ された行列 ぎょうれつ 式 しき を計算 けいさん するのが良 よ い。あるいは係数 けいすう 全体 ぜんたい にごく少数 しょうすう の変数 へんすう だけが含 ふく まれている場合 ばあい にも、終結 しゅうけつ 式 しき を用 もち いて計算 けいさん をするのが良 よ い。)
四 よん 次 じ までの代数 だいすう 方程式 ほうていしき に対 たい しては、判別 はんべつ 式 しき は解 かい の公式 こうしき に現 あらわ れるため、判別 はんべつ 式 しき の定義 ていぎ とは、解 かい の公式 こうしき の一部 いちぶ と誤解 ごかい されがちである。しかし五 ご 次 じ 以上 いじょう の代数 だいすう 方程式 ほうていしき には解 かい の公式 こうしき が存在 そんざい しない(アーベル-ルフィニの定理 ていり )が、判別 はんべつ 式 しき は常 つね に定義 ていぎ される。
定義 ていぎ から、判別 はんべつ 式 しき の値 ね が 0 であるのは、重根 しこね (すなわち重複 じゅうふく 度 ど が 2以上 いじょう の根 ね )が存在 そんざい することと同値 どうち である。
実数 じっすう 係数 けいすう の代数 だいすう 方程式 ほうていしき の実数 じっすう 解 かい の個数 こすう は、二 に 次 じ 方程式 ほうていしき では、判別 はんべつ 式 しき の符号 ふごう が正 せい か零 れい か負 まけ かにより2個 こ 、1個 いっこ (重複 じゅうふく 度 ど 2)、0個 こ と判別 はんべつ できるが、三 さん 次 じ の場合 ばあい にはそれぞれ3個 こ 、2個 こ (片方 かたがた は重複 じゅうふく 度 ど 2)あるいは1個 いっこ (重複 じゅうふく 度 ど 3),1個 いっこ となる。
このように三 さん 次 じ 以上 いじょう では、判別 はんべつ 式 しき 以外 いがい にも指標 しひょう となる式 しき が必要 ひつよう となる。
判別 はんべつ 式 しき の概念 がいねん は、方程式 ほうていしき の係数 けいすう が複素数 ふくそすう 体 からだ に含 ふく まれていない場合 ばあい にも適用 てきよう できる。係数 けいすう が整 せい 域 いき R に属 ぞく していれば定義 ていぎ され、この場合 ばあい に判別 はんべつ 式 しき は R の元 もと である。特 とく に、整数 せいすう 係数 けいすう 多項式 たこうしき の判別 はんべつ 式 しき は常 つね に整数 せいすう である。この性質 せいしつ は数 かず 論 ろん において広 ひろ く用 もち いられる。
f (x ) = an xn + a n −1x n −1 + … + a 1 x + a 0 (an ≠ 0)
とする。n 次 じ 方程式 ほうていしき f (x ) = 0 には、代数 だいすう 学 がく の基本 きほん 定理 ていり より、重複 じゅうふく を含 ふく めて n 個 こ の複素数 ふくそすう 解 かい が存在 そんざい する。それらを α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n とするとき、次 つぎ の等式 とうしき が成 な り立 た ち、多項式 たこうしき f あるいは代数 だいすう 方程式 ほうていしき f (x ) = 0 の判別 はんべつ 式 しき という。
a
n
2
n
−
2
∏
i
,
j
(
i
<
j
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
2
{\displaystyle {a_{n}}^{2n-2}\textstyle \prod \limits _{i,j(i<j)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})^{2}}
=
(
−
1
)
n
(
n
−
1
)
/
2
a
n
|
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
⋱
⋱
⋱
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
n
a
n
(
n
−
1
)
a
n
−
1
⋯
1
a
1
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
n
a
n
(
n
−
1
)
a
n
−
1
⋯
1
a
1
|
{\displaystyle ={\frac {(-1)^{n(n-1)/2}}{a_{n}}}{\begin{vmatrix}a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}&&\\&\ddots &\ddots &&&\ddots &\\&&a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}\\na_{n}&(n-1)a_{n-1}&\cdots &1a_{1}&&&\\&\ddots &\ddots &&\ddots &&\\&&\ddots &\ddots &&\ddots &\\&&&na_{n}&(n-1)a_{n-1}&\cdots &1a_{1}\end{vmatrix}}}
(対 たい 角 かく 成分 せいぶん に an が (n − 1) 個 こ 、1a 1 が n 個 こ )
(注 ちゅう )
(注 ちゅう 1)左辺 さへん の「
∏
i
,
j
(
i
<
j
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
2
{\displaystyle \textstyle \prod \limits _{i,j(i<j)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})^{2}}
」は、α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n の差 さ 積 せき の平方 へいほう であり、ヴァンデルモンドの行列 ぎょうれつ 式 しき として表 あらわ すことができる。
(注 ちゅう 2)この行列 ぎょうれつ 式 しき は、第 だい 1列 れつ が an で割 わ り切 き れるため、右辺 うへん は a n −1 , …, a 0 の (2n − 2) 次 つぎ 斉 ひとし 次 じ 多項式 たこうしき である。
(注 ちゅう 3)この行列 ぎょうれつ 式 しき の部分 ぶぶん は f と f' の終結 しゅうけつ 式 しき (resultant) であり、記号 きごう で
Res
(
f
,
f
′
)
{\displaystyle \operatorname {Res} (f,f')}
と表 あらわ される。
判別 はんべつ 式 しき が終結 しゅうけつ 式 しき を用 もち いて表 あらわ されることの証明 しょうめい [ 編集 へんしゅう ]
ここでは、文献 ぶんけん [4] に掲載 けいさい されている方法 ほうほう により証明 しょうめい する。
(証明 しょうめい )
∏
i
,
j
(
i
<
j
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
2
{\displaystyle \textstyle \prod \limits _{i,j(i<j)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})^{2}}
=
(
−
1
)
n
(
n
−
1
)
/
2
∏
i
,
j
(
i
≠
j
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
{\displaystyle =(-1)^{n(n-1)/2}\textstyle \prod \limits _{i,j(i\neq j)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})}
=
(
−
1
)
n
(
n
−
1
)
/
2
∏
i
=
1
n
∏
j
(
j
≠
i
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
⋯
(
1
)
{\displaystyle =(-1)^{n(n-1)/2}\textstyle \prod \limits _{i=1}^{n}\prod \limits _{j(j\neq i)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})\quad \cdots \ (1)}
f
(
x
)
=
a
n
∏
j
=
1
n
(
x
−
α あるふぁ
j
)
{\displaystyle f(x)=a_{n}\textstyle \prod \limits _{j=1}^{n}(x-\alpha _{j})}
f
′
(
x
)
=
a
n
∑
k
=
1
n
∏
j
(
j
≠
k
)
(
x
−
α あるふぁ
j
)
{\displaystyle f'(x)=a_{n}\textstyle \sum \limits _{k=1}^{n}\prod \limits _{j(j\neq k)}(x-\alpha _{j})}
f
′
(
α あるふぁ
i
)
=
a
n
∏
j
(
j
≠
i
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
⋯
(
2
)
{\displaystyle f'(\alpha _{i})=a_{n}\textstyle \prod \limits _{j(j\neq i)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})\quad \cdots \ (2)}
ここで、f' (x ) = 0 の根 ね を β べーた 1 , …, β べーた n −1 とする。
f
′
(
x
)
=
n
a
n
∏
j
=
1
n
−
1
(
x
−
β べーた
j
)
{\displaystyle f'(x)=na_{n}\textstyle \prod \limits _{j=1}^{n-1}(x-\beta _{j})}
f
′
(
α あるふぁ
i
)
=
n
a
n
∏
j
=
1
n
−
1
(
α あるふぁ
i
−
β べーた
j
)
⋯
(
3
)
{\displaystyle f'(\alpha _{i})=na_{n}\textstyle \prod \limits _{j=1}^{n-1}(\alpha _{i}-\beta _{j})\quad \cdots \ (3)}
(2) = (3) より、an ≠ 0 に注意 ちゅうい して
∏
j
(
j
≠
i
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
=
n
∏
j
=
1
n
−
1
(
α あるふぁ
i
−
β べーた
j
)
⋯
(
4
)
{\displaystyle \textstyle \prod \limits _{j(j\neq i)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})=n\prod \limits _{j=1}^{n-1}(\alpha _{i}-\beta _{j})\quad \cdots \ (4)}
(4) を (1) に代入 だいにゅう すると、
∏
i
,
j
(
i
<
j
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
2
=
(
−
1
)
n
(
n
−
1
)
/
2
n
n
∏
i
,
j
(
α あるふぁ
i
−
β べーた
j
)
⋯
(
5
)
{\displaystyle \textstyle \prod \limits _{i,j(i<j)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})^{2}=(-1)^{n(n-1)/2}n^{n}\prod \limits _{i,j}(\alpha _{i}-\beta _{j})\quad \cdots \ (5)}
ここで、終結 しゅうけつ 式 しき においてよく知 し られている、次 つぎ の等式 とうしき を使 つか う。
f (x ) = an xn + a n −1x n −1 + … + a 1 x + a 0 (an ≠ 0) の根 ね を α あるふぁ 1 , …, α あるふぁ n ,
g (x ) = bm xm + b m −1x m −1 + … + b 1 x + b 0 (bm ≠ 0) の根 ね を β べーた 1 , …, β べーた m
とすると、次 つぎ が成 な り立 た つ:
a
n
m
b
m
n
∏
i
,
j
(
α あるふぁ
i
−
β べーた
j
)
=
|
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
⋱
⋱
⋱
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
b
m
b
m
−
1
⋯
b
0
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
b
m
b
m
−
1
⋯
b
0
|
{\displaystyle {a_{n}}^{m}{b_{m}}^{n}\textstyle \prod \limits _{i,j}(\alpha _{i}-\beta _{j})={\begin{vmatrix}a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}&&\\&\ddots &\ddots &&&\ddots &\\&&a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}\\b_{m}&b_{m-1}&\cdots &b_{0}&&&\\&\ddots &\ddots &&\ddots &&\\&&\ddots &\ddots &&\ddots &\\&&&b_{m}&b_{m-1}&\cdots &b_{0}\end{vmatrix}}}
(対 たい 角 かく 成分 せいぶん に an が m 個 こ 、b 0 が n 個 こ )
この等式 とうしき を f , f' に適用 てきよう すると、
a
n
n
−
1
(
n
a
n
)
n
∏
i
,
j
(
α あるふぁ
i
−
β べーた
j
)
{\displaystyle {a_{n}}^{n-1}(na_{n})^{n}\textstyle \prod \limits _{i,j}(\alpha _{i}-\beta _{j})}
=
|
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
⋱
⋱
⋱
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
n
a
n
(
n
−
1
)
a
n
−
1
⋯
1
a
1
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
n
a
n
(
n
−
1
)
a
n
−
1
⋯
1
a
1
|
⋯
(
6
)
{\displaystyle ={\begin{vmatrix}a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}&&\\&\ddots &\ddots &&&\ddots &\\&&a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}\\na_{n}&(n-1)a_{n-1}&\cdots &1a_{1}&&&\\&\ddots &\ddots &&\ddots &&\\&&\ddots &\ddots &&\ddots &\\&&&na_{n}&(n-1)a_{n-1}&\cdots &1a_{1}\end{vmatrix}}\quad \cdots \ (6)}
(5), (6) より、
a
n
2
n
−
2
∏
i
,
j
(
i
<
j
)
(
α あるふぁ
i
−
α あるふぁ
j
)
2
{\displaystyle {a_{n}}^{2n-2}\textstyle \prod \limits _{i,j(i<j)}(\alpha _{i}-\alpha _{j})^{2}}
=
(
−
1
)
n
(
n
−
1
)
/
2
a
n
|
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
⋱
⋱
⋱
a
n
a
n
−
1
⋯
⋯
a
0
n
a
n
(
n
−
1
)
a
n
−
1
⋯
1
a
1
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
⋱
n
a
n
(
n
−
1
)
a
n
−
1
⋯
1
a
1
|
◼
{\displaystyle ={\frac {(-1)^{n(n-1)/2}}{a_{n}}}{\begin{vmatrix}a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}&&\\&\ddots &\ddots &&&\ddots &\\&&a_{n}&a_{n-1}&\cdots &\cdots &a_{0}\\na_{n}&(n-1)a_{n-1}&\cdots &1a_{1}&&&\\&\ddots &\ddots &&\ddots &&\\&&\ddots &\ddots &&\ddots &\\&&&na_{n}&(n-1)a_{n-1}&\cdots &1a_{1}\end{vmatrix}}\ \blacksquare }
代数 だいすう 方程式 ほうていしき の判別 はんべつ 式 しき を、終結 しゅうけつ 式 しき による式 しき で計算 けいさん してみる。判別 はんべつ 式 しき を D とおく。
二 に 次 じ 方程式 ほうていしき の判別 はんべつ 式 しき [ 編集 へんしゅう ]
二 に 次 じ 方程式 ほうていしき を
f (x ) = ax 2 + bx + c = 0
とおく。
f' (x ) = 2ax + b
D
=
(
−
1
)
2
⋅
(
2
−
1
)
/
2
a
|
a
b
c
2
a
b
2
a
b
|
=
−
|
1
b
c
2
b
2
a
b
|
(
expand by Sarrus' rule
)
=
−
{
(
b
2
+
4
a
c
)
−
2
b
2
}
=
b
2
−
4
a
c
/
/
{\displaystyle {\begin{aligned}D=&\;{\frac {(-1)^{2\cdot (2-1)/2}}{a}}{\begin{vmatrix}a&b&c\\2a&b&\\&2a&b\end{vmatrix}}\\=&\;-{\begin{vmatrix}1&b&c\\2&b&\\&2a&b\end{vmatrix}}\quad ({\mbox{expand by Sarrus' rule}})\\=&\;-\{(b^{2}+4ac)-2b^{2}\}\\=&\;b^{2}-4ac\quad //\end{aligned}}}
二 に 次 じ 方程式 ほうていしき f (x ) = ax 2 + bx + c = 0 において、特 とく に b が 2 を因数 いんすう に持 も つ場合 ばあい 、
b = 2b'
とおくと、
D
4
=
b
′
2
−
a
c
{\displaystyle {\frac {D}{4}}=b'^{2}-ac}
となる[5] 。
二 に 次 じ 方程式 ほうていしき の係数 けいすう が実数 じっすう である場合 ばあい に、実数 じっすう 解 かい の個数 こすう を判定 はんてい するのによく用 もち いられる。
三 さん 次 じ 方程式 ほうていしき の判別 はんべつ 式 しき [ 編集 へんしゅう ]
三 さん 次 じ 方程式 ほうていしき を
f (x ) = x 3 + px + q = 0
とおく。
f' (x ) = 3x 2 + p
D
=
(
−
1
)
3
⋅
(
3
−
1
)
/
2
1
|
1
0
p
q
1
0
p
q
3
0
p
3
0
p
3
0
p
|
(
eliminate 3rd row by 1st row, 4th row by 2nd row
)
=
−
|
1
0
p
q
1
0
p
q
0
0
−
2
p
−
3
q
0
0
−
2
p
−
3
q
3
0
p
|
=
−
|
−
2
p
−
3
q
0
−
2
p
−
3
q
3
0
p
|
(
expand by Sarrus' rule
)
=
−
(
4
p
3
+
27
q
2
)
/
/
{\displaystyle {\begin{aligned}D=&\;{\frac {(-1)^{3\cdot (3-1)/2}}{1}}{\begin{vmatrix}1&0&p&q&\\&1&0&p&q\\3&0&p&&\\&3&0&p&\\&&3&0&p\end{vmatrix}}\\&\\&({\mbox{eliminate 3rd row by 1st row, 4th row by 2nd row}})\\&\\=&\;-{\begin{vmatrix}1&0&p&q&\\&1&0&p&q\\0&0&-2p&-3q&\\&0&0&-2p&-3q\\&&3&0&p\end{vmatrix}}\\=&\;-{\begin{vmatrix}-2p&-3q&\\0&-2p&-3q\\3&0&p\end{vmatrix}}\quad ({\mbox{expand by Sarrus' rule}})\\=&\;-(4p^{3}+27q^{2})\quad //\end{aligned}}}
一般 いっぱん の三 さん 次 じ 方程式 ほうていしき ax 3 + bx 2 + cx + d = 0 の判別 はんべつ 式 しき は
Δ でるた
=
b
2
c
2
−
4
a
c
3
−
4
b
3
d
−
27
a
2
d
2
+
18
a
b
c
d
{\displaystyle \Delta =b^{2}c^{2}-4ac^{3}-4b^{3}d-27a^{2}d^{2}+18abcd}
である。
解 かい の公式 こうしき における判別 はんべつ 式 しき [ 編集 へんしゅう ]
5次 じ 以上 いじょう の代数 だいすう 方程式 ほうていしき には、解 かい の公式 こうしき が存在 そんざい しない(アーベル-ルフィニの定理 ていり )。
4次 じ 以下 いか の代数 だいすう 方程式 ほうていしき には、解 かい の公式 こうしき に判別 はんべつ 式 しき が現 あらわ れる。
二 に 次 じ 方程式 ほうていしき の解 かい [ 編集 へんしゅう ]
二 に 次 じ 方程式 ほうていしき
f (x ) = ax 2 + bx + c = 0
の解 かい には、判別 はんべつ 式 しき Δ でるた が含 ふく まれる:
x
=
−
b
±
b
2
−
4
a
c
2
a
=
−
b
±
Δ でるた
2
a
{\displaystyle x={\frac {-b\pm {\sqrt {b^{2}-4ac}}}{2a}}={\frac {-b\pm {\sqrt {\Delta }}}{2a}}}
係数 けいすう a , b , c が実数 じっすう の場合 ばあい :
Δ でるた > 0 のとき、f (x ) = 0 は異 こと なる 2 個 こ の実数 じっすう 解 かい をもつ。
Δ でるた = 0 のとき、f (x ) = 0 は 1 個 こ の重複 じゅうふく する実数 じっすう 解 かい をもつ。
重 じゅう 解 かい は
x
=
−
b
2
a
{\displaystyle x=-{\frac {b}{2a}}}
Δ でるた < 0 のとき、f (x ) = 0 は1組 くみ の共役 きょうやく 虚数 きょすう 解 かい をもつ。
虚数 きょすう 解 かい は
x
=
−
b
±
i
−
Δ でるた
2
a
{\displaystyle x={\frac {-b\pm i{\sqrt {-\Delta }}}{2a}}}
三 さん 次 じ 方程式 ほうていしき の解 かい [ 編集 へんしゅう ]
四 よん 次 じ 方程式 ほうていしき の解 かい [ 編集 へんしゅう ]
高次 こうじ 方程式 ほうていしき の解 かい [ 編集 へんしゅう ]
より一般 いっぱん に、実数 じっすう 係数 けいすう の n 次 つぎ 代数 だいすう 方程式 ほうていしき に対 たい して、
Δ でるた > 0 :
0
≤
k
≤
n
4
{\displaystyle 0\leq k\leq {\frac {n}{4}}}
なるある整数 せいすう k に対 たい して、2k 対 たい の共役 きょうやく 虚数 きょすう 解 かい と (n − 4k ) 個 こ の実数 じっすう 解 かい があり、全 すべ て異 こと なる;
Δ でるた < 0 :
0
≤
k
≤
n
−
2
4
{\displaystyle 0\leq k\leq {\frac {n-2}{4}}}
なるある整数 せいすう k に対 たい して、(2k + 1) 対 たい の共役 きょうやく 虚数 きょすう 解 かい と (n − 4k − 2) 個 こ の実数 じっすう 解 かい があり、全 すべ て異 こと なる;
Δ でるた = 0 :少 すく なくとも 1個 いっこ の重 じゅう 解 かい が存在 そんざい する。実数 じっすう 係数 けいすう であっても、重根 しこね は実数 じっすう であるとは限 かぎ らず、虚数 きょすう の場合 ばあい もある。
一般 いっぱん の可 か 換 かわ 環 かん 上 うえ での判別 はんべつ 式 しき [ 編集 へんしゅう ]
係数 けいすう が一般 いっぱん の可 か 換 かわ 環 たまき 上 うえ の代数 だいすう 方程式 ほうていしき に対 たい しても、判別 はんべつ 式 しき を定義 ていぎ することができる。ただし、環 たまき が整 せい 域 いき でない場合 ばあい 、そのような環 たまき においては除法 じょほう が常 つね には定義 ていぎ されないから、行列 ぎょうれつ 式 しき の第 だい 1列 れつ を最高 さいこう 次 じ 係数 けいすう
a
n
{\displaystyle a_{n}}
で割 わ る替 か わりに、最高 さいこう 次 じ 係数 けいすう を 1 に置 お き換 か えなければならない。この一般 いっぱん 化 か された判別 はんべつ 式 しき は代数 だいすう 幾何 きか 学 がく において基本 きほん 的 てき な次 つぎ の性質 せいしつ を持 も つ。
f を係数 けいすう を可 か 換 かわ 環 たまき A に持 も つ多項式 たこうしき とし、D をその判別 はんべつ 式 しき とする。φ ふぁい を A から体 からだ K の中 なか への環 たまき 準 じゅん 同型 どうけい とし、φ ふぁい (f ) を f の係数 けいすう を φ ふぁい によるそれらの像 ぞう によって置 お き換 か えて得 え られる K 上 うえ の多項式 たこうしき とする。すると φ ふぁい (D ) = 0 であるのは f と φ ふぁい (f ) の次数 じすう の差 さ が少 すく なくとも 2 であるかまたは φ ふぁい (f ) が K の代数 だいすう 的 てき 閉包 へいほう において重根 しこね を持 も つとき、かつそのときに限 かぎ る。1つ目 め のケースは φ ふぁい (f ) が無限 むげん 遠 とお 点 てん で重根 しこね を持 も つと解釈 かいしゃく できる。
この性質 せいしつ が応用 おうよう される典型 てんけい 的 てき な状況 じょうきょう は A が体 からだ k 上 うえ の(一 いち 変数 へんすう あるいは多 た 変数 へんすう )多項式 たこうしき 環 たまき であり φ ふぁい が A の不定 ふてい 元 もと への k の体 からだ の拡大 かくだい K の元 もと の代入 だいにゅう であるときである。
例 たと えば、f が実 じつ 係数 けいすう の X と Y の二 に 変数 へんすう 多項式 たこうしき であって、f = 0 は平面 へいめん 代数 だいすう 曲線 きょくせん の陰 かげ 方程式 ほうていしき であるとしよう。f を Y についての(係数 けいすう が X の式 しき である)一変 いっぺん 数 すう 多項式 たこうしき と見 み ると、判別 はんべつ 式 しき は根 ね が特異 とくい 点 てん 、Y 軸 じく に平行 へいこう な接線 せっせん との点 てん 、Y 軸 じく に平行 へいこう な漸近 ぜんきん 線 せん のいくつか、の X 座標 ざひょう であるような、X の多項式 たこうしき である。い換 いか えると Y -判別 はんべつ 式 しき と X -判別 はんべつ 式 しき の根 ね の計算 けいさん によって変 へん 曲 きょく 点 てん を除 のぞ いて曲線 きょくせん のすべての注目 ちゅうもく すべき点 てん を計算 けいさん できる。
判別 はんべつ 式 しき の概念 がいねん は一変 いっぺん 数 すう の多項式 たこうしき に加 くわ えて円錐 えんすい 曲線 きょくせん 、二 に 次 じ 形式 けいしき 、代数 だいすう 体 たい (英語 えいご 版 ばん ) を含 ふく む他 ほか の代数 だいすう 的 てき 構造 こうぞう に一般 いっぱん 化 か されている。代数 だいすう 的 てき 整数 せいすう 論 ろん における判別 はんべつ 式 しき は密接 みっせつ に関係 かんけい し、分岐 ぶんき についての情報 じょうほう を含 ふく む。実 じつ は、分岐 ぶんき のより幾何 きか 的 てき なタイプは判別 はんべつ 式 しき のより抽象 ちゅうしょう 的 てき なタイプにも関係 かんけい し、それによって多 おお くの応用 おうよう においてこれが中心 ちゅうしん 的 てき な代数 だいすう 的 てき アイデアになる。
円錐 えんすい 曲線 きょくせん の判別 はんべつ 式 しき [ 編集 へんしゅう ]
二元 にげん 二 に 次 じ 方程式 ほうていしき
A
x
2
+
B
x
y
+
C
y
2
+
D
x
+
E
y
+
F
=
0
{\displaystyle Ax^{2}+Bxy+Cy^{2}+Dx+Ey+F=0\,}
で表 あらわ される平面 へいめん 幾何 きか における円錐 えんすい 曲線 きょくせん に対 たい して、判別 はんべつ 式 しき は[6]
B
2
−
4
A
C
{\displaystyle B^{2}-4AC}
に等 ひと しく、円錐 えんすい 曲線 きょくせん の形 かたち (英語 えいご 版 ばん ) を決定 けってい する。判別 はんべつ 式 しき が 0 よりも小 ちい さければ、楕円 だえん か円 えん の方程式 ほうていしき である。判別 はんべつ 式 しき が 0 に等 ひと しければ、放物線 ほうぶつせん の方程式 ほうていしき である。判別 はんべつ 式 しき が 0 よりも大 おお きければ、双曲線 そうきょくせん の方程式 ほうていしき である。この公式 こうしき は退化 たいか の場合 ばあい (多項式 たこうしき が分解 ぶんかい するとき)働 はたら かない。
二 に 次 じ 形式 けいしき の判別 はんべつ 式 しき [ 編集 へんしゅう ]
判別 はんべつ 式 しき は、標 しるべ 数 すう ≠ 2 の任意 にんい の体 からだ K 上 うえ の二 に 次 じ 形式 けいしき Q へ実質 じっしつ 的 てき に一般 いっぱん 化 か できる。標 しるべ 数 すう 2 に対 たい しては、対応 たいおう する不 ふ 変量 へんりょう はアーフ不 ふ 変量 へんりょう (英語 えいご 版 ばん ) である。
二 に 次 じ 形式 けいしき Q が与 あた えられたとき、その判別 はんべつ 式 しき (discriminant) または行列 ぎょうれつ 式 しき (determinant) は Q の対称 たいしょう 行列 ぎょうれつ S の行列 ぎょうれつ 式 しき である[7] 。
行列 ぎょうれつ A による変数 へんすう 変換 へんかん で対称 たいしょう 行列 ぎょうれつ は
A
T
S
A
{\displaystyle A^{T}SA}
に変 か わるが、この行列 ぎょうれつ 式 しき は
(
det
A
)
2
det
S
{\displaystyle (\det A)^{2}\det S}
なので、変数 へんすう 変換 へんかん において判別 はんべつ 式 しき は 0 でない平方 へいほう によって変化 へんか し、したがって判別 はんべつ 式 しき の類 るい は K /(K * )2 において well-defined である。すなわち、0 でない平方 へいほう を除 のぞ いて定 さだ まる。平方 へいほう 剰余 じょうよ も参照 さんしょう 。
あまり直観 ちょっかん 的 てき でないが、(二 に 次 じ 形式 けいしき に関 かん する)ヤコビの定理 ていり によって、
K
n
{\displaystyle K^{n}}
上 うえ の二 に 次 じ 形式 けいしき は変数 へんすう の線型 せんけい 変換 へんかん の後 のち 、
a
1
x
1
2
+
⋯
+
a
n
x
n
2
{\displaystyle a_{1}{x_{1}}^{2}+\cdots +a_{n}{x_{n}}^{2}}
として対 たい 角形 かくがた 式 しき (diagonal form) で表現 ひょうげん できる。より正確 せいかく には、V 上 うえ の二 に 次 じ 形式 けいしき を和 わ
∑
i
=
1
n
a
i
L
i
2
{\displaystyle \sum _{i=1}^{n}a_{i}{L_{i}}^{2}}
として表現 ひょうげん できる、ここで Li は独立 どくりつ な線型 せんけい 形式 けいしき であり n は変数 へんすう の数 かず である(ai のいくつかは 0 でもよい)。すると判別 はんべつ 式 しき は ai の積 せき であり、これは K /(K * )2 における類 るい として well-defined である。
K =R (実数 じっすう 体 たい )に対 たい して、(R * )2 は正 せい の実数 じっすう 全体 ぜんたい であり(任意 にんい の正数 せいすう は 0 でない数 かず の平方 へいほう である)、したがって商 しょう R /(R * )2 は 3 つの元 もと 、正 ただし 、0、負 まけ を持 も つ。これは符号 ふごう (英語 えいご 版 ばん ) (n 0 , n + , n − ) よりも粗 あら い不 ふ 変量 へんりょう である。ここで n 0 は対 たい 角形 かくがた 式 しき における 0 の数 かず であり n ± は ±1 の数 かず である。すると判別 はんべつ 式 しき は、形式 けいしき が退化 たいか (
n
0
>
0
{\displaystyle n_{0}>0}
) であれば 0 であり、そうでなければ負 まけ の係数 けいすう の数 かず のパリティ
(
−
1
)
n
−
{\displaystyle (-1)^{n_{-}}}
である。
K =C (複素数 ふくそすう 体 たい )に対 たい して、(C * )2 は 0 でない複素数 ふくそすう であり(任意 にんい の複素数 ふくそすう は平方 へいほう である)、したがって商 しょう C /(C * )2 は 2 つの元 もと 、非 ひ 零 れい と零 れい からなる。
この定義 ていぎ は二 に 次 じ 多項式 たこうしき の判別 はんべつ 式 しき に一般 いっぱん 化 か される。多項式 たこうしき
a
x
2
+
b
x
+
c
{\displaystyle ax^{2}+bx+c}
を斉 ひとし 次 つぎ 化 か すると二 に 次 じ 形式 けいしき
a
x
2
+
b
x
y
+
c
y
2
{\displaystyle ax^{2}+bxy+cy^{2}}
になり、これは対称 たいしょう 行列 ぎょうれつ
[
a
b
/
2
b
/
2
c
]
{\displaystyle {\begin{bmatrix}a&b/2\\b/2&c\end{bmatrix}}}
で表現 ひょうげん され、この行列 ぎょうれつ 式 しき は
a
c
−
(
b
/
2
)
2
=
a
c
−
b
2
/
4
{\displaystyle ac-(b/2)^{2}=ac-b^{2}/4}
である。−4倍 ばい の違 ちが いを除 のぞ いて
b
2
−
4
a
c
{\displaystyle b^{2}-4ac}
と一致 いっち する。
実 じつ 形式 けいしき の判別 はんべつ 式 しき の類 るい の不 ふ 変量 へんりょう (正 ただし 、0、負 まけ )は、実 じつ 形式 けいしき が対応 たいおう する円錐 えんすい 曲線 きょくせん 楕円 だえん 、放物線 ほうぶつせん 、双曲線 そうきょくせん にそれぞれ対応 たいおう する。
代数 だいすう 体 たい の判別 はんべつ 式 しき [ 編集 へんしゅう ]
この
節 ふし の
加筆 かひつ が
望 のぞ まれています。
(2008年 ねん 12月 )
判別 はんべつ 式 しき は根 ね たちの対称 たいしょう 式 しき である。その平方根 へいほうこん (各 かく 冪 べき の半分 はんぶん :ヴァンデルモンド多項式 たこうしき )を n 変数 へんすう の対称 たいしょう 多項式 たこうしき の環 たまき
Λ らむだ
n
{\displaystyle \Lambda _{n}}
に添加 てんか すれば、交代 こうたい 式 しき の環 たまき を得 え 、これはしたがって
Λ らむだ
n
{\displaystyle \Lambda _{n}}
の二 に 次 じ 拡大 かくだい である。
簡単 かんたん にいえば、判別 はんべつ 式 しき はその定義 ていぎ 式 しき の形 かたち から、その平方根 へいほうこん は根 ね の偶置換 ちかん により不変 ふへん であり、奇 き 置換 ちかん により符号 ふごう が反転 はんてん する。
^ J. J. Sylvester (1851) "On a remarkable discovery in the theory of canonical forms and of hyperdeterminants," Philosophical Magazine , 4th series, 2 : 391-410; Sylvester coins the word "discriminant" on page 406 .
^ Gelfand, I. M.; Kapranov, M. M.; Zelevinsky, A. V. (1994). Discriminants, resultants and multidimensional determinants . Birkhäuser. p. 1. ISBN 3-7643-3660-9 . https://academic.oup.com/blms/article-abstract/28/1/96/262195?redirectedFrom=fulltext , Preview page 1
^ Dickenstein, Alicia; Emiris, Ioannis Z. (2005). Solving polynomial equations: foundations, algorithms, and applications . Springer. p. 26. ISBN 3-540-24326-7 . https://books.google.co.jp/books?id=rSs-pQNrO_YC&redir_esc=y&hl=ja , Chapter 1 page 26
^ 吾郷 あごう 孝 たかし 視 し 、細尾 ほそお 敏男 としお 、田中 たなか 隆一 りゅういち 『線形 せんけい 代数 だいすう 問題 もんだい 集 しゅう 』(単行本 たんこうぼん )森北 もりきた 出版 しゅっぱん 〈基礎 きそ 数学 すうがく 問題 もんだい 集 しゅう シリーズ1〉、1989年 ねん 1月 がつ 1日 にち 、40,41,134頁 ぺーじ 。ISBN 978-4627045101 。
^ 二 に 次 じ 方程式 ほうていしき の一 いち 次項 じこう が偶数 ぐうすう の時 とき に簡便 かんべん な計算 けいさん 方法 ほうほう として利用 りよう されるほか、コーシー=シュワルツの不等式 ふとうしき の一般 いっぱん 解 かい を二 に 次 じ 式 しき と判別 はんべつ 式 しき で証明 しょうめい する際 さい などに利用 りよう されることがある。
^ Fanchi, John R. (2006), Math refresher for scientists and engineers , John Wiley and Sons, pp. 44–45, ISBN 0-471-75715-2 , https://books.google.co.jp/books?id=75mAJPcAWT8C&redir_esc=y , Section 3.2, page 45
^ J.W.S. Cassels (1978). Rational Quadratic Forms . London Mathematical Society Monographs. 13 . Academic Press . p. 6. ISBN 0-12-163260-1 . Zbl 0395.10029