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れい多項式たこうしき

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数学すうがくにおけるれい多項式たこうしき(れいたこうしき、ゼロたこうしき、えい: zero polynomial, null polynomial)はすべての係数けいすう0多項式たこうしきう。しばしば、れい多項式たこうしき自身じしんをやはり 0あらわす。れい多項式たこうしきは、一変いっぺんすうまたは変数へんすう多項式たこうしきたまきにおけるれいげんである。

れい多項式たこうしき定数ていすう多項式たこうしき任意にんい次数じすうひとし多項式たこうしきることもできるし、そうしないこともありる。

たまきれいげん[編集へんしゅう]

適当てきとうからだ K うえ多項式たこうしきたまき K[x]かくもと fたいして、れい多項式たこうしき 0f + 0 = 0 + f = fたす。すなわち 0K[x]加法かほうぐんかんする単位たんいもとである。任意にんいたまきにおいてそうであるように、多項式たこうしきせきかんして f⋅0 = 0⋅f = 0ち、0K[x]乗法じょうほうかんする吸収きゅうしゅうもとである。これら両方りょうほう意味いみにおいて、れい多項式たこうしき 0多項式たこうしきたまき K[x]れいげんである。[1]

1Kx0 のもとで KK[x]るとき、かくスカラー kKK[x]もととして定数ていすう多項式たこうしきさだめるから、この意味いみにおいてれい多項式たこうしき定数ていすう多項式たこうしきである。

多項式たこうしき函数かんすう[編集へんしゅう]

れい多項式たこうしきさだめる多項式たこうしき函数かんすうれい函数かんすうである[2]。しかしぎゃくただしくない(たとえば係数けいすうたい二元にげんたい F2 うえれい多項式たこうしき x2xさだめる多項式たこうしき函数かんすう f: F2F2f(0) = f(1) = 0 だかられい函数かんすうである)。ひとつの十分じゅうぶん条件じょうけんとして、係数けいすうたい無限むげんたいならばれい函数かんすうさだめる多項式たこうしきれい多項式たこうしきかぎる。

定数ていすう多項式たこうしきさだめる多項式たこうしき函数かんすう定数ていすう函数かんすうであり、れい函数かんすう定数ていすう 0てる定数ていすう函数かんすうであるから、その意味いみにおいてれい多項式たこうしき定数ていすう多項式たこうしきふくめることに齟齬そごはない。しかし、れい函数かんすう定義ていぎ域内いきないすべてのもとがそのれいてんであり、その意味いみにおいてれい多項式たこうしき無数むすうる(たとえば、R うえれい多項式たこうしき函数かんすうはそのグラフが x-じく一致いっちする)。定数ていすう多項式たこうしきたないから、そのてんれい多項式たこうしき定数ていすう多項式たこうしきとの共通きょうつうせいたない。

次数じすう[編集へんしゅう]

れい多項式たこうしきにおいて係数けいすうれいであるこう存在そんざいしないから、れい係数けいすうこう変数へんすうべき指数しすう最小さいしょうという通常つうじょう定義ていぎによって次数じすうさだめることはできない。れい多項式たこうしき次数じすう明示めいじてきに「定義ていぎしない」とするか、整数せいすうまたはまけ無限むげんだいとする規約きやくがよくもちいられる[1][3]れい定数ていすう多項式たこうしき次数じすうあきらかに 0 であるから、定数ていすう多項式たこうしきれい多項式たこうしきふくめないという規約きやくさだめるならば、多項式たこうしきたいして次数じすう 0 であることと定数ていすうであることとをおな意味いみもちいることができる。

多項式たこうしきユークリッド除法じょほうでは、多項式たこうしき PMったしょう Q剰余じょうよ RP = QM + R (R = 0 または deg(R) < deg(M)) となるただいちくみ(Q, R) として定義ていぎできる。れい多項式たこうしき次数じすう deg(0)負数ふすう定義ていぎすることは、単純たんじゅんP = QM + R (deg(R) < deg(M)) とけるというてんにおいて有意ゆういである。

せいいきうえれい多項式たこうしきたいしてその次数じすうdeg(P + Q) = max{deg(P), deg(Q}), あるいはせきについて deg(PQ) = deg(P) + deg(Q), などがつが、れい多項式たこうしき次数じすう−∞ とすることで、P または Qれい多項式たこうしきとなる場合ばあい除外じょがいせずにむ。

ひとし多項式たこうしき[編集へんしゅう]

ひとし多項式たこうしきはふつうすべてのこうの(あきら次数じすうひとしい変数へんすう多項式たこうしきう。その意味いみにおいて、れい多項式たこうしきはいかなる次数じすうひとし多項式たこうしきでもない。しかし、ひとし多項式たこうしき P はスカラー λらむだ ≠ 0 によるスカラーばいかんして P(λらむだx) = λらむだkP(x) となる自然しぜんすう k存在そんざいするという意味いみにおいて、ひとし k-つぎひとし函数かんすうである。れい多項式たこうしきはその意味いみにおいて任意にんいひとし次次つぎつぎすうひとし多項式たこうしきなすことができる。

れい多項式たこうしき任意にんい次数じすうひとし多項式たこうしきなすことは、k-つぎひとし多項式たこうしき全体ぜんたい Ak多項式たこうしきかんして加法かほうぐんとなるために、あるいはとスカラーばいかんしてベクトル空間くうかんすようにするために有用ゆうようである。このとき、多項式たこうしきたまき K[x]次数じすうたまきとしてのひとし成分せいぶんへの分解ぶんかい K[x] = A0 + A1 + ⋯ ができ、これはまたベクトル空間くうかん直和なおかず分解ぶんかいであり、したがって次数じすう多元たげんたまきとしての分解ぶんかいになる。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b PlanetMath
  2. ^ MathWorld
  3. ^ Mathworld

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • Weisstein, Eric W. "Zero Polynomial". mathworld.wolfram.com (英語えいご).
  • zero polynomial - PlanetMath.英語えいご
  • Definition:Null Polynomial at ProofWiki