国勢調査こくせいちょうさ

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1790ねん米国べいこくおこなわれた国勢調査こくせいちょうさ結果けっか一部いちぶ

国勢調査こくせいちょうさ(こくせいちょうさ[1]えい: Censusなか: 人口じんこうひろし)は、ある時点じてんにおける人口じんこうおよび、その性別せいべつ年齢ねんれい配偶はいぐう関係かんけい就業しゅうぎょう状態じょうたい世帯せたい構成こうせいといった人口じんこうおよび世帯せたいかんする各種かくしゅ属性ぞくせいのデータ調しらべる「全数ぜんすう調査ちょうさ」。国勢調査こくせいちょうさ統計とうけいは、人口じんこう統計とうけいなか静態せいたい統計とうけい分類ぶんるいされる。

世界せかい諸国しょこくにおける国勢調査こくせいちょうさ実施じっしじょうきょうについては、国際こくさい連合れんごう統計とうけい(United Nations Statistics Division)調査ちょうさしており、「2010ねん世界せかい人口じんこう住宅じゅうたくセンサス計画けいかく(The 2010 World Population and Housing Census Programme)詳細しょうさい掲載けいさいされている。日本語にほんごによる解説かいせつとしては、雑誌ざっし統計とうけい」(日本にっぽん統計とうけい協会きょうかい平成へいせい21ねん10がつごう平成へいせい22ねん6がつごう)に連載れんさいの「世界せかい国勢調査こくせいちょうさ」がある。

なお、国勢調査こくせいちょうさ外来がいらいとしてセンサスともわれる。「センサス(えい: Census)」とは、古代こだいローマにおいておこなわれていたケンソル監察かんさつかん)による市民しみん登録とうろくのための資産しさん調査ちょうさ(ケンスス)に由来ゆらいする[2]。より一般いっぱんてき意味いみでは、母集団ぼしゅうだん調査ちょうさ対象たいしょう全体ぜんたい集団しゅうだん)の全数ぜんすう調査ちょうさするもの、すなわち「全数ぜんすう調査ちょうさ」を意味いみするかたりとしてもちいられ、母集団ぼしゅうだんのうちの一部いちぶ抽出ちゅうしゅつして調査ちょうさする「標本ひょうほん調査ちょうさ」と対比たいひされる概念がいねんである。人口じんこうおよび世帯せたいかんする全数ぜんすう調査ちょうさとしての国勢調査こくせいちょうさのことを厳密げんみつ英語えいご表現ひょうげんする場合ばあいには、"Population Census"または"Population and Housing Census"とばれる。

定義ていぎ[編集へんしゅう]

今日きょう国勢調査こくせいちょうさ定義ていぎとして国際こくさいてきもっとひろもちいられているのは、国際こくさい連合れんごう統計とうけい委員いいんかい英語えいご: United Nations Statistical Commissionが2007ねん国際こくさい統計とうけい基準きじゅんとして採択さいたくした「人口じんこうおよ住宅じゅうたくセンサスにかんする原則げんそく勧告かんこくだい2はん)」におけるものである。同書どうしょによれば、国勢調査こくせいちょうさつぎの4つの要件ようけんをすべてたすべきものとされている[3]

  1. 調査ちょうさ対象たいしょう個別こべつ把握はあくすること - Individual enumeration
  2. 国土こくど範囲はんい網羅もうらしていること - Universality within a defined territory
  3. 調査ちょうさどういちてん実施じっしされること - Simultaneity
  4. さだめられた周期しゅうき調査ちょうさ実施じっしされること - Defined periodicity

世界せかいおおくの国々くにぐに政府せいふ統計とうけい機関きかんは、この基準きじゅんしたがって国勢調査こくせいちょうさ実施じっししており、日本にっぽん国勢調査こくせいちょうさも、これらの要件ようけんをすべてたしているものである。

なお、国勢調査こくせいちょうさ定義ていぎとして、桜井さくらい健吾けんご南山大学なんざんだいがく 経済学部けいざいがくぶ 教授きょうじゅ 2007ねん時点じてん)が各種かくしゅ文献ぶんけんをあたって整理せいりしたものをげる[4]

  1. 住民じゅうみん対象たいしょうに、調査ちょうさ実際じっさいおこなわれる。したがって、住民じゅうみん台帳だいちょうなど資料しりょう集計しゅうけいした業務ぎょうむ統計とうけいふくまれない。
  2. ある地域ちいきひと全員ぜんいん対象たいしょうにすること。
  3. 調査ちょうさひょうもちい、調査ちょうさ対象たいしょうである住民じゅうみんみずかこたえること。
  4. 記入きにゅう内容ないようは、氏名しめいふく個人こじん属性ぞくせい情報じょうほう記載きさいすること。
  5. 「うちのまち全部ぜんぶで○にん」といったたんなる計数けいすう調査ちょうさにしないこと。
  6. 調査ちょうさエリアごとに調査ちょうさいん派遣はけんし、回答かいとう結果けっかのチェックや回収かいしゅうおこなうこと。
  7. 「○がつにち時点じてんでの情報じょうほう」といったように、調査ちょうさ時点じてんさだめること。
  8. 規則きそくてき実施じっしされること。

歴史れきし[編集へんしゅう]

起源きげん[編集へんしゅう]

国勢調査こくせいちょうさは、もっとふるいのは紀元前きげんぜん3800年代ねんだいバビロン王朝おうちょうおこなわれ、やく紀元前きげんぜん3000ねんエジプトや中国ちゅうごくなどでられる。英語えいごで「Census」とばれ、新約しんやく聖書せいしょの「ルカによる福音ふくいんしょ」のなかに、キリストの生誕せいたんちか時期じきマ帝国まていこく人口じんこう調査ちょうさおこなわれたとの記述きじゅつがみられる。

中世ちゅうせい近世きんせい[編集へんしゅう]

中世ちゅうせい近世きんせいにおいても、国家こっか運営うんえい必要ひつようとされる情報じょうほうるために、国家こっか人口じんこう世帯せたいかんする調査ちょうさおこなった事例じれいられるが、それらは今日きょうのような統計とうけい作成さくせい目的もくてきとした国勢調査こくせいちょうさとは性格せいかくことなるものとかんがえられ、いつの時代じだいのものをもって今日きょうてき意味いみでの国勢調査こくせいちょうさあるいは「Census」とみなせるかということについてはさだかではない。

近代きんだい国家こっか以前いぜん調査ちょうさ[編集へんしゅう]

近代きんだい国家こっか成立せいりつする以前いぜん国勢調査こくせいちょうさ調査ちょうさは、くにによって様々さまざまである。ヨーロッパでは、出生しゅっしょう婚姻こんいん死亡しぼうについて教会きょうかい密接みっせつつながりがあったことから、国家こっか国民こくみん調査ちょうさするのではなく、出生しゅっしょうとう出来事できごと教会きょうかい登録とうろくする習慣しゅうかんがあった。その記録きろくは、人口じんこう統計とうけい発達はったつ基礎きそとなった。教会きょうかい

などの条件じょうけんがそろっていたため、国勢調査こくせいちょうさおこな土台どだいとなった[4]

近代きんだいてき国勢調査こくせいちょうさ以前いぜん時代じだいにおいては、くに人口じんこうデータは国家こっか最高さいこう機密きみつとされていた事例じれいられる。そのため出版しゅっぱん自由じゆう議論ぎろんさいには、「国勢調査こくせいちょうさ結果けっか刊行かんこうするかしないか」が問題もんだいとなったケースもある[4]

近代きんだい国家こっか[編集へんしゅう]

近代きんだい国家こっかにおいては、ほうもとづいて人口じんこう世帯せたいかんする全数ぜんすう調査ちょうさおこなわれるようになった。そのなかもっと歴史れきしふるいもののひとつに、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのセンサスがある。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは、憲法けんぽうなかに、下院かいん議員ぎいん各州かくしゅう議席ぎせきすうはセンサスによってられた各州かくしゅう人口じんこう比例ひれいして配分はいぶんしなければならないとさだめられている。このため、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは、1790ねん以来いらい10ねんごとに国勢調査こくせいちょうさ(Population and Housing Census)が実施じっしされている(アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国勢調査こくせいちょうさ参照さんしょうのこと)。19世紀せいき以降いこうになると、おおくの国々くにぐにで、それぞれの法令ほうれいもとづいて国勢調査こくせいちょうさ実施じっしされるようになった。

日本にっぽん国勢調査こくせいちょうさ本格ほんかくてきはじまるのは1920ねんからである。もっとも、近代きんだいてき方法ほうほうはそれ以前いぜん実施じっしれいられる。1868ねん徳川とくがわ駿河するがうつったとき、同行どうこうしたすぎ亨二こうじは、沼津ぬまづ奉行ぶぎょう進言しんげんして、翌年よくねんこの地方ちほう人口じんこう調査ちょうさ人別にんべつ調ちょう」をおこなった。やがてすぎ明治めいじ政府せいふ役人やくにんとなり、1879ねん山梨やまなしけん人口じんこう調査ちょうさまかされた。この「甲斐かいこく現在げんざい人別にんべつ調ちょう」は、1846ねん10がつ15にち実施じっしされたベルギーだいいちかい国勢調査こくせいちょうさにおいてもちいられた産業さんぎょうべつ職業しょくぎょう分類ぶんるいほう採用さいようしている。1876ねんすぎ太政官だじょうかんせいひょうによる「日本にっぽん職業しょくぎょうぶん稿こう」「日本にっぽん商業しょうぎょう区分くぶん稿こう」の作成さくせい参画さんかくしている。このふたつは、いずれもオーストリアかた肩書かたがべつ分類ぶんるいもちいている。1902ねん明治めいじ35ねん)に「国勢調査こくせいちょうさ二関にぜきスル法律ほうりつ制定せいていされ、1920ねん大正たいしょう9ねん)にだい1かい国勢調査こくせいちょうさ実施じっしされた[5]

現代げんだい[編集へんしゅう]

今日きょう国勢調査こくせいちょうさによってられた個人こじん情報じょうほうは、法律ほうりつによって厳格げんかく秘密ひみつ保護ほごされているが、統計とうけいとして集計しゅうけいされた結果けっかについては、民主みんしゅ国家こっかにおいてはひろ公開こうかいされている。これは、国際こくさい連合れんごう統計とうけい委員いいんかいくに統計とうけいかんする基本きほん原則げんそくとして1994ねん採択さいたくした「官庁かんちょう統計とうけい基本きほん原則げんそく(United Nations Fundamental Principles of Official Statistics)」にもとづくものである[6]。この日本語にほんごによる解説かいせつについては、官庁かんちょう統計とうけい基本きほん原則げんそく総務そうむしょう統計とうけいきょく参照さんしょう

どう基本きほん原則げんそくでは、「経済けいざい人口じんこう社会しゃかい環境かんきょう状態じょうたいについてのデータを政府せいふ経済けいざいかいおよ公衆こうしゅう提供ていきょうすることによって、民主みんしゅてき社会しゃかい情報じょうほうシステムにおける不可欠ふかけつ要素ようそ構成こうせいしている。この目的もくてきのため、公的こうてき情報じょうほう利用りようたいする国民こくみん権利けんり尊重そんちょうするよう、政府せいふ統計とうけい機関きかんは、実際じっさいやく官庁かんちょう統計とうけい公正こうせいにまとめ、利用りようきょうしなければならない。」としている。

ただし、公開こうかいされるのは、あくまでも集計しゅうけいしてられた統計とうけいのみであり、個人こじん世帯せたいかんする個別こべつのデータは厳重げんじゅう保護ほごされるべきとされている。どう基本きほん原則げんそくは、「統計とうけい機関きかん統計とうけい作成さくせいのために収集しゅうしゅうした個別こべつデータは、自然人しぜんじんまた法人ほうじんかんするものであるかによらず、厳重げんじゅう秘匿ひとくされなければならず、統計とうけい目的もくてき以外いがいもちいてはならない。」としている。

日本にっぽんでも、統計とうけいほうにおいて統計とうけいの「理念りねんだい3じょう)」として、「公的こうてき統計とうけいは、ひろ国民こくみん容易ようい入手にゅうしゅし、効果こうかてき利用りようできるものとして提供ていきょうされなければならない。」(だい3こうおよび「公的こうてき統計とうけい作成さくせいもちいられた個人こじんまた法人ほうじんその団体だんたいかんする秘密ひみつは、保護ほごされなければならない。」(だい4こう)と規定きていされており、どう基本きほん原則げんそくどう趣旨しゅしのことが規定きていされている。

おおくのくにでは定期ていきてき国勢調査こくせいちょうさおこなわれるが、レバノンでは複雑ふくざつ宗教しゅうきょう民族みんぞく対立たいりつにより、1932ねんから現在げんざいまで国勢調査こくせいちょうさおこなわれていない[7]

国勢調査こくせいちょうさ必要ひつようせい[編集へんしゅう]

今日きょうのような国勢調査こくせいちょうさ成立せいりつにはなが歴史れきしてき背景はいけいがあるが、今日きょう意味いみでの国勢調査こくせいちょうさ必要ひつようせい意義いぎについては、国際こくさい連合れんごう世界せかい専門せんもん協議きょうぎしてりまとめた「人口じんこうおよ住宅じゅうたくセンサスにかんする原則げんそく勧告かんこくだい2はん)」に整理せいりして記載きさいされている[3]

  1. 公共こうきょう政策せいさくにおける公平こうへいせい確保かくほおよびコンセンサスの形成けいせいのための役割やくわりれい政府せいふサービスの配分はいぶん議席ぎせきすう配分はいぶん政府せいふ資金しきん地域ちいきへの配分はいぶん選挙せんきょ区割くわり)
  2. くに統計とうけい体系たいけいにおける中核ちゅうかくとしての役割やくわりれい経済けいざい統計とうけい社会しゃかい統計とうけい作成さくせいするじょうでの「ベンチマーク」(ちゅう基準きじゅんとなる統計とうけい)、くにおこな様々さまざま標本ひょうほん調査ちょうさ設計せっけいするための「フレーム」)
  3. 市町村しちょうそんあるいはそれ以下いか地域ちいきレベルにかんする詳細しょうさい統計とうけいるための役割やくわりれい学区がっくかんする統計とうけい自然しぜん境界きょうかいによる区域くいきかんする統計とうけい
  4. 各種かくしゅ研究けんきゅう分析ぶんせきにおける利用りようれい人口じんこう将来しょうらい推計すいけい

日本にっぽん国勢調査こくせいちょうさも、しょ外国がいこく同様どうよう上記じょうき役割やくわりっている。これらの役割やくわりは、標本ひょうほん調査ちょうさ行政ぎょうせい資料しりょうからられる統計とうけいでは代替だいたいできないことから、国勢調査こくせいちょうさには不可欠ふかけつ役割やくわりがあるとされる。

歴史れきしてきると、人口じんこう統計とうけいについては、古代こだいローマのころにはすでに調査ちょうさおこなわれていたが、その属性ぞくせい情報じょうほうふくんだ国勢調査こくせいちょうさ必要ひつようせいは、近代きんだいしょうじた。近代きんだい国家こっかでは、各種かくしゅ政策せいさくおこなうために現在げんざい人口じんこう確認かくにん将来しょうらい人口じんこう推測すいそく国内こくない労働ろうどうりょく把握はあく国民こくみん教育きょういくじょうきょうなどを必要ひつようがあるという認識にんしきひろまっていった[4]。こうした国家こっか人口じんこう統計とうけい調査ちょうさ必要ひつようせいは、「なまたいする権力けんりょく国民こくみんまれてからぬまでを管理かんりする)」(ミシェル・フーコー)や、「近代きんだい国家こっかとなり、それまで国家こっか枠組わくぐみにまれていなかった労働ろうどうしゃ階級かいきゅう国家こっかれ、各種かくしゅ政策せいさく実施じっしするために必要ひつようなもの」(エドワード・ヒッグス)、「観察かんさつという科学かがく政治せいじ統治とうちとの融合ゆうごう」(阪上さかうえたかし)などの解釈かいしゃくがある[4]

調査ちょうさ内容ないよう[編集へんしゅう]

調査ちょうさ項目こうもく[編集へんしゅう]

国勢調査こくせいちょうさ調査ちょうさ項目こうもくかんしては、国際こくさい連合れんごうの「人口じんこうおよ住宅じゅうたくセンサスにかんする原則げんそく勧告かんこくだい2はん)」に国際こくさいてき専門せんもん検討けんとうまえて世界せかい各国かっこく調査ちょうさすることがのぞましい項目こうもくとその背景はいけいかんがかたなどがさだめられており、世界せかい国々くにぐにはおおむねこれ沿って調査ちょうさ項目こうもくさだめている[3]

調査ちょうさ項目こうもく選定せんていたっては、しゅとして

  • くににおける優先ゆうせん順位じゅんい
  • 国際こくさい比較ひかくせい
  • 設問せつもん適切てきせつせい
  • 所要しょよう財源ざいげん確保かくほ

観点かんてん考慮こうりょすべきであるとされている。そして、具体ぐたいてき調査ちょうさ項目こうもく候補こうほとして、とく重要じゅうようとされる「コア」の項目こうもくが20あまり、ほかに可能かのうであれば調査ちょうさすることがのぞましい附帯ふたいあるいは補助ほじょ項目こうもくが20あまげられている。

調査ちょうさ項目こうもくすうくにによって差異さいがあり、日本にっぽんの2010ねん国勢調査こくせいちょうさでは20項目こうもくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの2010ねん国勢調査こくせいちょうさでは10項目こうもく(2000ねんやく50項目こうもく)、イギリスの2001ねん国勢調査こくせいちょうさではやく40項目こうもくなどとなっている。日本にっぽん国勢調査こくせいちょうさ調査ちょうさ項目こうもくすうは、世界せかいてきるとすくない部類ぶるいぞくする。

イギリスでは宗教しゅうきょう記入きにゅうらんもあり、オーストラリアニュージーランドなどイギリスの法律ほうりつ影響えいきょうけたイギリス連邦れんぽう諸国しょこくでも調査ちょうさおこなわれている。2001ねんには国勢調査こくせいちょうさ宗教しゅうきょうを「ジェダイ」と回答かいとうするうごにより、これらのくに宗教しゅうきょう調査ちょうさ影響えいきょうけた。

オーストラリアでは出身しゅっしんこく結婚けっこん有無うむ収入しゅうにゅういえ比率ひりつ自宅じたくひろさやローン支払しはらいの有無うむ宗教しゅうきょう使用しよう言語げんごなども調査ちょうさおこなっている[8]

なお、このような国際こくさい連合れんごうによる国際こくさい基準きじゅんりまとめられる以前いぜん国勢調査こくせいちょうさについて歴史れきしてきると、調査ちょうさ項目こうもくは、その当時とうじ国家こっか必要ひつようであったものが調査ちょうさされていた。性別せいべつ職業しょくぎょう結婚けっこん嫡子ちゃくし嫡子ちゃくし軍人ぐんじん軍人ぐんじんか、言語げんご精神せいしん障害しょうがい人種じんしゅ民族みんぞく宗教しゅうきょうなど、様々さまざま項目こうもくがある。

調査ちょうさ期間きかん[編集へんしゅう]

初期しょき国際こくさいてき指針ししんとしては、国際こくさい統計とうけい学会がっかい(1853ねん設立せつりつ)が「10ねん以内いない」とさだめている[4]初期しょきころは「5ねん周期しゅうき」や「3ねん周期しゅうき」など、各国かっこくがまちまちな状態じょうたいにあった[4]

今日きょう国際こくさい連合れんごうの「人口じんこうおよ住宅じゅうたくセンサスにかんする原則げんそく勧告かんこくだい2はん)」では、国勢調査こくせいちょうさは「すくなくとも10ねんに1かい」の割合わりあい実施じっしすることを勧告かんこくしており、くに人口じんこう事情じじょうとうによってはより頻繁ひんぱん実施じっしすることがのぞましいとしている。また、実施じっし時期じきとしては、国際こくさい比較ひかくせい向上こうじょうさせるため、西暦せいれき末尾まつびが「0」のとし、あるいはその近辺きんぺん実施じっしすることがのぞましいとしているが、各国かっこく事情じじょう優先ゆうせんすることを容認ようにんしている。国際こくさい連合れんごう統計とうけい委員いいんかいでは、2005ねんから2014ねんの10年間ねんかんを「2010ねん世界せかい人口じんこうセンサス計画けいかく」(The 2010 World Programme on Population and Housing Censuses)の期間きかんとしている[3]

日本にっぽん国勢調査こくせいちょうさは、1920ねんだい1かい実施じっしされて以来いらい終戦しゅうせんとしの1945ねんのぞいて[注釈ちゅうしゃく 1]西暦せいれき末尾まつびが「0」または「5」のとしの10がつ1にち現在げんざい実施じっしされている。「0」のとし調査ちょうさは「だい規模きぼ調査ちょうさ」とばれ、「5」のとし調査ちょうさは「簡易かんい調査ちょうさ」とばれている。「だい規模きぼ調査ちょうさ」と「簡易かんい調査ちょうさ」のちがいは基本きほんてきには調査ちょうさ事項じこうすうであり、後者こうしゃ前者ぜんしゃ調査ちょうさ事項じこう一部いちぶ省略しょうりゃくして実施じっしされている。日本にっぽんの2010ねん国勢調査こくせいちょうさは、国際こくさい連合れんごうの「2010ねん世界せかい人口じんこうセンサス計画けいかく」のちょうど中央ちゅうおう時期じき実施じっしされるものである。

調査ちょうさ項目こうもく運用うんよう[編集へんしゅう]

国勢調査こくせいちょうさ調査ちょうさ項目こうもくつぎのよう設定せっていされている。

  • 世帯せたいぬしとのつづがら配偶はいぐうしゃ有無うむ
  • 男女だんじょべつ出生しゅっしょう年月としつき
  • 教育きょういく
  • 従業じゅうぎょうまた通学つうがく
  • つとさき業主ぎょうしゅなどの名称めいしょうおよ事業じぎょう内容ないよう本人ほんにん仕事しごと内容ないよう

2020ねん10がつ日本にっぽんこく国勢調査こくせいちょうさ調査ちょうさひょう[編集へんしゅう]

  • 世帯せたいについて
    • 世帯せたいいんかず総数そうすう おとこ おんな
    • 住居じゅうきょ種類しゅるいいえ都道府県とどうふけん公社こうしゃとう賃貸ちんたい住宅じゅうたく民営みんえい賃貸ちんたい住宅じゅうたく給与きゅうよ住宅じゅうたく社宅しゃたく公務員こうむいん住宅じゅうたくなど)、住宅じゅうたくあいだり、会社かいしゃとう独身どくしんりょう寄宿舎きしゅくしゃ、その のうち1つ)
  • 世帯せたいいん全員ぜんいんについて
    • 氏名しめいおよ男女だんじょべつ
    • 世帯せたいぬしとのつづがら世帯せたいぬしまた代表だいひょうしゃ世帯せたいぬし配偶はいぐうしゃ配偶はいぐうしゃ世帯せたいぬし父母ちちはは世帯せたいぬし配偶はいぐうしゃ父母ちちははまご祖父母そふぼ兄弟きょうだい姉妹しまい親族しんぞくみの雇人やといにん、その のうち1つ)
    • 出生しゅっしょう年月としつき
    • 配偶はいぐうしゃ有無うむ未婚みこん幼児ようじなどをふくむ)、配偶はいぐうしゃあり、死別しべつ離別りべつ のうち1つ)
    • 国籍こくせき日本にっぽん外国がいこく国名こくめい) のうち1つ)
    • 現在げんざい場所ばしょんでいる期間きかん出生しゅっしょうから、出生しゅっしょうから以外いがい(1ねん未満みまん、1~5ねん未満みまん、5~10ねん未満みまん、10~20ねん未満みまん、20ねん以上いじょう) のうち1つ)
    • 5ねんまえ平成へいせい27ねん10がつ1にち)にはどこにんでいましたか(現在げんざいおな場所ばしょおな市町村しちょうそんないほか場所ばしょ市町村しちょうそん外国がいこく のうち1つ)
    • 教育きょういく在学ざいがくちゅう卒業そつぎょう小学しょうがく中学ちゅうがく高校こうこうきゅうなか短大たんだいこうせん大学だいがく大学院だいがくいん)、就学しゅうがく幼稚園ようちえん保育園ほいくえん保育ほいくしょ認定にんていこどもえん乳児にゅうじ・その) のうち1つ
    • 9月24にちから30にちまでの1週間しゅうかん仕事しごとをしましたか(おも仕事しごと家事かじなどのほか仕事しごと通学つうがくのかたわら仕事しごとすこしも仕事しごとをしなかったひと仕事しごとやすんでいた、仕事しごとさがしていた、家事かじ通学つうがく、その幼児ようじ高齢こうれいなど)) のうち1つ)
  • 就業しゅうぎょうしゃ通学つうがくしゃについて(9がつ24にちから30にちまでの1週間しゅうかん仕事しごとをしましたか で、おも仕事しごと家事かじなどのほか仕事しごと通学つうがくのかたわら仕事しごと通学つうがく のうち1つに記入きにゅうしたひと)
    • 従業じゅうぎょうまた通学つうがく自宅じたくみをふくむ)、おな市町村しちょうそん市町村しちょうそん のうち1つ)
    • 従業じゅうぎょうまた通学つうがくまでの利用りよう交通こうつう手段しゅだん徒歩とほのみ、鉄道てつどう電車でんしゃ乗合のりあいバス、つとさき学校がっこうのバス のうち該当がいとうするものすべて)
  • 就業しゅうぎょうしゃについて
    • つとめか自営じえいかのべつやとわれているひと正規せいき職員しょくいん従業じゅうぎょういん労働ろうどうしゃ派遣はけん事業じぎょうしょ派遣はけん社員しゃいん、パート・アルバイト・その)、会社かいしゃなどの役員やくいん自営業じえいぎょうしゃ雇人やといにんあり、雇人やといにんなし)、家族かぞく従業じゅうぎょういん家庭かていない賃仕事ちんしごと内職ないしょく) のうち1つ)
    • つとさき業主ぎょうしゅなどの名称めいしょうおよ事業じぎょう内容ないよう
    • 本人ほんにん仕事しごと内容ないよう

各国かっこく地域ちいき国勢調査こくせいちょうさ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ そのわり1947ねん臨時りんじ国勢調査こくせいちょうさおこなわれた。(出典しゅってん:『むつ 年表ねんぴょう』(むつ・1988ねん12がつ20日はつか発行はっこう)794ぺーじ現代げんだい 昭和しょうわ22ねん(1947)」より)

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 国勢調査こくせいちょうさ」『デジタル大辞泉だいじせんhttps://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%9B%BD%E5%8B%A2%E8%AA%BF%E6%9F%BB/2020ねん9がつ23にち閲覧えつらん 
  2. ^ センサスの語源ごげん”. 2021ねん11月20にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d 『Principles and Recommendations for Population and Housing Censuses, Revision 2』United Nations 2008ねん
  4. ^ a b c d e f g 近代きんだい統計とうけい制度せいど国際こくさい比較ひかく安本やすもとみのる編集へんしゅう 2007ねん12月 日本にっぽん経済けいざい評論ひょうろんしゃ ISBN 978-4-8188-1966-5
  5. ^ 統計とうけいきょくホームページ/国勢調査こくせいちょうさのあゆみ”. www.stat.go.jp. 2024ねん1がつ30にち閲覧えつらん
  6. ^ 『United Nations Fundamental Principles of Official Statistics』United Nations 1994ねん
  7. ^ Barshad, Amos (2019ねん10がつ17にち). “In Lebanon, a Census Is Too Dangerous to Implement” (英語えいご). ISSN 0027-8378. https://www.thenation.com/article/archive/lebanon-census/ 2021ねん4がつ10日とおか閲覧えつらん 
  8. ^ 2007ねん6がつ29にちづけ配信はいしん NNAニュース

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]