地下核実験制限条約(ちかかくじっけんせいげんじょうやく、Threshold Test Ban Treaty, TTBT)は、アメリカ合衆国とソビエト連邦との間に結ばれた核実験の制限に関する条約。
正式名称は「地下核兵器実験の制限に関するアメリカ合衆国とソビエト社会主義共和国連邦との間の条約」(ロシア語: Договор между Союзом Советских Социалистических Республик и Соединенными Штатами Америки об ограничении подземных испытаний ядерного оружия、英語: Treaty Between The United States of America and The Union of Soviet Socialist Republics on the Limitation of Underground Nuclear Weapon Tests )。地下核実験における最大核出力を150ktに制限し、その検証までを規定している[1]。1974年7月3日署名、1990年12月11日発効[2]。
平和目的地下核爆発制限条約の交渉もあり、アメリカでは1976年まで議会に提出されなかった[2]。冷戦の影響により、検証実験が行われず、批准は行われなかった。しかし、1976年に両国とも核実験における、この制限を遵守すると宣言している[2]。1980年代後半に入り、米ソが接近すると、1987年から検証実験の協議に入り[3]、1988年には共同検証実験に関する条約 (The Agreement to Conduct a Joint Verification Experiment, JVE) を締結・批准し、ネバダ核実験場とセミパラチンスク核実験場において共同検証実験を行い、核出力と観測される地震波の関係を較正、核実験・核出力の検証体制が整えられた[1]。なお、技術的な問題により、意図しない軽微な核出力の制限違反は、少数回ならば条約違反とはしないが協議対象とはなりえることが合意されていた[2]。