塩化えんかスルホン酸さん

塩化えんかスルホン酸さん
IUPAC名めい	Sulfurochloridic acid
別名べつめい	クロロスルホン酸さん、クロロ硫酸りゅうさん
組成そせい式しき	HSO3Cl
式しき量りょう	116.52 g/mol
形状けいじょう	油状ゆじょう液体えきたい
CAS登録とうろく番号ばんごう	7790-94-5
密度みつどと相そう	1.753 g/cm3, 液体えきたい
融点ゆうてん	-80 °C
沸点ふってん	151–152 °C

塩化えんかスルホン酸さん（えんかスルホンさん）は化学かがく式しき HSO₃ClもしくはSO₂Cl(OH)で表あらわされる無機むき化合かごう物ぶつである。クロロ硫酸りゅうさん（chlorosulfuric acid）、クロロスルホン酸さん（chlorosulfonic acid）とも呼よばれる。

性質せいしつ

無色むしょくないし淡あわ黄色きいろの油状ゆじょうの液体えきたいで、強つよい刺激しげき臭しゅうがある。水みずと激はげしく反応はんのうして、塩化えんか水素すいそと硫酸りゅうさんに分解ぶんかいする。

${\ce {HSO3Cl\ + H2O -> HCl\ + H2SO4}}$

吸湿きゅうしつ性せいが強つよく、空気くうき中ちゅうで発煙はつえんする。皮膚ひふに接触せっしょくした場合ばあいには激はげしい薬くすり傷きずを生しょうじ、煙けむりを吸入きゅうにゅうすると肺はいを侵おかす。毒物どくぶつ及および劇げき物ぶつ取締とりしまり法ほう上うえ、劇げき物ぶつに指定していされている。

合成ごうせい

クロロスルホン酸さんは濃こ硫酸りゅうさんに対たいする五ご塩化えんかリンの作用さようによって合成ごうせいできる。

$\mathrm {H_{2}SO_{4}+PCl_{5}\ \rightarrow \ HSO_{3}Cl+POCl_{3}+HCl}$

クロロスルホン酸さんは三さん酸化さんか硫黄いおうに塩酸えんさんを導入どうにゅうすることでも合成ごうせいできる。

$\mathrm {SO_{3}+HCl\ \rightarrow \ HSO_{3}Cl}$

用途ようと

合成ごうせい洗剤せんざい原料げんりょうをはじめ、医薬品いやくひんや染料せんりょう等ひとしの原料げんりょうや、スルホン化か剤ざいとして用もちいられる。 ステルス爆撃ばくげき機きのエンジン排気はいきに起因きいんする飛行機雲ひこうきぐもの発生はっせいを抑おさえるために、排気はいき中ちゅうの水分すいぶんを吸着きゅうちゃくさせる目的もくてきで排気はいき中ちゅうに散布さんぷする。