夏至げし南風みなみかぜ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
南西諸島なんせいしょとういき梅雨つゆけした直後ちょくご気圧きあつ配置はいち

夏至げし南風みなみかぜ(カーチーベー)は、沖縄おきなわけんにおいて梅雨つゆ直後ちょくごく、湿気しっけびたみなみ南西なんせい比較的ひかくてきつよふうである。沖縄おきなわでは梅雨つゆけをらせる季節風きせつふうとしてられている。沖縄おきなわけんでの梅雨つゆけは夏至げしころであることがおおく、夏至げし南風みなみかぜばれる。宮古みやこ八重山やえやま地方ちほうでは「カーチーバイ」とばれる[1]ほか、呼称こしょうについては「カーチベー」「カーチバイ」など、沖縄おきなわ県内けんないにおいても地域ちいきがある。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

上述じょうじゅつとおり、湿気しっけびたみなみ南西なんせいふうで、風速ふうそくおおむね5m/s~10m/sである。南西諸島なんせいしょとういきにおいては梅雨つゆけると同時どうじ太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ勢力せいりょくはいるが、夏至げし南風みなみかぜはこのさい顕著けんちょ突風とっぷうす。

沖縄気象台おきなわきしょうだいによる那覇なはの(1981ねん-2010ねん)の気候きこう資料しりょう
[2] 1がつ 2がつ 3がつ 4がつ 5月 6がつ 7がつ 8がつ 9月 10月 11月 12月
平均へいきん風速ふうそく 5.4 5.3 5.2 5.1 5.0 5.4 5.3 5.2 5.4 5.4 5.5 5.2
最多さいた風向ふうこう きた北東ほくとう きた きた 東南東とうなんとう ひがし 南南西なんなんせい 南東なんとう 南東なんとう 東南東とうなんとう きた北東ほくとう きた北東ほくとう きた北東ほくとう

卓越たくえつするみなみりのふう[編集へんしゅう]

梅雨つゆけた南西諸島なんせいしょとうから伊豆諸島いずしょとう小笠原諸島おがさわらしょとういきでは、地球ちきゅう自転じてんがなければ下層かそうではひがしこうあつがわから西にし低圧ていあつがわかうかぜくはずである。しかし、自転じてんちからコリオリのちから:北半球きたはんきゅうではながれを右向みぎむきにえようとするちから)の影響えいきょうのため、等圧線とうあつせん沿っててい気圧きあつがわ左手ひだりて方向ほうこうふうとなる(衡風)。したがって、西側にしがわ低圧ていあつ左手ひだりてにみる方向ほうこう、つまりみなみりのかぜ卓越たくえつする。

夏至げし南風みなみかぜ梅雨つゆ前線ぜんせんあたえる影響えいきょう[編集へんしゅう]

例年れいねん6がつ下旬げじゅん以降いこう西日本にしにほんにもたらす多量たりょう降水こうすいりょうは、貿易ぼうえきふうにより本来ほんらい熱帯ねったい収束しゅうそくたいはこばれるはずの亜熱帯あねったい高気圧こうきあついき水蒸気すいじょうきがこの夏至げし南風みなみかぜによって梅雨つゆ前線ぜんせんはこばれることによってもたらされる。

インドモンスーンとの関連かんれんせい[編集へんしゅう]

南西諸島なんせいしょとう梅雨つゆけるころさかいに、太平洋たいへいよう高気圧こうきあつじく西にしし、インドモンスーン対応たいおうする低圧ていあついきひがしす。そのため華南かなんから南西諸島なんせいしょとういきにかけて南北なんぼくはし等圧線とうあつせん急激きゅうげきう。これにともない、北緯ほくい25付近ふきんでは西にしていひがしだか気圧きあつ配置はいちとなる(※天気てんき参照さんしょう)。このためコリオリりょく影響えいきょうけて下層かそうみなみりのかぜつよまる。夏至げし南風みなみかぜ急激きゅうげき開始かいし華中かちゅうから日本にっぽん列島れっとういき梅雨つゆ最盛さいせいはじまりという一連いちれん現象げんしょうは、インドモンスーンにともなみなみアジアいき低圧ていあつひがしえんがはるかひがしすことによる下層かそう南風みなみかぜ強化きょうか影響えいきょうつよけていることになる。

夏至げし南風みなみかぜ沖縄おきなわけんにもたらした強風きょうふう[編集へんしゅう]

2005ねん6がつ14にちには沖縄気象台おきなわきしょうだいにて同日どうじつ午前ごぜん849ふん最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそく26・5メートルが観測かんそくされた。 どう気象台きしょうだいは、この強風きょうふうきた海上かいじょう停滞ていたいする梅雨つゆ前線ぜんせんに、南西なんせいからのかぜんだのが原因げんいん分析ぶんせき。 これは梅雨つゆ間近まぢかく「夏至げし南風みなみかぜ(カーチーベー)」がつよ影響えいきょうしたものとかんがえられる[3]

出典しゅってん引用いんよう[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]