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対格たいかく言語げんご

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

対格たいかく言語げんご(たいかくげんご、accusative language)とは自動詞じどうし主語しゅご他動詞たどうし主語しゅごおなじようにあつかわれ、他動詞たどうし目的もくてきだけがちがあつかいをける言語げんごう。

概要がいよう[編集へんしゅう]

日本語にほんごでは、したれいのように、自動詞じどうし主語しゅごにも他動詞たどうし主語しゅごにも助詞じょし「が」がき、一方いっぽう他動詞たどうし目的もくてきには「を」がく。このように、自動詞じどうし主語しゅご他動詞たどうし主語しゅごおな標識ひょうしき日本語にほんごなら「が」)でしめされる場合ばあい、そのかく主格しゅかくび、他動詞たどうし目的もくてきかく日本語にほんごなら「を」)を対格たいかくぶ。主格しゅかく対格たいかくかく体系たいけい主格しゅかく対格たいかく (nominative-accusative) がたりゃくして対格たいかくがた言語げんごわれる。

日本語にほんごれい
a. 太郎たろう た」
b. 花子はなこ た」
c. 太郎たろう 花子はなこ た」
d. 花子はなこ 太郎たろう た」

のう格言かくげんとのちが[編集へんしゅう]

いっぽうで、自動詞じどうし主語しゅご他動詞たどうし目的もくてきおなじようにあつかわれ、他動詞たどうし主語しゅごだけがべつあつかいをけるという性質せいしつのうかくせい)をもつ言語げんごのう格言かくげん(ergative language)とばれる。

オーストラリアクイーンズランドしゅう先住民せんじゅうみんジルバル英語えいごばんでは、自動詞じどうし主語しゅご他動詞たどうし目的もくてきにはなにかず、他動詞たどうし主語しゅごにだけ ŋgu という標識ひょうしきく。このように、自動詞じどうし主語しゅご他動詞たどうし目的もくてきおなじように標示ひょうじされる(ジルバルならゼロ標示ひょうじされる)場合ばあい、そのかく絶対ぜったいかくび、他動詞たどうし主語しゅごかく(ジルバルなら ŋgu )をのうかくぶ。のうかく絶対ぜったいかくかく体系たいけい絶対ぜったいかくのうかく (absolutive-ergative) がたりゃくしてのうかくがたわれる。

ジルバルれい[1]
a. ŋuma banaga-nyu
ちち+絶対ぜったいかく る-未来みらい
ちちた」
b. yabu banaga-nyu
はは+絶対ぜったいかく る-未来みらい
ははた」
c. ŋuma yabu-ŋgu bura-n
ちち+絶対ぜったいかく はは-のうかく る-未来みらい
ははちちた」
d. yabu ŋuma-ŋgu bura-n
はは+絶対ぜったいかく ちち-のうかく る-未来みらい
ちちははた」

それぞれのかく体系たいけいをまとめると下表かひょうのようになる。

ふたつのかく体系たいけいちが
対格たいかくがた のうかくがた
主格しゅかく 他動詞たどうし主語しゅご のうかく
自動詞じどうし主語しゅご 絶対ぜったいかく
対格たいかく 他動詞たどうし目的もくてき

対格たいかくがたのうかくがたかく体系たいけいは、文中ぶんちゅう名詞めいし名詞めいし標示ひょうじ仕方しかたられる対格たいかくせいのうかくせいれいえる。

対格たいかく言語げんごれい[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Dixon (1994), p. 10.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]