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岩瀬 いわせ 敏 さとし (いわせ さとし、1955年 ねん (昭和 しょうわ 30年 ねん )6月 がつ 20日 はつか - )は神経 しんけい 内科 ないか 医 い 、医学 いがく 博士 はかせ 、宇宙 うちゅう 医学 いがく 者 もの である。
愛知 あいち 県 けん 豊橋 とよはし 市 し 出身 しゅっしん 。
豊橋 とよはし 市立 しりつ 豊城 とよき 中学校 ちゅうがっこう 、愛知 あいち 県立 けんりつ 時 じ 習館高等 こうとう 学校 がっこう を経 へ て1980年 ねん (昭和 しょうわ 55年 ねん )に名古屋大学 なごやだいがく 医学部 いがくぶ を卒業 そつぎょう 。同大 どうだい 大学院 だいがくいん 医学 いがく 研究 けんきゅう 科 か に学 まな んだのち名古屋第二赤十字病院 なごやだいにせきじゅうじびょういん 神経 しんけい 内科 ないか で勤務 きんむ 。1986年 ねん から名古屋大学 なごやだいがく 環境 かんきょう 医学 いがく 研究所 けんきゅうじょ 助手 じょしゅ 。1990年 ねん 、スウェーデン王国 おうこく イェーテボリ大学 だいがく 医学部 いがくぶ に留学 りゅうがく 。1996年 ねん 名古屋大学 なごやだいがく 環境 かんきょう 医学 いがく 研究所 けんきゅうじょ 助教授 じょきょうじゅ 。2007年 ねん に愛知医科大学 あいちいかだいがく で生理学 せいりがく 講座 こうざ 教授 きょうじゅ 職 しょく につく[1] 。
2021年 ねん より同大 どうだい 客員 きゃくいん 教授 きょうじゅ 。
宇宙 うちゅう は有人 ゆうじん 抜 ぬ きでは考 かんが えられない[ 編集 へんしゅう ]
1961年 ねん にソ連 それん のユーリ・ガガーリン が世界 せかい で初 はじ めて大気圏 たいきけん 外 がい に出 で て有人 ゆうじん 宇宙 うちゅう 飛行 ひこう をした。岩瀬 いわせ は当時 とうじ 、幼稚園 ようちえん に通 かよ っていたがテレビ や新聞 しんぶん が大々的 だいだいてき に報道 ほうどう していたことを記憶 きおく している。
赤 あか の広場 ひろば での記念 きねん 式典 しきてん でフルシチョフの出迎 でむか えを受 う けるガガーリン(1961年 ねん 4月 がつ )
それ以後 いご も報道 ほうどう でしか宇宙 うちゅう のことに接 せっ することはなかったが、岩瀬 いわせ が中学校 ちゅうがっこう 2年生 ねんせい の時 とき 、学校 がっこう の夏 なつ 合宿 がっしゅく の折 おり にアポロ11号 ごう の月 つき 着陸 ちゃくりく があった。かねてから月 つき 着陸 ちゃくりく 時 じ にニール・アームストロング がどんな言葉 ことば を発 はっ するかは岩瀬 いわせ らにとって一大 いちだい 関心事 かんしんじ であった。ソ連 それん の宇宙 うちゅう 飛行 ひこう 士 し は「地球 ちきゅう は青 あお かった」とか「私 わたし はカモメ」などと非常 ひじょう に簡潔 かんけつ な言葉 ことば であったので、アームストロングも短 みじか い言葉 ことば だろうと岩瀬 いわせ らは予想 よそう していたが予想 よそう に反 はん してアームストロング船長 せんちょう が発 はっ した言葉 ことば は「That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind.」であった。
月面 げつめん に足 あし を踏 ふ み降 お ろすアームストロング
その後 ご 、岩瀬 いわせ は宇宙 うちゅう とは縁 えん のない受験 じゅけん 生活 せいかつ に入 はい るが、大学 だいがく を卒業 そつぎょう し研修 けんしゅう 医 い 生活 せいかつ を終 お え入 はい った大学院 だいがくいん は名古屋大学 なごやだいがく 環境 かんきょう 医学 いがく 研究所 けんきゅうじょ の間野 まの 忠明 ただあき 教授 きょうじゅ のところであった。岩瀬 いわせ は当初 とうしょ 、臨床 りんしょう 神経 しんけい 内科 ないか の大学院 だいがくいん に入 にゅう ろうと祖父江 そふえ 逸郎 いつお 第 だい 一 いち 内科 ないか 教授 きょうじゅ のところへお願 ねが いに行 い ったが祖父江 そふえ 教授 きょうじゅ は定年 ていねん 退職 たいしょく まで1年間 ねんかん であった為 ため 、間野 まの 教授 きょうじゅ のところにお世話 せわ になることにした。当時 とうじ の岩瀬 いわせ はこの選択 せんたく が以後 いご の研究 けんきゅう 生活 せいかつ を左右 さゆう するとは夢 ゆめ にも思 おも っていなかった。
名古屋大学 なごやだいがく
間野 まの 教授 きょうじゅ は1983年 ねん に千葉大学 ちばだいがく の神経 しんけい 内科 ないか から環境 かんきょう 医学 いがく 研究所 けんきゅうじょ の教授 きょうじゅ に就任 しゅうにん したばかりであって、その頃 ころ の環境 かんきょう 医学 いがく 研究所 けんきゅうじょ は宇宙開発事業団 うちゅうかいはつじぎょうだん からの委託 いたく を受 う け、宇宙 うちゅう における各種 かくしゅ 問題 もんだい 点 てん の解決 かいけつ に関 かん して医学 いがく 的 てき な面 めん から研究 けんきゅう することになっていた。こうして岩瀬 いわせ は宇宙 うちゅう 医学 いがく に出会 であ った。間野 まの 教授 きょうじゅ は交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう を微小 びしょう 神経 しんけい 電 でん 図 ず (マイクロニューログラフィー )という方法 ほうほう で記録 きろく し次第 しだい に研究 けんきゅう 領域 りょういき を広 ひろ げていく途上 とじょう であったが、無 む 重力 じゅうりょく 状態 じょうたい における交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう はどうなるのかをテーマ に研究 けんきゅう してみようと考 かんが えていた。
岩瀬 いわせ は、まずティルトにより臥 が 位 い から立 だて 位 い になる際 さい の交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう を記録 きろく し、次 つぎ に頸までの水 みず 浸 ひた 状態 じょうたい という模擬 もぎ 無重力 むじゅうりょく 状態 じょうたい における交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう を記録 きろく した。これにより無重力 むじゅうりょく 状態 じょうたい において交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう が抑制 よくせい されるということがほぼ判明 はんめい した。同時 どうじ にこの交感神経 こうかんしんけい の抑制 よくせい 反応 はんのう が加 か 齢 よわい に伴 ともな いどのように変化 へんか するか調 しら べる実験 じっけん を多 おお くの被験者 ひけんしゃ に対 たい して行 おこな い、高齢 こうれい 者 しゃ では無 む 重力 じゅうりょく 状態 じょうたい における交感神経 こうかんしんけい 抑制 よくせい 反応 はんのう が低下 ていか するという結果 けっか を岩瀬 いわせ は報告 ほうこく し、これが岩瀬 いわせ の学位 がくい 論文 ろんぶん となった。
さらに宇宙開発事業団 うちゅうかいはつじぎょうだん の委託 いたく 研究 けんきゅう が推進 すいしん される中 なか 、パラボリックフライト (弾道 だんどう 飛行 ひこう )研究 けんきゅう に参加 さんか するよう岩瀬 いわせ に誘 さそ いがあった。これは三菱重工 みつびしじゅうこう のグループ会社 かいしゃ で小牧 こまき 空港 くうこう にあるダイヤモンドエアサービス 株式会社 かぶしきがいしゃ のパラボリックフライトを用 もち いて約 やく 20秒間 びょうかん の無 む 重力 じゅうりょく 状態 じょうたい を作 つく り出 だ し、その間 あいだ の生体 せいたい 反応 はんのう がどうなるか調 しら べる実験 じっけん であった。岩瀬 いわせ らは当初 とうしょ ほとんど記録 きろく 出来 でき なかった交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう を固定 こてい 方法 ほうほう を工夫 くふう することにより5例 れい ほど交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう を記録 きろく しながら無重力 むじゅうりょく 状態 じょうたい に曝露 ばくろ することに世界 せかい で初 はじ めて成功 せいこう する。この実験 じっけん は地上 ちじょう で筋 すじ 支配 しはい の交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう を記録 きろく し、その後 ご に自衛隊 じえいたい の訓練 くんれん 空域 くういき に出 で かけ10回 かい ほど弾道 だんどう 飛行 ひこう を行 おこな い小牧 こまき に戻 もど ってくるものであったが、岩瀬 いわせ は通算 つうさん 72回 かい の弾道 だんどう 飛行 ひこう に参加 さんか した。
さらに岩瀬 いわせ はロシア の宇宙 うちゅう 医学 いがく 研究 けんきゅう のメッカ であるInstitute of Biomedical Problemsにおいて、dry immersion という模擬 もぎ 無重力 むじゅうりょく 実験 じっけん に参加 さんか し、さらに120日間 にちかん のベッドレスト という長期間 ちょうきかん の模擬 もぎ 無重力 むじゅうりょく 実験 じっけん にも参加 さんか した。名古屋 なごや とモスクワ を7回 かい 往復 おうふく しペレストロイカ 後 ご のロシア経済 けいざい の混乱 こんらん も肌 はだ で体験 たいけん した。
その後 ご 、岩瀬 いわせ は1998年 ねん のNeurolabの実験 じっけん に参加 さんか するが、きっかけは向井 むかい 千秋 ちあき から「マイクロニューログラフィーのテクニック を教 おし えて欲 ほ しい」と言 い われたことであった。間野 まの 教授 きょうじゅ がNeurolabのcoinvestigatorになったことから、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく のヒューストン に行 い き14日間 にちかん の宇宙 うちゅう 飛行 ひこう 後 ご の宇宙 うちゅう 飛行 ひこう 士 し から交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう を記録 きろく する実験 じっけん に参加 さんか し、宇宙 うちゅう 飛行 ひこう 士 し の交感神経 こうかんしんけい 活動 かつどう を記録 きろく した。
ジョンソン宇宙 うちゅう センター
時代 じだい はスペースシャトル から国際 こくさい 宇宙 うちゅう ステーション (ISS)へと移 うつ り変 か わり、長期 ちょうき 宇宙 うちゅう 滞在 たいざい の問題 もんだい 点 てん に関 かん する研究 けんきゅう が進 すす められる中 なか 、岩瀬 いわせ はデコンディショニング への対抗 たいこう 措置 そち としての人工 じんこう 重力 じゅうりょく 研究 けんきゅう に取 と り組 く むことにした。
ベッドレストの前後 ぜんご で神経 しんけい 前庭 ぜんてい 系 けい 、循環 じゅんかん 器 き 系 けい 、筋 すじ 骨格 こっかく 系 けい 、骨 ほね 代謝 たいしゃ 系 けい 、自律 じりつ 神経 しんけい 系 けい の実験 じっけん を行 おこな い、そのデコンディショニングの変化 へんか が、人工 じんこう 重力 じゅうりょく と運動 うんどう により抑制 よくせい されるかどうかを検証 けんしょう し、その結果 けっか 、各種 かくしゅ デコンディショニングは人工 じんこう 重力 じゅうりょく と運動 うんどう を1日 にち あたり約 やく 30分間 ふんかん 行 おこな うことで抑制 よくせい されると判明 はんめい する。
そこで岩瀬 いわせ は2009年 ねん の国際 こくさい 宇宙 うちゅう ステーションを利用 りよう した実験 じっけん の公募 こうぼ に応募 おうぼ することに決 き め、米国 べいこく 、ドイツ 、フランス 、オランダ 、ベルギー の研究 けんきゅう 者 しゃ らに呼 よ びかけて共同 きょうどう 研究 けんきゅう 者 もの になってもらい、国際 こくさい 公募 こうぼ に応募 おうぼ した。岩瀬 いわせ らの実験 じっけん 案 あん は採択 さいたく されたが、このAGREE(artificial gravity with ergometric exercise)プロジェクトは、ISS の構造 こうぞう を阻害 そがい するという理由 りゆう により中止 ちゅうし されてしまう。
国際 こくさい 宇宙 うちゅう ステーション
しかしながら、この苦労 くろう の甲斐 かい あってか岩瀬 いわせ は国際 こくさい 宇宙 うちゅう アカデミー の2012年 ねん 度 ど 生命 せいめい 科学 かがく 賞 しょう 受賞 じゅしょう の栄誉 えいよ に浴 よく した。
今後 こんご の課題 かだい は月 つき 基地 きち および火星 かせい 探査 たんさ における問題 もんだい 点 てん の解決 かいけつ である。それはデコンディショニングにより生 しょう ずる身体 しんたい 変化 へんか が、どの程度 ていど 宇宙 うちゅう 環境 かんきょう に曝露 ばくろ されると不 ふ 可逆 かぎゃく になるかどうかが判明 はんめい しておらず、さらに宇宙 うちゅう における生殖 せいしょく に関 かん してもまだ十分 じゅうぶん に分 わ かっていないのである。それらが判明 はんめい しない限 かぎ り人工 じんこう 重力 じゅうりょく によって重力 じゅうりょく 加速度 かそくど 1Gの状態 じょうたい に人体 じんたい を順応 じゅんのう させておかなければならないと岩瀬 いわせ は考 かんが えている。そのため月 がつ 周遊 しゅうゆう のゲートウェイには遠心 えんしん 機 き を搭載 とうさい し人工 じんこう 重力 じゅうりょく の効果 こうか を確 たし かめる必要 ひつよう があると岩瀬 いわせ は言 い う。月 つき 基地 きち 実現 じつげん への課題 かだい は、1.低 てい 重力 じゅうりょく における身体 しんたい 機能 きのう の維持 いじ 、2.月 つき のリゴリス粒子 りゅうし からの健康 けんこう 防御 ぼうぎょ 、3.宇宙 うちゅう 放射線 ほうしゃせん からの身体 しんたい 保護 ほご の3つであると考 かんが えられ、さらに地球 ちきゅう 火星 かせい 間 あいだ 往復 おうふく では、約 やく 2年 ねん 半 はん の長期 ちょうき に及 およ ぶ無重力 むじゅうりょく 状態 じょうたい への曝露 ばくろ が問題 もんだい となる。岩瀬 いわせ は、これら諸 しょ 課題 かだい を解決 かいけつ することで初 はじ めて人類 じんるい はさらなる宇宙 うちゅう へ進出 しんしゅつ することが出来 でき 得 え ると言 い う。
大 だい 航海 こうかい 時代 じだい にヨーロッパ から西洋 せいよう 人 じん が全 ぜん 世界 せかい へ進出 しんしゅつ したように、人類 じんるい の地球 ちきゅう から宇宙 うちゅう への進出 しんしゅつ は持続 じぞく 的 てき に推進 すいしん されてほしいと岩瀬 いわせ は願 ねが っている。
宇宙 うちゅう ステーション補給 ほきゅう 機 き
『医学 いがく 大 だい 事典 じてん 』(2003年 ねん 医学書院 いがくしょいん )
『生体 せいたい 物理 ぶつり 刺激 しげき と生体 せいたい 反応 はんのう 電場 でんじょう の医療 いりょう 応用 おうよう 』(2004年 ねん フジ・テクノシステム)
『知 し っていますか?食事 しょくじ 性 せい 低 てい 血圧 けつあつ 新 あら たな血圧 けつあつ 異常 いじょう の臨床 りんしょう 』(2004年 ねん 南山 みなみやま 堂 どう )
『臨床 りんしょう 神経 しんけい 学 がく 第 だい 5版 はん 』(南江 なみえ )
『自律 じりつ 神経 しんけい の基礎 きそ と臨床 りんしょう 改訂 かいてい 3版 はん 』(2006年 ねん 医薬 いやく ジャーナル社 しゃ )
『最新 さいしん 自律 じりつ 神経 しんけい 学 がく 自律 じりつ 神経 しんけい 検査 けんさ 法 ほう 概論 がいろん 』(2007年 ねん 新興 しんこう 医学 いがく 出版 しゅっぱん 社 しゃ )
『自律 じりつ 神経 しんけい 機能 きのう 検査 けんさ 法 ほう 第 だい 4版 はん 』(2007年 ねん 文光 ぶんこう 堂 どう )
『ロバートソン自律 じりつ 神経 しんけい 学 がく 』(2007年 ねん エルゼビア・ジャパン、編集 へんしゅう ・分担 ぶんたん 翻訳 ほんやく )
『コスタンゾ明解 めいかい 生理学 せいりがく 』(2007年 ねん エルゼビア・ジャパン、プロデュース・分担 ぶんたん 翻訳 ほんやく )
『ヘインズ神経 しんけい 科学 かがく その臨床 りんしょう 応用 おうよう 』(2008年 ねん エルゼビア・ジャパン、編集 へんしゅう ・分担 ぶんたん 翻訳 ほんやく )
『睡眠 すいみん 時 じ 無 む 呼吸 こきゅう 症候群 しょうこうぐん 』(2008年 ねん メジカルビュー社 しゃ )
『失神 しっしん を究 きわ める』(2009年 ねん メジカルビュー社 しゃ )
『小児科 しょうにか 臨床 りんしょう ピクシス13』(2010年 ねん 中山 なかやま 書店 しょてん )
『ガイトン生理学 せいりがく 』(2010年 ねん エルゼビア・ジャパン、プロデュース・分担 ぶんたん 翻訳 ほんやく )
“宇宙 うちゅう 総合 そうごう 学 がく 研究 けんきゅう ユニットNEWS 2020年 ねん 10月 がつ 号 ごう ”. 京都 きょうと 大学 だいがく . 2024年 ねん 5月 がつ 3日 にち 閲覧 えつらん 。
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