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つき (辺見へんみいさお)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
つき
著者ちょしゃ 辺見へんみいさお
発行はっこう 2017ねん
発行はっこうもと KADOKAWA
ジャンル 社会しゃかい犯罪はんざい
くに 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
ページすう 400
公式こうしきサイト https://www.kadokawa.co.jp/product/322011000407/
コード ISBN 9784041111505
ウィキポータル 文学ぶんがく
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つき』(つき)は、辺見へんみいさお原作げんさく日本にっぽん小説しょうせつ2017ねんKADOKAWA(のち角川かどかわ文庫ぶんこ)より発表はっぴょう。2023ねん映画えいがされた。

あらすじ

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映画えいが

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つき
監督かんとく 石井いしい裕也ゆうや
脚本きゃくほん 石井いしい裕也ゆうや
原作げんさく 辺見へんみいさお
製作せいさく 長井ながいりゅう
永井ながい拓郎たくろう
製作せいさくそう指揮しき 河村かわむら光庸みつのぶ
出演しゅつえんしゃ 宮沢みやざわりえ
磯村いそむらいさむ
長井ながい恵里えり
大塚おおつかヒロタ
笠原かさはら秀幸ひでゆき
板谷いたや由夏ゆか
モロ師岡もろもろおか
鶴見つるみ辰吾しんご
はら日出子ひでこ
高畑たかはた淳子じゅんこ
二階堂にかいどうふみ
オダギリジョー
音楽おんがく 岩代いわしろ太郎たろう
撮影さつえい 鎌苅かまがり洋一よういち
編集へんしゅう 早野はやのあきら
制作せいさく会社かいしゃ スターサンズ
製作せいさく会社かいしゃつき製作せいさく委員いいんかい
配給はいきゅう スターサンズ
公開こうかい 日本の旗 2023ねん10月13にち[1]
上映じょうえい時間じかん 144ふん
製作せいさくこく 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
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2023ねん10月13にち公開こうかいされた。監督かんとく脚本きゃくほん石井いしい裕也ゆうや主演しゅえん宮沢みやざわりえ[2][3]企画きかく・エグゼクティブプロデューサーの河村かわむら光庸みつのぶほんさく遺作いさくとなった[4]PG12指定してい

あらすじ (映画えいが

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もと有名ゆうめい作家さっか堂島どうじま洋子ようこは、ふかもりおくにある重度じゅうど障害しょうがいしゃ施設しせつ職員しょくいんとしてはたらはじめる。だが洋子ようこはたらはじめて早々はやばや職員しょくいんによる入所にゅうしょしゃへのしんないあつかいや暴力ぼうりょくたりにする。洋子ようこはそれをうったえるがききいれてもらえず、自分じぶんではどうすることもできずに無力むりょくかんつのらせる。

だが、彼女かのじょ同僚どうりょうきな青年せいねん・さとくんはそのことについて、彼女かのじょ以上いじょういきどおっていた。さとくんは正義せいぎかん使命しめいかん徐々じょじょ増幅ぞうふくさせていき、ついに狂気きょうき行動こうどうはしる…。

原作げんさく障害しょうがいしゃ一人称いちにんしょうかたられる。堂島どうじま洋子ようこ映画えいがオリジナルの主役しゅやく

キャスト

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スタッフ

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製作せいさく

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監督かんとく石井いしい裕也ゆうやは、プロデューサーの河村かわむら光庸みつのぶ企画きかくいて、障害しょうがいしゃ施設しせつ問題もんだいは「この問題もんだいはあらゆる社会しゃかい問題もんだい共通きょうつうしている。げることはできないとおもいました」だとかんがえ、作品さくひんけた。その河村かわむら死去しきょ製作せいさくじんがすることになるが、最終さいしゅうてき河村かわむら遺志いしぎたいというおもいから製作せいさくつづけることになる[4]

もともとはKADOKAWAとの共同きょうどう配給はいきゅう予定よていだった。これはKADOKAWAの担当たんとうプロデューサーが「障害しょうがいしゃ映画えいがすな」と撮影さつえい反対はんたいしたものの、当時とうじ会長かいちょう角川かどかわれき賛成さんせいしたもので、角川かどかわ企画きかく中心ちゅうしんとなり2022ねんなつ撮影さつえいはじまった[5][6]撮影さつえいには和歌山わかやま県内けんないふくすう施設しせつ協力きょうりょくし、障害しょうがいしゃ出演しゅつえんしているが、映画えいがなか出来事できごとのほとんどは製作せいさくじんがそれらの施設しせつ光景こうけいであった。一方いっぽう製作せいさくじんからの依頼いらいことわった施設しせつもあった[7]。しかしその角川かどかわが、2020東京とうきょうオリンピックをめぐ事件じけん逮捕たいほされたことで、社長しゃちょう夏野なつのつよし角川かどかわ中心ちゅうしんとなってすすめてきた映画えいが企画きかく仕分しわけすることを表明ひょうめい製作せいさくじん製作せいさく中止ちゅうしつたえた。結果けっかKADOKAWAが配給はいきゅう辞退じたいしたため、インディペンデント映画えいがとしてスターサンズが単独たんどく配給はいきゅうすることとなった。こうした一連いちれん事情じじょうから、石井いしい映画えいが公開こうかいたいして河村かわむら角川かどかわ感謝かんしゃあらわし、また角川かどかわれき彦は新藤しんどう兼人かねとしょう受賞じゅしょうした[5][6]

反響はんきょう

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10月16にち発表はっぴょうされた10がつだい2しゅう映画えいが初日しょにち満足まんぞくランキング(Filmarks調しらべ)では2獲得かくとく[8]。また、11月6にち発表はっぴょうされた11月だい1しゅうのアクセスランキング(映画えいが.com調しらべ)でも2獲得かくとく[9]

ほんさく韓国かんこく釜山ぷさん国際こくさい映画えいがさいでも上映じょうえいされ、ほんさく監督かんとく石井いしい裕也ゆうやほんさくがそのなかでも女性じょせい興味きょうみあつめているようにかんじたとかたっている。石井いしい監督かんとくは、「社会しゃかいからないがしろにされている障害しょうがいしゃ立場たちばをより感覚かんかくてき理解りかいできるのは女性じょせいなんだ」とのちのインタビューにこたえている[7]

キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ運営うんえいするKINENOTEの「キネしゅんReview」では、映画えいが評論ひょうろん和泉いずみもえは「スクリーンにかっておな方向ほうこうつめるだけではなく、他人事たにんごととしてではなく、こること/こったことを正面しょうめんから対峙たいじする姿勢しせいう」とコメントし、たにあきらおやは「そのいにたいする明確めいかくこたえはおそらくない。だが、まよいつつも、つづけることが大事だいじなのだ」と評価ひょうか吉田よしだ広明ひろあきも「たくないものは隔離かくり排除はいじょ)という社会しゃかい意志いしは、我々われわれ自身じしんのそれではないのかとほんさくう」と満点まんてん評価ひょうかをつけた[10]

受賞じゅしょう

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 宮沢みやざわりえ主演しゅえん辺見へんみいさおの「つき映画えいが共演きょうえんにオダギリジョー・磯村いそむらいさむ二階堂にかいどうふみ”. 映画えいがナタリー. (2023ねん6がつ30にち). https://natalie.mu/eiga/news/530790 2023ねん10がつ15にち閲覧えつらん 
  2. ^ 宮沢みやざわりえ×石井いしい裕也ゆうや監督かんとく実際じっさい障害しょうがいしゃ殺傷さっしょう事件じけんをモチーフにした「つき」でタッグ オダギリジョー&磯村いそむらいさむ二階堂にかいどうふみが共演きょうえん. 映画えいが.com. (2023ねん6がつ30にち). https://eiga.com/news/20230630/6/ 2023ねん10がつ15にち閲覧えつらん 
  3. ^ 障害しょうがいしゃ殺傷さっしょう事件じけんをモチーフにした辺見へんみいさお小説しょうせつつき』、石井いしい裕也ゆうや監督かんとく宮沢みやざわりえ主演しゅえん映画えいが. ORICON NEWS. (2023ねん6がつ30にち). https://www.oricon.co.jp/news/2285135/full/ 2023ねん10がつ15にち閲覧えつらん 
  4. ^ a b 宮沢みやざわりえ、覚悟かくごってのぞんだ「つき」が公開こうかい 撮影さつえいちゅう他界たかいした河村かわむら光庸みつのぶさんへおもせる”. 映画えいが.com. (2023ねん10がつ14にち). https://eiga.com/news/20231014/11/ 2023ねん10がつ15にち閲覧えつらん 
  5. ^ a b KADOKAWA映画えいが続々ぞくぞくとおぞうりに すうおくえん損失そんしつも…公開こうかいしない理由りゆうは?”. デイリー新潮しんちょう (2023ねん1がつ12にち). 2023ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  6. ^ a b 「『障害しょうがいしゃ映画えいがすな』と…」映画えいがつき』おぞう危機きき真相しんそう石井いしい裕也ゆうや監督かんとくいかりの告白こくはく”. 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう (2023ねん12月5にち). 2023ねん12月5にち閲覧えつらん
  7. ^ a b 自分じぶん価値かちかんがひっくりかえ光景こうけいた」石井いしい裕也ゆうや監督かんとくかたった知的ちてき障害しょうがいしゃ施設しせつ現実げんじつ映画えいがつき日刊にっかんスポーツ映画えいが大賞たいしょう4部門ぶもん受賞じゅしょう”. 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう (2023ねん12月5にち). 2024ねん1がつ25にち閲覧えつらん
  8. ^ 発表はっぴょう映画えいが『ゆとりですがなにか インターナショナル』初日しょにち満足まんぞくランキング1獲得かくとく”. Filmarks (2023ねん10がつ16にち). 2024ねん1がつ26にち閲覧えつらん
  9. ^ アクセスランキング”. 映画えいが.com (2023ねん11月6にち). 2024ねん1がつ26にち閲覧えつらん
  10. ^ キネしゅん Review ~キネマ旬報きねまじゅんぽう映画えいがレビュアーによる新作しんさく映画えいが20ほんのレビュー”. キネマ旬報きねまじゅんぽう. 2024ねん1がつ26にち閲覧えつらん
  11. ^ “「つき」が報知ほうち映画えいがしょう作品さくひんしょうに、横浜よこはま流星りゅうせい綾瀬あやせはるか・磯村いそむらいさむ二階堂にかいどうふみも受賞じゅしょう. 映画えいがナタリー (ナターシャ). (2023ねん11月28にち). https://natalie.mu/eiga/news/550730 2023ねん11月28にち閲覧えつらん 
  12. ^ 新藤しんどう兼人かねとしょうで「曖昧あいまい楽園らくえん小辻こつじ陽平ようへい金賞きんしょう獲得かくとく銀賞ぎんしょう佐近さこん圭太郎けいたろう”. 映画えいがナタリー. ナターシャ (2023ねん11月24にち). 2023ねん11月24にち閲覧えつらん
  13. ^ だい45かいヨコハマ映画えいがさい 2023ねん日本にっぽん映画えいが個人こじんしょう” (2023ねん12月3にち). 2023ねん12月2にち閲覧えつらん
  14. ^ 磯村いそむらいさむ、2023ねんは“俳優はいゆう人生じんせい節目ふしめ”になったとし「スタート地点ちてんった気持きもちでしっかり俳優はいゆう人生じんせいあゆんでいきたい」” (2023ねん12月11にち). 2023ねん12月11にち閲覧えつらん
  15. ^ “【映画えいが大賞たいしょうさわがいしゃ施設しせつ事件じけんをモチーフにした「つき」が作品さくひんしょう 石井いしい裕也ゆうや監督かんとくは“5かん”に”. 日刊にっかんスポーツ (日刊スポにっかんすぽツ新聞社つしんぶんしゃ). (2023ねん12月27にち). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202312270000687.html 2023ねん12月27にち閲覧えつらん 
  16. ^ 2023ねん 岐阜ぎふ新聞しんぶん映画えいがベスト・テン”. 岐阜ぎふ新聞しんぶん映画えいが. 2023ねん1がつ15にち閲覧えつらん
  17. ^ 「せかいのおきく」毎日まいにち映画えいがコンクールで3かん主演しゅえんしょう鈴木すずき亮平りょうへいすぎさきはな”. 映画えいがナタリー. ナターシャ (2024ねん1がつ19にち). 2024ねん1がつ19にち閲覧えつらん
  18. ^ 【ブルーリボンしょう監督かんとくしょう石井いしい裕也ゆうや監督かんとく 2度目どめ受賞じゅしょうに「前回ぜんかいとはちが種類しゅるいよろこび」”. ひがしスポWEB. 東京とうきょうスポーツ新聞しんぶんしゃ (2024ねん1がつ24にち). 2024ねん1がつ24にち閲覧えつらん
  19. ^ だい47かい 日本にっぽんアカデミーしょう受賞じゅしょうしゃ作品さくひん発表はっぴょう 授賞じゅしょうしき司会しかい羽鳥はとり慎一しんいち岸井きしいゆきの【コメント全文ぜんぶん”. ORICON NEWS. oricon ME (2024ねん1がつ25にち). 2024ねん1がつ25にち閲覧えつらん
  20. ^ キネしゅんベスト・テン1は「せかいのおきく」「TAR/ター」、おもむきさと役所広司やくしょこうじ主演しゅえんしょう”. 映画えいがナタリー. ナターシャ (2024ねん2がつ1にち). 2024ねん2がつ1にち閲覧えつらん
  21. ^ おおさかシネマフェスティバル2024 今年度こんねんど受賞じゅしょうしゃ決定けってい” (2024ねん2がつ3にち). 2024ねん2がつ3にち閲覧えつらん
  22. ^ 日本にっぽん映画えいが批評ひひょう大賞たいしょう作品さくひんしょう塚本つかもとすすむ也「ほかげ」、主演しゅえんしょう東出ひがしであきらだい筒井つつい真理子まりこ”. 映画えいがナタリー. ナターシャ (2024ねん4がつ10日とおか). 2024ねん4がつ10日とおか閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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