楠くすのき安夫やすお

楠くすのき安夫やすお
	西鉄にしてつクリッパーズ時代じだい（1950年ねん撮影さつえい）
基本きほん情報じょうほう
国籍こくせき	日本にっぽん
出身しゅっしん地ち	香川かがわ県けん
生年月日せいねんがっぴ	1920年ねん6月21日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	2000年ねん10月9日にち（80歳さい没ぼつ）
身長しんちょう; 体重たいじゅう	175 cm; 70 kg
選手せんしゅ情報じょうほう
投球とうきゅう・打席だせき	右みぎ投とう右みぎ打だ
ポジション	捕手ほしゅ、投手とうしゅ
プロ入いり	1938年ねん
初はつ出場しゅつじょう	1938年ねん
最終さいしゅう出場しゅつじょう	1955年ねん
経歴けいれき（括弧かっこ内ないはプロチーム在籍ざいせき年度ねんど）
	選手せんしゅ歴れき
	旧制きゅうせい香川かがわ県立けんりつ高松たかまつ商業しょうぎょう学校がっこう; 日本にっぽん大学だいがく（中退ちゅうたい）; 東京とうきょう巨人軍きょじんぐん (1938 - 1942,1946); 阪急はんきゅうブレーブス (1947 - 1949); 西鉄にしてつクリッパース (1950); 読売よみうりジャイアンツ (1951 - 1954); 大洋たいようホエールズ (1955);
	コーチ歴れき
	サンケイアトムズ; アトムズ (1968 - 1969);
	この表ひょうについて

楠くすのき安夫やすお（くすのきやすお、1920年ねん 6月21日にち - 2000年ねん 10月9日にち）は、香川かがわ県けん出身しゅっしんのプロ野球やきゅう選手せんしゅ（投手とうしゅ、捕手ほしゅ）・コーチ、解説かいせつ者しゃ・評論ひょうろん家か。

経歴けいれき

高松たかまつ商業しょうぎょうでは投手とうしゅとして、徳島とくしま商業しょうぎょうの林はやし義一ぎいち（大映だいえい→阪急はんきゅう）・松山まつやま商業しょうぎょうの千葉ちば茂しげる（巨人きょじん）と共ともに、四国しこくの投手とうしゅビッグ3と称しょうされた^[2]。

日本にっぽん大学だいがくを中退ちゅうたいし、1938年ねん秋あきに東京とうきょう巨人軍きょじんぐんへ投手とうしゅとして入団にゅうだん^[1]。1939年ねんには6勝しょうを挙あげる。1940年ねんに三塁手さんるいしゅ、1941年ねんに捕手ほしゅにコンバートされ^[1]、1942年ねんには応召おうしょうした吉原よしはら正喜まさよしの後釜あとがまとして正せい捕手ほしゅとなり、90試合しあいでマスクを被こうむった。

戦後せんごは1945年ねんに巨きょ人じんに復帰ふっきし、同年どうねん11月がつに行おこなわれた東西とうざい対抗たいこう戦せんにも出場しゅつじょうする^[3]。しかし、翌よく1946年ねんの春はるのキャンプ中ちゅうに結核けっかくと診断しんだんされ、退団たいだんした^[4]。1947年ねんに阪急はんきゅうブレーブスに入団にゅうだんして復帰ふっき。阪急はんきゅうでは戦前せんぜんからの正せい捕手ほしゅであった日比野ひびの武たけしがいたために、しばしば一塁いちるいを守まもるなど出場しゅつじょう機会きかいには恵めぐまれなかった。1950年ねんの二にリーグ分裂ぶんれつに伴ともなって、新しん球団きゅうだんの西鉄にしてつクリッパースに移籍いせきし、チームの初代しょだい4番ばん打者だしゃを務つとめる。

1951年ねんに西鉄にしてつと合併がっぺいした西日本にしにほんパイレーツから日比野ひびの武たけしが移籍いせきしてきたため、約やく10年ねんぶりに巨きょ人じんへ復帰ふっき。復帰ふっきにあたって、読売新聞社よみうりしんぶんしゃ副ふく社長しゃちょうであった安田やすだ庄司しょうじの「あんなポンコツをとってどうする」との発言はつげんに奮起ふんき^[5]。藤原ふじわら鉄之助てつのすけ・武たけ宮みや敏明としあきを押おしのけて正せい捕手ほしゅとなり、71試合しあいにマスクを被こうむって打率だりつ.292の好成績こうせいせきを挙あげる。同年どうねんに行おこなわれた南海なんかいとの日本にっぽんシリーズでは、全ぜん試合しあいにマスクを被こうむって木塚きづか忠助ちゅうすけ・蔭山かげやま和夫かずお・飯田いいだ徳治とくじら「百ひゃく万まんドルの内野ないや陣じん」の足あしをわずか1盗塁とうるいと完璧かんぺきに封ふうじ込こみ、巨人きょじんの2リーグ分裂ぶんれつ後ご初はつの日本一にっぽんいちに大おおきく貢献こうけん^[6]。南海なんかいの監督かんとく兼けん四よん番ばん打者だしゃとして打率だりつ.421と気きを吐はいた鶴岡つるおか一人かずとに「楠くすのきがマスク越ごしにいろいろ言いうのが、一番いちばんイヤだった」と言いわしめたほど、あらゆる面めんで頭脳ずのうプレーを見みせた^[5]。その後ごは、1952年ねんにハワイから来日らいにちした広田ひろた順じゅんに押おされて出場しゅつじょう試合しあいが徐々じょじょに減少げんしょうした。1955年ねんに手塚てづか明治あきはるとともに大洋たいようホエールズへ移籍いせき、目時めとき富士雄ふじおの控ひかえとして50試合しあいに出場しゅつじょうするが、同年どうねん引退いんたい。

引退いんたい後ごは日本にほんテレビ・日本にっぽん教育きょういくテレビ・フジテレビ・ニッポン放送にっぽんほうそう・文化放送ぶんかほうそう解説かいせつ者しゃや日刊にっかんスポーツ評論ひょうろん家かを経へて、1968年ねんからは別所べっしょ毅彦たけひこ監督かんとくの招聘しょうへいでサンケイアトムズ→アトムズのヘッドコーチとなり、1969年ねんまで務つとめた^[7]。

2000年ねん10月がつ9日にちに死去しきょ。80歳さい没ぼつ。

人物じんぶつ

大変たいへんな読書どくしょ家かで、大量たいりょうの蔵書ぞうしょを誇ほこっていた。また、本ほんを大事だいじにし、手作てづくりの表紙ひょうしを作つくって「楠くすのき蔵書ぞうしょ」という判子はんこを押おし、全すべての本ほんに装着そうちゃくしていた^[8]。

詳細しょうさい情報じょうほう

年度ねんど別べつ投手とうしゅ成績せいせき

年とし度ど	球たま団だん	登とう板いた	先さき発はつ	完かん投とう	勝かち利り	敗はい戦せん	セ丨ブ	ホ丨ルド	勝かち率りつ	打だ者もの	投とう球たま回かい	被ひ安やす打だ	被ひ本ほん塁るい打だ	与あずか四よん球たま	敬けい遠とお	与あずか死し球たま	奪だつ三さん振ふ	失しつ点てん	自じ責せめ点てん	防ぼう御お率りつ	W H I P
1938秋あき	巨人きょじん	4	0	0	0	0	--	--	----	61	14.0	10	1	7	--	0	2	7	3	1.93	1.21
1939		14	10	4	6	2	--	--	.750	298	70.2	57	3	32	--	5	23	25	17	0.89	1.26
1940		5	5	1	1	1	--	--	.500	105	21.2	20	2	17	--	1	6	12	6	2.45	1.71
通算つうさん：3年ねん		23	15	5	7	3	--	--	.700	464	106.1	87	6	56	--	6	31	44	26	2.19	1.34

年度ねんど別べつ打撃だげき成績せいせき

年とし度ど	球たま団だん	試ためし合ごう	打だ席せき	打だ数かず	得とく点てん	安やす打だ	二に塁るい打だ	三さん塁るい打だ	本ほん塁るい打だ	塁るい打だ	打だ点てん	盗ぬすめ塁るい	盗ぬすめ塁るい死し	犠打だ	犠飛ひ	四よん球たま	敬けい遠とお	死し球たま	三さん振ふ	併殺ころせ打だ	打だ率りつ	出で塁るい率りつ	長なが打だ率りつ	O P S
1938秋あき	巨人きょじん	6	9	8	0	2	0	0	0	2	1	0	--	0	--	1	--	0	3	--	.250	.333	.250	.583
1939		31	57	44	7	9	2	1	0	13	11	1	--	0	0	13	--	0	13	--	.205	.386	.295	.681
1940		35	68	59	4	10	2	1	0	14	5	1	--	0	1	8	--	0	15	--	.169	.269	.237	.506
1941		38	91	67	13	13	3	0	1	19	12	0	--	1	--	23	--	0	14	--	.194	.400	.284	.684
1942		90	386	299	40	68	12	6	1	95	26	3	1	3	--	82	--	2	50	--	.227	.397	.318	.715
1947	阪急はんきゅう	36	90	83	4	11	1	0	0	12	5	0	0	0	--	6	--	1	9	--	.133	.200	.145	.345
1948		64	152	137	12	38	6	2	2	54	22	3	0	1	--	14	--	0	17	--	.277	.344	.394	.739
1949		41	89	80	7	23	4	0	1	30	13	3	0	0	--	9	--	0	16	--	.288	.360	.375	.735
1950	西鉄にしてつ	73	286	262	27	67	10	2	8	105	42	7	2	0	--	24	--	0	37	6	.256	.318	.401	.719
1951	巨人きょじん	84	286	243	38	71	19	0	6	108	52	6	2	6	--	36	--	1	28	11	.292	.386	.444	.830
1952		73	221	185	27	54	11	3	3	80	24	1	1	4	--	32	--	0	20	6	.292	.396	.432	.829
1953		26	55	50	6	8	1	0	0	9	0	0	0	1	--	4	--	0	4	0	.160	.222	.180	.402
1954		4	3	2	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	1	--	0	0	0	.000	.333	.000	.333
1955	大洋たいよう	50	140	126	4	24	3	0	0	27	5	2	2	0	0	14	0	0	21	7	.190	.271	.214	.486
通算つうさん：14年ねん		651	1933	1645	189	398	74	15	22	568	218	27	8	16	1	267	0	4	247	30	.242	.349	.345	.694

記録きろく

オールスターゲーム出場しゅつじょう：1回かい（1952年ねん）

背番号せばんごう

12 （1938年ねん - 1942年ねん、1946年ねん途中とちゅう）
5 （1946年ねん途中とちゅう - 同年どうねん終了しゅうりょう）
2 （1947年ねん）
3 （1948年ねん - 1950年ねん）
27 （1951年ねん - 1954年ねん）
1 （1955年ねん）
50 （1968年ねん - 1969年ねん）

登録とうろく名めい

楠くすのき安夫やすお （くすのきやすお、1938年ねん - 1948年ねん、1968年ねん - 1969年ねん）
楠くすのき協きょう郎ろう （くすのきやすお、1949年ねん - 1953年ねん）
楠くすのき拡応 （くすのきやすお、1954年ねん - 1955年ねん）

参考さんこう文献ぶんけん

千葉ちば茂しげる『巨人軍きょじんぐんの男おとこたち』東京とうきょうスポーツ新聞しんぶん社しゃ、1984年ねん
千葉ちば茂しげる『猛もう牛うし一いち代だい』恒文社こうぶんしゃ、1977年ねん
『報知ほうちグラフ別冊べっさつ巨人軍きょじんぐん栄光えいこうの40年ねん』報知新聞社ほうちしんぶんしゃ、1974年ねん
辺見へんみじゅん『大下おおした弘ひろし虹にじの生涯しょうがい』新潮しんちょう文庫ぶんこ、1995年ねん

脚注きゃくちゅう

^ ^a ^b ^c プロ野球やきゅう人名じんめい事典じてん 2003（2003年ねん、日外にちがいアソシエーツ）、196ページ
^ 『巨人軍きょじんぐんの男おとこたち』70頁ぺーじ
^ 『大下おおした弘ひろし虹にじの生涯しょうがい』56頁ぺーじ
^ 『大下おおした弘ひろし虹にじの生涯しょうがい』81頁ぺーじ
^ ^a ^b 『報知ほうちグラフ別冊べっさつ巨人軍きょじんぐん栄光えいこうの40年ねん』177頁ぺーじ
^ 『巨人軍きょじんぐんの男おとこたち』72頁ぺーじ
^ 森岡もりおか浩ひろし編著へんちょ『プロ野球やきゅう人名じんめい事典じてん 1999』日外にちがいアソシエーツ
^ 『猛もう牛うし一いち代だい』333-334頁ぺーじ

外部がいぶリンク

個人こじん年度ねんど別べつ成績せいせき楠くすのき拡応 - NPB.jp 日本にっぽん野球やきゅう機構きこう

[jinmei-1] プロ野球やきゅう人名じんめい事典じてん 2003（2003年ねん、日外にちがいアソシエーツ）、196ページ

[2] 『巨人軍きょじんぐんの男おとこたち』70頁ぺーじ

[3] 『大下おおした弘ひろし虹にじの生涯しょうがい』56頁ぺーじ

[4] 『大下おおした弘ひろし虹にじの生涯しょうがい』81頁ぺーじ

[ke40-5] 『報知ほうちグラフ別冊べっさつ巨人軍きょじんぐん栄光えいこうの40年ねん』177頁ぺーじ

[6] 『巨人軍きょじんぐんの男おとこたち』72頁ぺーじ

[7] 森岡もりおか浩ひろし編著へんちょ『プロ野球やきゅう人名じんめい事典じてん 1999』日外にちがいアソシエーツ

[8] 『猛もう牛うし一いち代だい』333-334頁ぺーじ

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