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氏神うじがみ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

氏神うじがみ(うじがみ)は、日本にっぽんにおいて、おな地域ちいき集落しゅうらく)に人々ひとびと共同きょうどうまつ神道しんとうかみのこと。おな氏神うじがみ周辺しゅうへんみ、そのかみ信仰しんこうするもの同士どうし氏子うじこ(うじこ)という。現在げんざいでは、鎮守ちんじゅ(ちんじゅ)ともほぼおな意味いみあつかわれることがおおい。氏神うじがみまつ神社じんじゃのことをしゃという。

本稿ほんこうでは、氏神うじがみ鎮守ちんじゅ産土神うぶすながみ氏子うじこなどについて記述きじゅつする。

概要がいよう

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氏神うじがみ

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本来ほんらい氏神うじがみは、んでのごとく氏名しめい(うじな)のかみであり、一族いちぞく一統いっとうかみであった[1]古代こだいから、そのじんたちだけがまつったかみであり、祖先そせんしんであることがおおかった[2]れいとして、ちゅうしんてんいのちたて雷神らいじんてんたいだまいのち[2]宇佐うさ八幡やはたしん物部ものべ須佐すさおとこいのちけい主神しゅしん三輪みわ大物おおもの主神しゅしん諏訪すわけん御名ぎょめいかたしん安曇あずみ綿津見わたつみしんまつる。

中世ちゅうせい以降いこう氏神うじがみ周辺しゅうへんみ、その祭礼さいれい参加さんかするもの全体ぜんたいを「氏子うじこ」としょうするようになり、氏神うじがみ鎮守ちんじゅ産土神うぶすながみ区別くべつされなくなった。おな氏神うじがみまつ人々ひとびとを「氏子中うじこじゅう」、「氏子うじこどう」といい、その代表だいひょうしゃである氏子うじこ総代そうだい中心ちゅうしん神事しんじ祭事さいじになわれている。氏神うじがみまつ神社じんじゃ周辺しゅうへんにはんでいないが、そのかみ信仰しんこうするものを「崇敬すうけいしゃ(すうけいしゃ)」といい、氏子うじこあわせて「氏子うじこ崇敬すうけいしゃ」と総称そうしょうする。

鎮守ちんじゅ

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鎮守ちんじゅ(ちんじゅ)は、その土地とちしずまりその土地とちやその土地とちものまもかみのことである。平安へいあん時代じだい以降いこうになると荘園しょうえんせい形成けいせいされ貴族きぞく武士ぶし寺院じいんなどの私的してき領地りょうち確立かくりつされ、氏族しぞく社会しゃかい崩壊ほうかい氏神うじがみ信仰しんこう衰退すいたいする。荘園しょうえん領主りょうしゅたち荘園しょうえん鎮護ちんごする目的もくてきでその土地とち守護神しゅごじんまつるようになる。これが鎮守ちんじゅである。室町むろまち時代ときよころ荘園しょうえんせい崩壊ほうかいするとその信仰しんこう衰退すいたいし、氏神うじがみ合祀ごうしされ今日きょういたっていることがおおい。

産土神うぶすながみ

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産土神うぶすながみ(うぶすながみ)はそのものまれた土地とちかみであり、そのもの一生いっしょう守護しゅごするとかんがえられている。生涯しょうがいつうじておな土地とちむことがおおかった時代じだいは、ほとんどの場合ばあい産土神うぶすながみ鎮守ちんじゅおなしんであった。ただし、現在げんざい転居てんきょするものおおいため産土神うぶすながみ鎮守ちんじゅしんことなる場合ばあいおおい。

この氏神うじがみ信仰しんこうななさんなどでることが出来できるが、子供こどものお宮参みやまいりは本来ほんらい氏神うじがみにおまいりして、その土地とち一員いちいんになることをみとめてもらうための儀式ぎしきひとつだった。

氏子うじこ

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通常つうじょう氏神うじがみ氏子うじこという関係かんけいは、生家せいか氏神うじがみ地元じもとにある神社じんじゃにて氏子うじこりをすることによりしょうじる。お宮参みやまいりが産土神うぶすながみ(うぶすながみ)という、まれた土地とちかみたいしておこなわれるように、おおくの場合ばあいにおいて、産土神うぶすながみ氏神うじがみとすることがおお[3]

宮参みやまいりと氏子うじこりの儀式ぎしきかならずしも同一どういつではないが、前述ぜんじゅつとおり、氏神うじがみ産土神うぶすながみ区別くべつがなくなって以降いこう宮参みやまいりが氏子うじこ意味いみする場合ばあいおおくなった。よって、お宮参みやまいりにおいて、氏子うじこである証明しょうめい氏子うじこさつ授与じゅよされることが一般いっぱんしている。一方いっぽう代々だいだいわたって氏神うじがみ崇敬すうけいしたり祭事さいじ従事じゅうじしたりする家系かけいでないものは、お宮参みやまいりをただ慣例かんれいてきっている場合ばあいおおく、氏子うじこ意識いしき自覚じかくたない場合ばあいおおい。

また、婿入むこいりや嫁入よめいりにより、あらためて婚家こんか氏神うじがみ氏子うじこりの儀式ぎしきをする場合ばあいおおい。最近さいきんでは、祭事さいじ従事じゅうじする人口じんこう高齢こうれいし、祭事さいじくわわる氏子うじこっているためか、氏子うじこつとめである神事しんじ祭事さいじ崇敬すうけいへのみも形式けいしきてきとなっているが、神棚かみだな神璽しんじ子守こもりおさめ、家中いえじゅうでおそなえすることにめることもおおい。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 小池こいけやすし寿ことぶき日本人にっぽんじんならっておきたいただしい家相かそうほん』 プレジデントしゃ、2015ねん、89ぺーじ
  2. ^ a b 日本にっぽん用語ようご研究けんきゅうかい必携ひっけい日本にっぽん用語ようご』(よんていばん実教出版じつきょうしゅっぱん原著げんちょ2009-2-2)。ISBN 9784407316599 
  3. ^ 小池こいけやすし寿ことぶき日本人にっぽんじんならっておきたいただしい家相かそうほん』 プレジデントしゃ、2015ねん、90ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 日本にっぽんのしきたり』(主婦しゅふ生活社せいかつしゃISBN 978-4-391-135268
  • 戸谷とたにまなぶ氏神うじがみ事典じてん あなたのかみさま・あなたの神社じんじゃ』(河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2009ねん ISBN 978-4-309-22508-1
  • 日本にっぽん用語ようご研究けんきゅうかい必携ひっけい日本にっぽん用語ようご』(よんていばん実教出版じつきょうしゅっぱん原著げんちょ2009-2-2)。ISBN 9784407316599 
  • 小池こいけやすし寿ことぶき日本人にっぽんじんならっておきたいただしい家相かそうほん』プレジデントしゃ、2015ねん11月。ISBN 9784833421492 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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