汽車きしゃのえほん

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汽車きしゃのえほん』(きしゃのえほん、原題げんだい: The Railway Series)は、ウィルバート・オードリー牧師ぼくし息子むすこクリストファー・オードリー英語えいごばんシンプル英語えいごばん原作げんさくだい27かん以降いこう)がつくげた、イギリスの架空かくうしまソドーとう舞台ぶたいに、そこの鉄道てつどうもう活躍かつやくする、かお意思いしった機関きかんしゃ自動車じどうしゃなどと、それにかかわる人々ひとびとえがいた絵本えほん。テレビシリーズ「きかんしゃトーマス」の原作げんさくである。

とう稿こうでは原作げんさく汽車きしゃのえほん』のみの基本きほん情報じょうほうについて総括そうかつする。なお作品さくひん舞台ぶたいについては「ソドーとう」を参照さんしょう

シリーズ一覧いちらん[編集へんしゅう]

巻数かんすう えいだい 邦題ほうだい 出版しゅっぱんねん(えい) 出版しゅっぱんねん(くに)
ウィルバート・オードリー・さく
1 The Three Railway Engines さんだいの機関きかんしゃ 1945ねん 1973ねん レジナルド・ダルビー[注釈ちゅうしゃく 1]
2 Thomas The Tank Engine 機関きかんしゃトーマス 1946ねん
3 James the Red Engine あか機関きかんしゃジェームス 1948ねん レジナルド・ダルビー
4 Tank Engine Thomas Again がんばれ機関きかんしゃトーマス 1949ねん
5 Troublesome Engine やっかいな機関きかんしゃ 1950ねん
6 Henry the Green Engine みどりの機関きかんしゃヘンリー 1951ねん
7 Toby the Tram Engine 機関きかんしゃトビーのかつやく 1952ねん 1974ねん
8 Gordon the blue Engine おおきな機関きかんしゃゴードン 1953ねん
9 Edward the blue Engine あお機関きかんしゃエドワード 1954ねん
10 Four Little Engines よんだいのちいさな機関きかんしゃ 1955ねん
11 Percy the Small Engine ちびっこ機関きかんしゃパーシー 1956ねん
12 The Eight Famous Engines はちだいの機関きかんしゃ 1957ねん ジョン・ケニー
13 Duck and the Diesel Engine ダックとディーゼル機関きかんしゃ 1958ねん
14 The Little old Engine ちいさなふるい機関きかんしゃ 1959ねん
15 The Twin Engines ふたごの機関きかんしゃ 1960ねん
16 Branch Line Engines 機関きかんしゃトーマスのしっぱい 1961ねん 1980ねん
17 Gallant Old Engine ゆうかんな機関きかんしゃ 1962ねん ガンバー&ピーター・エドワーズ
18 Stepney the "Bluebell" Engine がんばりやの機関きかんしゃ 1963ねん
19 Mountain Engines やまにのぼる機関きかんしゃ 1964ねん
20 Very Old Engines 100さいの機関きかんしゃ 1965ねん
21 Main Line Engines おおきな機関きかんしゃたち 1966ねん
22 Small Railway Engines ちいさな機関きかんしゃたち 1967ねん
23 Enterprising Engines 機関きかんしゃのぼうけん 1968ねん
24 Oliver the Western Engine 機関きかんしゃオリバー 1969ねん
25 Duke The Lost Engine きえた機関きかんしゃ 1970ねん 1981ねん
26 Tramway Engines わんぱく機関きかんしゃ 1972ねん
クリストファー・オードリー・さく
27 Really Useful Engines ほんとうにやくにたつ機関きかんしゃ 1983ねん 2023ねん クライヴ・スポング
28 James and the Diesel Engines 翻訳ほんやく 1984ねん -
29 Great Little Engines 1985ねん
30 More About Thomas the Tank Engine 1986ねん
31 Gordon the High-Speed Engine 1987ねん
32 Toby, Trucks and Trouble 1988ねん
33 Thomas and the Twins 1989ねん
34 Jock the New Engine 1990ねん
35 Thomas and the Great Railway Show 1991ねん
36 Thomas Comes Home 1992ねん
37 Henry and the Express 1993ねん
38 Wilbert the Forest Engine 1994ねん
39 Thomas and the Fat Controller's Engines 1995ねん
40 New Little Engine 1996ねん
41 Thomas and Victoria 2007ねん
42 Thomas and his Friends 2011ねん

だい1かんさんだいの機関きかんしゃ[編集へんしゅう]

1942ねん、ウィルバート・オードリー牧師ぼくしは、息子むすこクリストファーがはしかにかかっていたとき、ある機関きかんしゃ物語ものがたりかたかせた。そのうちとくにクリストファーがきだったつぎのようなものである。

Early in the morning,
Down at the station,
All the little engines
Standing in a row.
Along comes the driver,
Pulls a little lever
Puff puff, chuff chuff,
Off we go!

クリストファーはその細部さいぶについてオードリーに質問しつもんし、オードリーはそのこたえを最初さいしょ短編たんぺんエドワードのたのしいいちにち」の創造そうぞうにつなげていった。 つづいてエドワードにかんするべつ物語ものがたり「エドワードとゴードン」を創作そうさくした。この物語ものがたりには、当時とうじクリストファーとおな道路どうろんでいた、かなりわがままな子供こどもにちなんで命名めいめいしたおおきな機関きかんしゃゴードンが登場とうじょう、エドワードとともに活躍かつやくした。そしてだい3「なさけないヘンリー」は、つぎぎょう俗謡ぞくようから創作そうさくされた。

Once an engine attached to a train
Was afraid of a few drops of rain.
It went into a tunnel
And squeaked through its funnel
And never came out again.

これは19世紀せいき、イギリスのある鉄道てつどうでアメリカせい機関きかんしゃがトンネルない故障こしょうし、そのまま放置ほうちされたという出来事できごと由来ゆらいしたものである。この物語ものがたりには「ふとっちょの重役じゅうやく」がはじめて登場とうじょうした。

オードリーはつまマーガレットにすすめられ、1943ねん児童じどう図書としょ出版しゅっぱんしゃのエドモンド・ウォードしゃ出版しゅっぱんんだ。出版しゅっぱんしゃはヘンリーを救出きゅうしゅつする4番目ばんめはなしくようにアドバイスしたのにくわえ、オードリーが3りょう機関きかんしゃおな鉄道てつどう会社かいしゃはたらいているのを意図いとしていなかったのを「ふとっちょの重役じゅうやく」の鉄道てつどう会社かいしゃでひとつの舞台ぶたいにまとめるようにもうながした。これにたいしてオードリーは「なかよしになったさんだい」というはなし要求ようきゅうおうじ、ヘンリーを救出きゅうしゅつ復権ふっけんさせ、3だい仲良なかよくなる物語ものがたり創作そうさくした。こうしてだい1かんさんだいの機関きかんしゃ」がウィリアム・ミドルトン (William Middleton) の挿絵さしえ1945ねん出版しゅっぱんされた。ミドルトンの挿絵さしえ機関きかんしゃ描写びょうしゃ稚拙ちせつで、オードリーは非常ひじょう不満ふまんいていた。

だい2かん機関きかんしゃトーマス」[編集へんしゅう]

オードリーは1945ねんのクリスマスに、れからクリストファーのためのタンクしき蒸気じょうき機関きかんしゃのおもちゃをつくした。クリストファーはこのおもちゃに「トーマス」と名付なづけ、一番いちばんのおりのおもちゃになった。こうして世界一せかいいち有名ゆうめい機関きかんしゃ「トーマス」が誕生たんじょうした。クリストファーは、「トーマス」にかんするはなしつくるように父親ちちおやもとめ、オードリーは1946ねんまでにトーマスが活躍かつやくする4つのはなしつくり、レジナルド・ペイン (Reginald Payne) が挿絵さしえけてだい2かん機関きかんしゃトーマス」が出版しゅっぱんされた。そのさい、ペインはクリストファーのおもちゃの機関きかんしゃのままでは挿絵さしえにできないと判断はんだんし、ロンドン・ブライトン・アンド・サウスコースト鉄道てつどうのE2かたち機関きかんしゃ(クラスE2)をモデルにトーマスをえがいた。オードリーはリアルなペインの挿絵さしえには満足まんぞくだった。ペインの挿絵さしえ重版じゅうはんにレジナルド・ダルビーによりえがなおされたが、大半たいはん従来じゅうらい挿絵さしえ模写もしゃしているため、ある程度ていどペインの作風さくふうをうかがいることはできる。

だい3かんあか機関きかんしゃジェームス」[編集へんしゅう]

2さつほん好評こうひょうで、つぎだい2かんだい4「トーマスときゅうえん列車れっしゃ」にてきたジェームスにかんするはなしくよう、出版しゅっぱんしゃから依頼いらいされた。1948ねん、「あか機関きかんしゃジェームス」が出版しゅっぱんされた。

当初とうしょ挿絵さしえはオードリーのおりだったレジナルド・ペインが担当たんとうする予定よていだったが、海軍かいぐん関係かんけい仕事しごと神経しんけいんでしまい、降板こうばんすることになった。編集へんしゅうしゃエリック・マリオットは、代理だいり画家がかとして、オードリーの承諾しょうだくずに、レスターまれのクラレンス・レジナルド・ダルビー(Clarence Reginald Dalby 1904ねん - 1983ねん)をんだ。だい3かん出版しゅっぱんされると、したしみやすい絵柄えがら大胆だいたんいろ使づかい・構図こうずでダルビーは人気にんきさきの2さつはんかさねるさいには、ダルビーの挿絵さしええられることになった。挿絵さしえ出来でき刊行かんこうじゅん無関係むかんけいに3かん→2かん→1かん上手うまくなっているのはこれが理由りゆうである。

日本語にほんご表記ひょうきながらく「レジナルド・ドールビー」だったが(英語えいご語頭ごとうがアクセントのある"al"の場合ばあい、ほとんどが[o:l]と発音はつおんする)、2005ねん刊行かんこう新装しんそうばん以降いこうは「レジナルド・ダルビー」に変更へんこうされた。

なお、ほんまき出版しゅっぱんされた1948ねんに、だい世界せかい大戦たいせん影響えいきょう荒廃こうはいし、莫大ばくだい負債ふさいかかえたイギリスのよんだい私鉄してつすべ国有こくゆうされ、イギリス国鉄こくてつとなった。鉄道てつどう国有こくゆう影響えいきょうで、このまきからトーマスたちのはたら鉄道てつどう国有こくゆう北西ほくせいきょくとなった)された。トップハム・ハットきょう肩書かたがきも「重役じゅうやく(Director)」から「局長きょくちょう(Controler)」になっている。

だい4かん - だい11かん[編集へんしゅう]

以後いご人気にんきこたえて、1ねんに1かんのペースで、オードリーのぶんとダルビーの挿絵さしえでシリーズはつづけかんしていった。

しかし、ダルビーの挿絵さしえ当初とうしょから機関きかんしゃ鉄道てつどう部分ぶぶん細部さいぶ描写びょうしゃがいい加減かげんで、挿絵さしえ同士どうし一貫いっかんせいにも問題もんだいがあり、鉄道てつどうくわしく描写びょうしゃのリアリティーをもとめるオードリーには不満ふまんがあった。オードリーがそのことで不満ふまんべると、挿絵さしえわせが度々たびたびいいになった。そしてだい11かんちびっこ機関きかんしゃパーシー」の執筆しっぴつちゅう、オードリーがパーシーて「これじゃあかせんはいったイモムシだ」とったことにダルビーが激怒げきど積年せきねん確執かくしつからダルビーは挿絵さしえ降板こうばんした。

この時代じだいは、だい世界せかい大戦たいせん終戦しゅうせんともない、戦地せんちとなって荒廃こうはいした世界せかい各地かくち鉄道てつどう復興ふっこう近代きんだいすすめていた。それと同時どうじにディーゼル機関きかんしゃ電気でんき機関きかんしゃ電車でんしゃ高性能こうせいのう高速こうそく台頭たいとう蒸気じょうき機関きかんしゃえがはじまっていた。また、4だい私鉄してつ負債ふさいいだイギリス国鉄こくてつにおいては、地方ちほう採算さいさん路線ろせんはいせんすすめられていた。そのような時代じだいなか、イギリス各地かくち勃興ぼっこうしつつあった保存ほぞん鉄道てつどう運動うんどう共鳴きょうめいしたオードリーは、だい10かんには、実在じつざい保存ほぞん鉄道てつどうであるタリスリン鉄道てつどう原作げんさく旧版きゅうばんでの日本語にほんご表記ひょうきは「タリリン鉄道てつどう」)をモデルにした狭軌きょうきスカーロイ鉄道てつどう舞台ぶたいくわえた。

だい12かん - だい17かん[編集へんしゅう]

ダルビーにかわり、おなじくレスターまれのジョン・セオドア・アードリー・ケニー(John Theodore Eardley Kenney 1911ねん - 1972ねん)が「はちだいの機関きかんしゃ」から挿絵さしえ担当たんとうした。ケニーののスタイルはそれほどカラフルでなく、より現実げんじつてきでリアルでダルビーとは随分ずいぶんことなるものだったが、挿絵さしえのために機関きかんしゃをスケッチしたり、アトリエの存在そんざい子供こどもたちにられ、リアル指向しこうのオードリーとは良好りょうこう関係かんけいであり、どことなくユーモアただよ作風さくふうも、読者どくしゃにもすぐれられた。

ケニーはくちよこのエクボをふかえがいたことで、機関きかんしゃ表情ひょうじょうゆたかにした。また、ダルビーがえがいたエドワードやジェームズの半円はんえんがた普通ふつうまる変更へんこうとなっている。ケニー独自どくじかおなに種類しゅるいもあるが、かお中央ちゅうおうくろっぽくして非常ひじょうにリアルなかおえがくというものがあり、とくだい13かん - だい15かんられる。おどろいたりおこったりしたときの、まる縦長たてながにしてまゆ逆立さかだてたかお迫力はくりょくがあり、あじしていた。 しかし、疾患しっかんによる失明しつめいのため交代こうたい余儀よぎなくされ(のちにその疾患しっかん原因げんいん死去しきょ)、 担当たんとう巻数かんすうもっとすくない。

当時とうじのイギリス国鉄こくてつでは近代きんだい計画けいかくすすめられており、蒸気じょうき機関きかんしゃ淘汰とうた・ディーゼル機関きかんしゃへのえがすすんでいた。危機ききかんいた牧師ぼくしは、保存ほぞん鉄道てつどうでの活動かつどう活発かっぱつさせる。絵本えほんでも蒸気じょうき機関きかんしゃ保存ほぞん活動かつどうえが傾向けいこうつよまり、13かん・15かん物語ものがたりではとくにその影響えいきょうられる。また、13かんでは実在じつざいする著名ちょめい機関きかんしゃシティ・オブ・トルーローが登場とうじょうした。

だい18かん - だい26かん[編集へんしゅう]

ケニーのわりとして出版しゅっぱんしゃえらんだ5にん画家がかは、スウェーデンまれの女性じょせい画家がかガンバー・エドワード (Gunvor Edward) であった。 彼女かのじょは「がんばりやの機関きかんしゃ」から早速さっそく担当たんとうすることになった。まずだい4はじめの挿絵さしえからはじめてみたが、かぎられた構図こうずなかに5りょう機関きかんしゃ正確せいかくえがくのは、自分じぶんでは困難こんなん仕事しごとであるとかんじたようで、どうおっとピーター・エドワード (Peter Edward) にえがけるかどうかためしてもらった。このことがきっかけで仕事しごと手伝てつだってもらい、のちにピーターが機関きかんしゃ、ガンバーが背景はいけい担当たんとうになった。ちなみにロンドンまれのピーターはガンバーと英国えいこくい、結婚けっこんいちスウェーデンにんでから、ロンドンにもどっている。

こうしてガンバー&ピーター・エドワーズのともさく挿絵さしえによりシリーズは再開さいかいした。オードリーとあたらしい挿絵さしえ画家がか夫妻ふさいとの関係かんけい最初さいしょのミーティングから順調じゅんちょうすすんだ。実際じっさい保存ほぞん鉄道てつどう機関きかんしゃえがひとし機関きかんしゃのディテールは歴代れきだい挿絵さしえ家中いえじゅう最高さいこう精度せいどで、細部さいぶ挿絵さしえたくみで魅力みりょくがあり「あきらかにキャラクターにたいする愛情あいじょうっています」とかたるまでに、オードリーはエドワーズ夫妻ふさい挿絵さしえ仕事しごと感謝かんしゃした。

1960年代ねんだいはいり、イギリス国鉄こくてつ無煙むえん近代きんだい計画けいかく急速きゅうそく進行しんこうした。おおくの蒸気じょうき機関きかんしゃがディーゼル機関きかんしゃ電気でんき機関きかんしゃ電車でんしゃへのえにともないスクラップとなり、イギリスの本線ほんせんじょうから蒸気じょうき機関きかんしゃえるのはもはや時間じかん問題もんだいであった。また、イギリス国鉄こくてつ財務ざいむ収支しゅうし改善かいぜんのため、おおくの採算さいさん地方ちほう路線ろせんはいせんされ(ビーチング・アックス)、その跡地あとち利用りようした保存ほぞん鉄道てつどうぐんえていった。このような事情じじょうもあり、オードリーは保存ほぞん鉄道てつどう援助えんじょ活動かつどうにより注力ちゅうりょくするようになった。18かん・23かんでは、あんにイギリス国鉄こくてつ無煙むえん計画けいかく批判ひはんしているともれる描写びょうしゃ存在そんざいする。従来じゅうらいからえがかれているスカーロイ鉄道てつどう(タリスリン鉄道てつどう)の物語ものがたりえたほか、18かんではブルーベル鉄道てつどう、19かんではスノードン登山とざん鉄道てつどう、22かんではレイブングラス・エスクデール鉄道てつどうをそれぞれ援助えんじょするための物語ものがたりえがかれた。また、13かんつづき、18かんのステップニーや23かんのフライング・スコッツマンなど、現実げんじつ保存ほぞんされている著名ちょめい蒸気じょうき機関きかんしゃ登場とうじょうしている。エドワーズ夫妻ふさいはこれらの保存ほぞん鉄道てつどう蒸気じょうき機関きかんしゃたち姿すがたをリアリティーある挿絵さしえ仕上しあげ、物語ものがたり魅力みりょくてきいろどった。

1968ねんにイギリス国鉄こくてつ蒸気じょうき機関きかんしゃ運行うんこう終了しゅうりょうした。蒸気じょうき機関きかんしゃ主題しゅだいとした創作そうさく題材だいざい取得しゅとくがたくなったこともあり、オードリーは「井戸いど干上ひあがった」とかんじて、だい26かんわんぱく機関きかんしゃ」をもってこの絵本えほんシリーズをいったん終了しゅうりょうすることにした。

日本にっぽんでの翻訳ほんやく出版しゅっぱん[編集へんしゅう]

日本にっぽんでの翻訳ほんやく出版しゅっぱんのきっかけはだい15かん裏表紙うらびょうしうらしるされている。当時とうじ英国えいこく在住ざいじゅうちゅうだった桑原くわばら三郎さぶろう偶然ぐうぜん本屋ほんやつけ、親子おやこ愛読あいどくしょとしたのがはじまりだった。これに清水しみずしゅうひろしくわわった2人ふたり翻訳ほんやくをつとめ、児童じどうしょ有名ゆうめいポプラ社ぽぷらしゃから出版しゅっぱんされている。また黒岩くろいわみなもとつよし初版しょはん出版しゅっぱん当時とうじ京成電鉄けいせいでんてつ顧問こもん。そのきたそう開発かいはつ鉄道てつどう社長しゃちょう鉄道てつどう工作こうさく協会きょうかい会長かいちょうとう歴任れきにんし、2002ねん6月29にちぼつだい15かん名前なまえれられただけで、ほとんどノークレジット)による鉄道てつどう専門せんもん用語ようごについての監修かんしゅうたことで、鉄道てつどう用語ようご英語えいご分化ぶんかしたころなので、えいべい単語たんごちがいがはげしい)の翻訳ほんやくが「はつらいしんごうき(はつかみなり信号しんごう)」「かんしょうき(緩衝かんしょう)」などとまさしくやくされている。

だい26かんまでの刊行かんこうリスト[編集へんしゅう]

  • ■は「スカーロイ鉄道てつどう」の登場とうじょうまき。ただし12かんと19かんはメインの登場とうじょうではない。
  • ISBNは、旧版きゅうばん新装しんそうばん、「ミニ新装しんそうばん」、「しん汽車きしゃのえほん」のじゅんしるす。ただし16かん以降いこうについては新装しんそうばん発売はつばいされていない。また新装しんそうばん以降いこうではキャラクターめい一部いちぶがテレビシリーズとおな表記ひょうき(ジェームズ→ジェームス、トービー→トビー)にえられている。
ISBN 978-4591005637, ISBN 978-4591085646, ISBN 978-4591120057, ISBN 978-4591168523
ISBN 978-4591005644, ISBN 978-4591085653, ISBN 978-4591120064, ISBN 978-4591168530
ISBN 978-4591005651, ISBN 978-4591085660, ISBN 978-4591120071, ISBN 978-4591168547
ISBN 978-4591005668, ISBN 978-4591085677, ISBN 978-4591120088, ISBN 978-4591168554
ISBN 978-4591005675, ISBN 978-4591086346, ISBN 978-4591120095, ISBN 978-4591168561
ISBN 978-4591005682, ISBN 978-4591086490, ISBN 978-4591120101, ISBN 978-4591168578
ISBN 978-4591005699, ISBN 978-4591086988, ISBN 978-4591120118, ISBN 978-4591168585
ISBN 978-4591005705, ISBN 978-4591086995, ISBN 978-4591120125, ISBN 978-4591168592
ISBN 978-4591005712, ISBN 978-4591087671, ISBN 978-4591120132, ISBN 978-4591168608
ISBN 978-4591005729, ISBN 978-4591087688, ISBN 978-4591120149, ISBN 978-4591168615
ISBN 978-4591005736, ISBN 978-4591087893, ISBN 978-4591120156, ISBN 978-4591168622
ISBN 978-4591005743, ISBN 978-4591087909, ISBN 978-4591120163, ISBN 978-4591168639
ISBN 978-4591005750, ISBN 978-4591088340, ISBN 978-4591120170, ISBN 978-4591168646
ISBN 978-4591005767, ISBN 978-4591088357, ISBN 978-4591120187, ISBN 978-4591168653
ISBN 978-4591005774, ISBN 978-4591088364, ISBN 978-4591120194, ISBN 978-4591168660
ISBN 978-4591005781, ISBN 978-4591120200, ISBN 978-4591168677
ISBN 978-4591005798, ISBN 978-4591120217, ISBN 978-4591168684
ISBN 978-4591005804, ISBN 978-4591120224, ISBN 978-4591168691
ISBN 978-4591005811, ISBN 978-4591120231, ISBN 978-4591168707
ISBN 978-4591005828, ISBN 978-4591120248, ISBN 978-4591168714
ISBN 978-4591005835, ISBN 978-4591120255, ISBN 978-4591168721
ISBN 978-4591005842, ISBN 978-4591120262, ISBN 978-4591168738
ISBN 978-4591005859, ISBN 978-4591120279, ISBN 978-4591168745
ISBN 978-4591005866, ISBN 978-4591120286, ISBN 978-4591168752
ISBN 978-4591005873, ISBN 978-4591120293, ISBN 978-4591168769
ISBN 978-4591005880, ISBN 978-4591120309, ISBN 978-4591168776

絵本えほん仕様しようちが[編集へんしゅう]

  • おおきさもあつさも日本語にほんごばんほうおおきい。
  • 各巻かくかん表紙ひょうしいろ原語げんごばん日本語にほんごばんちがい、さらに新装しんそうされるごとにわる場合ばあいもある。原語げんごばん表紙ひょうし黒地くろじしろであったが、2015ねん新装しんそうばんより表紙ひょうしおなしょく変更へんこうされた。
  • 日本語にほんごばんのみ、中表なかおもてあか(とあお)で機関きかんしゃ簡単かんたんなシルエットがえがいてある。これはデザインの傾向けいこうに3種類しゅるいほどられる。なお、テレビシリーズはつ上陸じょうりくころは、後述こうじゅつだい16かん以降いこうきゅうばんしていたが、刊行かんこう案内あんないだい15かんまでしかせていないにもかかわらず、引用いんようされているシルエットがだい16かん以降いこうのものだった。
  • げきちゅう注釈ちゅうしゃくことなる。原語げんごばんはタリスリン鉄道てつどうとう実在じつざいする鉄道てつどうへの賛助さんじょ訪問ほうもん紹介しょうかいのみ、日本語にほんごばん以前いぜん登場とうじょうしたエピソードについて 「このはなしは○かんています」がはいっている。
  • 巻末かんまつのストーリー紹介しょうかい日本語にほんごばんでははぶかれている。
  • 原語げんごばん表紙ひょうしうらは、えき構内こうない(なぜかホームのすぐちかくにひつじたちなどがいる)にすべ本線ほんせん機関きかんしゃたちがえがかれている。これは日本にっぽん出版しゅっぱんの27かん以降いこう画家がか、クライヴ・スポングによるイラストである。日本語にほんごばんについては後述こうじゅつ
  • だい17かん表紙ひょうしが、原語げんごばんだい42まいえきでのレニアス、日本語にほんごばんだい43まい立往生たちおうじょうしそうなレニアスが使つかわれている。愛蔵あいぞうほんによると、このだい17かんまで挿絵さしえ担当たんとうしたケニーのは、原画げんが紛失ふんしつしているものがあるらしく(よくるとカラーコピーらしいがある)その関係かんけいともかんがえられる。

日本語にほんごばん表紙ひょうしうらのバージョンちが[編集へんしゅう]

  1. 最初さいしょ前述ぜんじゅつ原語げんごばん黄色きいろ印刷いんさつしていた。
  2. だい7かんからは末期まっきのエドワーズのになり、トーマスからダグラスまでの10だいと、みぎにスカーロイ鉄道てつどう蒸気じょうき機関きかんしゃ5だい(ラスティーははぶかれている)がならび「1かん、2かん…15かんてきます」という解説かいせつがついた。だが、文章ぶんしょうだけでてこない機関きかんしゃもカウントされている。だい6かん以前いぜん再版さいはんにこのタイプに修正しゅうせいされた。
  3. 調しらべるのが煩雑はんざつうえ、ほとんど意味いみがないのか、だい16かん以降いこうだけで登場とうじょう巻数かんすうかれなくなった。

日本語にほんごばんのバージョンちが[編集へんしゅう]

現在げんざいまでに判明はんめいしているもののみしるす。

  1. 裏表紙うらびょうし変化へんかはげしく、初版しょはんはこれからだい4かん - だい15かん予告よこくタイトルがはいったが、だい7かん「トロッコ機関きかんしゃトービー」、だい11かん「ちびっこ機関きかんしゃパーシィ」など、正式せいしきだいちがうタイトルも存在そんざいしていた。つぎはんでは現在げんざいているまきなんさつかのみの一覧いちらんはいった。そのはさすがに面倒めんどうになったのか、ただ「汽車きしゃのえほん」とおおきなシルエットがただけになった。
  2. ほんそのもののちがいではないが、テレビシリーズはつ放映ほうえいには「TV放映ほうえいちゅう 機関きかんしゃトーマス」のかねのシール(児童じどう推薦すいせん図書としょなどとおなじデザイン)がられた。
  3. 表紙ひょうしに◆マークがいた。
  4. 表紙ひょうし下部かぶ訳者やくしゃめい太字ふとじになった。
  5. 2005ねん原作げんさく刊行かんこう60周年しゅうねん記念きねんし、だい1かん - だい15かんのみカバーデザインが大幅おおはばわった新装しんそう改訂かいていばん出版しゅっぱんされた。この新装しんそうばん以降いこうでは、桑原くわばら清水しみずりょう訳者やくしゃのクレジットはそのままだが、テレビシリーズにわせてキャラクターの名前なまえ表記ひょうき(ジェームズ→ジェームス、トービー→トビー、スカーローイ→スカーロイ、リーニアス→レニアス、サー・ハンドル→サー・ハンデルなど)が変更へんこうされたほか、一部いちぶ文章ぶんしょう旧版きゅうばんからあらためられている。
  6. 2010ねん12月に、ぜん26かんがミニ新装しんそうばんとして発売はつばい。サイズは原語げんごばんちかいものになった。
  7. 2013ねん7がつに、ぜん26かんを1さつにまとめて収録しゅうろくしたコレクションばん発売はつばい
  8. 2020ねん12月に、ぜん26かんしん汽車きしゃのえほんとして発売はつばい。サイズがA5変型へんけいばんとなっている。

だい27かん - だい40かん[編集へんしゅう]

クリストファーもまたちちのように鉄道てつどうファンであった。クリストファーにもどもができ、かつてのちち自分じぶんのように、機関きかんしゃについてどもと対話たいわするようになった。 あるネーンバレー保存ほぞん鉄道てつどう訪問ほうもんしたさい、インスピレーションをけて最初さいしょはなし発想はっそう早速さっそく文章ぶんしょうにして父親ちちおやせた。ちょうどテレビシリーズ相談そうだんけていたウィルバートはそれをんで天恵てんけいかんじ、公表こうひょう出版しゅっぱん提案ていあんした。そしてクリストファーの持込もちこめにより27かん「Really Useful Engines」は1983ねん発行はっこうされた。オードリーは本書ほんしょを「汽車きしゃのえほん、だい27かん」とし、シリーズの再開さいかいをきめた。

あたらしい汽車きしゃのえほんの出版しゅっぱんしゃでもあるハイネマンしゃだい26かんまでのガンバー&ピーター・エドワーズの挿絵さしえこのんでいなかったため、あたらしい挿絵さしえ画家がかとしてクライヴ・スポング (Clive Spong) が起用きようされた。だい27かんはダルビーやケニーのせてえがかれたが、だい28かんからは独自どくじとなった。ここから機関きかんしゃかおはシワのったがおとなってしまい、旧来きゅうらい読者どくしゃにはがたいものとなっている。かお以外いがいについても、車庫しゃこ扇型おうぎがたになったり、トーマスの支線しせん分岐ぶんきえききゅううみりの場所ばしょ移転いてんしたり、局長きょくちょうがヒゲめん別人べつじんになったり(これは局長きょくちょうがトッパム・ハット3せいになったため)と、だい26かんまでとはあきらかな設定せってい変更へんこうおこなわれた。それにこたえるように1987ねん9月に「The Island of Sodor : Its People, History and Railways(ソドーとうにおける人物じんぶつ歴史れきしおよび鉄道てつどう)」がウィルバート・オードリー牧師ぼくしとその実弟じっていのジョージによって刊行かんこうされ、この物語ものがたり設定せってい集大成しゅうたいせいとなった。この著書ちょしょこそしんの「汽車きしゃのえほん」パーフェクト・ガイドといえるもののはずだが、ぜん世界せかい絶版ぜっぱんちゅう日本にっぽんでは翻訳ほんやくすらされていない)になっている。

すでにイギリスの公共こうきょう鉄道てつどうから完全かんぜん蒸気じょうき機関きかんしゃ引退いんたいし、保存ほぞん鉄道てつどうでのみ会合かいごうできる時代じだいにおいて、クリストファーのえがしんシリーズは、はじめから簡単かんたんではなかった。ウィルバートの時代じだいなら基本きほんてきには悪者わるものだったディーゼル機関きかんしゃ存在そんざいも、見直みなおさなくてはならなかった(デイジーがD1、ボコがD2、7101ごう/「くま」がD3と正式せいしき番号ばんごうあたえられた)。イギリスの公共こうきょう鉄道てつどう全体ぜんたい電化でんか高速こうそく近代きんだいすすみ、牧歌ぼっかてき逸話いつわまれがたくなっていた。ストーリーは当初とうしょはウィルバートのはなしせていたが、ある程度ていどたつとクリストファーなりのれができたのか、タイトルに「Engines」がつかなくなったり、ディーゼル特急とっきゅうHSTのピップとエマが登場とうじょうしたり、トーマスが英国えいこく鉄道てつどうイベントに出演しゅつえんして、マラードごう蒸気じょうき機関きかんしゃ世界せかい最高さいこう速度そくどした)とうなど、時代じだい反映はんえいした、いままでとはことなる作風さくふう物語ものがたり執筆しっぴつされた。

だい41かんだい42かん最終巻さいしゅうかん[編集へんしゅう]

1997ねん3がつ21にちにウィルバート・オードリー牧師ぼくし死去しきょ、「汽車きしゃのえほん」にかんするすべての権利けんりが1998ねん4がつ28にちまでに、テレビシリーズの製作せいさく会社かいしゃ(ブリット・オールクロフトしゃのちにガレインしゃ改称かいしょう)に買収ばいしゅうされた。これによりクリストファーは権利けんりしゃ許可きょかなく勝手かってに「汽車きしゃのえほん」をすことができなくなったため、「汽車きしゃのえほん」はしばらくのあいだ発表はっぴょう休止きゅうしはいった。

その、2000ねん公開こうかい映画えいがきかんしゃトーマス 魔法まほう線路せんろ』の興行こうぎょう失敗しっぱいをきっかけに、2002ねんにガレインしゃ大手おおて児童じどう幼児ようじ映像えいぞう製作せいさく会社かいしゃ(ヒット・エンターテインメントしゃ)に買収ばいしゅうされ、さらに2005ねんにイギリスの投資とうし会社かいしゃ(エイパックス・パートナーズしゃ)がヒットしゃ買収ばいしゅうしたころから状況じょうきょう変化へんかした。2007ねん8がつ旧版きゅうばん装丁そうてい既刊きかんぜん40かん再版さいはん実施じっしされた。さらに2007ねん9がつには10ねんぶりの新作しんさくとして、だい41かん「Thomas and Victoria」が既刊きかんぶんわせた装丁そうてい発行はっこうされた。ウィルバート牧師ぼくし生誕せいたん100ねんとなる2011ねんには最終巻さいしゅうかんとなるだい42かん「Thomas and his Friends」が発行はっこうされた。

だい27かん以降いこう刊行かんこうリスト[編集へんしゅう]

ながらく日本語にほんごやく刊行かんこうだったが、2023ねん11月、『汽車きしゃのえほん』シリーズ日本にっぽん出版しゅっぱん50周年しゅうねん記念きねんしてだい27かん翻訳ほんやく出版しゅっぱんされることとなる。


ISBN 978-4591179765

番外ばんがいへん[編集へんしゅう]

1984ねんからのテレビシリーズ放送ほうそうさいして、ウィルバート・オードリー牧師ぼくしとクリストファー・オードリーは、4さつ番外ばんがいへん執筆しっぴつした。クライヴ・スポングによって挿絵さしえろされ、1984ねんから1987ねんにかけて毎年まいとし1さつペースで刊行かんこうされた。

その、1990ねんに5さつ、1992ねんに6さつ刊行かんこうされた。挿絵さしえはスティーブン・リングスが担当たんとうし、クライヴ・スポングのものにちか画風がふうろされた。

2001ねん、クリストファー・オードリーによって、鉄道てつどう安全あんぜん利用りようするためのルールをしるした2さつ絵本えほんろされた。挿絵さしえはデヴィッド・アンダースンが担当たんとうした。

番外ばんがいへん刊行かんこうリスト[編集へんしゅう]

著者ちょしゃは、だい1かんだい2かんだい5かんがウィルバート・オードリー牧師ぼくし、そのさつがクリストファー・オードリー。全巻ぜんかんとも日本語にほんごやく刊行かんこう

  • 1. (1984ねん)Thomas's Christmas Party
  • 2. (1985ねん)Thomas Comes to Breakfast
  • 3. (1986ねん)Thomas and the Missing Christmas Tree
  • 4. (1987ねん)Thomas and the Evil Diesel
  • 5. (1990ねん)Thomas and Gordon Off the Rails
  • 6. (1992ねん)Thomas and the Hurricane
  • 7. (2001ねん)Bad Days for Thomas and his Friends
  • 8. (2001ねん)More Bad Days for Thomas and his Friends

ポップアップえほん[編集へんしゅう]

1983ねん、ウィルバート・オードリー牧師ぼくしとクリストファー・オードリーによる「汽車きしゃのえほん」のエピソードをもとにした仕掛しか絵本えほんシリーズが刊行かんこう開始かいしした。すべてクライヴ・スポングが挿絵さしええがろし、1994ねんまでにぜん12かん刊行かんこうされた。

日本にっぽんでは、「きかんしゃトーマスのポップアップえほん」というシリーズめい最初さいしょの8さつのみが、まだらめさんによって翻訳ほんやくされ、1992ねんポプラ社ぽぷらしゃより刊行かんこうされた。

ポップアップえほんの刊行かんこうリスト[編集へんしゅう]

  • 1. きかんしゃトーマスとバスのバーティー(Bertie the Bus and Thomas the Tank Engine)
  • 2. きかんしゃヘンリーだっせんする(The Flying Kipper and Henry the Green Engine)
  • 3. きかんしゃヘンリーとサーカスのぞう(Henry the Green Engine and the Elephant)
  • 4. あめがきらいなきかんしゃヘンリー( Henry the Green Engine Gets Out)
  • 5. きかんしゃジェームズといたずらもののかしゃ(James the Red Engine and the Troublesome Trucks)
  • 6. きかんしゃパーシーうみにおちる(Percy the Small Engine Takes the Plunge)
  • 7. きかんしゃトーマスおおゆきにあう(Thomas the Tank Engine and the Tractor)
  • 8. きかんしゃトーマスさかなつりにいく(Thomas the Tank Engine Goes Fishing)
  • 9. Thomas the Tank Engine and the Scrambled Eggs
  • 10. Percy the Small Engine and the Scarf
  • 11. Thomas the Tank Engine Catches a Thief
  • 12. James the Red Engine and the Signal

関連かんれん書籍しょせき[編集へんしゅう]

The Island of Sodor: Its People, History and Railways[編集へんしゅう]

ウィルバート・オードリー牧師ぼくしおとうとのジョージ・オードリーが執筆しっぴつし、クライヴ・スポングが挿絵さしえ担当たんとうした設定せってい資料集しりょうしゅう。1987ねん刊行かんこうされた。現在げんざい絶版ぜっぱんであり、日本にっぽんでは翻訳ほんやくすらされていない。

Sodor: Reading Between the Lines[編集へんしゅう]

クリストファー・オードリーが執筆しっぴつし、2005ねん刊行かんこうされた設定せってい資料集しりょうしゅうおなじく絶版ぜっぱんであり、日本にっぽん翻訳ほんやく

イギリスの鉄道てつどう[編集へんしゅう]

邦訳ほうやくはじめて出版しゅっぱんされたさいだい1かん冒頭ぼうとう原作げんさくしゃのウィルバート・オードリーから日本にっぽん読者どくしゃへのあいさつてき文章ぶんしょうがあり、そのなかに「イギリスの機関きかんしゃ日本にっぽんのものとちがうかもしれません」とことわきがある。これについて蒸気じょうき機関きかんしゃ時代じだいのイギリスと日本にっぽんちがいについて高畠たかはたきよしの『つづけ イギリスの鉄道てつどうはなしだい4しょう「イギリスの鉄道てつどう『1ダースの不思議ふしぎ[1]」より、あたまれておくと物語ものがたりかりやすくなるてんについてまとめておく。(カッコないは『汽車きしゃのえほん』で関係かんけいのあるはなし

ぜんあきらとうがない[2]
イギリスの鉄道てつどうでは線路せんろ周囲しゅういしがらみがあるのが前提ぜんていで、道路どうろ立体りったい交差こうさ最初さいしょからおおく、当時とうじ灯火ともしびあかるさおよ機関きかんしゃ制動せいどう距離きょりてき乗務じょうむいんがわ障害しょうがいぶつ発見はっけんしても無意味むいみかんがえられ、よってぜんあきらとう必要ひつようせいうす基本きほんてきいていない[注釈ちゅうしゃく 2]。トーマスたち夜間やかん走行そうこうシーンでつけているランプはあくまで標識ひょうしきとうである
ぎゃくになるが、だい27かんだい3〈TVばん84「さかなにはきをつけろ」〉はにヘッドライトのないこときた事故じこはなしである)。
鉄道てつどう黎明れいめい機関きかんしゃ屋根やねがない[3]
鉄道てつどう黎明れいめい蒸気じょうき機関きかんしゃにおいて、機関きかんたちはボイラーのうしろにざらしでそのままっていた。そのうち排煙はいえん風雨ふううからまもるようにさえぎふうばん(weatherboard)というのぞまどがあるいた前部ぜんぶて、タンク機関きかんしゃうしろにすすむこともあったのでこれをのちにもてて、それをつないだのが屋根やねはじまりである。テンダー機関きかんしゃはさらに時代じだいまで屋根やねがなかった機体きたいおおい。
イギリスの蒸気じょうき機関きかんしゃ屋根やねいたのは1860ねんのストックトン&ダーリントン鉄道てつどうのブローアムごうとロウサーごうはつだが、この2りょうはどちらかというとアメリカふう造形ぞうけい密閉みっぺいしきキャブで、窮屈きゅうくつだと機関きかんたちから評判ひょうばんわるく、つぎからどう鉄道てつどう屋根やねのこしたものの側面そくめんまどがない開放かいほうてき構造こうぞうもどしており、鉄道てつどうでも屋根やねちいさく、まどがなくカーブしたみだけのサイドパネル、後方こうほうけっぱなしというスタイルがイギリスの基本きほんになった
(21かんのスカーロイの回想かいそうシーンで、当初とうしょ屋根やねがなく、その改造かいぞうでキャブがいたことなど)。
内側うちがわシリンダーもこのまれた[4]
初期しょき機関きかんしゃである1830ねんのプラネットごうで、シリンダーをけむりしつしたにつけると車体しゃたい中心ちゅうしんちかいので圧力あつりょく偏向へんこうちいさく摩擦まさつ抵抗ていこうる(軸受じくうけの過熱かねつふせげる)ことと、保温ほおん効果こうかがあることかったので、もすっきりする内側うちがわシリンダーこの鉄道てつどうおおかった(車軸しゃじく強度きょうどのためクランクじくがいらない外側そとがわシリンダーにこだわるひともいた[5])。
作中さくちゅうでは、トーマスやエドワードを筆頭ひっとうに、多数たすう内側うちがわシリンダー機関きかんしゃたち登場とうじょうしている。だい24かん2「オリバーのだいしっぱい」では、うたて車台しゃだいちたオリバーの内側うちがわシリンダーの構造こうぞうかる挿絵さしえがある。)
ねじしき連結れんけつ使つかっていた[6]
イギリスでは鉄道てつどうがいくつもの私鉄してつ構成こうせいされていた時代じだいながく、荷主にぬし所有しょゆう私有しゆう貨車かしゃおおかったので、島国しまぐに他国たこくとの列車れっしゃ連絡れんらくがなくても、自動じどう連結れんけつへの交換こうかん日本にっぽんのように足並あしなみをそろえておこなうことが困難こんなんだった。
なお、現代げんだい鉄道てつどうにおいても、イギリスをふくむヨーロッパ各国かっこく南米なんべい諸国しょこくでは、鉄道てつどう会社かいしゃ車両しゃりょうメーカーがくに単位たんい多数たすう存在そんざいし、それらをむす国際線こくさいせんけの自動じどう連結れんけつ規格きかく統一とういつ困難こんなんである都合つごうじょう、ユニット単位たんい編成へんせいされる電車でんしゃ高速こうそく車両しゃりょう以外いがいはねじしき連結れんけつ使用しようされている。
また、ねじしき連結れんけつ(screw coupling)以前いぜんに「くさりしき連結れんけつ(chain coupling)」と「スリーリンク・カップリング(three-link coupling)」という連結れんけつ使用しようされており、前者ぜんしゃはフックが「くさりはし」についているもので、これを相手あいてのバッファービームにかけるもの、スリーリンクはフックがバッファービームに固定こていされ、ここにさんれんくさりをかけるもので、のち出現しゅつげんしたねじしき連結れんけつもこれと互換ごかんせいがあったので、旧式きゅうしき貨物かもつにゅうがえでは蒸気じょうき機関きかんしゃ末期まっきでもこれを使用しようしていたものがある。
ねじしき連結れんけつはスリーリンク・カップリングの中央ちゅうおうくさりをネジにえてながさを調節ちょうせつできるようになったもので、これにより衝撃しょうげききにくくなっている。
だい21かん4「エドワードのはなれわざ」では、このネジをゆるめることで、客車きゃくしゃを1だいずつせるようにして対処たいしょしている)
ノン・コリダー・コンパートメント客車きゃくしゃ[7]
たて貫通かんつう(corridor)がなく、乗車じょうしゃするとびらから個室こしつかれている客車きゃくしゃをノン・コリダー・コンパートメントという。
この方式ほうしき客車きゃくしゃでは乗客じょうきゃく車両しゃりょう全体ぜんたい移動いどうができず、車掌しゃしょう客車きゃくしゃ外側そとがわつたって検札けんさつしないといけないため不便ふべんで、イギリスでも次第しだい片側かたがわめん通路つうろのあるサイドコリダー・コンパートメント客車きゃくしゃやプルマンのオープンしき客車きゃくしゃ中央ちゅうおう通路つうろがあって個室こしつがない)にえられていった。
しかし、近距離きんきょり通勤つうきんようかぎればラッシュにもドアすうおおく、きゃく乗降じょうこうはやいので使つかわれつづけ、2005ねん時点じてんでも、客車きゃくしゃではないがノン・コリダー・コンパートメントはロンドン南部なんぶ路線ろせん電車でんしゃ現存げんそんしていた。
作中さくちゅうでは、アニーやクララベルなどがノン・コリダー・コンパートメント客車きゃくしゃにあたる)

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 重版じゅうはんともない、後年こうねん既存きそんからダルビーによる新規しんきへとえになった。オリジナルの画家がかは、だい1かんはウィリアム・ミドルトン、だい2かんはレジナルド・ペイン。
  2. ^ ただし勾配こうばい専用せんよう機関きかんしゃ列車れっしゃ後方こうほうからちかづく関係かんけいじょう安全あんぜんのためつけていたものもある。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 高畠たかはたきよしつづけ イギリスの鉄道てつどうはなし」、株式会社かぶしきがいしゃ成山なりやまどう書店しょてん、2005ねんISBN 4-425-96101-3 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]