河野こうの千せん万まん城しろ

河野こうの 千せん万まん城しろ
生誕せいたん	1892年ねん4月がつ22日にち 日本にっぽん 山口やまぐち県けん
死没しぼつ	(1966-01-25) 1966年ねん1月がつ25日にち（73歳さい没ぼつ）
所属しょぞく組織そしき	日本にっぽん海軍かいぐん
軍ぐん歴れき	1914年ねん - 1945年ねん
最終さいしゅう階級かいきゅう	海軍かいぐん中将ちゅうじょう

河野こうの 千せん万まん城しろ（かわの ちまき、1892年ねん〈明治めいじ25年ねん〉4月がつ22日にち - 1966年ねん〈昭和しょうわ41年ねん〉1月がつ25日にち）は、日本にっぽんの海軍かいぐん軍人ぐんじん。海兵かいへい42期き・海うみ大だい24期き。最終さいしゅう階級かいきゅうは海軍かいぐん中将ちゅうじょう。

吉川よしかわ安平あびら 中将ちゅうじょう（兵へい22期き）は、岳父がくふ。

経歴けいれき

兵へい42期きを4位いで卒業そつぎょう、あえて「通信つうしん屋や」を選えらぶ

山口やまぐち県けん出身しゅっしん。大正たいしょう3年ねん（1914年ねん）12月19日にちに海軍兵学校かいぐんへいがっこう（兵へい42期き）を4位い/117名めいの好成績こうせいせきで卒業そつぎょうし、大正たいしょう4年ねん（1915年ねん）12月13日にちに海軍かいぐん少尉しょういに任官にんかんした。

兵へい42期き（大正たいしょう3年ねん12月19日にち卒業そつぎょう、117名めい）の恩賜おんしは2名めいに絞しぼられており、4位いの河野こうのは恩賜おんしの短剣たんけんを逸いっした。なお、1クラス上じょうの兵へい41期き（大正たいしょう2年ねん12月19日にち 卒業そつぎょう、118名めい）の恩賜おんしは4名めいであった。

河野こうのは、海軍かいぐん通信つうしん学校がっこう高等こうとう科学かがく生せいを卒業そつぎょうした「通信つうしん屋や」である。

なお、河野こうののようなハンモックナンバー上位じょうい者しゃは、主流しゅりゅうである「鉄砲てっぽう屋や（海軍かいぐん砲術ほうじゅつ学校がっこう高等こうとう科学かがく生せい。堀ほり悌吉、山本やまもと五十六いそろく、古賀こが峯みね一いちなど）」「水雷すいらい屋や（海軍かいぐん水雷すいらい学校がっこう高等こうとう科学かがく生せい。長谷川はせがわ清きよし、南雲なぐも忠一ただかず、山口やまぐち多聞たもんなど））」「航海こうかい屋や（海軍かいぐん大だい学校がっこう航海こうかい学生がくせい。井上いのうえ成美まさみ、三川みかわ軍一ぐんいちなど）」を選えらぶのが普通ふつうであり、河野こうのが選えらんだ「通信つうしん屋や」は傍流ぼうりゅうであった。

大正たいしょう15年ねん（1926年ねん）11月25日にち、海うみ大だい甲種こうしゅ学生がくせい24期きを卒業そつぎょう。

昭和しょうわ10年ねん（1935年ねん）11月15日にち、海軍かいぐん大佐たいさに進級しんきゅうすると共ともに軍令ぐんれい部ぶ第だい2部ぶ第だい4課長かちょう。昭和しょうわ12年ねん（1937年ねん）12月1日にち、軽けい巡じゅん「那珂なか」艦長かんちょう。

GF先任せんにん参謀さんぼう

昭和しょうわ13年ねん（1938年ねん）11月15日にち、連合れんごう艦隊かんたい（GF）先任せんにん参謀さんぼう。海軍かいぐん次官じかん・山本やまもと五十六いそろく中将ちゅうじょうが昭和しょうわ14年ねん（1939年ねん）8月がつ30日にち付づけで連合れんごう艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかんに親おや補ほされた時ときのGF先任せんにん参謀さんぼうが河野こうのであり、河野こうのの後任こうにんとしてGF先任せんにん参謀さんぼうに就任しゅうにんしたのが2クラス下かの黒島くろしま亀ひさし人じん大佐たいさ（兵へい44期き）である。

昭和しょうわ14年ねん11月15日にち、重じゅう巡じゅん「愛宕あたご」艦長かんちょう。昭和しょうわ15年ねん（1930年ねん）10月がつ15日にち、戦艦せんかん「扶桑ふそう」艦長かんちょう。

潜水せんすい戦隊せんたい司令しれい官かんを拝命はいめい

昭和しょうわ16年ねん（1941年ねん）9月がつ15日にち、第だい6潜水せんすい戦隊せんたい(6Ss)司令しれい官かん（第だい3艦隊かんたい〈長官ちょうかん：高橋たかはし伊い望もち中将ちゅうじょう〉 隷下れいか）。それまで潜水せんすい艦かんと縁えんが無なかった河野こうのは、突然とつぜんの補職ほしょくに驚おどろいたという。直後ちょくごの昭和しょうわ16年ねん10月がつ15日にちに海軍かいぐん少将しょうしょうに進級しんきゅうし、12月8日にちの太平洋戦争たいへいようせんそう開戦かいせんを迎むかえた。

6Ss司令しれい官かんとして蘭らん印しるし作戦さくせんなどに従事じゅうじした河野こうのは、昭和しょうわ17年ねん（1942年ねん）4月がつ1日にち付づけで横須賀よこすか鎮守ちんじゅ府ふ附ふに転補てんぽされて内地ないちに戻もどり、昭和しょうわ天皇てんのうに拝謁はいえつして戦況せんきょうを奏上そうじょうした。

潜水せんすい艦かんに坐乗ざじょうして陣頭じんとう指揮しき

海軍かいぐん人事じんじ当局とうきょくは、戦地せんち帰がえりの河野こうのを当面とうめんは内地ないちで勤務きんむさせる予定よていだった。しかし、内地ないち帰還きかんから1か月げつも経たっていない昭和しょうわ17年ねん4月がつ26日にち、河野こうのは第だい3潜水せんすい戦隊せんたい（3Ss）司令しれい官かんに補ほされた。前任ぜんにん者しゃの三輪みわ茂義しげよし少将しょうしょう（兵へい39期き）が急性きゅうせい盲腸炎もうちょうえんとなった故ゆえの緊急きんきゅう人事じんじであった。

3Ss司令しれい官かんとして再度さいど出征しゅっせいした河野こうのは、根拠地こんきょちに停泊ていはくする潜水せんすい母艦ぼかんではなく、第だい一線いっせんの潜水せんすい艦かんに坐乗ざじょうし、ミッドウェー海戦かいせん・オーストラリア沿岸えんがんでの通商つうしょう破壊はかい戦せん・ガダルカナル島とうを巡めぐる諸しょ作戦さくせんを陣頭じんとう指揮しきした。河野こうのが坐乗ざじょうする潜水せんすい艦かんが実際じっさいに敵艦てきかん船せんを襲撃しゅうげきした例れいもあった。

当時とうじの潜水せんすい艦かんの居住きょじゅう性せいは最悪さいあくであり、戦果せんかを挙あげるには敵てきと刺さし違ちがえる覚悟かくごが必要ひつようであり、潜水せんすい艦かんの出撃しゅつげきに際さいしては、在ざい泊はく艦船かんせんの総員そういんが見送みおくるのが例れいであった。

昭和しょうわ17年ねん（1942年ねん）12月5日にち、軍令ぐんれい部ぶ出仕しゅっし。昭和しょうわ18年ねん（1943年ねん）1月がつ25日にち、軍令ぐんれい部ぶ第だい4部長ぶちょう。

最後さいごの海軍かいぐん通信つうしん学がく校長こうちょう

昭和しょうわ19年ねん（1944年ねん）2月がつ15日にち、海軍かいぐん通信つうしん学校がっこう長ちょう（敗戦はいせんによる海軍かいぐん消滅しょうめつまで在任ざいにん）。昭和しょうわ20年ねん（1945年ねん）5月がつ1日にちから6月がつ1日にちまで海軍かいぐん対たい潜せん学校がっこう長ちょうを兼任けんにん。

昭和しょうわ20年ねん5月がつ1日にち、海軍かいぐん中将ちゅうじょうに進級しんきゅう。昭和しょうわ20年ねん7月がつ20日はつか、海軍かいぐん艦かん政せい本部ほんぶ造兵ぞうへい監督かんとく長ちょうを兼任けんにんしたとされる。

戦後せんご

1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）11月28日にち、公職こうしょく追放ついほうの仮かり指定していを受うけた。

追放ついほう解除かいじょ後ごの1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）1月がつ25日にちに死去しきょした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 阿川あがわ弘之ひろゆき『山本やまもと五十六いそろく』 下巻げかん、新潮社しんちょうしゃ〈新潮しんちょう文庫ぶんこ〉、2008a。 
• 阿川あがわ弘之ひろゆき『海軍かいぐんこぼれ話ばなし』（DMMブックス版ばん）、2023年ねん。 
• 雨倉あめくら孝之たかゆき『帝国ていこく海軍かいぐん士官しかん入門にゅうもん』光人みつひと社しゃ〈光人みつひと社しゃNF文庫ぶんこ〉、2007年ねん。 
• 齋藤さいとう寛ひろし『鉄てつの棺かん：最後さいごの日本にっぽん潜水せんすい艦かん』光人みつひと社しゃ〈光人みつひと社しゃNF文庫ぶんこ〉、2004年ねん。 
• 外山とやま操みさお （編へん）『陸海りくかい軍ぐん将官しょうかん人事じんじ総覧そうらん 海軍かいぐん編へん』芙蓉ふよう書房しょぼう、1981年ねん。