愛宕あたご (重じゅう巡洋艦じゅんようかん)

愛宕あたご
重じゅう巡洋艦じゅんようかん愛宕あたご
基本きほん情報じょうほう
建造けんぞう所しょ	呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう
運用うんよう者しゃ	大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん
艦かん種しゅ	重じゅう巡洋艦じゅんようかん
級きゅう名めい	高雄たかお型がた重じゅう巡洋艦じゅんようかん
艦かん歴れき
発注はっちゅう	昭和しょうわ2年度ねんど艦艇かんてい補充ほじゅう計画けいかく
起工きこう	1927年ねん4月がつ28日にち
進水しんすい	1930年ねん6月16日にち
就役しゅうえき	1932年ねん3月30日にち
最期さいご	1944年ねん10月23日にち戦没せんぼつ
除籍じょせき	1944年ねん12月20日にち
要目ようもく（高雄たかおの値ね）
基準きじゅん排水はいすい量りょう	11,350トン（竣工しゅんこう時じ） 13,400トン（改装かいそう後ご）
全長ぜんちょう	203.76 m
最大さいだい幅はば	19.00 m （竣工しゅんこう時じ） 20.73 m （改装かいそう後ご）
吃水きっすい	6.11 m （竣工しゅんこう時じ・計画けいかく） 6.32 m （改装かいそう後ご）
主しゅ缶かん	ロ号ごう艦かん本式ほんしき缶かん12基き
主おも機き	艦かん本式ほんしきタービン4基き4軸じく
出力しゅつりょく	130,000馬力ばりき
速力そくりょく	35.5ノット（竣工しゅんこう時じ） 34ノット（改装かいそう後ご）
燃料ねんりょう	重油じゅうゆ：2,645トン（竣工しゅんこう時じ） 2,318トン（改装かいそう後ご）
航続こうぞく距離きょり	14ノットで8,000海うみ里さと（竣工しゅんこう時じ） 18ノットで5,000海里かいり（改装かいそう後ご）
乗員じょういん	760名めい（竣工しゅんこう時じ） 835名めい（改装かいそう後ご）
兵へい装そう	竣工しゅんこう時じ 50口径こうけい三さん年ねん式しき20.3cm連装れんそう砲ほう5基き10門もん 45口径こうけい十じゅう年ねん式しき12cm単たん装そう高角こうかく砲ほう4門もん 40mm単たん装そう機銃きじゅう2挺てい 八はち九きゅう式しき61cm連装れんそう魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん4基き8門もん （九きゅう〇式しき魚雷ぎょらい16本ほん） 1942年ねん 50口径こうけい三さん年ねん式しき20.3cm連装れんそう砲ほう5基き10門もん 40口径こうけい八はち九きゅう式しき12.7cm連装れんそう高角こうかく砲ほう4基き8門もん 九きゅう六ろく式しき25mm連装れんそう機銃きじゅう4基き 九きゅう三さん式しき13mm連装れんそう機銃きじゅう2基き 九きゅう二に式しき61cm4連装れんそう魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん4基き （九きゅう三さん式しき魚雷ぎょらい24本ほん）
装甲そうこう	舷側げんそく：127mm 水平すいへい：34-46mm 砲塔ほうとう：25mm
搭載とうさい機き	水上すいじょう偵察ていさつ機き3機き（呉ご式しき2号ごう射出しゃしゅつ機き2基き）

愛宕あたご（あたご）は、日本にっぽん海軍かいぐんの重じゅう巡洋艦じゅんようかん。

概要がいよう

近代きんだい化か改装かいそう後ごの愛宕あたご。昭和しょうわ14年ねん(1939年ねん)11月30日にち、横須賀よこすか軍港ぐんこうで撮影さつえい。

一等いっとう巡洋艦じゅんようかん（重じゅう巡洋艦じゅんようかん）愛宕あたごは高雄たかお型がた重じゅう巡洋艦じゅんようかんの2番ばん艦かんである。急きゅうピッチで工事こうじをしたため1番ばん艦かんの高雄たかおより早はやく完成かんせいした。このため、高雄たかお型がた重じゅう巡じゅんを愛宕あたご型がたと呼よぶこともある。 太平洋戦争たいへいようせんそうにおける愛宕あたごは、南方みなかた作戦さくせん、蘭らん印しるし作戦さくせん、ミッドウェー海戦かいせん（攻略こうりゃく部隊ぶたい）、南太平洋みなみたいへいよう海戦かいせん（前進ぜんしん部隊ぶたい）、第だい三さん次じソロモン海戦かいせん、ブーゲンビル島とうの戦たたかい（ラバウル空襲くうしゅう）、マリアナ沖おき海戦かいせん、レイテ沖おき海戦かいせん等ひとしに参加さんか。1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）10月がつ23日にちにアメリカの潜水せんすい艦かんダーターの雷撃らいげきで沈没ちんぼつするまで、ほぼ一貫いっかんして第だい二に艦隊かんたい旗艦きかんの座ざにあり、金剛こんごう型がた戦艦せんかん、長門ながと型がた戦艦せんかん、大和やまと型がた戦艦せんかん等ひとしを指揮しき下かに置おいた。太平洋戦争たいへいようせんそうにおいて愛宕あたごに将はた旗はたを掲かかげた第だい二に艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかんは、大戦たいせん前半ぜんはんは近藤こんどう信しん竹ちく中将ちゅうじょう、後半こうはんは栗田くりた健男たけお中将ちゅうじょうだった。

艦かん名めい

日本にっぽん海軍かいぐんにおける愛宕あたごの艦かん名めいは京都きょうと府ふの愛宕山あたごやまに由来ゆらいし、最初さいしょに愛宕あたごの名なを冠かんした軍艦ぐんかんは明治めいじ時代じだいの砲艦ほうかん愛宕あたごである。

2隻せき目めの愛宕あたごは天城あまぎ型がた巡じゅん洋よう戦艦せんかんの4番ばん艦かんだが、同艦どうかんは建造けんぞう中止ちゅうしとなった。一等いっとう巡洋艦じゅんようかん愛宕あたごは、日本にっぽん海軍かいぐんの艦船かんせんとしては3隻せき目めとなる。 本ほん艦かん沈没ちんぼつ後ご、名称めいしょうは海上かいじょう自衛隊じえいたいのあたご型がた護衛ごえい艦かんの1番ばん艦かん「あたご」に受うけ継つがれている。

艦かん歴れき

一等いっとう巡洋艦じゅんようかん・愛宕あたごは1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）4月がつ28日にちに呉ご海軍かいぐん工廠こうしょうで起工きこう、1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）6月がつ16日にちに進水しんすい。初代しょだい艦長かんちょう佐田さた健一けんいち大佐たいさの指揮しき下か、1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）3月がつ30日にち就役しゅうえきする。4月16日にちには犬いぬ養やしなえ毅あつし首相しゅしょうを始はじめとする政府せいふ高官こうかんを乗のせて東京とうきょう湾わんを巡航じゅんこうする。同年どうねん12月がつ、2代目だいめ艦長かんちょう高橋たかはし伊い望もち大佐たいさの指揮しき下か、妙みょう高だか型がた重じゅう巡洋艦じゅんようかんに代かわって第だい二に艦隊かんたい・第だい四よん戦隊せんたいに編入へんにゅうされた。

1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）8月がつ26日にちには横浜よこはま沖おきで行おこなわれた特別とくべつ大だい演習えんしゅうでの観艦式かんかんしきに高雄たかお型がた重じゅう巡じゅん4隻せき（鳥海とりうみ《先導せんどう艦かん》、愛宕あたご、高雄たかお、摩耶まや）は昭和しょうわ天皇てんのうが乗艦じょうかんする金剛こんごう型がた戦艦せんかん2番ばん艦かん比叡ひえいの供奉ぐぶ艦かんとして参列さんれつした。

1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）10月がつ25日にち、御召おめし艦かん比叡ひえいおよび供奉ぐぶ艦かん2隻せき（時雨しぐれ、白露しらつゆ）は神戸こうべ港こうに到着とうちゃく、愛宕あたご以下いか各かく艦かんは礼砲れいほうで昭和しょうわ天皇てんのうを出迎でむかえた。10月26日にち、昭和しょうわ天皇てんのうは広島ひろしま県けん江田島えたじまの海軍兵学校かいぐんへいがっこうに行幸ぎょうこうする事ことになり比叡ひえいから愛宕あたごに移乗いじょう、白露しらつゆ型がた2隻せき（時雨しぐれ、白露しらつゆ）を供奉ぐぶ艦かんとして江田島えたじまへむかった。海軍兵学校かいぐんへいがっこう行幸ぎょうこうを終おえて28日にちに神戸こうべに帰着きちゃくすると、御召おめし艦かんは「比叡ひえい」に戻もどり、10月29日にちの観艦式かんかんしき当日とうじつを迎むかえる。御召おめし艦かん比叡ひえい、供奉ぐぶ艦かん愛宕あたご、鳥海とりうみ、足柄あしがらという編制へんせいであった。観艦式かんかんしき終了しゅうりょう後ご、昭和しょうわ天皇てんのうと3隻せき（比叡ひえい《御召おめし艦かん》、時雨しぐれ、白露しらつゆ）は横須賀よこすかへ向むかった。

1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）4月がつには近代きんだい化か改装かいそうが行おこなわれ、舞鶴まいづるから横須賀よこすか工廠こうしょうへと移動いどうして翌よく1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）10月がつに工事こうじ完了かんりょう。1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）10月がつ、摩耶まやに代かわって第だい二に艦隊かんたい（近藤こんどう信しん竹ちく中将ちゅうじょう）旗艦きかんとなった。中島なかじま親ちかし孝こう第だい二に艦隊かんたい通信つうしん参謀さんぼうによれば、本来ほんらいは高雄たかおが旗艦きかんだったが、事故じこにより愛宕あたごに変更へんこうされたとしている。11月29日にち、呉ごを出港しゅっこうし、12月2日にち台湾たいわんの馬うま公こうに到着とうちゃくする。12月4日にち、高雄たかお、戦艦せんかん金きむ剛つよし、榛名はるなを従したがえて出港しゅっこう、愛宕あたごは日米にちべい開戦かいせんに向むけて配置はいちについた。

東南とうなんアジアでの行動こうどう

第だい二に艦隊かんたい旗艦きかん（南方なんぽう部隊ぶたい本隊ほんたい旗艦きかん）愛宕あたごは12月8日にちの開戦かいせんを南方なんぽう海上かいじょうで迎むかえた。近藤こんどう司令しれい長官ちょうかんを指揮しき官かんとする南方なんぽう部隊ぶたい本隊ほんたいは、第だい四よん戦隊せんたい（愛宕あたご、高雄たかお、摩耶まや）、第だい三さん戦隊せんたい第だい2小隊しょうたい（金きむ剛つよし、榛名はるな）、第だい4駆逐くちく隊たい（嵐あらし、野分のわけ、舞まい風ふう、萩はぎ風ふう）、第だい6駆逐くちく隊たい第だい1小隊しょうたい（響ひびき、暁あかつき）、第だい8駆逐くちく隊たい（大潮おおしお、朝あさ潮しお、満潮まんちょう、荒あら潮うしお）という戦力せんりょくである。 東南とうなんアジア占領せんりょうを目指めざす日本にっぽん軍ぐんにとって最大さいだいの脅威きょういは、シンガポールを根拠地こんきょちとするイギリス東洋とうよう艦隊かんたいの戦艦せんかんプリンス・オブ・ウェールズと巡めぐ洋よう戦艦せんかんレパルスであった。その脅威きょういも12月10日にちのマレー沖おき海戦かいせんで排除はいじょされた。11日にち、カムラン湾わんに入港にゅうこうし、マレー部隊ぶたい/南みなみ遣や艦隊かんたい（指揮しき官かん小沢おざわ治おさむ三郎さぶろう中将ちゅうじょう：旗艦きかん鳥海とりうみ）と合流ごうりゅうする。14日にち、カムラン湾わんを出港しゅっこう。以後いご、マレー作戦さくせんや蘭らん印しるし作戦さくせんを支援しえんした。

1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）2月がつ25日にち、セレベス島とうスターリング湾わんを出港しゅっこうし、オンバイ海峡かいきょうを経へてサウ海うみに入はいり、インド洋いんどように進出しんしゅつする。3月2日にち午後ごご10時じ22分ふん、バリ島ばりとう南方なんぽうで高雄たかおと共ともに駆逐くちく艦かんピルスバリー (USS Pillsbury , DD-227) を20cm砲弾ほうだん54発はつ、12.7センチ高角こうかく砲ほう15発はつを用もちいて撃沈げきちんした。愛宕あたごはピルスバリーを艦かん型がたの似にた軽けい巡洋艦じゅんようかんマーブルヘッドと誤認ごにんしていた。乗組のりくみ員いんの戦時せんじ日記にっきには「オマハ型がた軽けい巡洋艦じゅんようかん」という表現ひょうげんも見みられる。3日にち、別べつ動どうの3隻せき（重じゅう巡じゅん《摩耶まや》、第だい4駆逐くちく隊たい第だい1小隊しょうたい《嵐あらし、野分のわけ》）と合同ごうどうする。4日にち、南方みなかた部隊ぶたい本隊ほんたい（愛宕あたご、高雄たかお、摩耶まや、嵐あらし、野分のわけ）はジャワ島じゃわとうチラチャップの170度ど280海里かいり付近ふきんに進出しんしゅつし、スループ「ヤラ」、depot ship「Anking」、掃海そうかい艇てい「MMS.51」、タンカー「フランコル」からなる船団せんだんを攻撃こうげきして全滅ぜんめつさせた。さらにこの日ひ「愛宕あたご」はオランダ船せん「Duymaer van Twist」（1030トン）を拿捕だほし、「嵐あらし」もオランダ船せん（7089トン）を拿捕だほした。 南方なんぽう部隊ぶたい本隊ほんたいは3月がつ7日にちにスターリング湾わんに帰投きとうした。

3月がつ20日はつか、ボルネオ島とうタラカンに入港にゅうこうする。23日にち、マカッサルに入港にゅうこう、シンガポールを経へて4月がつ3日にちにはマレまれー半島はんとう西岸せいがんのペナンに到着とうちゃくした。セイロン沖おき海戦かいせんでは直接ちょくせつ英軍えいぐんと交戦こうせんすることはなく、南なんアンダマン諸島しょとう周辺しゅうへんで英軍えいぐん艦隊かんたいの索敵さくてきに従事じゅうじした。4月がつ10日とおか、カムラン湾わんに入港にゅうこう。開戦かいせん以来いらい東南とうなんアジアをかけまわった愛宕あたごは、一旦いったん前線ぜんせん任務にんむを解とかれ、日本にっぽんに戻もどった。

愛宕あたごは東京とうきょう湾わんに面めんする横須賀よこすか港こうに錨いかりをおろした。4月18日にちのアメリカ海軍かいぐんの「ホーネット」より発はつ艦かんしたのB-25爆ばく撃げき機きによるドーリットル空襲くうしゅうでは横須賀よこすかも爆撃ばくげきされたが、愛宕あたごは目標もくひょうにならなかった。ドーリットル隊たいが去さった後のち、急遽きゅうきょ出撃しゅつげきしてアメリカ機動きどう部隊ぶたいを捜索そうさくするも、アメリカ機動きどう部隊ぶたいは既すでに立たち去さった後のちだった。 ミッドウェー海戦かいせんにはミッドウェー島とう攻略こうりゃく部隊ぶたい本隊ほんたい：第だい四よん戦隊せんたい（愛宕あたご、鳥海とりうみ）、第だい五ご戦隊せんたい（妙みょう高だか、羽黒はぐろ）、第だい三さん戦隊せんたい（比叡ひえい、金きむ剛つよし）、第だい四よん水雷すいらい戦隊せんたい（由良ゆら、第だい2駆逐くちく隊たい《村雨むらさめ、五月雨さみだれ、春雨はるさめ、夕立ゆうだち》、第だい9駆逐くちく隊たい《朝あさ雲くも、峯みね雲くも、夏なつ雲くも》）、空母くうぼ瑞鳳ずいほう、駆逐くちく艦かん三日月みかづき、油槽ゆそう船せん3隻せきの旗艦きかんとして参加さんか。サイパン島とうを経へてミッドウェー島とう近海きんかいに進出しんしゅつ。6月4日にちにアメリカ軍ぐんの爆ばく撃げき機きから攻撃こうげきを受うけたが被害ひがいはなかった。5日にち、南雲なぐも機動きどう部隊ぶたいの壊滅かいめつ連絡れんらくと撤退てったい命令めいれいを受うけて変針へんしんする。途中とちゅう、アメリカ軍ぐんの航空こうくう攻撃こうげきで損傷そんしょうした3隻せき（重じゅう巡じゅん《最上さいじょう》、第だい8駆逐くちく隊たい《朝あさ潮しお、荒あら潮うしお》）と合流ごうりゅうした。6月14日にち、十じゅう七なな日間にちかんにわたる航海こうかいを終おえて呉ごに帰着きちゃくする。

ソロモン諸島しょとうでの行動こうどう

1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）8月がつ初旬しょじゅん、アメリカ軍ぐんはガダルカナル島とうとツラギに上陸じょうりくし、ガダルカナル島とうの戦たたかいが始はじまった。8月11日にち、愛宕あたごも戦艦せんかん陸奥みちのくと共ともに桂島かつらしま泊地はくちを出発しゅっぱつし、南洋なんようの日本にっぽん海軍かいぐん拠点きょてんであるトラック泊地はくちに向むけ航海こうかいを続つづけた。17日にちに到着とうちゃくしたが、油槽ゆそう船せん2隻せき（神国しんこく丸まる、日にち栄丸さかえまる）がアメリカ軍ぐん潜水せんすい艦かんの雷撃らいげきで中なか破やぶした。2隻せきから艦隊かんたいへの給油きゅうゆは可能かのうだったが、アメリカ軍ぐん潜水せんすい艦かんの活動かつどうは日本にっぽん軍ぐんの作戦さくせんに影響えいきょうを与あたえはじめた。

8月がつ20日はつか、愛宕あたごは第だい四よん戦隊せんたい、第だい五ご戦隊せんたい、水上すいじょう機き母艦ぼかん千歳ちとせ、第だい四よん水雷すいらい戦隊せんたいと共ともにトラック泊地はくちを出撃しゅつげき。さらに陸奥みちのく、村雨むらさめ、五月雨さみだれ、春雨はるさめと合流ごうりゅう、8月がつ24日にち-25日にちの第だい二に次じソロモン海戦かいせんに参加さんかした。アメリカ軍ぐん艦載かんさい機き20数すう機きの攻撃こうげきを受うけて千歳ちとせが損傷そんしょうしたが愛宕あたごに被害ひがいはなく、アメリカ軍ぐん機動きどう部隊ぶたいに水上すいじょう戦闘せんとうを挑いどむべく南下なんかしたが接触せっしょくできなかった。愛宕あたごは水上すいじょう偵察ていさつ機き1機き（搭乗とうじょう員いん3名めい）を喪失そうしつした。9月5日にち、トラック泊地はくちに帰還きかんする。愛宕あたごはその後ごもソロモン諸島しょとう東海とうかい面めんで活動かつどうを続つづけた。9月11日にち、特設とくせつ水上すいじょう機き母艦ぼかん「国川こくがわ丸まる」艦載かんさい機きがアメリカ軍ぐん飛行ひこう艇ていを撃墜げきつい、駆逐くちく艦かん村雨むらさめ（第だい2駆逐くちく隊たい）は搭乗とうじょう員いん8名めいを捕虜ほりょとした。夕刻ゆうこく、捕虜ほりょは愛宕あたごに収容しゅうようされた。9月20日にちにトラック泊地はくちへ帰投きとう後ごに捕虜ほりょは戦艦せんかん大和やまと（連合れんごう艦隊かんたい司令しれい部ぶ）へ移送いそうされたが、捕虜ほりょのうち機長きちょう（大尉たいい）は処刑しょけいされたという。

10月11日にち、空母くうぼ隼はやぶさ鷹たか、飛ひ鷹たか、戦艦せんかん金剛こんごう、榛名はるなと共ともにトラック泊地はくちを出撃しゅつげき。ヘンダーソン基地きち艦かん砲ほう射撃しゃげきを支援しえんする。10月20日にち午後ごご8時じに空母くうぼ飛ひ鷹たかで火災かさいが発生はっせい、飛ひ鷹たかはトラック泊地はくちに戻もどった。このような情勢じょうせい下か、愛宕あたごは10月26日にちから27日にちにかけて行おこなわれた南太平洋みなみたいへいよう海戦かいせんに於おいて、前進ぜんしん部隊ぶたい旗艦きかんとして参加さんかした。米べい空母くうぼホーネットを捕捉ほそくし、ホーネットの撃沈げきちんに貢献こうけんしている。10月30日にち、19日間にちかんの航海こうかいを終おえてトラック泊地はくちに戻もどった。

11月9日にち、第だい四よん戦隊せんたい、第だい三さん戦隊せんたい（金きむ剛つよし、榛名はるな）、第だい十じゅう一いち戦隊せんたい（比叡ひえい、霧島きりしま）、第だい三さん水雷すいらい戦隊せんたい（軽けい巡じゅん川内かわうち、第だい6駆逐くちく隊たい、第だい15駆逐くちく隊たい、第だい11駆逐くちく隊たい）、第だい二に航空こうくう戦隊せんたい（隼はやぶさ鷹たか）と共ともに出撃しゅつげきし、ガダルカナル方面ほうめんに向むかった。愛宕あたごでは航海こうかい長ちょうが転勤てんきんとなったが次つぎ任にん者しゃが着任ちゃくにんしておらず、陸奥みちのく航海こうかい長ちょうが本ほん艦かんに出張しゅっちょうし、臨時りんじ航海こうかい長ちょうを務つとめていたという。11月12日にち、『前進ぜんしん部隊ぶたいは機密きみつ連合れんごう艦隊かんたい電でん令れい作戦さくせんに基もとづき、Zマイナス1日にち、その大部たいぶはRXN北方ほっぽう海面かいめんに進出しんしゅつ、十じゅう一いち戦隊せんたいを基幹きかんとする部隊ぶたいをもって同日どうじつ夜よる、ガダルカナル島とう飛行場ひこうじょうに対たいし制圧せいあつ射撃しゃげきをおこない、Z日にち、陸軍りくぐん揚陸ようりくを間接かんせつ的てきに掩護えんごし、南東なんとう方面ほうめん部隊ぶたいの作戦さくせんを支援しえんすると共ともに好機こうきに乗じょうじ敵てき艦隊かんたいを捕捉ほそく、これを撃滅げきめつせんとす』という命令めいれいが下くだり、挺身ていしん攻撃こうげき隊たい（指揮しき官かん阿部あべ弘毅こうき第だい十じゅう一いち戦隊せんたい司令しれい官かん）が分離ぶんりした。この挺身ていしん艦隊かんたいは12日にち-13日にちにかけてアメリカ軍ぐん巡洋艦じゅんようかん部隊ぶたいと交戦こうせんし、3隻せき（比叡ひえい、暁あかつき、夕立ゆうだち）が沈没ちんぼつ、飛行場ひこうじょう砲撃ほうげきにも失敗しっぱいする。愛宕あたごは13日にち午後ごご2時じに第だい十じゅう戦隊せんたい（軽けい巡じゅん長良ながら等ひとし）と合流ごうりゅうした。

詳細しょうさいは「第だい三さん次じソロモン海戦かいせん」を参照さんしょう

11月14日にち-15日にちの第だい三さん次じソロモン海戦かいせんで、引ひき続つづき前進ぜんしん部隊ぶたい指揮しき官かん近藤こんどう信しん竹ちく中将ちゅうじょう（第だい二に艦隊かんたい長官ちょうかん、愛宕あたご座乗ざじょう）は、愛宕あたご、高雄たかお、霧島きりしま、朝あさ雲くも、五月雨さみだれ、照あきら月がつおよび第だい三さん水雷すいらい戦隊せんたいを指揮しきし、アメリカ軍ぐんのサウスダコタならびにワシントンの2隻せきの新鋭しんえい戦艦せんかんと夜間やかん砲戦ほうせん・雷撃らいげき戦せんを敢行かんこうした。愛宕あたご・高雄たかおは海戦かいせん終盤しゅうばんにワシントンに対たいし雷撃らいげきを試こころみるも（愛宕あたごだけで19本ほん）、九きゅう三さん式しき酸素さんそ魚雷ぎょらいの信管しんかん過敏かびんによる命中めいちゅう直前ちょくぜんの自爆じばくにより、全すべて命中めいちゅうしなかった。その後ご2隻せきはサウスダコタに計けい23発はつの命中めいちゅう弾だんを浴あびせ、霧島きりしまもサウスダコタの第だい三さん砲塔ほうとうに35.6cm砲ほうを命中めいちゅうさせるなどしてこれを撃破げきはしたが、ワシントンのレーダー管制かんせい射撃しゃげきにより霧島きりしまが大破たいは、のち沈没ちんぼつした。この海戦かいせんで愛宕あたごの艦かん首くびの醤油じょうゆ庫こに5インチ砲弾ほうだん1発はつが命中めいちゅうした。11月18日にち、トラック泊地はくちに戻もどった。8月がつ以来いらいソロモン諸島しょとう海域かいいきを奔走ほんそうしてきた愛宕あたごは修理しゅうりのため、12月17日にちに呉ごに帰投きとうした。

1943年ねん7月がつ21日にちに「愛宕あたご」、「高雄たかお」と軽けい巡洋艦じゅんようかん「長良ながら」、駆逐くちく艦かん「涼風すずかぜ」はトラックを出発しゅっぱつし、7月がつ26日にちに横須賀よこすかに入港にゅうこうした。

詳細しょうさいは「ラバウル空襲くうしゅう」を参照さんしょう

8月がつ16日にち、連合れんごう艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん古賀こが峯みね一いち大将たいしょう直じき率りつの主力しゅりょく部隊ぶたい（戦艦せんかん3隻せき〈大和やまと、長門ながと、扶桑ふそう〉、空母くうぼ〈大鷹おおたか〉、巡洋艦じゅんようかん3隻せき〈愛宕あたご、高雄たかお、能代のしろ〉、駆逐くちく艦かん部隊ぶたい〈涼風すずかぜ、海風かいふう、秋あき雲くも、夕ゆう雲くも、若月わかつき、天津てんしん風ふう、初はつ風かぜ〉）は呉ごを出撃しゅつげきし、トラックへ向むかう。10月31日にち〜11月1日にち、連合れんごう軍ぐんはタロキナ岬みさき（ブーゲンビル島とう）に上陸じょうりくを開始かいし、ブーゲンビル島とうの戦たたかいが始はじまる。連合れんごう艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん古賀こが峯みね一いち大将たいしょうは、第だい一いち航空こうくう戦隊せんたい航空こうくう戦力せんりょくを南東なんとう方面ほうめんに投入とうにゅうし、つづいてトラック泊地はくちの主力しゅりょく艦艇かんていも投入とうにゅうすることを決定けっていする。 11月3日にち午前ごぜん7時じ45分ふん、第だい二に艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん栗田くりた健男たけお中将ちゅうじょう（愛宕あたご座乗ざじょう）指揮しき下かの重じゅう巡洋艦じゅんようかん部隊ぶたい（第だい四よん戦隊せんたい《愛宕あたご、高雄たかお、摩耶まや、鳥海とりうみ》、第だい七なな戦隊せんたい《鈴谷すずや、最上さいじょう》、第だい八はち戦隊せんたい《筑摩ちくま》）、第だい二に水雷すいらい戦隊せんたい（軽けい巡洋艦じゅんようかん《能代のしろ》、駆逐くちく艦かん《玉たま波は、涼りょう波は、藤波ふじなみ、早はや波なみ》）を率ひきいてトラック泊地はくちを出撃しゅつげき。航行こうこう中ちゅうの4日にち午前ごぜん、航行こうこう不能ふのうとなったタンカー日章丸にっしょうまるの救援きゅうえんに2隻せき（鳥海とりうみ、涼りょう波は）を分離ぶんり。11月5日にち午前ごぜん6時じ頃ごろ、栗田くりた長官ちょうかん指揮しき下かの遊ゆう撃げき部隊ぶたいはラバウルに到着とうちゃくした。 同日どうじつ午前ごぜん7時じ、空母くうぼ「サラトガ」、「プリンストン」を基幹きかんとするアメリカ第だい38任務にんむ部隊ぶたいは艦載かんさい機き計けい97機きを投入とうにゅう、ラバウル在ざい泊はく艦艇かんていに対たいする空襲くうしゅうを敢行かんこうする。栗田くりた艦隊かんたいの重じゅう巡じゅん部隊ぶたいは各かく艦かんとも損害そんがいをうける（愛宕あたご、高雄たかお、摩耶まや、最上もがみ、筑摩ちくま、能代のしろ被弾ひだん等とう）。特とくに摩耶まやは機関きかん部ぶへの被弾ひだんで航行こうこう不能ふのうとなった。本ほん艦かんは至近しきん弾だん3発はつを受うける。左舷さげん魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん室しつ付近ふきん舷側げんそくに巨大きょだいな破やぶ孔あなが生しょうじ、艦長かんちょう中岡なかおか信喜しき大佐たいさ以下いか18名めいが死亡しぼう、20名めいが重傷じゅうしょうを負おった。南東なんとう方面ほうめん艦隊かんたい長官ちょうかん草くさ鹿しか任にん一いち中将ちゅうじょうは栗田くりた艦隊かんたい（ラバウル進出しんしゅつ中ちゅうの鳥海とりうみを含ふくむ）のトラック泊地はくち帰投きとうを下した令れい。摩耶まやを除のぞく重おも巡めぐ各かく艦かんは11月7日にち―8日にちにかけてトラック泊地はくちに戻もどった（愛宕あたごは7日にち昼前ひるまえに到着とうちゃく）。

第だい二に艦隊かんたい旗艦きかんを鳥海とりうみに変更へんこう後ご、愛宕あたごは日本にっぽんに戻もどって修理しゅうりを行おこなう。1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）1月がつ上旬じょうじゅん、第だい4駆逐くちく隊たい（野分のわけ、舞まい風ふう）に護衛ごえいされて再ふたたびトラック島とうに進出しんしゅつ。2月、アメリカ機動きどう部隊ぶたいの攻撃こうげきを避さけるように連合れんごう艦隊かんたい各かく艦かんと共ともにパラオへ移動いどう。直後ちょくご、アメリカ機動きどう部隊ぶたいによるトラック島とう空襲くうしゅうにより泊地はくちは壊滅かいめつした。このパラオ泊地はくちも安全あんぜんとはいえず、愛宕あたごはダバオを経へて4月がつ9日にちにリンガ泊地はくちに到着とうちゃくした。なお、パラオ出航しゅっこう直後ちょくごにパラオ大だい空襲くうしゅうがあった。リンガで愛宕あたごを含ふくめた各かく艦かんは上うえ甲板かんぱん最先端さいせんたんに日ひの丸まるを描えがいたという。5月14日にち、タウイタウイ泊地はくちへ移動いどう。第だい一いち機動きどう艦隊かんたい前衛ぜんえい部隊ぶたい（大和やまと、武蔵むさし、金きむ剛つよし、榛名はるな、千歳ちとせ、千代田ちよだ、能代のしろ、島しま風ふう等とう）の旗艦きかんとなった。

1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）6月がつ中旬ちゅうじゅん、愛宕あたごはマリアナ沖おき海戦かいせんに参加さんかした。27日にち、日本にっぽんに戻もどる。7月8日にち、呉ごを出航しゅっこうしてシンガポールへ向むかう。8月2日にちリンガ泊地はくちに到着とうちゃくし、訓練くんれんに従事じゅうじした。

愛宕あたごの最期さいご

詳細しょうさいは「レイテ沖おき海戦かいせん」を参照さんしょう

1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）10月がつ22日にち、第だい二に艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん栗田くりた健男たけお中将ちゅうじょう（愛宕あたご座乗ざじょう）の第だい一いち遊ゆう撃げき部隊ぶたい第だい一いち部隊ぶたい（通称つうしょう栗田くりた艦隊かんたい）はブルネイを出航しゅっこう、レイテ島れいてとうへ向むかう。翌よく10月がつ23日にち午前ごぜん1時じ16分ふん、会合かいごう中ちゅうだったアメリカの潜水せんすい艦かんダーター（USS Darter, SS-227）とデイス (USS Dace, SS-247)がレーダーで栗田くりた艦隊かんたいを発見はっけんした。両りょう艦かんは栗田くりた艦隊かんたいの追跡ついせきを開始かいしした。午前ごぜん2時じ30分ふん、愛宕あたごは潜水せんすい艦かんの電波でんぱを探知たんちし、之これ字じ運動うんどうを始はじめる。午前ごぜん6時じ、栗田くりた艦隊かんたいはパラワン水道すいどうを通過つうかしようとしていた。愛宕あたごは対たい潜せん警戒けいかいを行おこなっていたものの、各部かくぶ署しょは通常つうじょうの戦闘せんとう訓練くんれんを行おこなっていたという。6時じ32分ふん、距離きょりおよそ900mからダーターの放はなった6本ほんの魚雷ぎょらいのうち4本ほんが愛宕あたごの右舷うげんに命中めいちゅうした（一番いちばん砲塔ほうとう直下ちょっか、艦橋かんきょう前部ぜんぶ、中部ちゅうぶ魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん室しつ、五ご番ばん砲塔ほうとう付近ふきん）。右舷うげんバルジの殆ほとんど全すべてと、第だい一いち缶かん室しつ、第だい二に缶かん室しつ、第だい六ろく缶かん室しつ、右舷うげん後部こうぶ主ぬし機き室しつに浸水しんすいした。ただちに左舷さげん注水ちゅうすい区画くかくと左舷さげん第だい七なな缶かん室しつに注水ちゅうすいが行おこなわれた。愛宕あたごは電源でんげんが停止ていしし、急速きゅうそくに右みぎへ傾かたむいた。左舷さげん注水ちゅうすいへの注水ちゅうすいの効果こうかは少すくなく、右舷うげん傾斜けいしゃ増ぞうは止とまらない。まず司令しれい部ぶが退去たいきょしたが、総員そういん退去たいきょ命令めいれいは出だされなかった可能かのう性せいが高たかい。栗田くりた中将ちゅうじょう、小柳こやなぎ参謀さんぼう長ちょう、荒木あらき艦長かんちょう以下いかは駆逐くちく艦かん岸波きしなみが529名めい、朝あさ霜しもが171名めいを救助きゅうじょした。愛宕あたごは6時じ53分ふんに転覆てんぷく、沈没ちんぼつし機関きかん長ちょうの堂どう免めん敬けい造づくり中佐ちゅうさ以下いか360名めいが戦死せんしした。軍艦ぐんかん旗きは降おろされないままだったという。

岸波きしなみに救助きゅうじょされた栗田くりた中将ちゅうじょうを含ふくむ愛宕あたごの生存せいぞん者しゃは戦艦せんかん大和やまとに移乗いじょうし、その中なかには大和やまとの補充ほじゅう要員よういんとして戦闘せんとうに参加さんかした者ものもいた。潜水せんすい艦かんの魚雷ぎょらい4本ほん命中めいちゅうにより被ひ雷かみなりから20分ふんで沈没ちんぼつした愛宕あたごであったが、日本にっぽん軍ぐん重じゅう巡洋艦じゅんようかんの特徴とくちょうともされる縦たて強度きょうどを高たかめるための機関きかん室しつ線せん縦たて壁かべが急速きゅうそく傾斜けいしゃを早はやめたという指摘してきもある。

なお、ダーターは高雄たかおにも魚雷ぎょらい2本ほんを命中めいちゅうさせ、高雄たかおを深夜しんやまで漂流ひょうりゅうさせた。ダーターは高雄たかおに止とめをさそうと攻撃こうげきを続行ぞっこうしたが、航法こうほうをあやまり10月がつ24日にちに座礁ざしょう。曳航えいこう不能ふのうとなり、乗員じょういんはデイスに移乗いじょうした後のちダーターを自沈じちんさせた。ダーターの艦長かんちょうのデヴィッド・H・マクリントック少佐しょうさは日本にっぽん軍ぐんがダーターの残骸ざんがいを調査ちょうさすることを見越みこし、艦内かんないにあった艦かん型がた識別しきべつ訓練くんれん用ようの愛宕あたご型がたの模型もけいに「これ（模型もけい）があれ（愛宕あたご）と同一どういつ艦かんか？」というメモを貼はり付づけた。

公おおやけ試ためし成績せいせき

状態じょうたい	排水はいすい量りょう	出力しゅつりょく	速力そくりょく	実施じっし日び	実施じっし場所ばしょ	備考びこう
新造しんぞう時じ	12,214トン	135,000馬力ばりき	35.2ノット	昭和しょうわ7年ねん(1932年ねん)2月がつ12日にち	宿毛湾すくもわん外そと標柱ひょうちゅう間あいだ
改装かいそう後ご			34.2ノット	昭和しょうわ14年ねん(1939年ねん)8月がつ30日にち	館山たてやま沖おき標柱ひょうちゅう間あいだ

歴代れきだい艦長かんちょう

※『艦長かんちょうたちの軍艦ぐんかん史し』107-109頁ぺーじ、『日本にっぽん海軍かいぐん史し』第だい9巻かん・第だい10巻かんの「将官しょうかん履歴りれき」に基もとづく。

艤装ぎそう員いん長ちょう

1. 佐田さた健一けんいち 大佐たいさ：昭和しょうわ5年ねん(1930年ねん)6月がつ20日はつか - 1931年ねん10月がつ1日にち

艦長かんちょう

1. 佐田さた健一けんいち 大佐たいさ：昭和しょうわ6年ねん(1931年ねん)10月がつ1日にち - 1932年ねん12月1日にち
2. 高橋たかはし伊い望もち 大佐たいさ：昭和しょうわ7年ねん(1932年ねん)12月1日にち - 1933年ねん11月15日にち
3. 宮田みやた義一ぎいち 大佐たいさ：昭和しょうわ8年ねん(1933年ねん)11月15日にち - 1934年ねん11月1日にち
4. 園田そのだ滋しげる 大佐たいさ：昭和しょうわ9年ねん(1934年ねん)11月1日にち - 1935年ねん11月15日にち
5. 鈴木すずき田幸たこう造づくり 大佐たいさ：昭和しょうわ10年ねん(1935年ねん)11月15日にち - 1936年ねん4月がつ15日にち
6. 伊藤いとう整一せいいち 大佐たいさ：昭和しょうわ11年ねん(1936年ねん)4月がつ15日にち - 1936年ねん12月1日にち
7. 五ご藤ふじ存知ぞんち 大佐たいさ：昭和しょうわ11年ねん(1936年ねん)12月1日にち - 1937年ねん7月がつ12日にち
8. 奥本おくもと武夫たけお 大佐たいさ：昭和しょうわ12年ねん(1937年ねん)7月がつ12日にち - 1937年ねん12月1日にち
9. 坂野さかの民みん部ぶ 大佐たいさ：昭和しょうわ12年ねん(1937年ねん)12月1日にち - 1938年ねん8月がつ10日とおか
10. 蓑輪みのわ中ちゅう五ご 大佐たいさ：昭和しょうわ13年ねん(1938年ねん)8月がつ10日とおか - 1938年ねん11月15日にち
11. 高塚たかつか省吾しょうご 大佐たいさ：昭和しょうわ13年ねん(1938年ねん)11月15日にち - 1939年ねん11月15日にち
12. 河野こうの千せん万まん城しろ 大佐たいさ：昭和しょうわ14年ねん(1939年ねん)11月15日にち - 1940年ねん10月がつ15日にち
13. 小柳こやなぎ冨とみ次じ 大佐たいさ：昭和しょうわ15年ねん(1940年ねん)10月がつ15日にち - 1941年ねん8月がつ11日にち
14. 伊集院いじゅういん松治まつじ 大佐たいさ：昭和しょうわ16年ねん(1941年ねん)8月がつ11日にち - 1942年ねん12月1日にち
15. 中岡なかおか信喜しき 大佐たいさ：昭和しょうわ17年ねん(1942年ねん)12月1日にち - 1943年ねん11月5日にち戦死せんし
16. 荒木あらき伝つたえ 大佐たいさ：昭和しょうわ18年ねん(1943年ねん)11月15日にち - 1944年ねん11月6日にち

同型どうけい艦かん

• 高雄たかお -摩耶まや - 鳥海とりうみ

参考さんこう文献ぶんけん

• 海軍かいぐん歴史れきし保存ほぞん会かい『日本にっぽん海軍かいぐん史し』第だい7巻かん、第だい9巻かん、第だい10巻かん、第一法規出版だいいちほうきしゅっぱん、1995年ねん。
• 片桐かたぎり大だい自じ『聯合れんごう艦隊かんたい軍艦ぐんかん銘銘めいめい伝でん―全ぜん八はち六ろく〇余よ隻せきの栄光えいこうと悲劇ひげき』光人みつひと社しゃ、2003年ねん8月がつ。ISBN 978-4769811510。 
• 小板橋こいたばし孝たかし策さく『戦艦せんかん大和やまといまだ沈しずまず 大和やまと艦橋かんきょう見張みはり員いん』光人みつひと社しゃ、1983年ねん。ISBN 4-7698-0224-2。 
  　著者ちょしゃは1943年ねん11月から沈没ちんぼつまで愛宕あたごの航海こうかい士しとして勤務きんむしていた。大和やまと移乗いじょう後ごは防空ぼうくう指揮しき所しょ見張みはり員いんとなった。
• 小板橋こいたばし孝たかし策さく『下士官かしかんたちの戦艦せんかん大和やまと戦艦せんかん大和やまと下士官かしかんたちのレイテ海戦かいせん』光人みつひと社しゃ、1985年ねん。ISBN 4-7698-0267-6。 
  　内容ないようの前ぜん半分はんぶんは、愛宕あたごの沈没ちんぼつ時じの状況じょうきょうと生存せいぞん者しゃの証言しょうげん。
• 小板橋こいたばし孝たかし策さく『愛宕あたご奮戦ふんせん記き　旗艦きかん乗組のりくみ員いんの見みたソロモン海戦かいせん』光人みつひと社しゃNF文庫ぶんこ、2008年ねん。ISBN 978-4-7698-2560-9。 
  高橋たかはし武士たけし（艦長かんちょう伝令でんれい、艦橋かんきょう勤務きんむ）の戦時せんじ日記にっきを元もとに小板橋こいたばしが編集へんしゅう。
• 小板橋こいたばし孝たかし策さく『海軍かいぐん操舵そうだ員いんよもやま物語ものがたり　艦かんの命運めいうんを担になった"かじとり魂たましい"』光人みつひと社しゃNF文庫ぶんこ、2015年ねん1月がつ（原著げんちょ1995年ねん）。ISBN 978-4-7698-2868-6。 
• 佐藤さとう静夫しずお『駆逐くちく艦かん野分のわけ物語ものがたり　若わかき航海こうかい長ちょうの太平洋たいへいよう海かい戦記せんき』光人みつひと社しゃ、1997年ねん。ISBN 4-7698-0803-8。 
  • 佐藤さとう静夫しずお『駆逐くちく艦かん野分のわけ物語ものがたり　若わかき航海こうかい長ちょうの太平洋たいへいよう海かい戦記せんき』光人みつひと社しゃNF文庫ぶんこ、2004年ねん1月がつ。ISBN 4-7698-2408-4。 
• カール・ソルバーグ 著ちょ、高城たかぎ肇はじめ 訳やく『決断けつだんと異議いぎ レイテ沖おきのアメリカ艦隊かんたい勝利しょうりの真相しんそう』光人みつひと社しゃ、1999年ねん邦訳ほうやく初出しょしゅつ
• 外山とやま操みさお『艦長かんちょうたちの軍艦ぐんかん史し』光人みつひと社しゃ、2005年ねん。ISBN 4-7698-1246-9
• 永井ながい喜之よしゆき・木俣きまた滋しげる郎ろう『新しん戦史せんしシリーズ　撃沈げきちん戦記せんき』朝日あさひソノラマ、1988年ねん10月がつ。ISBN 4-257-17208-8。 
• 中島なかじま親ちかし孝こう『聯合れんごう艦隊かんたい作戦さくせん室しつから見みた太平洋戦争たいへいようせんそう　参謀さんぼうが描えがく聯合れんごう艦隊かんたい興亡こうぼう記き』光人みつひと社しゃNF文庫ぶんこ、2008年ねん10月がつ。ISBN 4-7698-2175-1。 
  　中島なかじまは1940年ねん9月がつから第だい二に艦隊かんたい参謀さんぼうとして愛宕あたごに乗艦じょうかんしていた。ミッドウェー海戦かいせん後ごに第だい三さん艦隊かんたい通信つうしん参謀さんぼう。
• 防衛庁ぼうえいちょう防衛ぼうえい研修けんしゅう所しょ戦史せんし室しつ『戦史せんし叢書そうしょ26　蘭らん印しるし・ベンガル湾わん方面ほうめん　海軍かいぐん進攻しんこう作戦さくせん』朝ちょう雲くも新聞しんぶん社しゃ、1969年ねん5月がつ。 
• 防衛庁ぼうえいちょう防衛ぼうえい研修けんしゅう所しょ戦史せんし部ぶ『中部ちゅうぶ太平洋たいへいよう方面ほうめん海軍かいぐん作戦さくせん＜2＞昭和しょうわ十じゅう七なな年ねん六ろく月がつ以降いこう』戦史せんし叢書そうしょ第だい62巻かん、朝あさ雲くも新聞しんぶん社しゃ、1973年ねん
• 防衛庁ぼうえいちょう防衛ぼうえい研修けんしゅう所しょ戦史せんし室しつ『戦史せんし叢書そうしょ96　南東なんとう方面ほうめん海軍かいぐん作戦さくせん(3)　ガ島とう撤収てっしゅう後ご』朝ちょう雲くも新聞しんぶん社しゃ、1976年ねん8月がつ。 
• 『写真しゃしん集しゅう・日本にっぽんの重じゅう巡じゅん古こ鷹たかから筑摩つかままで全ぜん18隻せきの全すべて』（光人みつひと社しゃ、1972）
  • 福井ふくい静夫しずお「設計せっけい資料しりょうから見みた日本にっぽん重じゅう巡洋艦じゅんようかん秘史ひし　世界せかいを凌駕りょうがしたといわれるその性能せいのうはどこから生うまれたか」
• 雑誌ざっし「丸まる」編集へんしゅう部ぶ『写真しゃしん 日本にっぽんの軍艦ぐんかん 第だい6巻かん 重じゅう巡じゅんII』光人みつひと社しゃ、1989年ねん。ISBN 4-7698-0456-3
• 雨倉あめくら孝之たかゆき「ラバウル空襲くうしゅう　栗田くりた艦隊かんたいの災厄さいやく」『丸まる別冊べっさつ　太平洋戦争たいへいようせんそう証言しょうげんシリーズ1　空白くうはくの戦記せんき　中なか・北部ほくぶソロモンの攻防こうぼう戦せん』潮しお書房しょぼう、1985年ねん、313-321ページページ
• Eric Lacroix, Linton Wells, Japanese Cruisers of the Pacific War, Chatham Publishing, 1997, ISBN 1-86176-058-2

• 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん
  • 神戸こうべ市役所しやくしょ『昭和しょうわ十じゅう一年海軍特別大演習観艦式神戸市記念誌』神戸こうべ市役所しやくしょ、1935年ねん5月がつ。 
  • 海軍かいぐん研究けんきゅう社しゃ編輯へんしゅう部ぶ 編へん『ポケット海軍かいぐん年鑑ねんかん : 日にち英えい米べい仏ふつ伊い軍艦ぐんかん集しゅう. 1935年版ねんばん』海軍かいぐん研究けんきゅう社しゃ、1935年ねん5月がつ。 
  • 海軍かいぐん研究けんきゅう社しゃ編輯へんしゅう部ぶ 編へん『ポケット海軍かいぐん年鑑ねんかん : 日にち英えい米べい仏ふつ伊い独どく軍艦ぐんかん集しゅう. 1937,1940年版ねんばん』海軍かいぐん研究けんきゅう社しゃ、1937年ねん2月がつ。 
  • 海軍かいぐん有終ゆうしゅう会かい編へん『幕末ばくまつ以降いこう帝国ていこく軍艦ぐんかん写真しゃしんと史実しじつ』海軍かいぐん有終ゆうしゅう会かい、1935年ねん11月。 
  • 海軍かいぐん研究けんきゅう社しゃ編輯へんしゅう部ぶ 編へん『日本にっぽん軍艦ぐんかん集しゅう　2600年版ねんばん』海軍かいぐん研究けんきゅう社しゃ、1940年ねん7月がつ。 

• アジア歴史れきし資料しりょうセンター（公式こうしき）（防衛ぼうえい省しょう防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょ）
  • Ref.C12070076900『大正たいしょう9年ねん達たち完かん/3月がつ』。 
  • Ref.C13071974300『昭和しょうわ12年ねん12月1日にち現在げんざい10版はん内ない令れい提要ていよう追録ついろく第だい3号ごう原稿げんこう／巻まき1追録ついろく/第だい6類るい機密きみつ保護ほご』。 
  • Ref.C13072003500『昭和しょうわ16年ねん12月31日にち現在げんざい10版はん内ない令れい提要ていよう追録ついろく第だい10号ごう原稿げんこう巻まき2.3/　巻まき3追録ついろく/第だい13類るい艦船かんせん(1)』。 
  • Ref.C05034780100『第だい1939号ごうの3　11.9.24 昭和しょうわ11年ねん特別とくべつ大だい演習えんしゅう観艦式かんかんしき賜たまもの饌艦設備せつびに関かんする件けん 訓令くんれい中ちゅう改正かいせいの件けん(1)』。 
  • Ref.C08030744300「昭和しょうわ16年ねん12月1日にち〜昭和しょうわ17年ねん11月30日にち　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦時せんじ日誌にっし(1)」
  • Ref.C08030744400「昭和しょうわ16年ねん12月1日にち〜昭和しょうわ17年ねん11月30日にち　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦時せんじ日誌にっし(2)」
  • Ref.C08030744500「昭和しょうわ16年ねん12月1日にち〜昭和しょうわ17年ねん11月30日にち　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦時せんじ日誌にっし(3)」（1942年ねん10月がつ）
  • Ref.C08030745500「昭和しょうわ17年ねん3月がつ〜　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦闘せんとう詳報しょうほう(1)」
  • Ref.C08030745600「昭和しょうわ17年ねん3月がつ〜　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦闘せんとう詳報しょうほう(2)」
  • Ref.C08030745700「昭和しょうわ17年ねん3月がつ〜　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦闘せんとう詳報しょうほう(3)」
  • Ref.C08030040400『昭和しょうわ17年ねん6月がつ1日にち～昭和しょうわ17年ねん6月がつ30日にち　ミッドウエー海戦かいせん戦時せんじ日誌にっし戦闘せんとう詳報しょうほう(1)』。 
  • Ref.C08030570600「昭和しょうわ18年ねん12月1日にち〜昭和しょうわ19年ねん8月がつ31日にち　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦時せんじ日誌にっし(1)」
  • Ref.C08030570700「昭和しょうわ18年ねん12月1日にち〜昭和しょうわ19年ねん8月がつ31日にち　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦時せんじ日誌にっし(2)」
  • Ref.C08030569000「昭和しょうわ19年ねん10月がつ23日にち　軍艦ぐんかん愛宕あたご戦闘せんとう詳報しょうほう並なみに戦たたかえ訓くん所見しょけん」

関連かんれん項目こうもく

• あたご型がた護衛ごえい艦かん