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海うみ里さと

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
（浬かいりから転送てんそう）
曖昧さ回避 この項目こうもくでは、計量けいりょう単位たんいについて説明せつめいしています。
曖昧さ回避 「カイリ」はこの項目こうもくへ転送てんそうされています。その他たの用法ようほうについては「カイリ (曖昧あいまいさ回避かいひ)」をご覧らんください。
海うみ里さと（かいり）
1海里
記号きごう M, nm, NM, Nm, nmi など（計量けいりょう法ほうでは、M 又または nm のみ）
系けい 非ひSI単位たんい（特殊とくしゅの計量けいりょうに用もちいる法定ほうてい計量けいりょう単位たんい）
量りょう 長ながさ
定義ていぎ 正確せいかくに1852 m（国際こくさい海里かいり）
由来ゆらい 地球ちきゅうの大円だいえん上うえにおける弧こ1分ぶんの長ながさ
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海うみ里さと（かいり、浬かいり、英えい: nautical mile）は、長ながさの計量けいりょう単位たんいであり、国際こくさい海里かいりの場合ばあい、正確せいかくに 1852 m である。元々もともとは、地球ちきゅう上じょうの緯度いど1分ぶん（1度どの60分ぶんの1）に相当そうとうする長ながさなので、海面かいめん上じょうの長ながさや航海こうかい・航空こうくう距離きょりなどを表あらわすのに便利べんりであるために使つかわれている。

概要がいよう

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日本にっぽんの計量けいりょう法ほうは、その第だい5条じょう第だい2項こうにおいて、用途ようとを限定げんていする計量けいりょう単位たんいを「特殊とくしゅの計量けいりょう単位たんい」として認みとめている[1]。

海うみ里さとはこの「特殊とくしゅの計量けいりょう単位たんい」の1つであり、「海面かいめん又または空中くうちゅうにおける長ながさの計量けいりょう」に限定げんていして使用しようが認みとめられている法定ほうてい計量けいりょう単位たんいである[2][3]。

海うみ里さとは、国際こくさい単位たんい系けい (SI) に属ぞくさない。国際こくさい単位たんい系けいの公式こうしきの国際こくさい文書ぶんしょにおいて、1970年ねんから1991年ねんまでは暫定ざんてい的てきに使用しようできる単位たんい、1998年ねんには現今げんこんは使用しようできる単位たんい、2006年ねんにはその他たの非ひSI単位たんいとして「航海こうかい及および航空こうくうにおける距離きょり（distance）を表あらわすのに使用しようされる特別とくべつな単位たんい」として掲かかげられていた[4]。

しかし2019年ねんの国際こくさい文書ぶんしょ（第だい9版はん）では、海里かいりは国際こくさい単位たんい系けい (SI) において全まったく認みとめられなくなった。

国際こくさい海里かいり

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現在げんざいは、正確せいかくに1852メートルである国際こくさい海里かいり（international nautical mile）が世界中せかいじゅうで使つかわれている。この定義ていぎは、1929年ねんにモナコで開ひらかれた臨時りんじ国際こくさい水路すいろ会議かいぎ（Extraordinary International Hydrographic Conference、国際こくさい水路すいろ機関きかんの会議かいぎ）で採用さいようされた。アメリカは1954年ねんに、イギリスは1970年ねんに国際こくさい海里かいりを採用さいようした。

1海里かいりの10分ぶんの1を1ケーブル（鏈）といい、海事かいじでは一般いっぱん的てきに使つかわれている。

毎時まいじ1海里かいりの速度そくどを1ノットという。すなわち、1ノットは、正確せいかくに 1852 m/h = 約やく 0.514 444 m/s である。

航空こうくう会社かいしゃが実施じっしするマイレージサービスでの「マイル」は、国際こくさいマイル（= 1609.344 m）を基もとにしており、海里かいりのことではない（マイレージサービス#距離きょりと実際じっさいのマイレージの例れい）。

イギリスの海うみ里さと nautical mile (UK)

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上記じょうきのとおり、イギリスも1970年ねんに国際こくさい海里かいりを採用さいようしたが、今いまもなお、単位たんい名めい「nautical mile (UK)」として、1853 m(国際こくさい海里かいりよりちょうど 1 m だけ長ながい) が法的ほうてきには有効ゆうこうである[5]。

なお、イギリスのノットについては国際こくさい海里かいりにもnautical mile (UK)にも基もとづかない、6080 feet = 1853.184 m を3600秒びょうで除じょして小数しょうすう5桁けたにした、0.51477 m/s とし、これを「knot (UK)」と名付なづけている[6]。

海うみ里さとの記号きごう

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海うみ里さとの単位たんい記号きごうには、いまだに国際こくさい的てきに承認しょうにんされた記号きごうはなく，M, NM,Nm,nmi などが使用しようされている[7]。これらの記号きごうは、いずれも Nautical Mile の頭文字かしらもじなどを取とったものである。

日本にっぽんの計量けいりょう法ほうは、単位たんい記号きごうは「M 又または nm」と定さだめている（計量けいりょう単位たんい規則きそく　別表べっぴょう第だい4（第だい2条じょう関係かんけい）海面かいめん又または空中くうちゅうにおける長ながさの計量けいりょう[8]）。JIS規格きかく (JIS Z 8000-3: 2014 = ISO 80000-3: 2006) は、海里かいりの記号きごうを定さだめていない[9]。

航空こうくう関連かんれんでは nm が慣習かんしゅう的てきに用もちいられる。nm は国際こくさい単位たんい系けい (SI) と日本にっぽんの計量けいりょう法ほうでは「ナノメートル」の単位たんい記号きごうであるが、両者りょうしゃのスケール差さは1兆ちょう倍ばい以上いじょうであり、また使用しようされる状況じょうきょうが全まったく異ことなるので、実用じつよう上じょうで混同こんどうされることはまずない。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおいては、United States Government Printing Office Style Manual (GPO Style Manual) が「nmi」と定さだめている[10]。

日本にっぽんでは、「海上かいじょうで使つかわれる里さと」という意味いみで「カイリ」という言葉ことばが作つくられ、「浬かいり」という文字もじが作つくられた。当用漢字とうようかんじに「浬かいり」が含ふくまれなかったために、一時いちじはカタカナで「カイリ」と書かくことも行おこなわれたが、今日きょうでは由来ゆらいに基もとづいて「海うみ里さと」と書かく。計量けいりょう法ほうでは、「浬かいり」の文字もじは認みとめていない。

歴史れきし的てきな定義ていぎ

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海うみ里さとの元々もともとの定義ていぎは、「地球ちきゅう上うえにおける緯度いどの1分ぶん角かくの弧こ長ちょう」だった。しかし、基準きじゅんとする準拠じゅんきょ楕円だえん体たいが異ことなること、1分ふん角かくの子午線しごせん弧こ長ちょうが緯度いどによって異ことなること、測量そくりょう誤差ごさなどにより、さまざまな定義ていぎが生うまれた。

長ながさの単位たんい
メートル
（SI単位たんい） 		海うみ里さと ヤード チェーン マイル 尺しゃく 間あいだ 町まち 里さと
1 m = 1 ≈ 0.00053996 ≈ 1.0936 ≈ 0.049710 ≈ 0.00062137 = 3.3 = 0.55 ≈ 0.0091667 ≈ 0.00025463
1 M = 1852 = 1 ≈ 2025.4 ≈ 92.062 ≈ 1.1508 = 6111.6 = 1018.6 ≈ 16.9767 ≈ 0.47157
1 yd = 0.9144 ≈ 0.00049374 = 1 ≈ 0.045455 ≈ 0.00056818 = 3.01752 = 0.50292 ≈ 0.0083820 ≈ 0.00023283
1 ch = 20.1168 ≈ 0.010862 = 22 = 1 = 0.0125 = 66.38544 = 11.06424 ≈ 0.18440 ≈ 0.0051223
1 mi = 1609.344 ≈ 0.86898 = 1760 = 80 = 1 = 5310.8352 = 885.1392 ≈ 14.752 ≈ 0.40979
1 尺しゃく ≈ 0.30303 ≈ 0.00016362 ≈ 0.33140 ≈ 0.015064 ≈ 0.00018829 = 1 = 0.16667 ≈ 0.0027778 ≈ 0.000077160
1 間あいだ ≈ 1.8182 ≈ 0.00098174 ≈ 1.9884 ≈ 0.090381 ≈ 0.0011298 = 6 = 1 ≈ 0.016667 ≈ 0.00046296
1 町まち ≈ 109.09 ≈ 0.058904 ≈ 119.30 ≈ 5.4229 ≈ 0.067786 = 360 = 60 = 1 ≈ 0.027778
1 里り ≈ 3927.3 ≈ 2.1206 ≈ 4294.9 ≈ 195.22 ≈ 2.4403 = 12960 = 2160 = 36 = 1

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 計量けいりょう法ほう 第だい五ご条じょう　第だい2項こう　前ぜん二に条じょう及および前項ぜんこうに規定きていする計量けいりょう単位たんいのほか、海面かいめんにおける長ながさの計量けいりょうその他たの政令せいれいで定さだめる特殊とくしゅの計量けいりょうに用もちいる長ながさ、質量しつりょう、角度かくど、面積めんせき、体積たいせき、速はやさ、加速度かそくど、圧力あつりょく又または熱量ねつりょうの計量けいりょう単位たんい及およびその定義ていぎは、政令せいれいで定さだめる。
  2. ^ “計量けいりょう単位たんい令れい（平成へいせい四よん年ねん政令せいれい第だい三さん百ひゃく五ご十じゅう七なな号ごう） 別表べっぴょう第だい6 第だい1号ごう「海面かいめん又または空中くうちゅうにおける長ながさの計量けいりょう、 海里かいり、 メートルの千せん八はち百ひゃく五ご十じゅう二に倍ばい」”. e-Gov法令ほうれい検索けんさく. 総務そうむ省しょう行政ぎょうせい管理かんり局きょく. 2020年ねん4月がつ2日にち閲覧えつらん。 “2017年ねん4月がつ1日にち時点じてんでの施行しこう分ぶん”
  3. ^ 表ひょう4　用途ようとを限定げんていする非ひSI単位たんい 経済けいざい産業さんぎょう省しょう　
  4. ^ 訳わけ・監修かんしゅう 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ 計量けいりょう標準ひょうじゅん総合そうごうセンター『国際こくさい文書ぶんしょ第だい8版はん (2006)　国際こくさい単位たんい系けい (SI) 日本語にほんご版ばん』（PDF）、40頁ぺーじ。https://web.archive.org/web/20191008102417/https://unit.aist.go.jp/nmij/library/units/si/R8/SI8J.pdf#page=41。2019年ねん10月がつ14日にち閲覧えつらん。 
  5. ^ “The Units of Measurement Regulations 1995”. 2022年ねん7月がつ26日にち閲覧えつらん。（英語えいご）
  6. ^ “The Units of Measurement Regulations 1995 Speedの欄らん”. 2022年ねん7月がつ26日にち閲覧えつらん。（英語えいご）
  7. ^ 訳わけ・監修かんしゅう 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ 計量けいりょう標準ひょうじゅん総合そうごうセンター『表ひょう8 その他たの非ひ SI 単位たんい、表おもて註 (d)』（PDF）、40頁ぺーじ。https://web.archive.org/web/20191008102417/https://unit.aist.go.jp/nmij/library/units/si/R8/SI8J.pdf#page=41。2019年ねん10月がつ14日にち閲覧えつらん。 
  8. ^ 計量けいりょう単位たんい規則きそく　別表べっぴょう第だい4 - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
  9. ^ 量りょう及および単位たんい−第だい3部ぶ：空間くうかん及および時間じかん p. 7.
  10. ^ United States Government Printing Office Style Manual 9.62. Standard letter symbols for units of measure、p. 250, nmi—nautical mile.

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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