矢代やしろ操みさお

矢代やしろ操みさお

矢代やしろ 操みさお（やしろ みさお、嘉よしみ永ひさし5年ねん6月がつ20日はつか（1852年ねん8月がつ5日にち） - 明治めいじ24年ねん（1891年ねん）4月がつ2日にち）は、日本にっぽんの民法みんぽう学者がくしゃ。明治めいじ法律ほうりつ学校がっこう（のちの明治大学めいじだいがく）の創立そうりつ者しゃの1人ひとりである。ギュスターヴ・エミール・ボアソナードの弟子でし。　 　

経歴けいれき

1884年ねん判事はんじ登用とうよう試験しけん合格ごうかく記念きねん写真しゃしん（上段じょうだん左ひだりから2人ふたり目めが岸本きしもと辰雄たつお、中段ちゅうだん左端ひだりはしが矢代やしろ操みさお、中段ちゅうだん左ひだりから3人にん目めが西園寺さいおんじ公望きんもち、中段ちゅうだん左ひだりから6人にん目めが宮城みやぎ浩ひろし蔵ぞう、中段ちゅうだん右みぎ端はしが杉村すぎむら虎一とらいち）

1852年ねん、越前えちぜん国こく（現げん福井ふくい県けん）にて鯖江さばえ藩はん士し松本まつもと伝吾でんごの三男さんなんとして生うまれる。初はつ名なは美び太ふとし（よしふと）。1861年ねんに藩校はんこう進徳しんとく館かんで学まなび、1869年ねん10月、同どう藩士はんし矢代やしろ潤じゅん蔵ぞうの養子ようしとなった。

1870年ねん8月がつ、貢みつぎ進しん生せいに選えらばれて上京じょうきょうし、大学南だいがくみなみ校こうを経へて司法省しほうしょう法ほう学校がっこうに進すすむ。同校どうこうで知しり合あった岸本きしもと辰雄たつおと宮城みやぎ浩ひろし蔵ぞうはボアソナードの推挙すいきょによりフランスに留学りゅうがくしたが、矢代やしろは「新入しんにゅう諸しょ生徒せいとニモ及ハサル」成績せいせきのため 留学りゅうがくも司法省しほうしょうへの入省にゅうしょうもできず、卒業そつぎょう後ご、時とき習社（法律ほうりつ系けい出版しゅっぱん社しゃ）の設立せつりつに参画さんかくし、また法律ほうりつ学校がっこうである講こう法学ほうがく舎しゃの幹事かんじとなる。やがてフランスから帰国きこくした岸本きしもとと宮城みやぎを講こう法学ほうがく舎しゃの講師こうしに招まねいたが、同どう舎しゃの内紛ないふんで学生がくせいの集団しゅうだん退学たいがく騒動そうどうが起おきたため、岸本きしもと・宮城みやぎの両りょう名なとともに1881年ねん1月がつに明治めいじ法律ほうりつ学校がっこうを創立そうりつした。

1879年ねん10月、元老げんろう院いんに奉職ほうしょくし、刑法けいほう草くさ按審査しんさ局きょく雇やとい（治ち罪ざい法ほう草くさ按審査しんさ局きょく兼務けんむ）となり、翌年よくねん陸軍りくぐん刑法けいほう草案そうあん審査しんさ局きょくと海軍かいぐん刑法けいほう審査しんさ局きょくも兼務けんむした。1890年ねん7月がつに貴族きぞく院いん書記官しょきかん、同年どうねん9月がつに貴族きぞく院いん議事ぎじ課長かちょうとなったが、1891年ねんに腸ちょうチフスのため39歳さいで死去しきょ。墓所はかしょは青山あおやま霊園れいえん。

生地きじである鯖江さばえ市しの鯖江さばえ資料しりょう館かん（現げん・まなべの館かん）に胸像きょうぞうが建たつ。

著書ちょしょ

帝国ていこく議会ぎかい貴族きぞく院いん之の図ず（1890年ねん）

• 『私わたし犯はん法ほう講義こうぎ：仏ふつ国民こくみん法ほう』 講こう法会ほうえ出版しゅっぱん
• 『仏ふつ国民こくみん法ほう契約けいやく編へん講義こうぎ』 明治めいじ法律ほうりつ学校がっこう講こう法会ほうえ、1890年ねん
• 『仏ふつ国民こくみん法ほう 射幸しゃこう契約けいやく、代理だいり、保証ほしょう、和解わかい、質しつ 編へん講義こうぎ』 明治めいじ法律ほうりつ学校がっこう講こう法会ほうえ、1890年ねん
• 『仏ふつ国民こくみん法ほう夫婦ふうふ財産ざいさん契約けいやく篇へん講義こうぎ』 明治めいじ法律ほうりつ学校がっこう講こう法会ほうえ、1890年ねん
• 『仏蘭西ふらんす民法みんぽう相続そうぞく及贈遺のこ遺のこ嘱しょく編へん講義こうぎ』 明治めいじ法律ほうりつ学校がっこう講こう法会ほうえ、1890年ねん
• 『仏ふつ国民こくみん法ほう：相続そうぞく、贈おく遺のこ、遺のこ嘱しょく篇へん講義こうぎ』 明治めいじ法律ほうりつ学校がっこう講こう法会ほうえ、1891年ねん
• 『民法みんぽう財産ざいさん取得しゅとく編へん講義こうぎ 巻まき之の一いち』 共著きょうちょ、明治めいじ法律ほうりつ学校がっこう講こう法会ほうえ、1895年ねん
• 『民法みんぽう財産ざいさん取得しゅとく編へん講義こうぎ 巻まき之の二に』 共著きょうちょ、明治めいじ法律ほうりつ学校がっこう講こう法会ほうえ、1895年ねん

栄典えいてん

矢代やしろ操みさお胸像きょうぞう

• 1889年ねん（明治めいじ22年ねん）11月29日にち - 大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう発布はっぷ記念きねん章あきら
• 1891年ねん（明治めいじ24年ねん）4月がつ4日にち - 叙じょ従したがえ六ろく位い

参考さんこう文献ぶんけん

• 明治大学めいじだいがく百ひゃく年ねん史し編纂へんさん委員いいん会かい 『明治大学めいじだいがく百ひゃく年ねん史し』 全ぜん4巻かん、学校がっこう法人ほうじん明治大学めいじだいがく、1986-1994年ねん
• 明治大学めいじだいがくを創つくった三さん人にんの男おとこ （時事通信社じじつうしんしゃ 2010年ねん）
• 明治大学めいじだいがく史し資料しりょうセンター 『明治大学めいじだいがく小史しょうし―人物じんぶつ編へん』 学文社がくぶんしゃ、2011年ねん　ISBN 978-4-7620-2217-3

外部がいぶリンク

• 矢代やしろ操みさお｜近代きんだい日本人にっぽんじんの肖像しょうぞう - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん
• 矢代やしろ 操みさお（1852-1891） – めがねのまちさばえ 鯖江さばえ市し