福地ふくち誠夫のぶお

福地ふくち（ふくち） 誠夫のぶお（のぶお）
海上かいじょう自衛隊じえいたい自衛じえい艦隊かんたい司令しれい当時とうじの福地ふくち
生誕せいたん	1904年ねん2月がつ14日にち 日本にっぽん 東京とうきょう府ふ
死没しぼつ	(2007-07-26) 2007年ねん7月がつ26日にち（103歳さい没ぼつ） 日本にっぽん
所属しょぞく組織そしき	大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん 警備けいび隊たい 海上かいじょう自衛隊じえいたい
軍ぐん歴れき	1922年ねん - 1945年ねん（帝国ていこく海軍かいぐん） 1953年ねん - 1954年ねん（警備けいび隊たい） 1954年ねん - 1961年ねん（海自かいじ）
最終さいしゅう階級かいきゅう	海軍かいぐん大佐たいさ（帝国ていこく海軍かいぐん） 海うみ将しょう（海自かいじ）
除隊じょたい後ご	記念きねん艦かん「三笠みかさ」艦長かんちょう

福地ふくち 誠夫のぶお（ふくち のぶお、1904年ねん（明治めいじ37年ねん）2月がつ14日にち - 2007年ねん（平成へいせい19年ねん）7月がつ26日にち）は、日本にっぽんの海軍かいぐん軍人ぐんじん、海上かいじょう自衛じえい官かん。最終さいしゅう階級かいきゅうは日本にっぽん海軍かいぐんでは海軍かいぐん大佐たいさ、海上かいじょう自衛隊じえいたいでは海うみ将しょう。退官たいかん後ごは記念きねん艦かん「三笠みかさ」艦長かんちょうを務つとめた。

経歴けいれき

戦前せんぜん

東京とうきょう府ふ出身しゅっしん。本籍ほんせきは佐賀さが県けん。麻布あざぶ中学ちゅうがくを経へて、海軍兵学校かいぐんへいがっこう第だい52期きに入校にゅうこうしたが、病やまいのため留年りゅうねんし、1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）7月がつに第だい53期きで卒業そつぎょうした。同期どうきに伏見ふしみ宮みや博信ひろのぶ王おう、藤井ふじい斉ひとしらがいる。海軍かいぐん砲術ほうじゅつ学校がっこう高等こうとう科学かがく生せいを経へて、海軍かいぐん大だい学校がっこう甲種こうしゅ学生がくせい（35期き）に進すすむ。源田げんた實みは海うみ大だいの同期生どうきせいで、砲術ほうじゅつ畑はたけの福地ふくちは源田げんたの唱となえる航空こうくう優先ゆうせん論ろんに反発はんぱつし論争ろんそうを繰くり広ひろげている。盧溝橋ろこうきょう事件じけんの勃発ぼっぱつに伴ともない繰くり上あげ卒業そつぎょうとなり、駆逐くちく艦かん「夕暮ゆうぐれ」の砲術ほうじゅつ長ちょう兼けん分隊ぶんたい長ちょうとして出動しゅつどうし、柳川やながわ兵団へいだんの杭州こうしゅう湾わん上陸じょうりく援護えんご作戦さくせんに従事じゅうじした。海軍かいぐん少佐しょうさ進級しんきゅうと同時どうじに戦艦せんかん「伊勢いせ」分隊ぶんたい長ちょうに補ほされ、艦長かんちょう・山口やまぐち多聞たもんのもと高角こうかく砲ほう指揮しき官かん、副ふく砲ほう長ちょうを務つとめた。次ついで第だい11戦隊せんたいの参謀さんぼうに転補てんぽされる。同どう戦隊せんたいは揚子江ようすこう方面ほうめんの警備けいびと居留民きょりゅうみん保護ほごが任務にんむで、司令しれい官かんは猛もう将しょうとして知しられた近藤こんどう英次郎えいじろう、次ついで杉山すぎやま六蔵ろくぞうであった。福地ふくちは部隊ぶたい運用うんよう、陸軍りくぐんとの折衝せっしょうなどを担当たんとうしている。

福地ふくちは一いち六ろく会かい（米べい内内うちうち閣かく関係かんけい者しゃの親睦しんぼく会かい）会員かいいんであった。

1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）12月、海軍かいぐん省しょう副官ふっかん兼けん海軍かいぐん大臣だいじん秘書官ひしょかんを実松さねまつ譲ゆずるから引継ひきつぐ。日にち独どく伊い三さん国こく軍事ぐんじ同盟どうめいに反対はんたいし苦闘くとうしていた海うみ相しょう・吉田よしだ善よし吾われの補佐ほさにあたるが、吉田よしだは病やまいに倒たおれ辞任じにん。福地ふくちは吉田よしだの辞表じひょう作成さくせいを介添かいぞえしている。引ひき続つづき及川おいかわ古志こし郎ろう、嶋田しまだ繁太郎しげたろうの下したで秘書官ひしょかんを務つとめ、太平洋戦争たいへいようせんそう開戦かいせんを迎むかえた。

第だい一線いっせん勤務きんむを望のぞむ福地ふくちは人事じんじ局きょくと交渉こうしょうするが、1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）6月がつ、支ささえ那な方面ほうめん艦隊かんたい参謀さんぼうとなり占領せんりょう地ち政策せいさくの立案りつあんに追おわれた。続つづいて、人事じんじ局員きょくいんとなり海軍かいぐん中央ちゅうおう勤務きんむに復帰ふっきしている。福地ふくちは自みずからの起案きあんに人間にんげんの生死せいしが左右さゆうされることにつらい思おもいを抱だいたことを述のべている。同職どうしょく在職ざいしょくのまま太平洋戦争たいへいようせんそうの敗戦はいせんを迎むかえた。

戦後せんご

解かい員いん（復員ふくいん）者しゃの引揚ひきあげ、機雷きらい掃海そうかい・航路こうろ啓けい開ひらけ業務ぎょうむに従事じゅうじしたのち海軍かいぐんを離はなれる。公職こうしょく追放ついほうとなり、民間みんかんの船ふね会社かいしゃに勤務きんむしていたが、海上かいじょう自衛隊じえいたいの前身ぜんしんである海上かいじょう警備けいび隊たいの創設そうせつに参加さんか。海上かいじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ調査ちょうさ部長ぶちょうとしてアメリカ海軍かいぐんの情報じょうほうシステムの導入どうにゅうに努つとめたほか、自衛じえい艦隊かんたい司令しれいや横須賀よこすか地方ちほう総監そうかん等とうの要職ようしょくを歴任れきにんし、1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）12月に退官たいかんした。

年譜ねんぷ

• 1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）8月がつ：海軍兵学校かいぐんへいがっこう入校にゅうこう
• 1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）7月がつ：海軍兵学校かいぐんへいがっこう卒業そつぎょう（第だい53期き）
• 1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）12月：海軍かいぐん少尉しょうい任官にんかん
• 1928年ねん（昭和しょうわ03年ねん）12月：海軍かいぐん中尉ちゅういに進級しんきゅう
• 1930年ねん（昭和しょうわ05年ねん）12月：戦艦せんかん「霧島きりしま」乗組のりくみ
• 1931年ねん（昭和しょうわ06年ねん）12月：海軍かいぐん大尉たいいに進級しんきゅう、海軍かいぐん砲術ほうじゅつ学校がっこう高等こうとう科学かがく生せい
• 1932年ねん（昭和しょうわ07年ねん）12月：重じゅう巡洋艦じゅんようかん「加古かこ」乗組のりくみ
• 1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）10月がつ：海軍かいぐん大だい学校がっこう入校にゅうこう（甲種こうしゅ35期き）
• 1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）
  • 7月がつ29日にち：海軍かいぐん大だい学校がっこう卒業そつぎょう、駆逐くちく艦かん「夕暮ゆうぐれ」砲術ほうじゅつ長ちょう兼けん分隊ぶんたい長ちょう
  • 12月1日にち：海軍かいぐん少佐しょうさに進級しんきゅう、戦艦せんかん「伊勢いせ」分隊ぶんたい長ちょう
• 1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）
  • 8月がつ1日にち：「伊勢いせ」副ふく砲ほう長なが兼けん分隊ぶんたい長ちょう
  • 12月1日にち：第だい11戦隊せんたい参謀さんぼう
• 1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）
  • 11月15日にち：軍令ぐんれい部ぶ出仕しゅっし兼けん海軍かいぐん省しょう出仕しゅっし
  • 12月10日にち：海軍かいぐん省しょう副官ふっかん兼けん海軍かいぐん大臣だいじん秘書官ひしょかん
• 1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）
  • 6月27日にち：支ささえ那な方面ほうめん艦隊かんたい参謀さんぼう
  • 11月1日にち：海軍かいぐん中佐ちゅうさに進級しんきゅう
• 1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）
  • 10月25日にち：軍令ぐんれい部ぶ出仕しゅっし兼けん海軍かいぐん省しょう出仕しゅっし
  • 12月21日にち：海軍かいぐん省しょう人事じんじ局きょく局員きょくいん
• 1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）
  • 9月5日にち：海軍かいぐん大佐たいさに進級しんきゅう
  • 11月30日にち：予備よび役やくに編入へんにゅう
• 1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）
  • 10月2日にち：保安庁ほあんちょう警備けいび隊たい入隊にゅうたい（1等とう警備けいび正せい）、横須賀よこすか地方ちほう総監そうかん部ぶ附ふ警備隊けいびたい術じゅつ科か学校がっこう派遣はけん勤務きんむ
  • 10月16日にち：第だい二に幕僚監部ばくりょうかんぶ調査ちょうさ部長ぶちょう
• 1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）5月がつ16日にち：警備けいび監かん補ほに昇任しょうにん
• 1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）
  • 1月がつ16日にち：第だい2護衛ごえい隊たい群ぐん司令しれい
  • 8月がつ1日にち：海上かいじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ総務そうむ部長ぶちょう
• 1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）
  • 8月がつ1日にち：海うみ将しょうに昇任しょうにん
  • 8月がつ15日にち：第だい4代だい 自衛じえい艦隊かんたい司令しれいに就任しゅうにん
• 1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）3月がつ16日にち：第だい5代だい 横須賀よこすか地方ちほう総監そうかんに就任しゅうにん
• 1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）12月15日にち：退官たいかん

退官たいかん後ごは「三笠みかさ」艦長かんちょうを務つとめたほか、戦前せんぜんの水みず交社の流ながれをくむ水みず交会の創設そうせつ、『海軍兵学校かいぐんへいがっこう出身しゅっしん者しゃ名簿めいぼ』の編纂へんさんに尽力じんりょくしている。

• 1974年ねん（昭和しょうわ49年ねん）4月がつ29日にち：勲くん三さん等とう旭日きょくじつ中ちゅう綬章じゅしょう受章じゅしょう
• 2007年ねん（平成へいせい19年ねん）7月がつ26日にち：老衰ろうすいのため逝去せいきょ（享年きょうねん103）。叙じょ・従したがえ四よん位い

親族しんぞく

• 父ちち：福地ふくち嘉太郎かたろう（海軍かいぐん大佐たいさ・海兵かいへい20期き）
• 義父ぎふ：植村うえむら茂夫しげお（海軍かいぐん中将ちゅうじょう・海兵かいへい31期き）
• 次男じなん：福地ふくち建夫たけお（第だい21代だい海上かいじょう幕僚ばくりょう長ちょう）

著書ちょしょ

• 回想かいそうの海軍かいぐんひとすじ物語ものがたり(光人みつひと社しゃ)

参考さんこう文献ぶんけん

• 実松さねまつ譲ゆずる『海軍かいぐん人じん造づくり教育きょういく』光人みつひと社しゃ
• 外山とやま操みさお編へん『陸海りくかい軍ぐん将官しょうかん人事じんじ総覧そうらん 海軍かいぐん篇へん』芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん
• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん陸海りくかい軍ぐん総合そうごう事典じてん』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい
• 明治めいじ百ひゃく年ねん史し叢書そうしょ第だい74巻かん『海軍兵学校かいぐんへいがっこう沿革えんかく』原はら書房しょぼう

先代せんだい 庵原いおはら貢みつぐ

自衛じえい艦隊かんたい司令しれい 第だい4代だい：1958年ねん - 1960年ねん

次代じだい 麻生あそう孝雄たかお

先代せんだい 寺井てらい義守よしもり

横須賀よこすか地方ちほう総監そうかん 第だい5代だい：1960年ねん - 1961年ねん

次代じだい 麻生あそう孝雄たかお