聖母子せいぼしとアレクサンドリアの聖せいカタリナ、聖せいアウグスティヌス、聖ひじりマルコ、洗礼せんれい者しゃ聖ひじりヨハネ

『聖母子せいぼしとアレクサンドリアの聖せいカタリナ、聖せいアウグスティヌス、聖ひじりマルコ、洗礼せんれい者しゃ聖ひじりヨハネ』

イタリア語ご: Il Matrimonio mistico di santa Caterina d'Alessandria con i santi Agostino, Marco e Giovanni Battista 英語えいご: The Virgin and Child with Saint Catherine, Saint Augustine, Saint Mark and Saint John the Baptist
作者さくしゃ	ティントレット
製作せいさく年ねん	1545年ねん-1546年ねんごろ
種類しゅるい	油彩ゆさい、キャンバス
寸法すんぽう	193 cm × 314 cm (76 in × 124 in)
所蔵しょぞう	リヨン美術館びじゅつかん、リヨン

『聖母子せいぼしとアレクサンドリアの聖せいカタリナ、聖せいアウグスティヌス、聖ひじりマルコ、洗礼せんれい者しゃ聖ひじりヨハネ』（せいぼしとアレクサンドリアのせいカタリナ、せいアウグスティヌス、せいマルコ、せんれいしゃせいヨハネ、伊い: Il Matrimonio mistico di santa Caterina d'Alessandria con i santi Agostino, Marco e Giovanni Battista, 英えい: The Virgin and Child with Saint Catherine, Saint Augustine, Saint Mark and Saint John the Baptist）、あるいは『アレクサンドリアの聖せいカタリナの神秘しんぴの結婚けっこん』（伊い: Matrimonio mistico di santa Caterina, 英えい: Mystic Marriage of Saint Catherine）は、ルネサンス期きのイタリアのヴェネツィア派はの巨匠きょしょうティントレットが1545年ねんから1546年ねんごろに制作せいさくした絵画かいがである。油彩ゆさい。アレクサンドリアの聖せいカタリナとイエス・キリストの神秘しんぴの結婚けっこんを中心ちゅうしんとする聖せい会話かいわを主題しゅだいとしている。現在げんざいはリヨンにあるリヨン美術館びじゅつかんに所蔵しょぞうされている。

作品さくひん

ティントレットは聖母子せいぼしと諸しょ聖人せいじんを描えがいている。人物じんぶつの記念きねん碑ひ性せいと態度たいどの熱心ねっしんさ、自然しぜん主義しゅぎと理想りそう化かの均衡きんこうにより、伝統でんとう的てきな聖せい会話かいわを刷新さっしんしている。聖母せいぼマリアは建築けんちく物ぶつの前まえに座すわって両脚りょうきゃくを伸のばし、膝ひざの上うえに幼児ようじキリストを乗のせている。髪かみをヴェールで覆おおった聖母せいぼの色白いろじろの横顔よこがおは神秘しんぴ的てきな光ひかりに包つつまれている。聖母せいぼは赤あかいドレスをまとい、両りょう肩かたに紺色こんいろの外套がいとうをかけ、右手みぎてに開ひらいた書物しょもつを持もっている。

ティントレットの『聖せいカタリナの神秘しんぴの結婚けっこんとドージェ・フランチェスコ・ドナ』。1576年ねん。ドゥカーレ宮殿きゅうでん所蔵しょぞう。

画面がめん中央ちゅうおうには、アレクサンドリアの聖せいカタリナがひざまずいている。幼児ようじキリストは聖せいカタリナを祝福しゅくふくするため、あるいは聖せいカタリナの指ゆびに指輪ゆびわをはめるため、聖母せいぼの膝ひざの上うえから身みを乗のり出だし、聖女せいじょのほうは両手りょうてを合あわせている。聖せいカタリナは聖母せいぼと同様どうように光ひかりに包つつまれた頭あたまに王冠おうかんをかぶり、アトリビュートの棕櫚しゅろの枝えだを小脇こわきに挟はさみ、膝ひざのそばに破壊はかいされた拷問ごうもん道具どうぐの車輪しゃりんを置おいている。奇妙きみょうなことに、聖せいカタリナはドージェ（ヴェネツィア総督そうとく）に典型てんけい的てきな大おおきなボタンで縁えん取とられた金色きんいろのチュニックをまとっている。聖せいカタリナの右側みぎがわには、司教しきょうの祭服さいふくを着きて頭あたまに司教しきょう冠かんむりを被こうむった聖せいアウグスティヌスが立たっている。左側ひだりがわには2人ふたりの聖人せいじんがいる。すぐそばで青あおと赤あかのローブをまとい、足元あしもとにライオンを連つれて立たっているのは聖ひじりマルコである。残のこりの1人ひとりは洗礼せんれい者しゃ聖ひじりヨハネであり、裸はだかの上半身じょうはんしんにラクダの毛皮けがわを身みに着つけ、脇わきにいる子羊こひつじの頭あたまを撫なでている。彼かれらの背後はいごに広ひろがる風景ふうけいは荒涼こうりょうとしており、遠とおくにいくつかの建築けんちく物ぶつが小ちいさく見みえる。

X線せん撮影さつえいを用もちいた科学かがく的てき調査ちょうさによって、聖せいカタリナがドージェの衣装いしょうを身みにまとっている理由りゆうが明あきらかになった。聖せいカタリナの顔かおの下したからドージェの頭あたま飾かざり、コルノ・ドゥカーレの描写びょうしゃが発見はっけんされたのである。この発見はっけんにより、もともと画面がめん中央ちゅうおうの人物じんぶつ像ぞうはドージェとして描えがかれていたが、のちに聖せいカタリナとして描えがき直なおされたことが判明はんめいした。

おそらく、ティントレットは1545年ねんのドージェ選挙せんきょに先立さきだって正式せいしきな奉納ほうのう寓意ぐうい画がの発注はっちゅうを得えようとし、聖母せいぼの足元あしもとにひざまずくドージェとしてのフランチェスコ・ドナの肖像しょうぞうを制作せいさくしていたが、発注はっちゅうを得えることに失敗しっぱいしたためドージェを聖せいカタリナに変更へんこうし、女性じょせい的てきなスカーフで首くびの周まわりを包つつんで衣装いしょうを女性じょせい化かしたと考かんがえられる。

来歴らいれき

絵画かいがに関かんする最初さいしょの記録きろくは、1748年ねんのミュンヘンのバイエルン王家おうけのコレクションまでさかのぼる。1800年ねんにナポレオン軍ぐんの略奪りゃくだつに遭あい、パリに運はこばれたのち、1805年ねんにリヨン美術館びじゅつかんに送おくられた。

ギャラリー

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  『カメルレンギの聖母せいぼ』1566年ねん アカデミア美術館びじゅつかん所蔵しょぞう
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  『聖母子せいぼしの前まえのドージェ・アルヴィーゼ・モセニーゴと家族かぞく』1575年ねん ナショナル・ギャラリー・オブ・アート所蔵しょぞう
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外部がいぶリンク

• リヨン美術館びじゅつかん公式こうしきサイト, ティントレット『聖母子せいぼしと聖きよしカタリナ、聖せいアウグスティヌス、聖ひじりマルコ、洗礼せんれい者しゃ聖ひじりヨハネ』