(Translated by https://www.hiragana.jp/)
胡 - Wikipedia コンテンツにスキップ

えびす

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

えびす)は、古代こだい中国ちゅうごく北方ほっぽう西方せいほう民族みんぞくたいする蔑称べっしょう[1]。「胡瓜きゅうり」、「胡弓こきゅう」、「えびすひめ」のように、これらの民族みんぞく由来ゆらいのものであることしめ用法ようほうがある。

もともとの意味いみは、「あごひげ」がながひとである[2]

西にしえびす

[編集へんしゅう]

えびす」は戦国せんごく時代じだいうちモンゴル塞外さいがい民族みんぞくしていたが(→北狄ほくてき)、はたかんあさではとく匈奴きょうどすことがおおくなった。とうだいにいたり、シルクロード往来おうらい活発かっぱつになると、「えびす」はとくに「西にしえびす」ともいわれ、西方せいほうペルシャけい民族みんぞくソグドじん)をすようになった。かれらがトルキスタンから唐土とうどはこんだ文物ぶんぶつ風俗ふうぞくは「えびすふう趣味しゅみ」として愛好あいこうされ、えびすふくえびすふええびすまいなどが中国ちゅうごくいち文化ぶんかとして根付ねついていった。

ひがしえびす

[編集へんしゅう]

春秋しゅんじゅう時代じだいからかんだいにかけうちモンゴル東部とうぶにいた遊牧ゆうぼく狩猟しゅりょう民族みんぞくで、えびす匈奴きょうど)の東方とうほうんでいたことからの呼称こしょうという[3]モンゴル(またはテュルク)とツングースの雑種ざっしゅであり[よう出典しゅってん]しんだいになると一時いちじ匈奴きょうど圧倒あっとうしたが、おかせひたすらたんにより壊滅かいめつさせられた[3]がらす鮮卑はその後裔こうえいといわれる[3]

朝鮮ちょうせんにおけるえびす

[編集へんしゅう]

朝鮮ちょうせんで、えびす (호)には、「中国ちゅうごく夷狄いてきんだ言葉ことば[4]のほか、「おんなしんぞく 中國ちゅうごく東北とうほく蠻人ばんじん[5]、「豆満江とうまんこう北部ほくぶんでいたおんなしんぞく[6]などの意味いみがある。また、朝鮮ちょうせんでは、きよしえびす位置いちづけて[7]きよし (きよし)」のことを「えびすこく (えびすこく)」と呼称こしょうし、まもるせい斥邪見地けんちから[7]人倫じんりんてきおよび文化ぶんかてき夷狄いてきそくえびすとりこするたいしんかん一貫いっかんしてながれていた[8]。この背景はいけいには、朱子学しゅしがく名分めいぶんろんもとづいてあきらあがめ、きよしえびすとしてなみしめる風潮ふうちょう[9]中華ちゅうか文明ぶんめい伝統でんとう清朝せいちょうによって夷狄いてきしたとして蔑視べっしし、そのひとびとを「えびすとりこ」か「いぬひつじ」とけなし、中華ちゅうか正統せいとうぐのは朝鮮ちょうせんだけだという唯我独尊ゆいがどくそんてき小中こなかはな思想しそうがあった[10]

漢字かんじ文化ぶんかけんには古来こらいより「えびす」というせい存在そんざいし、れいふとしきさきちちえびすこくめずらしきたそう儒者じゅしゃえびす安国やすくに中国共産党ちゅうごくきょうさんとうそう書記しょき胡錦濤こきんとう、ベトナムの国父こくふホー・チ・ミン胡志明ほうちみん)などがいる。

その起源きげんは、華人かじん同化どうかした民族みんぞく出身しゅっしんものかんふうせいけたのがはじまりともわれるが、つうこころざし氏族しぞくりゃくつたえるところによると、春秋しゅんじゅう時代じだいひね初代しょだい君主くんしゅえびすこう由来ゆらいし、ひね滅亡めつぼうひねのこみん名乗なのったのがはじまりとかれている。

ひゃくいえせいにおいて、「えびす」のせいじゅうさんだいせいひとつにかぞえられている。

えびす」のつく言葉ことば

[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ 相原あいはらしげる/荒川あらかわ清秀きよひで/大川おおかわかん三郎さぶろうぬしへん東方とうほう中国語ちゅうごくご辞典じてん東方とうほう書店しょてん/北京ぺきん商務しょうむしるししょかん共同きょうどう編集へんしゅう、2004ねんISBN 978-4497203120、554ぺーじ
  2. ^ http://www.zdic.net/z/21/xs/80E1.htm
  3. ^ a b c 安田やすだ二郎じろう「とうこ ひがしえびす Dōng hú)」『平凡社へいぼんしゃ世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん だい20かん平凡社へいぼんしゃ、2007ねん9がつ1にち 改訂かいてい新版しんぱん発行はっこう、19ぺーじ
  4. ^ 安田やすだよしみのるまごらくはん [へん]『エッセンスかんにち辞典じてん 机上きじょうばん』1989ねん1がつ20日はつか発行はっこう民衆みんしゅう書林しょりんISBN 4-89174-105-8、2437ぺーじ。「胡亂うろん」=「えびすじんによる兵亂へいらん」(どう2239ぺーじ)、「えびすじん」=「まんしゅうじん野蠻やばんじん外国がいこくじん」(どう2243ぺーじ)
  5. ^ ひろ出版しゅっぱん編集へんしゅう [へん]『最新さいしんかんかん辞典じてん』、1984ねん初版しょはん発行はっこう、1989ねん1がつ20日はつか改訂かいていばん発行はっこう民衆みんしゅう書林しょりんISBN 4-89174-106-6、626~627ぺーじ
  6. ^ 大阪外国語大学おおさかがいこくごだいがく朝鮮ちょうせん研究けんきゅうしつ [へん]『朝鮮ちょうせんだい辞典じてん角川書店かどかわしょてん昭和しょうわ61ねん2がつ20日はつかISBN 4-04-012200-3、2575ぺーじ
  7. ^ a b きん秉洞朝鮮ちょうせんじん日本にっぽんかん: 歴史れきし認識にんしき共有きょうゆう可能かのうか』総和そうわしゃ、2002ねん、66ぺーじ
  8. ^ 飯沼いいぬま治郎じろうきょうざい近代きんだい朝鮮ちょうせん社会しゃかい思想しそう未来社みらいしゃ、1981ねん、46ぺーじ
  9. ^ きむ哲央てつお人物じんぶつ近代きんだい朝鮮ちょうせん思想しそう雄山閣ゆうざんかく、1984ねん、76ぺーじ
  10. ^ かわ宇鳳朝鮮ちょうせん実学じつがくしゃ近世きんせい日本にっぽん』ぺりかんしゃ、2001ねん、389ぺーじ

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]