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自主じしゅ規制きせいおん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

自主じしゅ規制きせいおん(じしゅきせいおん)は、テレビラジオなどの音声おんせい放送ほうそうしたりひろ販売はんばいされたりするメディアで、表現ひょうげん自主じしゅ規制きせいなどのために特定とくてい語句ごくせるためにもちいられる、「ピー」などのかぶせおんのこと。

代表だいひょうてきおとが「ピー」とこえることから「ピーおん(ピーおん)」ともばれる。

概要がいよう

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報道ほうどう番組ばんぐみ生放送なまほうそう

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報道ほうどう番組ばんぐみドキュメンタリーでは、放送ほうそう禁止きんし用語ようごプライバシー侵害しんがいおそれのある氏名しめいなど、報道ほうどうするのに相応ふさわしくない語句ごくせるためにもちいられる。しかしニュース番組ばんぐみでは後述こうじゅつする生放送なまほうそう部分ぶぶんおおく、さらに事前じぜん編集へんしゅうした映像えいぞうでは自主じしゅ規制きせいおんれるとかえって違和感いわかんがある場合ばあいもある。そのためそのような素材そざい使つかわずに無音むおんにするか、自主じしゅ規制きせいおん使つかってもひかえめにすることがおおい。しかし、その映像えいぞう暴力ぼうりょくせい自体じたいにテーマがある場合ばあいなどその素材そざい利用りよう不可避ふかひ場合ばあいは、必要ひつよう箇所かしょで「ピーおん(1kHz正弦せいげん)」などをかぶせて、その素材そざい十分じゅうぶんかすこともある。

生放送なまほうそうでは、自主じしゅ規制きせい必要ひつよう発言はつげんなどにあわせて、臨機応変りんきおうへん自主じしゅ規制きせいおんをかぶせるのは困難こんなんである。このため、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくテレビ局てれびきょくなどでは生放送なまほうそうさいに、映像えいぞう音声おんせい遅延ちえん送出そうしゅつシステムとおして、30びょうから1ぶん時差じさけて放送ほうそうすることがある。万一まんいち自主じしゅ規制きせい必要ひつよう発言はつげんなどがなされた場合ばあいは、即座そくざにその部分ぶぶんさかのぼって自主じしゅ規制きせいをかけられるようにするためである。同様どうようのシステムは日本にっぽんでも一部いちぶ導入どうにゅうされている。放送ほうそう禁止きんし用語ようごがあった場合ばあいは、テレビ局てれびきょくアナウンサーが「不適切ふてきせつ表現ひょうげんがございました」とびることがあるが、どの言葉ことばが「不適切ふてきせつ表現ひょうげん」であったかは「不適切ふてきせつ表現ひょうげん」をさらかえすことをけるため、明示めいじされない。

バラエティ番組ばんぐみ

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バラエティ番組ばんぐみではおもにいわゆる放送ほうそう禁止きんし用語ようごや、一般いっぱんられると都合つごうわる大物おおもの芸能人げいのうじんなどの人物じんぶつ名前なまえなどにたいもちいられる。一方いっぽうで、本来ほんらい規制きせいする必要ひつようがないが、視聴しちょうしゃ興味きょうみさそうための演出えんしゅつとして使つかわれることもある。たとえばその芸能人げいのうじん簡単かんたん特定とくていできるように編集へんしゅうされていたり、語句ごく一部いちぶしかかぶせていなかったり、CMけや、次回じかい放送ほうそうせられた内容ないようあきらかになることをにおわせていたりなどである。また、これにかぎらず作品さくひんづくりにおいては本来ほんらい使用しよう目的もくてき放送ほうそう禁止きんし用語ようご隠蔽いんぺい)を逆手さかてにとり、なんでもない言葉ことばをあえてピーおんかくして(放送ほうそう禁止きんし用語ようごっているとおもわせることで)視聴しちょうしゃ関心かんしんあおるという使つかかたもある。

クイズ番組ばんぐみではクイズ正解せいかい最後さいご発表はっぴょうする場合ばあいおお使つかわれる。制限せいげん時間じかんない解答かいとうしゃ正解せいかいこたえた場合ばあい、まだ正解せいかいかんがえている視聴しちょうしゃからないようにせる目的もくてきとなっている。また回答かいとうとう放送ほうそうするのに相応ふさわしくないと判断はんだんされた場合ばあいも、当該とうがい語句ごくせる目的もくてきもちいられることもおお[ちゅう 1]

バラエティ番組ばんぐみとその形式けいしきむメディアでは、自主じしゅ規制きせいおん記号きごうとしてはたらいていることもある。本当ほんとうってはいけない言葉ことば編集へんしゅうでほぼかならられるので、そういう場合ばあいにピーおんがかぶせられることはほとんどない[ちゅう 2]

アニメ・ドラマ・映画えいが

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ふる映画えいが落語らくごアニメなどの作品さくひん放送ほうそうするさいに、作品さくひんちゅう語句ごく問題もんだいとなる場合ばあい無音むおんにしたりその部分ぶぶんをカットしてしまったりすることがおおい。また、その芸術げいじゅつせい尊重そんちょうする場合ばあいにはことわりをいれたうえでそのまま放送ほうそうすることもある。くわしくは放送ほうそう禁止きんし用語ようご参照さんしょう

また一部いちぶのアニメでは、ギャグやネタの一環いっかんとして自主じしゅ規制きせいおんもちいる場合ばあいがあるが、これは前述ぜんじゅつしたバラエティ番組ばんぐみ同様どうようもちかたである。海外かいがいアニメのさいくにによって基準きじゅんちがうため、セリフの語句ごく問題もんだいがある場合ばあいはカットやセリフ変更へんこうはいることがある。現在げんざいでは、収録しゅうろくした音声おんせい編集へんしゅうして、ピーおとあるいは、一部いちぶ無音むおんになることがある。OVAでは、規制きせい自体じたいゆるいため、放送ほうそう禁止きんし用語ようご公然こうぜんていることがある。

アダルト関連かんれん

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アダルトビデオアダルトゲームなどでは、スラングせいかんする隠語いんご一部いちぶあるいは性器せいきそのもののかたり自主じしゅ規制きせいおんがかけられている。アダルトゲームメーカーのおおくが加入かにゅうするコンピュータソフトウェア倫理りんり機構きこう(ソフりん)では、自主じしゅ規制きせいという名目めいもくながらつよ審査しんさおこなっている。

自主じしゅ規制きせいおんのバリエーション

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この自主じしゅ規制きせいおんのバリエーションとして、以下いかのようなれいがある。

ピー(正弦せいげん1kHzきろへるつ
もっと多用たようされるであろうおとで、報道ほうどう番組ばんぐみにおいてももちいられることがある。放送ほうそうようミキサーなどにはテストトーンとして正弦せいげん1kHzきろへるつ音響おんきょう信号しんごう生成せいせいする機能きのうがある。このテストトーンを自主じしゅ規制きせいおんもちいたのが「ピーおん」のはじまりとかんがえられる。違和感いわかん緩和かんわするため、効果こうかおんあつかいでピッチを多少たしょうえたおとにすることもある。
無音むおんにする
自主じしゅ規制きせい必要ひつようだがなるべく違和感いわかんをなくしたい場合ばあいなどに使つかわれることがある。音声おんせい外国がいこくで、おおくの視聴しちょうしゃ日本語にほんご字幕じまく注目ちゅうもくしているような場合ばあい音声おんせいの1単語たんご程度ていど無音むおんにした程度ていどではあまりづかれないこともおおい。素材そざいがマルチトラックの場合ばあいなど、BGM効果こうかおんはそのままで、台詞せりふだけを無音むおんできるようなときにはとくにその傾向けいこうつよい。1960年代ねんだい~1970年代ねんだい放送ほうそうされた日本にっぽんのテレビアニメのさい放送ほうそうに、差別さべつ用語ようごふくまれている箇所かしょ使つかわれる。
ズキューン/ダダダダダ(拳銃けんじゅう発射はっしゃおん機銃きじゅう掃射そうしゃおと)、ドカーン/チュドーン(爆発ばくはつおと)、チン/カーン(リンゴングおと)、バーン(破壊はかい破裂はれつおん)などの具体ぐたいてき効果こうかおん
バラエティ番組ばんぐみ放送ほうそう禁止きんし用語ようごおもせいかんする隠語いんご)をせるのにもちいられる。
電子でんしおん(ピヨピヨ、ぼよよよよ…)
クイズ番組ばんぐみ正答せいとうせるさい使つかわれることがある。
アーン(女性じょせいあえごえ
おも女性じょせい声優せいゆう女優じょゆうなどのこえをあらかじめ収録しゅうろくしたものを[ちゅう 3]使つかう。ただし、これはもっぱ性的せいてき発言はつげんたいしてのえ(※一部いちぶ例外れいがいあり)であり、一般いっぱんてき使つかわれかたをすることはまずない。

これ以外いがいにはコンピュータゲームのサウンドトラックなどからった効果こうかおんもちいられる。たとえば『パロディウスだ! 神話しんわからおわらいへ』のルーレット回転かいてんちゅう効果こうかおんや『スーパーマリオブラザーズ3』のパワーメーターフル状態じょうたい[ちゅう 4]効果こうかおんがよく使つかわれる。

また、近年きんねんではテレビ放送ほうそう映像えいぞうソフト・配信はいしんけなどの映像えいぞうコンテンツについては、せるべき発言はつげん問題もんだいのある発言はつげん発表はっぴょうまえ正解せいかいなど)が読唇術どくしんじゅつなどで音声おんせいながれなくとも映像えいぞうからられることをふせぐため、当該とうがい発言はつげんをした人物じんぶつ口元くちもとを(作中さくちゅうで)関連かんれんせいのあるロゴタイプなどでかくしながら自主じしゅ規制きせいおん(ピーおん)をらす併用へいよう方式ほうしきえている[ちゅう 5]。 フジテレビ「北野きたのファンクラブ」においては、ながくなる場合ばあいBGMをかぶせることがある。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 日本にほんテレビ系列けいれつ放送ほうそうされていた『マジカル頭脳ずのうパワー!!』や『スーパークイズスペシャル』では、放送ほうそうすることに適当てきとう解答かいとう銃声じゅうせいとう効果こうかおん自主じしゅ規制きせいする手段しゅだんひろ使つかわれていた。
  2. ^ やしきたかじんかんむり番組ばんぐみ収録しゅうろくじょう時間じかんオーバーをのぞいて「ったらめる(降板こうばんする)」という出演しゅつえん条件じょうけんがあるため、らずに自主じしゅ規制きせいおん口元くちもとスーパーモザイク処理しょりかく編集へんしゅうをされることがおおい。この手法しゅほうは『つるびん上岡かみおかパペポTV』のマルきんマーク最初さいしょ
  3. ^ 映像えいぞう作品さくひん(アニメ・ドラマ・映像えいぞうソフト作品さくひんなど)などからの流用りゅうようもあるが、この場合ばあいもとネタ作品さくひん版権はんけんもとなどにたいして使用しようけん許可きょかりてからとなる。
  4. ^ 読売よみうりテレビ制作せいさく日本にほんテレビけいダウンタウンDX』のように、芸人げいにん主体しゅたいトーク番組ばんぐみバラエティ番組ばんぐみでの頻出ひんしゅつなにかとおおい。
  5. ^ かつては口元くちもとにモザイク処理しょりやシェイプ加工かこう顔写真かおじゃしん加工かこうイザワオフィスのコント作品さくひん(テレビ放送ほうそう映像えいぞうソフト作品さくひん)など)といった簡素かんそ手法しゅほうがなされていた。

関連かんれん項目こうもく

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