薛稷

薛稷きび（せつしょく、貞さだ観かん23年ねん（649年ねん） - 先天せんてん2年ねん（713年ねん））は、中国ちゅうごく唐とう代だいの書家しょか・画家がか。欧おう陽ひ詢・虞おそれ世よ南みなみ・褚遂良りょうとともに初はつ唐とうの四よん大家たいかに挙あげられる。字じは嗣通。高祖父こうそふは薛道衡。曾祖父そうそふは薛大年ねん。祖父そふは薛行成なり。父ちちは薛仁偉えら。子こは薛伯陽ひ。

本ほん貫ぬきは蒲かばの州しゅう汾陰県けん。高級こうきゅう官僚かんりょうを代々だいだい輩出はいしゅつする名門めいもん一族いちぞくの出身しゅっしんで、母方ははかたの祖父そふの魏ぎ徴ちょうは有力ゆうりょくな政治せいじ家かだった。武たけ周あまねのとき進士しんしに及第きゅうだいし、官位かんいは太子たいし少しょう保ほ・礼れい部ぶ尚書しょうしょまで上のぼる。薛少保ほと人々ひとびとから呼よばれた。

魏ぎ徴しるしの家いえには膨大ぼうだいな碑いしぶみ帖じょう・書籍しょせき・書画しょがなどが収蔵しゅうぞうされていたが、特とくに虞おそれ世よ南みなみや褚遂良りょうの墨跡ぼくせきが多おおかったため、薛稷は日夜にちや臨模りんもに明あけ暮くれて書画しょがの研究けんきゅうを行おこなった。人物じんぶつ画が・花鳥かちょう画が・仏画ぶつがに優すぐれたが、とりわけ鶴づるの図ずが有名ゆうめいとなった。五ご代だいの前ぜん蜀しょく・後こう蜀しょくの黄き筌にいたるまで薛稷の鶴づるの図ずを超こえる作さくはなかった。^{[要よう出典しゅってん]}

北きた宋そうの徽宗の書体しょたいである痩やせ金きん体からだは薛稷の書体しょたいに啓発けいはつされ発展はってんさせたものとみられる。清きよしの呉ご荷に屋やは薛稷を絶賛ぜっさんし、欧おう陽ひ詢・虞おそれ世よ南みなみ・褚遂良りょうと並なべて初はつ唐とうの四よん大家たいかに挙あげている。

先天せんてん2年ねん（713年ねん）、太平たいへい公主こうしゅのクーデターに連座れんざして獄死ごくしする。

作品さくひん